コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

恋花火―ひと夏の恋―
日時: 2017/08/30 02:10
名前: Aika

*:+;-prologue-;+:*




パッと咲いて
切なく、 鳴り響く花火の音。



隣には。



愛しい君がいて…
この手を離したくない。
そう思っていた、のに―――。










その願いは叶わなかった。






***恋花火―ひと夏の恋―***



更新start→2016.6.11
更新end →


<<目次>>

登場人物紹介>>1

@1:止まった時間
第1話>>2 第2話>>3 第3話>>4 第4話>>5
第5話>>6 第6話>>7 第7話>>8 第8話>>9
第9話>>10第10話>>11 第11話>>12 第12話>>13
第13話>>16 第14話>>17 第15話>>18 第16話>>19
第17話>>20 第18話>>21

@2:絡み合う想い。
第19話>>22第20話>>23第21話>>24第22話>>25
第23話>>26第24話>>27第25話>>28第26話>>29

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Re: 恋花火―ひと夏の恋― ( No.25 )
日時: 2017/08/13 23:55
名前: Aika

Episode22:積み上げてきた関係。




報われない想いほど
ひどく、 辛い感情なんてない―――。
それなら、諦めてしまえばいい。
誰だってきっと、そう思うだろう。

だけど、現実はそう簡単になんか回ってくれなくて。
諦めようとすればするほど、 貴方のことばかり考えて…もっと好きになってしまう。


*******************************************************


■青葉side■


去っていく輝の背中を…あたしは追いかけることもできず、ただ呆然と立ち尽くしていた。
思考も完全に停止している状態だった。

――あたし、 今…輝にキスされた?

事の状況を把握し始めたのはそれから数分後ぐらいで。徐々に冷静になるにつれて顔が熱くなっていくのがわかった。

重なった唇の感覚も力強く引っ張られた腕の感覚も…まだ、かすかに残っていて。
現実のことだと言わんばかりに主張しているようにも感じる。

「ほんっと…やめてほしい」

爽のことで頭がいっぱいなときに。
こんなことするなんて。

「輝と…明日からどんな顔して会えばいいの?」



■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■



それからどこをどう歩いて帰って来たのか、思い出せない。そんな上の空状態のまま帰宅した。

「おー!青葉おかえり。遅かったな今日」
「ただいま。まぁ、部活が長引いて…あれ?お母さんとお父さんは?」

家のなかには爽の1人しかいなくて。
気になって話の途中で聞くと。

「何言ってるんだよ、青葉。今日から二人で旅行って言ってただろ。一泊二日で」

その言葉に衝撃が走った。

「はぁ!?マジで!??」
「うっせーな、大声出すなよ。前から言ってたぞー!知らなかったのか?」
「いや、今日初めて聞いたけど」
「あー、まぁ…青葉はいつも部活で家にいねーことの方が多かったから知らなくてもおかしくねぇか」

1人でそう言って納得している爽。
いや…大声だして驚いたのは、旅行にいくことじゃなくて。年頃の血の繋がりのない姉弟を置いていく親ってどうなのってところで反応したんだけど。
でも、まぁ。爽のやつは普段と何も変わらないし。
あたしばっかりが意識しても馬鹿みたいだし何も考えずに過ごそう。うん。

今夜だけ耐えれば明日には帰ってくるわけだしね。

「飯、食うか?」
「あー!食べる」

爽にむかって答えると、あたしの分のご飯をレンジで温め直して出してくれた。なんか…こういうちょっとした優しさにドキドキしちゃうんだよな。

「ありがと」
「おー。じゃあ、俺は風呂入ってこようかな」

そう言い残して。爽はリビングから出ていきお風呂場へと向かっていった。
爽がいなくなって、ほっとするあたし。

爽は、きっと…あたしと二人っきりでも何も意識なんかしてないんだろうな。
そう考えると少しだけ胸が痛む。わかってたことなのに。

「あたしばっかり意識して…ほんとバカみたいだわ」

それから何も考えないようにして、黙々と夕飯を食べ進めた。食べ終えてから洗い物をした。そんな一通りの家事を終えてから、ソファで横になっていると―――。

瞼が徐々に重くなって。それから閉じられる。

夢の中に出てきたのは―――。



『青葉―――』



誰?
あたしの名前を呼ぶのは、 誰の声?





あたしの方へとその声の主は手を差し出す。
その手を取るようにあたしも手を伸ばしたけど。
掴めずにその姿は消えてしまった。


―――嫌だ、 待って。
あたしを置いてけぼりにしないで。



「っ…爽―――!」

そこで目を開けると。

「うわっ…びっくりしたー」

すぐ近くに爽の顔があって。とっさに握ってしまったのかあたしの手のなかには爽の服の裾の部分が入っている。

「そ…う…」

目にはなぜか涙がたまっていて。
今にも泣き出しそうな顔をしている。
なんで、 悲しくもないのに涙なんか出てるんだろう。

「ごめっ…すぐ離す、からっ…わっ!」
「えっ…」
ソファから起き上がって裾の部分を離すつもりが謝って強くつかんでしまい。立ち上がりかけていたバランスが崩れて、爽を間違えて引き寄せてしまった。そのせいで爽があたしの上に馬乗りになる形になってしまった。

「えっと…」

この状況は…ヤバイのではないのかな?

近くにある爽の顔。
お風呂上がりで濡れた髪。かすかに香るシャンプーの匂い。唇までは、ほんのわずかで触れる距離。



「青葉―――」



不意に名前を呼ばれると。



彼は小さく呟いた。



「ごめん」







それから、 唇にそっと触れたのは。










愛しい貴方の唇―――。






Re: 恋花火―ひと夏の恋― ( No.26 )
日時: 2017/05/28 00:26
名前: Aika

Episode23:偽りの答え。




お互いに好きなのに。
結ばれてはならない。

この恋を終わらせるには、 どうしたらいい―――?



*********************************************************



『ごめん―――…』


あのとき。
爽は小さくそう呟いて。
たしかに、 あたしの唇をふさいだ。


あたしはといえば。
突然のことにビックリして。


『っ…やだっ!!』


そう言って。
勢いよく爽を突き飛ばして。
慌てて逃げるようにリビングから出ていき、自分の部屋へと入っていった。

そして、いま。

ベッドに横たわっている状態―――。




明かりもつけない暗い部屋のなか。
月の光だけが窓から差し込んでいた。



あのときは、気が動転して…あんな態度をとったけど―――。
本当は嫌なんかじゃなかった。
だけど―――。


「爽のバカ…」


なんで、 キスなんかしたの―――?

キスをさせた原因は…あの状況だったらあたしの方にもあるかもしれない。
でも、 貴方だって分かってるでしょ?

いくら血が繋がっていなくても姉弟なんだから
ノリでしていいことと駄目なことがあるよ。


そこまで自分で考えて涙が溜まってくる。


「…好きな人とのキスのはずなのになぁ」


なんで、 こんなにも悲しい気持ちになるのかな―――?



*******************************************************



翌朝。
いつも通りあたしは朝練があるため、早く起きる。
なんか、考えすぎてちっとも眠れなかった。

輝も爽も…どっちも勝手だ。
いい加減な気持ちであたしの想いを振り回してかきみだす。

そんな事を考えながら朝食とお弁当を準備していると。

「おはよ」

突然、背中からそんな声が聞こえて。
勢いよく振り向いた。

そこには、寝起きの爽がいたから。

「おは、よ。どうしたの?今日は随分と早起きじゃん」

いつもギリギリに起きてくる爽が、珍しく早起きなので不審に感じながらそう話しかけると。

爽はあたしの顔を真剣に見つめて。

そして、口を開いた。

「―――昨日は、 ごめん。あんなことして」

その言葉に。
お弁当を作っていた手が止まる。

あたしは、いったん作業を中断して。

爽の方へと振り返る。

「―――なんで…あんなことしたの?」

震える声で…そう聞いた。
聞いちゃいけない。そうわかっていても聞かずにはいられなかったから―――。



少しの沈黙が2人の空間に流れたあと。




その沈黙を破るかのように、 爽はあたしの瞳を真っ直ぐに見つめながら。
言葉を紡ぐ。






「―――青葉のことが…ずっと好きだったから」







予想外のその言葉に。


あたしは、 目を見開いてしまった。
ノリで…とか。どうせそんな答えが返ってくるだろうと思っていたのに―――。



「俺だって…しちゃダメだって分かってたけど。抑えきれなかった」



自分の手を強く握りしめながら。
歯を食いしばる爽の姿を直視できず。
あたしは、目を伏せた。




ここで…あたしも、貴方が好きだって言ったら。





貴方は、 どんな顔をする―――?








「爽…あたしはっ―――」








そこで、 ハッとして。
あたしは、 紡ごうとしてた言葉を飲み込んで。
それから、 再び口を開く。







「―――あたしは、 あんたのこと…弟としてしか見れないから…だから、 ごめん」








その言葉を聞いた、 彼は。
薄く笑みを浮かべて。







「だよな、 ごめんな。気持ちわりぃこと言って…今のことと、 昨日のことは忘れてくれ」






力なくそう言って。

自分の部屋へと帰っていった。
それからあたしは黙々と2人分のお弁当と朝食を作って。身支度をして。
家を出た。




雲一つない澄みきった青空を見上げながら。
その場でボソッと呟く。





「―――これで、 よかったんだよね」






両思いだと…お互いに分かったって。
うちらの立場じゃあ付き合えるわけなんかない。
それなのに、 自分の正直な想いを告げたって。
また、爽を傷つけるだけだ―――。




「…ッ……」





とめどなく、 流れる涙の雨。

あたしの心の中は…嘘をついてしまった爽への罪悪感で押し潰されそうだった―――。

Re: 恋花火―ひと夏の恋― ( No.27 )
日時: 2017/06/04 17:11
名前: Aika

Episode24:戻れないとしても。




誰かに想いを寄せては。
その想いは叶わず、 涙する…。


口にはせずとも、多分全員知っている。

この恋は、 誰も幸せにはしてくれない―――。




■空side■


「わたし、さ。実は夏祭りの日に海里にフラれたんだ」

いつも通りのお昼休み。
青葉はバスケの自主練習だとかでおらず、七夏とわたしだけの2人だけでお弁当を広げているとき。

七夏の突然の発言に思わずむせてしまった。

「なにそれ!聞いてないんだけど!」
「だって今初めて言ったもーん」

そして、わたしは。
それについてどのように反応するのが正解なのか分からなくて。
押し黙ってしまった。

そんなわたしをみて。

七夏は優しい顔で言う。


「でも、わたし…気にしてないんだ」
「え?」
「最初っから…海里が誰を好きなのかなんて何となく分かってたから」


このときの七夏は笑っていたけど。
どこか、無理しているようにも見えた。

わたしに、 気を使って無理にそう言ってくれている。そう思うとわたしも心がぎゅっとしめつけられて…。

「だから、さ。空もわたしに遠慮なんかしないで海里のところに行っていいんだからね?」
「―――いかないよ、わたしは」
「え?」

いかない、というより。
いけない。

海里は真剣にわたしを想ってくれている。
それなのに。
蛍にフラれたからって簡単に海里のもとに行っていいわけがない。

「―――わたしには…海里のもとに行く資格なんかない。それに」





それに。
いまは、まだ―――。







「―――あの人を…まだ、 好きでいたい」







無理だってことは。
あの夏の夜にはっきりと思い知らされた。


それでも。







抱き締められたときに、 気づいてしまった。










君がわたし以外に特別に想う人がいても。
わたしなんか、もう嫌いだとしても。
瞳に映らなくとも。






それでも。







純粋に…まだ、今でも
君が好きだってこと―――。







Re: 恋花火―ひと夏の恋― ( No.28 )
日時: 2017/06/18 14:03
名前: Aika

Episode25:揺れる心。




誰もいない教室で。
1人、 泣きじゃくる君を。



俺はなぜか、 放っておくことができなかった。




君のもとへ、 行く資格なんかないと分かっていたのに―――。




***********************************************************



■蛍 side■



夏祭りの日に、 再会した君は。
あの頃よりも大人びていたけど。
どこかに、面影が残っていて―――。

懐かしい感覚にとらわれた。

空は今にも泣き出しそうな顔をして。
かすれた声で俺の名前を呼んできた。

きっと、 空はあの日の約束を今でも忘れずに覚えていてくれて…ずっと俺のことだけを待っていてくれたに違いない。

けれど、 俺は。

そんな空を振り切って、 ひどい言葉をあびせて。
目も合わせずに空のもとから離れていく。




―――俺には。


もう、 空のことを幸せにする資格なんかない―――。



■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □


お昼休み。
俺は窓際で友達と楽しそうに話す空の顔を眺めていた。

昨日の放課後。

教室で1人、 泣きじゃくっていた空が気になっていたから―――。

あの様子だったら…心配、 ないか。

そんな事を思いながらお弁当を広げると。

「ほーたる!一緒に食おーぜ!」

下の名前でいきなり、呼ばれ。
ビックリして顔を上げると。
そこには、 同じクラスと思われる男子生徒の顔だが…転校してきて2日目。クラス全員の顔と名前なんか一致するわけがなかった。

「えーっと…」

しどろもどろの状態になっていると。
その男子生徒がハッとしたような顔をして、ニコッと笑って言う。

「そーだよな、自己紹介まだだったな。俺は椎名海里!サッカー部所属!よろしく」
「うん、よろしく」

こんな風に話しかけてくれるなんて。
結構…良い奴、だな。
なんか爽やか系っていうか。いかにも女子にモテそうなタイプだな。

「蛍ってさー、前の学校だと何部だったんだ?」

海里は俺の横の席に座って、お弁当をつまみながらそんな事を聞いてくる。

「海里と同じで、俺もサッカー部だったよ」
「えー!マジかよ!じゃあ、サッカー部入らねぇ?」

俺はその言葉に。
少しだけ間をあけたあと。
口を開いた。

「―――俺…部活は入らねぇって決めてるから。ごめんな、誘ってくれたのに」

そう答えると。
海里はそれ以上はなにも言わずに。

「そっかー、わかった。けど、見学だけとかそれでも大歓迎だしいつでも来いよな」
「うん…ありがと。海里って良い奴だな。なんか、女子にモテそう」

何気なくそう言うと。
海里は否定し始めた。

「ないない!それに、俺…ずっと好きだった子にフラれたばっかりだし」
「えっ…マジ?」
「うん…」
「海里をフるとか…もったいねぇことするのな」

笑いながらそう言うと。

海里は目を伏せて。
小さくうそぶいた。

「けど…まだ、全然諦めがつかないんだよな」

さっきまで明るかった海里からは想像もできない。
せつなげな瞳。

「その子とは…同じクラス?」
「まーな!しかも、結構一緒にいることが多いかな。隣の席だし」
「はぁ!?隣の席って気まずくね?」
「ははは…おっしゃる通りで…向こうも前みたいに話せなさそうで困ってた。…困らせたくて告白したわけじゃねーのにな」

いとおしそうに、 その子のことを思いながら言葉を紡ぐ海里の姿に。
本当に大切に思っていることが伝わってきた。
いつか、 海里の想いが叶えばいいのに。

相手が誰だか分かるまでは…俺は、呑気にそんな事を感じていた。




―――キーンコーン…。




昼休み終了のチャイムがなり。
全員が慌ただしく席につく。

そういえば、 海里の好きな女の子って誰なんだろ。たしか、隣の席って言ってたな―――。


なんて、思いながら海里の席を探すと。
隣にいたのは―――。






「……ッ…」








海里と耳打ちして。
楽しそうに笑っている、 空の姿―――。









何を…動揺してるんだ、俺は。











空のことは…もう、 過去なんだから―――。
俺には、 こんな感情を抱く資格なんかない。







ずっと、 そうやって自分に言い聞かせていた。

Re: 恋花火―ひと夏の恋― ( No.29 )
日時: 2017/08/30 02:08
名前: Aika

Episode26:傾く心。




■青葉 side■




お昼休み。
無心であたしは、シュート練習を一人でしていた。

バスケをしているときだけは、余計なことを何も考えなくて済む―――。


そう思ったから―――。



―――ガンッ。




ゴールの縁に当たったボールが
跳ね返って床に落ちた。

コロコロと転がるボールを。



「―――めずらしいな。青葉がフリースローの距離でシュート、はずすとか」


そう言って。
ボールを拾って、あたしに向かってパスをした人物がいた。
あたしは、そのボールを片手で受け止めて。
ため息をついた。

それから、その人と向き合う。



「―――輝。どーしたの?昼休みに」
「青葉こそ、何してんだよ」

質問を質問で返されて。
あたしは、ムッとしながら答える。

「別に。見たら分かるでしょ、自主練習だよ」

輝から目を背けて。
あたしは、練習の続きをした。

しばらく、無視すればどこかに行くだろう。
そう思っていたから―――。


「練習熱心なのな」
「まぁね。分かったらどっか行って。邪魔だから」

適当にあしらうと。
輝はあたしに向かって、言葉を投げ掛けた。

「あの、さ…昨日はごめん」

力ない言葉に。
あたしの動きは止まる。

そっか、昨日は―――。

爽の告白とキスもあったけど。輝からの…キスもあったんだっけ―――。




「別にいーよ。気にしてないし」
「―――それ、嘘だろ」


遮った輝の言葉に。
あたしは、何も言い返すことができなかった。

それから輝はあたしの方へ近寄って。
今まで目線を合わせていなかったあたしを。
無理やり、自分の方へと向かせた。

そのとき。あたしの両手からボールが落ちて。
コロコロと床に転がっていた。

そんなことは、気にせずに輝は口を開いた。



「―――俺の目見て…さっきと同じ事、言える?」




まっすぐな瞳の奥には、ゆらゆらと自分の顔が写っている。

あたしは、すぐに即答することができなかった。


たしかに。
輝の言うとおりで、あたしは昨日のコトを意識している。


「――ごめん、ほんとのコトを言うと…あんたの言うとおり、気にしてるよ。でもっ…謝って欲しいわけじゃないから」

そうだ。
気にはしているけれど…でも。
怒って輝を責めようっていう気持ちにはなれない。


「怒ってるわけじゃないの。たぶん…あれが初めてのキスだったから…だから、動揺してるだけというか――」

そうだ、 ファーストキスだったから。
だから…こんな複雑な気持ちなんだ、あたし。

それを聞いた輝は。
さらに、焦った様子になっていた。

「えっ!そしたら、俺…マジで申し訳ないんだけど」
「――いいの!ほんと、怒ってないし!たしかに初めてのキスがあの形はあたし的にはショックだけど…でも」


ひとつだけ、気づいたこと。
それをあたしは、口にする。




「―――はじめてが…輝でよかった」





その言葉を聞いた輝の顔を横目でみると。
真っ赤になって…唖然としていた。
その姿を、あたしは可愛いと思ってしまった。




あたしは、輝から背を向けて。
再び練習に戻ろうとした。
だけど――。



勢いよく腕を捕まれて。




輝が赤い顔のまま、 あたしに向かって言う。





「そんなこと、言われたら…期待するよ?俺――」






自分でも何言ってるんだって思う。
でも。




この鼓動の高鳴りは。






「――勝手にすれば」







ほんの少しだけど。





貴方に想いが傾いている証拠――。
このときのあたしは、 そんなことを感じていた。

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