コメディ・ライト小説(新)

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【主人】と【相棒】の【混合種】
日時: 2016/11/25 15:45
名前: 璃

主人マスター
他者が他者に従属を誓うとき、誓われた側が名乗る称号。なお、【主人】は従者の意思・行動・運命を所有し、従者はそれに絶対服従するものとする。【相棒】と重ねて契約することは不可。具体的な契約方法は―――以下略。

相棒マイスター
他者が他者に運命共同体であることを誓うとき、お互いがお互いに対し名乗る称号。なお、【相棒】同士はお互いに行動・運命を共にし、契約を切るまで絶対的に結束されるものとする。【主人】と重ねて契約することは不可。具体的な契約方法は―――以下略。

混合種ハイブリッド
それぞれ異なる属性を持つ他者同士の間に生まれる子供が、それぞれの特徴を合わせ持って生まれてきたとき、名乗る称号。なお、【混合種】に生まれてくる子供が【混合種】にならず、流れている血が単体で発現することは珍しくない―――以下略。

じゃあ。
わたしは。
なんなんだろ。

***

初めまして、あきと申します。
ルビ振ってて自分でも恥ずかしくなってきましたが、そんなことはいいんだ←
書いて投稿したあとにまた書き直したり書き加えたりすることがあるので、書き換わってても何ら気にしないでください。アッ間違えた。気にしてください。辻褄合わなくなります。
それでは。

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Re: 【主人】と【相棒】の【混合種】 ( No.28 )
日時: 2016/12/17 20:44
名前: 璃

「…連携戦闘コンビネーション…」

何となく、その言葉で全容を理解した。まったく、この店長しんゆうは…。
店長に全容を確認するため、口を開く。

「つまりアレか」
「そう、つまりアレだ」
「お、おう。それで、連携戦闘コンビネーションってことは、」
「そう、つまりアレだ」
「いや、う、うん。連携戦闘コンビネーションって、俺と店長のーーー」
「そう、つまりアレだ」
「喋らせろよ!」

俺に喋らせる気が無いと見た!思わず立ち上がって糾弾シャウト
そんな俺を可笑しそうにくつくつ笑って見上げる店長に、俺はピキピキ青筋を浮かび上がらせつつも、仕方なくどかっと腰を下ろした。まったく、この店長あくゆうは!仕切り直し!

「それで。…もう確認すんのダルいけど確認するけど、それはつまり、俺とだったら、リンちゃんとは出来ないような連携プレーが出来るから、ってわけか」
「まあざっくり言うとそうだな。お前と喧嘩じゃれあいして何回死にかけたかわからないし、息ピッタリもいいとこだろう」
「まあな…」

俺と店長は腐れ縁。幼馴染であり親友であり悪友である。そう、悪友である。悪友なのである。
とある理由から、俺らはいつも顔を合わせれば殴り合いの喧嘩をしていた。していたというか、している。現在進行形だ。回数を重ねるごとに技が洗練されてきて、今日コンビニでさっき会った時なんか数瞬で幾つ技を繰り出したかわからない。そして段々こなれてきて、挨拶代わりに致命傷ボディブローというえげつない行為が、しかし日常と化した。

で、そんな店長との連携戦闘コンビネーション。息はピッタリだし相手の技も全て心得ているし、どれくらいの重さの蹴りがあとどれくらいでどこに入ってその後にどんな技を繰り出すか、といったことが身体の感覚でわかる。俺もほとんど反射で動けるし、店長にしたって同じだ。そんな俺らの連携戦闘コンビネーション。それはもはや、完璧な戦闘形式プレイスタイルと言っても差し支えないだろう。
そう、だからこそ。

「無理だな」
「無理だろ?」

俺は満面の笑みでそう言い切っていた。
対する店長も満面の笑みで返してきた。「だろ?」みたいなテンションだ。そう、無理。
それは何故か?
俺らは…俺らは、2人で完全にハモる!

「「だってお前と戦闘なんかやり出したら、どうしたってお前を倒したくなるからな!」」

それだ。
敵なんか倒す前に、店長を倒したくなる。顔を合わせれば殴り合い蹴り合い、ふとした瞬間に致命傷を斬り込んでくるこいつを。
一応、俺らの間では、『原則として喧嘩は出会い頭のみ』とルールを決めている。だから、喧嘩するのは出会って、顔を合わせてすぐだけ。
だが、戦場になれば、おそらく話は別。

「昂ぶってきたら歯止め利かないもんな。何度死にかけたか」

公園に呼び出されたあの日なんて、マジで走馬灯走ったからな。その時確か俺らは…11歳?

そんな俺らが、連携戦闘コンビネーション

「無理だろ!ていうか店長も無理だってわかってはなししたの俺に!?」
「そうだ」
「そうだ、じゃねえよ!何で!?」
「何で、って…面白そうだから?」
「マジかよおい!」

こいつの行動原理を舐めていた。ボケ主義だ、これ。
まあ、店長がボケていることくらいはわかったので、真面目に話を切り出してみる。

「で…実際どうなんだよ、店長。いや、連携戦闘コンビネーションは絶対無理だけど」
「はあ、まあそうだな。無理だな」
「じゃあ何でーーー」
「でも、やらなきゃいけない」
「………」

……………。

「それがあいつらを守るためだ。オレはそのためなら、プライドなんて平気で捨てる。一度決めた事に対しては、オレは全力で挑む。信念だ。それはオレの信念だ。お前じゃなくて、オレの。だからお前に受け入れろとは言わない。だが、頼む。オレは頼む。お前に何度でも頼み込もう。首を縦に振るまで言い続けよう。…オレに、協力してくれないか」

そう言って、俺に深く頭を下げる、店長。
こいつは、こういう時にいつも、敵わないと思う。敵わないと思うし、同時に尊敬もする。だから俺はこいつと殴り合いの喧嘩をするし、その反面で、こいつの申し出を出来る限り聞く。

俺は店長に向かって言った。

「無理だな」

Re: 【主人】と【相棒】の【混合種】 ( No.29 )
日時: 2016/12/25 21:31
名前: 璃

「………無理か」

俺の断言に、しかし店長は…笑んでそう言った。
ニヤリ、と口角をあげれば、2人の間で何かが通じ合ったような音がする。

「ああ、無理だ。『お前を攻撃せずに』連携戦闘コンビネーションなんてな」
「は…やっぱりかー…」

妙に間延びした声で、力が抜けたようにそう言う店長。その顔はもはや明るい笑顔だ。その顔に安心して、俺は続ける。

「だけど、やっぱり俺だってあかねたちのこと助けたいし…助けるっていうより、手助けする、か」
「そうだな」
「だから連携戦闘コンビネーションはいいよ。自分で言うのもなんだけど、多分俺らが組んだら最強だし」
「最恐だな」
「なんか漢字違くなかったか今?」

徐々に軽いテンションに戻りつつあるのを感じ、そのまま、俺は告げた。

つまり、

「敵を倒した後でお前をボコしていいんだったら、協力するよ」
「お前にオレはボコせないだろ?」
「うるさいな」

ケラケラ笑って返す店長に、ふっと表情をゆるめてこちらも返す。…契約成立コントラクションかな?

「それじゃ、これからよろしくだな。相棒」

ちょっとカッコつけてそう言って、拳を差し出ーーーしてから気付いた。

「…あれ、【相棒マイスター】契約ってしなくていいのか?」

はたと気付いて拳を引っ込める。
これから死線デッドラインに身を置いて戦い合うというのに、【相棒マイスター】としての契約を結ばなくてもいいんだろうか。仕事で二人組コンビを組むときですら【相棒マイスター】契約が必須の会社もあるって聞いたくらいなのに。
不思議そうな顔をして店長の方を見ると、店長はキョトンとした顔をしていた。

「まさかお前の方から言ってくれるとは…」
「え?」
「いや、正直、お前はオレと【相棒マイスター】同士になるの、嫌がるかなと思ってたんだが」
「…それ、お前が嫌がるの間違いじゃなくて?俺が?」
「そう、オレじゃなくて、お前」

………何で?
少なくとも俺に断る理由は無いわけだけど…。
そんな俺の思考を読んだように店長は言う。

「だってお前、口を開けばオレに悪態ばっかりついて…じゃれ合いくらいなら別にどうだっていいだろうが、【相棒マイスター】にまではなりたくないかと思った」
「……………お前バカなの?」

時折怖くなるほど頭の切れるこいつなのに、どうしてそういうところはそんなにも鈍いのか。こと人の好意というものに、どうしてもこいつは気付かないタチらしい。そんな店長しんゆうだから、俺ははっきり言ってやることにした。

「会う度に致命傷になりかねない攻撃仕掛けて来る奴、本気の本気で心許してなきゃブチ切れてるぞ今頃。つまり、それくらいには俺はお前のこと信頼してるし、尊敬してるってことだ。そんな奴と【相棒マイスター】になるなら、嫌どころかむしろ嬉しいよ」
「……………お前バカなの?」

今度は店長が俺にそう言う番だった。俺バカなこと言ってないのに何だよ、と言い返そうかと思った時、店長はぼそぼそと付け足す。

「そんなどストレートに気持ち伝えて照れないとか…バカだなお前」
「…そうなのか?」
「ああ、そういうとこホントバカ」
「はぁぁ?」

正直俺のどこがバカなのかわからないため、ちゃんと聞き返したというのに…何だよ、どこがバカなんだよ、俺の。しかし店長は何も教えてくれる気配はなく、「じゃあ【相棒マイスター】契約するかー」と言ってどこかに消えていった。…何だよあいつ。
しかしなんとなく、店長と改めて親友であることを確認出来た気がして嬉しかった。

***

オレは人から好意を受け取るのが苦手だ。
それには理由が、大きく分けて2つ。

ひとつめは、純粋に他人の好意に気が付かないということ。
言葉の裏に隠れた気持ちとか、行動に現れるその人の本音とか、直接じゃなくてあえて回りくどい言葉を使って伝える普段は言いづらい言葉とか。そういったものの真意にまったく気付かない。いや、気付けない。
ふたつめは…ちょっと色々あるから省くとして。

だからそういうオレに、事あるごとにストレートな言葉を伝えてくれる蓮は、かなりありがたい親友だった。
さっきのどストレートな言葉を思い出し、少し頬が緩んだ。

「…これ、見る人が見たら気持ち悪ぃのかな」

苦笑しながら自室でがさごそと書類棚をあさる。どこだアレ…えーと…あ。あった、これだこれ。
オレはその薄い冊子を持って、なんだか軽い気持ちで部屋に戻ったのだった。

***

わたしは人に好意を伝えるのが苦手だ。
理由なんてわからない。わからないけど、何故か、人に気持ちを伝えること自体、いつからか苦手になってしまっていた。

日頃の感謝も、嬉しいとか楽しいとかの気持ちも、誰かに対する恋情も、いつも引っかかって出てこない。なんとか直さなきゃと踏ん張る度に何も出来なくなっていく。そしていつの間にか、わたしは敬語を使うのが通常運転デフォルトになっていた。誰に対しても、どうしても敬語が解けなくなっていた。今や敬語を解けるのは親友の一名のみ。

それだけに、好意よりも尊敬の念の方が、わたしには扱いやすい。
早い話、わたしはあの人のことを尊敬しているのか、それともあの人に恋情を抱いているのか、それがわからなくなっていたのだった。

わたしはあの人を尊敬しているのか。
それとも、尊敬しているのだと自分を騙しているけれど、本当は恋してしまっているのか。
それともそれとも、そんなことを考えてしまうせいで、本当は尊敬しているだけなのに、恋してるんじゃないか、なんて勘違いしてしまっているのか。

「ねぇリン姉ちゃん、どうしたのっ?」
「あ…いえ、何でもないです。あ、鈴夜、寝てますね…」
「あー、本当だー!起こそっかな」
「やめといてください。シャレにならないので」
「えー、つまんな…」

あかねがぶう垂れながらも諦めて、逆に瑞希の方に話し掛けに行った。あっちはあっちで気になる2人組ではあったけど、一応大丈夫かと放っておいて、鈴夜に薄手の毛布をかける。

考え込んでいる暇はない。
わたしはあの人たちに協力するのだ。わたしだってこの子たちを守りたい。まだ学生だけど、出来ることはやってやる。

無理やり自分の気持ちを軽くしながら、ぼんやりと【主人相棒双合種マスタリング】たちを眺めていたのだった。

***

「さぁ、儀式だ」

Re: 【主人】と【相棒】の【混合種】 ( No.30 )
日時: 2016/12/30 15:18
名前: 璃

店長が厳かな雰囲気および厳粛な表情でそう言った。しかし店長の場合は厳粛と書いておふざけと読みそうな感じがする。

儀式…とかいうと大層なものっぽい感じがするが、実際はそうでもない。ただ、文章に従って詠唱するだけだ。よほど変なヘマをしなければ大丈夫だし、失敗した例を聞いたことがないから多分多少ヘマしてもイケるだろう。…知らないけど。厳粛おふざけモードの店長だし。

「えーと…この冊子によるとだな…


【相棒(マイスター】
他者が他者に運命共同体であることを誓うとき、お互いがお互いに対し名乗る称号。なお、【相棒マイスター】同士はお互いに行動・運命を共にし、契約を切るまで絶対的に結束されるものとする。【主人マスター】と重ねて契約することは不可。
具体的な契約方法は…


…あ、ここからだな、契約の手順のくだり」

そこまで読み切ってから、店長は速度ペースをゆっくりにして、ひとつひとつ話し始めた。

「ええと…具体的な契約方法は、以下の手順による。
第一に、小指を絡めて指切りの格好をとり、3回上下に振る」

そう言われて俺たちは小指を絡め、指切りげんまんみたいな感じにしてから、上下に3回振った。小さい頃やったなぁ、これ…。
店長はそこまで終えると、また冊子に目を移して、読み上げる。

「第二に、その小指を絡めたまま、2人同時に詠唱を開始する。詠唱式は別紙参照。…えーと、別紙は…これか」

冊子の中から二つ折りになっている紙を取り出す店長。小指を絡めたままという条件があるので片手で器用に紙を広げた。俺にも見えるように背の低い机の上に置く。

「えー…ここだな。じゃあ読むぞ」
「お、おーけー…」

***

相棒マイスター契約詠唱式】

汝、我の運命を預けたり
汝、我に運命を預けたり
灰と為れども命尽きようと
契りの続く其の限り
常、心身を伴わす者とす

刻印が契約を証明してくれよう

***

「…第三に、絡めた小指を3回上下に振り、離す」

詠唱が終了したあと、店長が淡々とそう言ったので、また3回指を振って離した。なんか変な感じだ…。

「第四に、お互いがお互いに【相棒マイスター】としての名を与え、契約完了。順番は問わないものとする。…なお、相棒としての名、すなわち愛称ニックネームで呼んだときのみ、契約は発動するものとする。同じ名前は可だが、どちらがどちらであるか識別可能な場合に限る…だってよ」

そこで文章が終わっていたのか、冊子を閉じて横に置き、そう言ってくる店長。愛称ニックネームをどうしようか、というニュアンスが感じ取れた。

「じゃあ…お前は、店長でいい?」
「何だよそれ、もっとカッコいいやつにしてくれ」
「カッコいいやつって…じゃあ…本名が青葉だから…」

確か青葉って、ドイツ語で言うと…

「…青葉グルーネ・ブレタ?」
「あー…ちなみにフランスだと?」
青葉フュィル
「じゃあそっちで」
「マジか。カッコいいけどさ、これ凄い発音難しいんだけど…」

まずドイツ語なのがわかる店長すごいし。大学でちょっと習ったから知ってるだけの俺とは別に、店長は多分ドイツ語もフランス語も堪能ペラペラなんだろうな…。

「じゃあ、次はお前の愛称ニックネームか」
「カッコいいやつでよろしく」
「本名が蓮。…つまり、ハスだな」
「そうだな」
はすをフランス語だと…ロチゥスだな。睡蓮ネニュファールもあるけど、これは長いし…ドイツ語だと…ロートスでちょっと単調だし…うん、やっぱりフランス語だな」
「じゃあ、つまり?」
ロチゥスだ」

ニッと笑ってそう言う店長。…これもしかして途轍もなくイタいことしてるんじゃないかと思ったが、まあいいとしよう。…やっぱりいてぇなとは思う。

「じゃあ改めて宣言。【相棒マイスター】、【ロチゥス】」
「なんか変な感じだな…ええと、【相棒マイスター】、【青葉フュィル】」
「…これで刻印が出てくるはずなんだが…どこに出てくるか、だな」

店長がそんな意味深なことを呟いて、しばらく待つ。30秒くらいで、ポッとその部分が熱くなり、刻印が現れた。場所は…

「…俺、首筋に出たんだけど」
「マジか。マジなのか」
「マジだよ。何でだよ」
「首筋はな、執着だ」
「執着?」
「刻印が出る場所によって意味が変わるらしい」

その理論でいくと、俺が店長に執着していることになる。…当たりかよ畜生。
しかし俺はあることに気づき、店長に言ってやることにした。

「店長」
「何だ?」

「店長も首筋に出てるけど」

Re: 【主人】と【相棒】の【混合種】 ( No.31 )
日時: 2017/01/14 08:53
名前: 璃

「あー…」

店長は刻印の位置を片手でさすり、バツの悪そうな顔で視線を逸らした。…珍しいな、こんな顔するの。
こいつは珍しく店長をからかえるかもしれない、と思っていると、店長が首筋をさすったまま続ける。

「…ま、当たり前だとは思うけどな」
「当たり前?」
「ああ。オレは、お前に協力を仰ぐ為に色々説得をした。協力を頼むのはお前相手じゃないといけなかったし、そう言う意味ではお前に執着してたわけだからな、首筋に出ても仕方ないか」

そう言って毒気を抜かれたように「はは」と乾いた笑いを漏らす店長。…何だよつまんね…。

首筋を未だにさすっている店長を見て、何故か俺も刻印の位置をさすってしまうのだった。

***

「遅いーっ!」
「ごめんて」
「全くですよ、店長。随分かかってましたね?」
「あー、ごめんリンちゃん…いやぁ、こいつが中々折れなくて」
「俺のせい!?」

こっちの部屋に戻って来るなり文句を垂れた女子2名に対する弁解として、さらりと俺に責任なすりつけやがった店長。相変わらずズル賢い対応がピカイチの親友だ。…今は【相棒マイスター】とも言えるか?
しかし、今のリンちゃんと店長の会話を聞くに、リンちゃんは店長が俺に何を話すか知ってたっぽいな。【主人相棒双合種マスタリング】の子供達を別部屋に行かせたかっただけか。…でも何で?

「蓮。蓮」
「何だよ店長」
「それはな、オレが頭を下げるところを見せたくなかったからだ」
「プライド高ぇのなお前!ていうか思考を読むな!」

小声で耳打ちしてきたその内容は、勿論冗談だろうが、それがムカつく。ていうか俺そんなにわかりやすい顔してた?
とか考えていると、あかねとリンちゃんに遅れて鈴夜とwartが戻ってきた。心なしか鈴夜がぶすっとしてる気がする。なんというか、寝起きを無理やり起こされた感じだ。せっかく綺麗な顔してるのにそんな顔してたら勿体ねえなと思ったが、そういう子供らしい顔が見られると何故か安心してしまうのだった。親かよ俺。

「さて、こんだけ話してたら当たり前かもしれないが、だいぶ時間経ったな。今は…5時ちょっと前だ。というわけで蓮、お前夕飯食ってけ」
「は?」
「【ロチゥス】、夕飯食ってけ」
「は…わかった、わかった。わかったけど、そんな、わざわざ【相棒マイスター】契約持ち出してまで食ってかせたかったのかお前」
「おう。劇薬どくを盛るためにな」
「【相棒マイスター】に対して何たる仕打ち!」

相棒マイスター】の契約を結んだせいで、愛称ニックネームで呼んでから命令すると、それに逆らう術はない。【主人マスター】と従者スレイヴの契約だと、【主人マスター】側だけが命令を下せるが、【相棒マイスター】契約だと、双方が双方に『お願い』という形をとった命令を下せる。つまり、形式上は、自分の【相棒マイスター】に『お願い』をしてるということになるが、それらをされると強制的にやり遂げなければならないので、その実『お願い』なんかではなくて『命令』と言った方がしっくりくるのである。

そして店長はそれを利用して、俺に毒を飲ませようとしているっぽい。アホか、アホなのか店長。そんなに頭いいのにアホなのか。

「冗談だよ」
「わかってるよ」

何年一緒にいると思ってんだ。
店長は「じゃ、買い出しに行くか。リンちゃんも食べてくよね?」と半ば強制っぽくそう残すと、視線で「付いて来い」と俺に言って、部屋を出て行った。

Re: 【主人】と【相棒】の【混合種】 ( No.32 )
日時: 2017/05/19 08:15
名前: 璃

「思ったんだけど…」
「?」
「戦闘要員2人が拠点ホームを空けるのっていいのか?」
「まあ大丈夫だろ。リンちゃんああ見えてめちゃくちゃ強いし、もし敵襲があってもオレらが帰って来るまでは何とかしてくれるって」
「リンちゃん何者?…いや、傭兵ミリタリー上がりだったか」

買い物の帰り。そんな他愛もない…とは嘘でも言えない会話をしつつ、俺らは帰路についていた。


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