コメディ・ライト小説(新)
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- 初めての音がなった日
- 日時: 2016/03/30 14:42
- 名前: アカ
初めての音がなった日
というお話です。
悲しいお話では絶対ないです!!
あらすじ
桃江の住んでいた町は、音がなかった。
人の感情も、何もなかった。
車もないし、笑い声も聞こえない。
でもある日、男の子、香衣という人が来た。
香衣は感情をもち、音を発し、桃江のあこがれだった。
桃江と、香衣は一緒に感情をみんなに教える。
…というあらすじです…
面白いか面白くないかはわかりませんが、読んでみてください。
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- Re: 初めての音がなった日 ( No.1 )
- 日時: 2016/03/30 15:00
- 名前: アカ
「…」
「…」
だれも、しゃべらない。
「…」
「…」
桃江はそれが退屈で仕方なかった。
(いつからかな。音がなくなったの)
桃江は道をずっと歩いていた。
(さみしい)
一人で、寒い道を、音もなく、歩くのはさみしい。
(おとって何かな。きれいなのかな)
音といえば車のぶるるんという音や、パソコンのカチカチという音、そして、しゃべり声…など。桃江は知らない。音という名の楽しい世界を。
「…」
べしゃ!
「?」
みんな、振り向く。ジャンバーのかすれた音もなく。何?という声もなく。
皆、ただただしーんと、音もなく振り向く。
「やべ、落とした」
しーんと静まりかえった街中で、一人、音を出す者がいた。
「!!」
皆、心の声は出せるが、本物の声は出せない。
じゃあ、なぜ出せる?フシギでたまらない。
「…すみません!」
皆、すたすたと歩いていった。桃江は違った。立ち尽くしていた。
「?なに?」
「…」
(声を出せるの?)
「そうだよ」
(心の声が聞こえるの?)
「うん」
(君はだれ?)
「香衣。君は?」
(桃江)
「桃江ちゃん。よろしく」
(うん)
「ねえ、のどを開いて、力いっぱいう!って出してごらん」
(え?)
「やってみてよ」
(わかった)
「…う!」
「できたじゃん」
「…」
(これが…、声?)
「そうだよ。ほかにも、やってごらんよ」
(うん)
「…あ…い…う…え…お…」
「いいじゃん!」
「あ…り…。…ありがとう」
「いえいえ」
「ありがとう。これ、広めて…みたい。こんな、気持ちいいんだもん。
静かなんて、退屈だよ」
「そうだねえ。教えてみる?」
「うん」
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