コメディ・ライト小説(新)

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二番目の恋
日時: 2016/08/01 10:27
名前: しんげつ

ベタな話かもしれませんが、私の体験していることを読んでいただきたく、小説にしました。(名前は全て創作しています。)
最初はひたすらシリアスですが、途中から甘くなります。
失恋して切ない方に読んでいただきたいです、そして恋を知らない方にも、今恋人がいる方にも!

学校紹介))
  普通科の公立高校。偏差値は50。頭が良くも悪くもない。
  目立った不良はいないが、それなりに反抗は横行している。

人物紹介))
・新月 琴蕪木(しんげつ ことぶき)
  私。高校一年生で16歳。演劇部で道具担当。
  身長146.2センチ。小学生に間違われる童顔と低身長が悩み。
  中学のときは頭の悪い不良だった。ネガティブでよく部活をサボっていたのは黒歴  史。
  今は周りの子たちに「空気の読めないこども」と思われるくらい活発で明るい女の  子を演じている。

・谷口 駿(たにぐち しゅん)
  私の初恋の人。私のクラスメイトで15歳。ハンドボール部。
  身長推定170センチ。スポーツマンでチャラくて明るくて人気。
  犬のように人になついてくる。かわいいが、温度差はかなり激しい。気分屋。
  
・瀬戸 亮(せと たすく)
  演劇部の先輩。高校二年生で17歳。演劇部で音響担当。
  身長168センチ。実際はそれより大きく見える。
  中学のときは剣道部だった。頭の良い不良で今も部活をよくサボる。
  自称、かなり偏った文系人間。
  優しくて男前、頼れる先輩。大人しく見えるが…?


・西園寺 瑠美(さいおんじ るみ)
  私のクラスメイトで15歳。親友。演劇部で衣装メイク担当。
  自称身長151センチ。私とそんなに変わらない。
  甘えるのが上手な恋愛経験者。猫には甘いが自分には厳しい。

・東原 朧(ひがしばら おぼろ)
  演劇部の先輩。二年生で16歳。演劇部で役者担当。
  身長153センチ。少し小さいのをいじられることが多い。
  最近部長に任命された。実は道具も作れる。
  

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Re: 二番目の恋 ( No.1 )
日時: 2016/08/01 10:26
名前: しんげつ

 1

自分に自信を持ったことなんて、なかった。
「高校受験は失敗」
私に貼られた「しっかり者」のレッテルは無残に取れ、代わりにそんな言葉が背中に刺さった。中学三年のときは成績やテストの結果にこの世の終わりを感じた。高校の願書は志望校が決まらず、期間を延ばしてもらった。
最低な人間。私は暗い顔で面接練習や受験勉強をした。
(どうせ)
あんなに楽しみだった吹奏楽部にも行く気がなくなり、サボった一人の帰り道。限界まで落ちた足の筋肉は重い教科書に耐えきれず、何度もバランスを崩す。ぐしゃりと鈍い音がして転んだ。涙なんて枯れ果てたと思ったのに、私は泣いていた。散々な人生になってしまった。私はきっと、高校生になったって泣きながら家に帰るんだ。

人を好きになったことなんて、なかった。
「ねぇ、あのアニメ見た~?●●君かっこいい~!」
自信のない私は、アニメやアイドルにすがった。「そんなキミでも好きだよ」優しいキャラクターやテレビの中のアイドルは笑顔で抱きしめてくれるから。
恥ずかしい話、私は性欲が強く、現実でもテレビでも男子は情欲の対象でしかなかったという部分も大きかったが。
(●●君がいればいいもんね)
なんでもよかった。誰でもよかった。たとえ一方的な愛だとしても、私はたしかに人を好きになっていると思っていた。小説の中の高校生同士の淡い恋なんて縁はない。私は教室で静かに過ごすんだ。

…って、思っていたのに。


放課後の文化祭準備。なんかのアニメや漫画で見たことある風景だ。段ボールを切ったりペンで塗ったり。男子も女子も協力的だからとても楽しく進む。
私は長い髪をまとめてクラスのポスターを作っていた。
最近は本当に楽しい。高校生になって「かわいい」と言ってもらえるようになった。周りの子を見上げてしゃべるのは悔しいけど、こどもっぽく振る舞えるのは楽しかった。どんなにはじけちゃっても全部私って言える容姿に初めて感謝。
たしかに私は変わった。自転車通学になってかなり痩せたし、高い声で明るく笑えるようになった。でもそれは。
…好きな人ができたから。
クラスメイトの、駿。スポーツマンで派手な性格をしている。前に少し話してから好きになってしまったのだ。
『絵、上手いじゃん』
褒めてくれたことにきゅんとしてしまった。不覚にも。

周りの子はすぐに気付き、私の背中を押してくれた。一か月くらい。
今思っても上手くいっていた。しかし。

「…おれ、好きな人いるんだよね」
『あの子だ』と思った。直感で分かった。そうだよ、私の近くにはいつもあの子がいたんだもん。私じゃなくてあの子が好きだったんだ。
「そっか…分かってたよ。分かってた」
自分でも驚くくらいに声が震えていて。
彼の後姿は駐輪場に消えて行った。

Re: 二番目の恋 ( No.2 )
日時: 2016/08/01 11:13
名前: しんげつ

 2

「ふられちゃったんだ~…」
いろいろあったけど、言えてよかった。後悔なんてなかった。
慰められたけど、明るく振る舞ってたけど、カップルを見た瞬間心の中で泣き崩れてしまうくらいに私は弱っていた。
親友の瑠美には冷たくあたってしまう日々が続いた。彼女には恋人がいたから。部活の朧先輩と付き合っていたから。瑠美は本当にすごいクラスメイトだけど、それすら認めたくなかった。私は初恋がかなわなかったことに疲れた。
「おはっよ~!ちょっと!?誰か返してよね~!?」
でも、私は笑顔を忘れない。それが新しい恋を探す方法であり、同時に切なさをごまかす方法。
後で知ったのだが、駿は大人っぽい女性が好きなタイプだった。私はまた自分の子供っぽさが嫌いになった。
でも、クラスではカップルがいちゃいちゃしていて。
私はそれが目に入るたびに泣きそうになるのを我慢して口角を上げて笑顔を作った。



(部活に行きたくないなぁ)
正直にそう思った。私と瑠美の所属する演劇部にはカップルが3組もいる。男子は5人しかいないから、ほとんどが部内恋愛していることになる。男女で話しながら笑っているのをみるだけで胸が痛くなる。一生懸命笑うのももう疲れた。限界。
文化祭が終わって、三年生がいなくなった教室はやけに寂しく感じる。いつものように道具担当のみんなと話し合いをして、帰ろうと思ったとき、不意に瑠美と話したいと思った。
(愚痴聞いてもらいたいな。誰かに)
でも、朧先輩といるんだった…もういいや、知らない!今日も早く帰ろう。けど…。
やっぱり、バスで瑠美と話しながら帰りたかった。今まで冷たくしてしまったことも謝りたかった。屈辱だけど、駿のことも相談に乗ってくれてたし。教室にカップルしかいなくなる。いつもこの人たちは部活後残っていちゃいちゃしているんだと思うとまた胸が痛くなった。
(あれっ)
いや、もう一人いた。カップルじゃなくて。
「亮先輩?」
音響担当の二年生。文化祭後に少し話したくらいしか面識なかったけど。そのとき意外と優しく笑って話してくれたんだっけ。
演劇部には、三年生が抜けた今、男子は5人だけ。今教室にいるのは8人。3組のカップルと私と亮先輩。
なんて偶然なんだろう、と思った。いつもは早く帰ってしまう先輩が、今日は窓の外を見て…たそがれている。
文化祭前に二年の副部長さんが言っていたことを思い出した。
『亮って、よくたそがれてたよね~!あ、今もかぁ』
(これが噂の…たそがれ先輩)
いつもクールにみんなを見守っている先輩が一人で夕焼けを見つめているのはなんだか新鮮で、くすりと笑ってしまった。
「亮先輩!」
気付いたら声をかけていて、作った笑顔じゃない素の笑顔で。
「やっと見れました。文化祭のときに副部長先輩が言っていた、たそがれてる先輩」
「あぁ、言ってたなぁ。覚えてたのか」
前に見た優しい笑顔。そして、黙っていることが多い先輩から聞こえた声に
…不覚にもどきっとしてしまって。
高校生にしては低くて渋い声。でも、すごく心地よく耳になじむ。この声を絶賛している三年の先輩もたくさんいたっけ。
意識してしまった自分に苦笑する。待ってよ。私、失恋したばっかりだよ?またふられたら生きていけない。好きになってはだめだ。でも、話すくらいならいいよね。たわいもない話をしていたら、二年同士のカップルの先輩たちに笑われた。
「ふふっ、なんか意外な組み合わせだね!」
「たしかに、二人でいるの珍しいね」
そう思われるのも当然。だって私たち、役職違うし。
「そうですね。でも、話合うんですよ、意外と!」
いつも通りポジティブに明るく言う。友達として一緒にいてくれたらいいのに、なんて。

「おなかすいた~!」
カップルの雰囲気に耐えきれず、二人で昇降口に来てしまった。
「琴蕪木って結構ストレートに言うよな」
くすくす笑いながら言う先輩に、「えっ?」と言ってしまう。
「いや、いつも遠慮してる感じしてたから。最近はなんかから元気っていうか
 …そんな感じしてたけど」
「あぁ、まぁそんなときもあるんですよ」
一瞬、駿のことが脳裏に浮かんで顔が曇る。
「でも、私は常に元気ですから!!」
今、笑顔引きつってただろうな。思い出すと泣きそうになるから難しい。
学校の池の前に来て、ついはしゃいでしまう。
「わぁ!私、初めて来ました!こんなにいっぱい鯉がいるんだぁ」
「落とすぞ?」
言葉のわりに見上げた顔が優しい。どきどきするのが悔しい。
「そんなこと言ってると、先輩が落ちますよ?私助けませんからね」
「ほんと、意外と言うよな~」
楽しそうに笑う声が聞こえる。調子が狂うのは何故だろう。

Re: 二番目の恋 ( No.3 )
日時: 2016/08/01 11:53
名前: しんげつ

 3

「ぶっきー、最近楽しそうだよね!なんかあった?」
「えっ!?べ、別に?」
「うっそ~!なんか前より楽しそうっていうか」
クラスの友達に言われて気付いた。あの先輩だ。思い出しちゃう。
昨日初めていっぱい喋って分かったことがある、先輩と私はすごく似ている。好きなものも、話すことも。二人だとぶっちゃけちゃうところとかね。
「まさか、恋?」
「まっさか~!私、ふられたばっかりだよ??もうこりたって」
自分で言って、こりたらいいのに、と思った。またふられるにきまってる。男子は結局みんな大人な女性が好きなんだ。見た目も中身も小学生の私には勝ち目がない。女子の友達と遊んでいるのも本当に楽しいし、忘れよう。

…なのに。

部活後、また残っていた。
別に期待していたわけじゃないけどね、期待なんてしてないけどね。かわいくない私が帰ろうと踵を返す。
…でも。
「た、亮先輩?また残るんですか?」
震え声で聞いてしまった。だって、話したかった。これで失恋したら前より痛い思いをすることになるけど、止められないんだ。もう好きになってしまっているから。
「いや、今日は帰ろうと思ってたところ」
なんてことないきょとんとした顔で言う。衝撃が走る。じゃあ私も帰ろうかな、なんて言えるわけない。
「なっ!!の、残ってくださいよ…!」
言ってしまった。悪い癖だ。中学の時のわがままな私が思いっきりわがままを言った。嫌われた。嫌われてしまった。
「…分かったよ、お前も残るんだろ?」
「…えっ」
「一緒にいてやらないこともない」
「なんでそんなに上からなんですか」
「先輩だから☆」
全然怒ってない。むしろ、機嫌良くなっている…?
「今日はおごってあげるよ」
二人でカップル勢の後をのろのろ歩く。廊下や階段を抜けても昇降口や池でしゃべれると思ったらなんだかすごく嬉しくなった。…だから!と首を横に振る。好きになっちゃだめなんだって、期待したら終わりなんだって。
「いいですよ、おなかすいてないし」
「強がり?」
低い声が楽しそうに聞く。「別に」。かわいくないことを言うのが精いっぱいだった。先輩はどんな気持ちなんだろう。私といてくれるのは何か理由があるのか。まさかね。



駐輪場が見えたとき、びくりと体がすくんだ。ここでふられたんだ。
「どうした?」
何も知らない先輩が聞く。「なんでもないですよ」と答えた声が震えてしまう。「飲む?」と渡してくれたジュースを笑顔で受け取る。限界。抑えて。
景色を見てるとぶっちゃけてしまいたくなった。言いたいなぁ。優しく受け止めてくれそうだけど、失恋した後輩ってどうなんだろう。うざいよなぁ。
「あの、先輩」
でも声をかけてしまった。
「私、失恋したんですよ」
淡々と続ける。
「だから、瑠美ちゃんたち見るのちょっと辛くて」
声のトーンが落ちて行く。
「初恋だったのになぁ…」
「おれも」
「えっ」
「失恋した」
冗談とは思えない顔で言う。
「ちょっと前だけどな」
「そうだったんですね、そんなふうには見えないのに」
なんだか複雑な感じになってしまった。
「ま、まぁ。もう気にしてないので!」
目をつむって言うと、「うん」と声がした。
それからはまたたわいもない話をして帰った。


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