コメディ・ライト小説(新)

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一度知ったら
日時: 2016/09/13 20:39
名前: フィアル

人を好きになるほど難しい事って無かった。はずなのに…

春。入学式。新学級。
新しい初めての教室は少し木の匂いがする。周りで笑いながら楽しそうに話す人達が私を囲んでいる。
私の名前はもり 鈴羽すずは。もうすぐ16歳になる高校1年生。
きっと私は今までみたいに行きたくもない学校に通い、普通に授業を受け普通に帰る。只々つまらない日々を過ごしていくんだ。

私の席は廊下側。つまり端の方。私は人に囲まれるのが好きではない。だからこの席は少しありがたい。まぁ、一人が好きっていう訳でもないのだが。でも高校っていう場所に来るとやっぱり知らない人ばっかりな訳で。とりあえず今は、一人でいる。
「キャーーーーーー!」
いきなりの女子の黄色い歓声。声の上がった方を見ると、そこには女子なら目を引き付けるであろう美少年がいた。
(誰…。)
前髪が目にかかるかかからないかぐらいの長さで後ろ髪が首のつけね辺りで、栗毛…というか黒まじりの茶髪。スラッとしてて背は普通くらい…?まぁだいたい170cm。愛想の良さそうな可愛らしい顔立ちで男女関係なく仲が良さそうだ。さっきの女子の歓声からするにきっとあの少年はこの学校の王子様なのだろう。
「ほんっとうにうちらの王子って感じだよねー!」
お、予想通り。
「あ、そういや王子さー」
男子まで王子扱いなのか。
「王子くん!何組だったのー?」
…くん?王子くん?あだ名に“くん”を付ける人なんて初めて見た。いや、もしかして…?

朝のHRが始まる。というか入学式の後にHRとかやるんだ。
「えーこのクラスの担任の斎藤だ。よろしくな。早速だけど出席を取る。」
出席…そういえばあの『王子くん』とやらの名前を知りたかったな。
「えー、加藤かとうまい。」
「はーい」
「次、木村きむら王子おうじ。」
「はい。」
…………………!?
い、今、木村…王子って言った…?しかも誰か返事した…?視線を左の方にに向ける。そこにいたのは…
「さっきの…美少年…。」
そう、あの王子とかいう人木村王子がうちのクラスにいた。

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Re: 一度知ったら ( No.3 )
日時: 2016/09/21 23:22
名前: フィアル

「恋…恋…。鯉?」
「ねぇ、すずー…さっきから何言っとん。」
今日は中学生の頃…というか最近までずーっと一緒だったいわゆる親友とス●バに来た。名前は 市川いちかわかなめ。私は『かなん』と呼んでいる。ショートカットの髪が印象的なスポーツ女子。彼女とは幼稚園の頃からの幼馴染みである。
「さっきからこいこい煩いんやけど。」
「あーうん。ごめん。」
彼女とは高校が違うから今の私の現状を知らない。私が『恋』してることも…。
「にしてもさー、高校ってやっぱ中学と違うよね。男子には格好いい人いーっぱい居たし!すずのとこは?王子とかいう人がいるんでしょ?」
「あれ、かなん知ってるの。」
「んーまぁね。詳しいことは知らないけど有名だよ。」
あー。私はそんな有名人に堕ちたのか。中学生の頃にも確かに格好いい人は居たけどそういう人はあまり好きでは無かった。と、いうよりは男子自体に興味が無かったのかもしれない。とりあえず今は…
王子。木村くんのことだけを考えていたい。頭にはその人のことだけしか今の私には無い。みんなはこの気持ちを私よりも早く体験しているんだ。なんかちょっとだけすっきりした気がする。今までの私には人を好きになるほど難しいってことは無かったから…






「まじあいつ無いんだけど。」
「色目使う奴増えてきそーだね。」
「ねぇ…。やっぱさ、『見せしめ』がいるよねぇ…?w」
「まぁターゲットは…」
「「「『姫』、だよね。」」」



かなんと別れて自宅へ向かう途中。
「あれ、森さぁーん。」
あぁ、昨日からずっと声をかけてくれてる人だ。家こっちなのかな。というか名前知らないんだよなぁ…。
「あ、こんにちは。あの…ごめんなさい。名前って…」
「あ。うちは内山うちやま優梨ゆうりね!」
「あたしは近藤こんどう早苗さなえ。」
「うちはぁ曽我そがれい。」
なんだかみんな…こう…ギャル?って感じがすごい。あんまりこういう人達とつるむのも好きではない。むしろ新学期早々悪口言うような人達なんて。
「ねぇー、ちょーっとお願いがあるんだけどさぁ。」
この子が確か麗ちゃん。語尾を伸ばして話すんだな…。
「うん?何?」
「姫って奴と」
「関わらないでほしいの。」
優梨ちゃんと早苗ちゃんが交互にそう言った。
関わらない…。別に接触点の無い人と関わることなんて無いからいちいちそんな事を言わなくてもいいんじゃないか?本当に女子は面倒くさい生き物である。
「えっ…と。それは私だけ?それとも」
「クラス全体だよ?」
私の言葉をさえぎるように優梨ちゃんが言った。しかも黒い笑いを浮かべながら。
「あっ…。うん。分かったよ…。」
「本当ぉ?ありがとぉ!」
こんなのはどうせ口先だけだろし別にこんなたかが三人の言うことなんて聞かなくったって平気であろう。
私は軽く会釈してそのまま帰った。







「………。」

Re: 一度知ったら ( No.4 )
日時: 2016/09/29 14:06
名前: フィアル

<4>
帰宅。さっきのことがずっと頭から離れない。なんで麗ちゃん達は所沢さんを嫌うんだろうか。まぁ『王子』と幼馴染みなのが羨ましいというのは分からなくもないけど…。とにかく明日だって所沢さんと絡むことは無いだろうから普通にいればいい、そう普通に。





「ねー、本当に平気?あの子のこと私知らないからよく分かんないけど。」
「平気でしょ。」
「だぁーって?破ったらどうなるかくらい分かるでしょぉっ!」
「それなwww」
「そうだよね。」


朝、クラスの前に行くと扉の前に女子が玉になっている。みんな木村くん目当てなのかな。
チクッ。
ん、なんか今心臓?らへんが痛くなった。でも今は平気…?なんなんだろう。
「おはよう、森さん。」
「おはよ近藤さん。」
早苗ちゃん。クールな感じでちょっとキツそうだな…。
「さな!おは!…あ、森ちゃんもおは!」
「おはぁ~。…あ、まぁたLINEきたぁ。」
優梨ちゃん。元気で笑顔が魅力的だな。麗ちゃん。この三人の中では一番ギャルって感じ。
みんないい子なのに。
優しいのに。
それでも昨日みたいなことを言えるんだな…。
「あ」
「?」
「今日、よろしくね?」
コソッと耳打ち。黒笑い。寒気。ゾクッとしたけど大丈夫だ。私はそんなのに恐れるほど弱くないっ…。
「うん」
できる限りの笑顔を作って頷いた。

「えー、今日は委員会決めを行う。前に表を貼るから各委員会一人ずつ立候補してくれ。」
委員会…。あんまり興味ないしな。やらなくてもいいか。と思っていたときだった。
「木村ー、所沢ー、森ー。ちょっと来い。」
…?なにかやらかしたかな。私。戸惑いながら先生についていく。
来たのは誰もいない教育相談室だった。
「じゃあちょっと待っててくれ。あと所沢。荷物持ってくるの手伝ってくれるか?」
「はぁい」
え。じゃあ私は……
え?私は…
王子と二人きり!?

Re: 一度知ったら ( No.5 )
日時: 2016/10/03 21:49
名前: フィアル

<5>
皆様、大変です。
私は今好きな人と部屋で二人きりです。
好きな人なんて初めてできたからどういう風に接したら良いのかとか話しかけ方とか全然分からない。永遠に続きそうなこの沈黙。木村くんが切り出してくれた。
「森さんってさ」
「ん?」
「肌白いよね」
なんか…こう…うん。会話の始めがこれって。まぁいいんだけどね。
「そ、そうか、な。」
「中学の時とかは文化系の部活だったの?」
「うん。美術部だった」
「へー」
また沈黙。今度は私が話題を出さなきゃ。と思い言ったのが
「でも、さ、所沢さんのが白くて綺麗だよねっ!」
…これだった。なんで所沢さんの話題を出したんだろうか。よく分からないけど。木村くんが喜ぶと思った自分がいた。
「姫?まぁ確かに白いよね。」
ははっと笑いながら木村くんは話した。
「でもあいつ意地っ張りで頑固だからな。それなのに泣き虫で。俺はあんまりあの性格好きじゃないね」
好きじゃない。
あれ、なんだろう。心がスッてすっきりした。
(…!いやいやいや私、なんて酷いこと考えてるの。こういう性格こそ嫌いでしょうが!)
必死に自分の中の悪い考えを消去する。
あぁ。恋ってこういうことなんだな。
ちょっと病気みたい。
ムズムズして、ドキドキして、それでも木村くんの一つ一つの言葉や動作で私の心がもっと満たされていく。
すごいなぁ。

「待たせて悪かったな、よいしょっ、と」
「先生、ここに置いていいですよね?」
「あぁ、ありがとう」
先生と所沢さんは重そうな段ボールを抱えて戻ってきた。
「さて…と。生徒会の話なんだがな、成績優秀者各学年5名ずつ選出されるんだ。そのうちの3人をお前にやっていただきたい。」
「え、めんどくさ。」
一番先に口を開いたのは所沢さん。本当に嫌そうな顔をして先生を睨み付けている。
「まぁ楽しそうだな。俺はやりますよ。」
おお。流石。私はどうしようかな。でもせっかくだしね…
「あの、私もやります。自信はありませんが」
「えー!むぅ。じゃあ私もやりますー」
いかにも棒読みな所沢さん。
「よしっ。じゃあ決まりだな。後でクラスの方でも発表するからよろしく。あ、あと所沢お前は残れ。二人は戻っていいぞ。」
そう言われて私達はクラスの方へ戻っていった。
なんで所沢さんだけが荷物運ばされたり残されたりするのだろうか。
まさか教師と生徒の親密な…
いや、そんなのは漫画の話だ。
そう。漫画の…。





「お前なぁもう少しちゃんと演じきれよ。いつか勘づかれるぞ」
「別にばれないでしょ。つかばれたって私のせいじゃない。親が悪いんじゃん。」
「っ……。とにかくばれたら俺は担任を辞めさせられる。教師だってギリギリのラインになるかもなんだぞ!」
「知らないってば!!」
バン!
「…」
「なぁんの話だろぉ…」

Re: 一度知ったら ( No.6 )
日時: 2016/11/18 20:37
名前: フィアル

<6>
クラスに戻ると女子が一斉にこちらに鋭い目を向けてきた。
「森さん、ちょっと」
コソッと言われた。あぁ、きっと木村くんと一緒に入ってきたから気になってるんだろうな。
「森さんと王子って…さ、デキてないよね?」
「うん」
やっぱり。なんて勘がいいんだ私は。
「つーか姫は?確か一緒に行ったよね?」
「あ、所沢さんは先生に呼ばれて…」
「ふーん、あれ?ねぇ優梨」
「なに~さな」
「麗は?」













姫と先生が二人きりで教室にいた。別にたまたまトイレに行った時すごい音がしたから覗いただけ。
「お前…親が親がってずっと言ってるよな。もうあんなの忘れろよ」
「はぁ!?何それ…。ずっと一緒にいたんだからそんな、無理だ、よ」
ん?泣いてる?
ていうか親ってどゆこと?一緒にいたって何?
「うぅ…なん、で、平気なの?」
次の言葉に私は驚いた。
「お兄ちゃん………」








所沢さん達遅いなぁ。かれこれ20分は経っている。と、思っていたとき教室の扉が開いた。
「さなぁ、優梨ぃ」
「あれ?遅かったね」
「トイレでまさか…」
「んだぁ!!もう!そんなことより今すっんごい情報ゲットしたんだからぁ!」
「えー、何々」
「ちょ、森ちゃんもおいでよぉ」
「え?」
「早くぅ!」
「あ、うん。」
なんだろ。また変なこと言われるのかな。嫌がらせとか嫌なんだけど…
「姫さ。もしかしたらね先生と兄妹だったのかもぉって。」
…。え!?!?
「え、それってな、何処で知ったの?」
「さっき別室のとこ覗いたらそんな話してた。親がぁとか言ってたから離婚系じゃね?」
「あー、名字違うもんねぇ!」
いや、別室ってきっとさっき私達が呼ばれたところだよね?え?親密とかそんなもん以前じゃないかい。
「でーもう一つ良いものがあってぇ…」
そう言ってスマホをいじる麗ちゃん。
「これ!」
そういって画面に映し出されたのは泣いてる所沢さんとそれを慰めてるように抱き締めている先生だった。
「わーお。これすごいね…」
「どうする気なの」
「ふふふ。」
ん、なんか悪寒がする。嫌な感じ。まさか…
「これ、学校に見せたらどうなるかなぁ……フフッ」

Re: 一度知ったら ( No.7 )
日時: 2016/12/04 11:43
名前: フィアル

<7>
「うっわー!あんた鬼じゃん」
「そぉ?」
確かにこれは…まずい…よね。
「麗ちゃん、はさ」
「ん?」
「これを学校に見せてどうしたいの?」
あれ言っちゃいけなかったかな。私達の周りの空気がシンと静まりかえる。そして
「森ちゃんもしかしてぇ姫の味方するのぉ?」
「いや味方とかじゃなくて単純に…」
「さいってー…」ボソッ
教室を見渡すとみんなが楽しそうに過ごしている。普通の光景。
「あーあっ」
「冷めたねぇ」
そう言って優梨ちゃんと麗ちゃんは行ってしまった。ただ早苗ちゃんだけは残っていた。
「早苗ちゃん…」
「なに」
「いや…別に」
「用がないなら話しかけないでくれる?」
そういってイヤホンを耳に差しそのまま行ってしまった。と、その時
「いやー、ごめんなぁ時間かかりすぎて」
斎藤先生が入ってきた。
「あれぇ?先生ぇ所沢さんはぁ?」
「あ、あぁ所沢は具合が悪いようだから早退した」
「へぇー」
いつもよりわざとらしく語尾を伸ばす麗ちゃん。そして私はここから地獄の日々が始まる_。












一人が嫌っていうか。独りが嫌だったのかもしれない。別に優梨のことも麗のこともそんなに好きでは無いし。
優梨は、いつでもニコニコしててそれで元気が出るって人もいるのかもしれないけど私にとってはただのイラつきの原因でしかない。
そして麗の語尾を伸ばす癖。あれをラインやメールでもその癖を発揮するもんだからもう連絡を取り合うのも嫌になる。
森さんも疲れているんではないかと思うがあの二人といる以上味方ともだちになることはできない。
どっちにしても、最終的な獲物ターゲットは変わらない。醜い生き物だね、人間って。


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