コメディ・ライト小説(新)

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佐藤さんの日常#12
日時: 2016/10/15 21:53
名前: 楓林堂鶯

葉七(ばなな)高等学校心理カウンセラー室
男「あの先生、今日は何の用事なのですか」
先生「実は小説カキコで作家デビューしようと思って」
男「…」
先生「なんだい。心がやけに痛いぞ」
男「痛いのは心ではありません。先生の全てです」
先生「失敬な!」
男「だいたい先生の文章能力じゃ、誰も閲覧してくれませんよ。絶対に」
先生「安心したまえ。ハハハ、ここ最近カキコで練習したんだ」
男「それで」
先生「間違えて送信して喪心してしまった」
男「…。何か言いましたか」
先生「なんでもないよ」
男「ところで何の話にするのですか」
先生「君のクラスの佐藤さんだよ」 男「あの佐藤ですか」
先生「そうだよ。早速原稿を見てほしいのだが」

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佐藤さんの日常#8 ( No.4 )
日時: 2016/10/17 20:38
名前: 楓林堂鶯

「俺だよ俺」
「お兄ちゃん!」
「何驚いてんだよ。いい買い手が府中本町駅の近くのカラオケ屋にいるって呼び出したのは亜美だろう」
「いやいや空気読んでよ」
「はぁ、そんなこと言われても…あっ、壺はどうした?わかってるよな、明日までに売らないと社長に怒られんだけど」
その時、佐藤さんは知ってしまった。今までの不可解な点について。

話は遡る。三鷹で二人が遭遇した時。
「実は壺を拾ったんだけど」
「壺!?」
「そう、壺だよ。ここじゃ話せないから、府中本町駅のカラオケ屋に行こう。知り合いがバイトしてんだ」

カラオケ屋でのやり取り。
「合計で2800円になります」
二人が1400円ずつお金を出す。
「ちょうどお預かりします。こちらレシートになります」
「ありがとう」
「あと新たにアルバイトを募集しているのでよろしかったらどうぞ」
店員はバイト募集の紙を二人に渡す。

結論 もとから亜美ちゃんは私に壺を押し付けるつもりだった。

だがまだ一つ不可解な点があった。私は亜美の幼馴染みで小さい頃から一緒にいたが兄がいたなんて一度も聞いてない。
すると私の思いが通じたのか、兄らしい男が口を開く。
「亜美が何も説明してなくて本当にすまん。俺はあかり。亜美の兄で15歳差でもうすぐ30になる。中学の時に薬に手をだしてバレて病院に送られ、それ以降、家に帰らしてくれず、いろんな家を転々としている。ちなみに亜美の姓は久留米で自分の姓が田崎、いろいろあって名字が違うんだ」
佐藤さんは急展開すぎる話に愕然とした。
「ちなみにまともな職業についておらず、今は贋作屋をやってるよ」
亜美ちゃんはさらに佐藤さんに新事実をつきだす。だが聞きなれない言葉だったので「贋作屋?」と聞き返した。すると亜美の兄が「骨董品を含む美術品のようなものを安く作り高額な値段で売る。前はムンクの叫びを描いて、亜美がある有名な画家が描いた貴重な一枚ですと笑顔で宣伝し、とある男性コレクターに1000万で買ってもらった」と自慢気に言った。
(ちょっと待て。違法な商売に兄弟揃って手を出してる。この事実をどう突っ込めばいいのだ)
「さっきの話を聞けばわかるだろうけど、その壺を買って欲しいんだけど。亜美の幼馴染みなら、5万で手を打つよ」
「私も100円出すから」
(残りの4万9900円はどうした。割り勘にもなってない)
だが、私は言った。
「か、買います」
ただし私は条件をつけた。
「足を洗うなら」

佐藤さんの日常#7 ( No.5 )
日時: 2016/10/18 20:25
名前: 楓林堂鶯

翌日 午後五時三分
JR武蔵野線西国分寺駅駅前
あかりは駅のロータリーの喫煙所で煙草をふかしていた。
「あかりさん」
名前を呼ばれた気がして辺りを見渡すと、亜美の幼馴染みの少女が手を振りながらこちらを見ている。学校から直接来たらしく制服姿のままだ。肩にかかる美しく艶やかな黒髪が夕日に反射してとても眩しく感じる。一瞬、その髪に触れたいと感じたが30になるオヤジが女子高生の髪に触れたいというのは不純だと思い、その欲求を心の中から消去した。
あかりはまだおいしくいただける煙草を捨て、足早に彼女のもとに向かう。
「今日はきちんと決着つけますよ」
「おう、ありがとよ」
昨日、彼女が条件付きで壺を買ったあと、明日以内に辞めるようにと言われた。だが裏社会はとても厳しく、簡単には辞められない。その事を伝えたら余計にやる気になり、ついには一緒についていくと言い出した。結果、いつの間にか断れずに今日に至る訳だが。
「事務所はどこですか」
「ここからすぐだよ」
二人は歩き出す。彼女はこの町にはじめて来たらしく、町の隅々までじっくりと眺めながら歩いていた。しばらく歩くと四階建ての雑居ビルが現れる。雑居ビルといっても、三階部分以外テナント募集中だが。
「意外と駅近なんですね」
「まぁ、交通の便の良さは表社会でも裏社会でも求められることだからさ」
「なるほど」
二人はビルの中に入る。中は静まり返っており、あかりはやけにひんやりとした空気が心臓を締め付けているように感じた。彼女も同じらしく曇った顔をしていた。
(いつも一人だから息苦しさを感じるんだと思ったが見当違いらしいな)
エレベーターは無いので階段で三階まで上がる。一段一段を登る足が重く何度か逃げ出したくなる感じだ。
三階に到達し、あかりはすぐ目の前の扉をノックする。返事はない。しかし構わずドアを開け中に入る。彼女も続いて中に入る。
室内はドアの正面の壁の前に机が置いてあるだけの異常にシンプルな部屋である。机には白髪混じりのつり目でシワの多い老年の男性がいる。彼が社長である。あかりは「社長、お忙しいところすみません。火急の用事がありまして」と言い、社長は「うむ」と低い声を発した。
「社長、突然ですが贋作の販売から足を洗いたいです」
「やはりそうか」
「えっと…」
「私はね正義が嫌いでね。私は正義感のある奴とは仕事をしたくないんだ」
「つまり…」
「さっさと消えろ、今すぐ消えろ」
すると、どこからか屈強な男が現れる。
「あと私は短気なんだ」
あかりは突然の事に目を丸くしていた。刹那、彼の首筋めがけて一人の男がナイフを振る。しかしー
バシリッ
男の手からナイフが落ちる。何が起きたのか、社長や彼女以外は分からなかった。
「いきなり攻撃するなんて、紳士ではありませんね」
そう、彼女が男の手からナイフを奪ったのである。
「ーですが、そういう遊びはたまにはいいですね」
そう言うと落ちたナイフを拾い上げ、彼女は次々に切りかかっていく。コンクリートの床にポタリ、ポタリと赤い血が滴り落ちる。もはや、彼女の目には殺意しかなく、誰にも止められなかった。
(何故だろう。目の前で人が切られているのに恐怖心は無く、むしろ興奮してしまう。それに彼女の殺り方はとても芸術的だ)
あかりは目の前の惨状に目を奪われていた。
気が付くと、床の上には沢山の男が血を流しながら倒れている。だが、見た感じ傷は浅く、彼女は殺す気がなかったらしい。
「素晴らしい」
ふと社長が声をもらし、満悦の笑みを浮かべていた。久しぶりに面白いショウを観せてもらったと言わんばかりに。
彼女といえば、殺意を隠して平然としていた。今、この光景をはじめて見たとしたら、彼女がやったと思わんだろう。
彼女は冷たく言い放つ。
「もう金輪際、私達に関わらないでください。私達も関わらないので」
社長はなにも言わなかった。
彼女はスタスタと部屋から出ていく。あかりもその後をついていく。
(不思議だ。はじめは俺が先導していたのに、今は彼女が先導している)
外に出るとひんやりとした夜風が肌を刺す。いつの間にか日が暮れて、街灯の人工的な光が辺りを包んでいた。
この時、あかりの気持ちは決まっていた。
「今の俺の気持ちを夏目漱石の言葉で言うと、今日は月が綺麗ですねかな」
彼女の顔がみるみるうちに赤く染まっていく。彼女はか細い声を発する。
「同感です。今日は月が綺麗ですね」

夏目漱石の言葉で今日は月が綺麗ですねというのは愛しているという意味である。

そんな二人を社長は三階の窓から窺っていた。しかし、興味は失せたらしく、すぐに携帯電話を取り出し誰かと話始めた。
「ー久留米亜美を殺れ」

佐藤さんの日常#6.5 ( No.6 )
日時: 2016/10/18 23:34
名前: 楓林堂鶯

「亜美、久しぶり」
「お兄ちゃん!今どこから電話掛けてるの?天国、地獄?」
「俺を誰だと思ってる。俺は生きてるぞ」
「思い込みじゃない」
「ひどい妹だ」
「どうせひどい妹ですよ」
「なぁ、話変わるけど」
「千鶴ちゃんかな」
「ゲホッ!」
「え、まさか、付き合ったの」
「ちげーよ、社長の話だ」
「なんだ。それで」
「社長が殺された。近々、サツのメスが入るだろう。俺が刑務所行きになるのは確実だ。亜美が関わった証拠は抹消したから」
「ちょっと待って、まさか殺してないよね」
「そこは安心しな」
「それならいいけど」
「あと、俺の仕事のファイル、千鶴にあげて」
「え、どういうわけ」
「時間がない。あとで話そう」

佐藤さんの日常#5 ( No.7 )
日時: 2016/10/19 23:41
名前: 楓林堂鶯

あの後、私はあかりさんに家まで車で送ってもらった。母が家に居たらどうしようかと思ったけど杞憂だった。もし母が家に居たら危ない遊びをしているんじゃないかと心配するだろうけど。
家の玄関で別れる時に、あかりさんは一つ聞いてきた。
「どうして、俺達に足を洗うように指示した」
予想通りの質問がくる。
「立ち話もあれなので、あかりさんの車の中で話しましょう」
また車内に戻り、私は予想外の回答を始めた。
「私の父も贋作屋でした」
正確には偽美術商で詐欺師です。まだ美術館で収集できず個人の家に眠っている名画を買い取り転売する。相手の手に渡る直前に贋作とすり替える為、相手には本物だと思わせてしまいます。この手口を使いバブル時代に数兆円を稼いだらしいです。しかしバブル崩壊後、資金探りに難航した企業がその絵を転売しようとし贋作だと気づいてしまいました。ですが、その時には父は高飛びし、影も残さず煙のように消えてしまったそうです。消えた詐欺師と名画。一躍、世界中のホットワードとなりました。ちなみに父はこの時、自分が買い取った名画を持ち主にこっそり返していたことが後になって警察の捜査で分かりました。十二年後、警察の努力により父の潜伏先が割れてしまい、結果、逮捕されます。この間、父はどこかで母と出会い、母は私を産んだそうです。世間は事件はこれで終わりだと安心していたらしいです。と思った矢先、父は留置所でズボンの隠しポケットに入れた劇薬入りの注射器を手錠がはめられた手でなんとか脚に針をさし自殺をしまったのです。
「その話なら聞いたことがあるぜ」
「流石、同業者ですね」
「いやいや、俺達にそこまでの技術力はないよ」
あかりさんは照れ臭そうに笑った。私もつられて笑いそうになった。
「まぁ、同じ轍を踏んでほしくないから、足を洗うように指示したんだな」
「いえ、違いますよ」
「えっ」
「私の父、しみずひなだに会いたかったからです」
「志水氷灘…、なぜ社長の名が…」
あかりさんは混乱してるようだった。無理もない事だが。
私は中学一年生の時に母から父の事を聞かされ、父が生きてることも聞かされていた。しかも、父の今の名までもだ。その話を聞いてから私は何度も父をできる限り探した。亜美ちゃんやあかりさんが父と同業者だと知ってからは二人を利用すれば父に会えると確信した。だか、二人は思いの外口が固く、父の情報が全く入らなかった。そこで揺さぶりをかけて、なんとか二人の雇い主に会いに行くことができた。しかも一つ嬉しい誤算があった。それは二人の雇い主の社長こそが父であったことだ。
その時、あかりさんは嬉しくない誤算を言った。
「社長は殺されたよ」

佐藤さんの日常 御知らせ ( No.8 )
日時: 2016/10/21 20:02
名前: 楓林堂鶯

日頃より私の作品を御覧いただき心より感謝の言葉を申し上げます。
今回は皆さんにお知らせがあります。
誠に勝手ながらこの作品を全文、再編集を行い、改訂版の投稿をさせていたただきます。なお、現在投稿している話の続きは改訂版にて投稿させていただきます。
改訂版の投稿は近日中に行います。改訂版の投稿がある程度進みましたら、現在投稿している旧版を順次削除します。
まだまだ至らぬ所がありますが今後とも応援宜しくお願いします。


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