コメディ・ライト小説(新)

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オタクに好意を抱いた私の哀れな物語
日時: 2017/01/04 21:37
名前: あぽろ

『パン、パン』

冷たくなって固まった手を合わせ、そっと呟く

「はー…神様仏様、今年こそいい彼氏ができますよーにっ!」

『チャリン!』

私の投げた500円玉は賽銭箱の間の棒にぶつかり、金属音を鳴らす。
その瞬間、隣にいる弟がちょっと引き気味で聞いてきた。

「うわ、くだらなっ!あんなー、ここはそういう願いをする場所やないで!?そういう願いなら、絵馬に書きなよ!」

弟は私の「彼氏が欲しい」という願望を遠回しに嘲笑うように言った風に聞こえた。いや、そうに違いない。

「ちょっと!沙助声でかい!それにいいもん!こうやって彼氏が欲しい〜って言っておけば異性と話す確率が高くなるらしいからね!」

私は反論にならない反論を弟の沙助にぶつけた。

「………それ、どこの情報?」

弟は凍り付くような目で私を睨みつけて、少し経って言った。

「そういう情報に流されてるからいっつも姉ちゃんはそうなんだよ!」

「そうって…何が?」

そう聞き返すと弟が呆れた溜息をついた。

「遠回しに言ったのに、察せないん!?要するになー、だから彼氏ができひんの!」

その言葉にむかーっと来て、こう言い返した。

「ーーーっ!!そういう沙助は彼女いんの!?偉そうに言うぐらいならばいるよねー?」

ニヤニヤしながら問いかけると、弟はスマホを取り出し、何やらフォルダを探っている。

「ふっふっふ…」と不気味な笑みを浮かべながら、フォルダをいじって、私のその画面を突きつけてきた。

「いるに決まってんでしょーがよ!!姉ちゃんみたいにコミュ症じゃねえもんね!」

そう言って、かなり可愛い女の子の写真を出してきた。

「…え、えーー!?ちょ、これ誰!?」

信じられないという感情が強く、そう言ってしまった。

「だから俺の彼女だってんでしょ!嫉妬すんなよ!」

そうドヤ顔で吐き捨てて、ポッケに手ェ突っ込んで偉そーに去って行った。

私は思わずおみくじの紙を握りしめて、弟を追いかけた。

それにしても弟に彼女がいるなんて衝撃だ。しかもあんなに可愛い。


まあ、言うと弟は結構イケメン。シュッとした顔に、背は普通。
背がでかすぎることもなく、小さすぎることもない。そしてイケメンという3セットが揃った男子ならば、あんな可愛い女子を捕まえてくるなんて楽勝なのだ。

「(私はそいつの姉よ!!こんなイケメンと血が繋がってるのよ?褒めて欲しいぐらいだわ!!)」

心ではイケメンだとか思ったことはないけれども、都合の悪い時はそう言う。

そして私は、新学期の目標を、心に決めたのだった。


「彼氏作ってやるぅ!」

そう言う私を変な目で見ている人目も、私は気にしなかった。

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Re: オタクに好意を抱いた私の哀れな物語 ( No.3 )
日時: 2017/01/05 21:41
名前: あぽろ

新学期

新学期初日、ああ、なんで運が悪いのだろう。
新学期初日にこんな憂鬱な気分で授業を受けるのは久々だ。

しかも8度を切るか切らないかの微妙なところを行っているから、ストーブがつかない。

これはさすがに計算外だ。
制服が薄いのか、ヒートテックを着てこないのが悪いのか…

黒板に書かれている文章に目を向けずそんなことを思っていた。

ここでふと一日の出来事を思い出す。

初詣に行って、彼氏が欲しい!だなんて叫んだ気がする。

ああ…そうか。私には恋愛運も無いというのだろうか。
なんで隣が『あの男』なのか今更後悔した。

『あの男』とは、一ノ瀬 優馬のこと。
背は高く、眼鏡をかけていて、イケメンなのだが、彼女がいなければ友人もいない。

なんで友人がいないのかは、あいつの性格にあった。

あいつは、外見からは想像できないゲームオタク。

ゲームオタクと言っても、ジャンルは絞られているらしく、格闘ゲーだけらしい。

そいつは頭も結構良く、一人ぐらい友達がいてもおかしくないのだが、少しナルシストじみた口調に、誰も近寄ろうとはしないらしい。

その男は、今日も授業をサボっていた。
でも今日は奴の得意教科の数学をサボっていた。

これは不思議だ。
あいつが数学をサボるなんて、体調が悪いぐらいしか理由がない。

これには先生も心配したのか、一ノ瀬の席をチョロチョロ見ている。

『カンッ!』

一発、黒板にチョークがぶつかる音がなる。
文章の終わりに白いピリオドのようなものが付いている。

「おい、川畑、」

「へ?私?」

急に指名されたので、ボーッとしてるのを注意されるのかと思ったら、要件は違った。


「一ノ瀬を、探してこい」


そんなこんなで、今私は廊下をさまよっている。

「はあああ!?あいつどこにいんのよ!?あったらぶっ殺す!」

いくら教室を探しても見つからないので苛立ってきた。

「残るは屋上、か。」

少し冷静になって、屋上への階段を上った。

『キィィィィイ…!』

古く錆びたドアを開けて、一ノ瀬の後ろ姿を探した。

「(あ、いた…)」

そこには、なぜか炭酸飲料を飲んでいる一ノ瀬がいた。

「ん?川畑さんか。何の用?」

炭酸飲料の飲み口から口を外してとぼけた口調で言ってきた。

「何の用?じゃないでしょうがよ!授業サボってんじゃねーよ!どんだけ探したと思ってんの?!」

腹が立った私は一ノ瀬にそうぶつけた。

「てか食堂のドア開いてないよね…?どうやってそれを…」

食堂の自販機から買ったものだから、そう聞いた。


「ん?これだよ。」

そう言って投げ渡されたのは、幾つもの鍵が連なったものだった。

「っ…!?あんた、まさか職員室から盗んだの?!」

「盗む?人聞きの悪いなあ……。借りただけだよ。」
「一般常識では盗むっていうんですけど。」

しょうもない屁理屈を投げかけてくる一ノ瀬に冷静に対応した。


「………寒いね。」
「もどろっか。」

ていうか、それが本題なのに忘れていた気がする。

そして案の定、一ノ瀬は先生に怒られていたのであった。



「馬鹿だね、一ノ瀬って。」
「君こそ馬鹿なんじゃないかい?」
「ぶっ飛ばすわよ?」
「理不尽だね…構わないよ?」

Re: オタクに好意を抱いた私の哀れな物語 ( No.4 )
日時: 2017/01/06 21:49
名前: 幻花


 あぽろさんが男の方だったなんて、驚きです!
 こんなにもコミュ障女子の気持ちがわかるなんてすごいです。

 一之瀬君のキャラ、私はかなり好きです!

 最後の「構わないよ?」は、川畑さんだからなのかそういう人なのかが気になっ てしまいます!

Re: オタクに好意を抱いた私の哀れな物語 ( No.5 )
日時: 2017/01/06 22:31
名前: あぽろ

幻花さん

続けて感想ありがとうございますぅ!
残念ながら男の子です))

コミュ症の女の子の気持ちを理解できているという感想、とても励みになります!
こんな妄想小学生の小説ですが、読んでくださってありがたいです…!
これからも感想よろしくお願いします!

Re: オタクに好意を抱いた私の哀れな物語 ( No.6 )
日時: 2017/01/06 23:32
名前: 幻花


 えっ?!
 小学生だったんですか?
 それなのにこの文章力はすごいですね。私よりも若いのに、見習いたいくらいの 小説です!

 こんなばかな中学生の言葉なのに、喜んでくださってうれしいです。

 次の話も期待してます!

Re: オタクに好意を抱いた私の哀れな物語 ( No.7 )
日時: 2017/01/14 11:13
名前: あぽろ

はい!頑張りますぅ!
投稿ペースは相変わらず亀ですが、待っててくださると嬉しいです…!


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