コメディ・ライト小説(新)

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君は隣人
日時: 2018/08/03 14:25
名前: 雪うさぎ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=11517

今回も長編小説です。
のんびりの投稿になります。ご了承ください!!

コメント・アドバイス等はどんどん送ってくださいm(_ _)m

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Re: 君は隣人 ( No.35 )
日時: 2019/03/06 12:59
名前: 雪うさぎ

17章 離れてしまった距離

春休み明け、1日目。制服のまま布団へと転がった私は、今日何度めかのため息をつく。原因は、今日の始業式後のことだった。始業式が終わってすぐ、廊下に張り出されたクラス替えの用紙を、各クラスごと順番に見ていった。
「あ……。」
思わず声を出してしまった。それもそうだ。龍清と書かれている列が違う。つまり、クラスが違うのだ。少し遠くにいた龍清を見ると、准たちと楽しそうに話している。あの様子からすれば、同じクラスだったようだ。そして、今、改めてそんなことを思い出していると、また、自然とため息をついてしまう。欲を言えば、
「ちょっとくらい、悲しそうな顔、してほしかったな。」
ぼそっと口から出てしまった言葉に気づいた私は、一応周りを確認する。と、その時だった。携帯がうるさく鳴る。画面には、雛の名前が表示されていた。電話なんて珍しいので、よっぽど急ぎの用事なのだろう。
「どう……。」
私が電話に出るなり
「学校の体育館裏に集合!急いで、今すぐね!!」
と言い、電話は切れてしまった。案の定、制服は着たままだったので、言われたとおり、急いで家を出る。体育館裏には、見知った顔がそろっていた。
「こっち、こっち。」
小声で雛が言う。
「准、雛、勇志まで……。どうしたの?」
「あそこ。」
准は私の問に答える代わりなのか、隙間からちらりと見えるプールの方を指差した。
「え、あれって。」
龍清だ。龍清と一緒にいるのは、同じクラスの女の子に見える。雛と准に同士に口をふさがれた私は、よく聞こえる声に、盗み聞きは悪いと分かっていたが、思わず耳をかたむけてしまう。
「あの、ね、龍清君のこと、好きです!付き合ってください。」
雛と顔を見合わせる。とその時だった。
「ごめん。好きな人いるんだ。」
血の気が引くのがわかった。付き合ってほしかったわけでは断じてない。ただ、龍清の口から、好きな人がいるということを、聞きたくなかったのだ。例え、盗み聞きだとしても、それは本人の口から発されている、紛れもない事実なのだ。雛から聞いていたから知っていたが……。そんなことを考え、どこか距離が離れてしまったような気持ちにひたっているうちに、龍清がこちらに気づく。みんなで逃げようとするものも、すぐに捕まり、いつもみたいに笑いながら会話を交わす。先生がまだ残ってる可能性を考え、帰ることになったのだが、その帰り道、誰一人、告白のことには触れることはなかった。そして、私はどこか上の空に行きそうな意識を保ち、話にあいづちをうつので精一杯で、気づいていなかったのだ。少し後ろを歩く龍清が、悲しそうな、困ったような顔でこちらを見ていたことには。

Re: 君は隣人 ( No.36 )
日時: 2019/03/03 07:27
名前: 雪うさぎ

皆さんのおかげで、いつの間にか700観覧突破しました!!
いつも読んでくださりありがとうございます。
度々、個人的な事情により投稿ペースが落ちてますが、小説はいよいよラストスパートに入ります!!
少ない投稿になると思いますが、これからも、「君は隣人」また「雪うさぎ」をよろしくお願いします。
なお、ご指摘をいただきました、作者の名前の件なのですが、私はプロフィールURがはってあるものになります。

Re: 君は隣人 ( No.37 )
日時: 2019/03/06 13:00
名前: 雪うさぎ

18章 言葉の意味

クラス替えから約3週間。私は、龍清と同じクラスになった雛と話すために、クラス前廊下に出ている。
「それでねー、理科の。」
お互い話が弾み、周りなんて気にも止めていなかった。その時、
「わっ。」
誰かが私の背中を叩いた。
「ひゃっ!!」
思わず声を上げて、振り返ると、そこには爆笑している龍清がいた。久しぶりにみる龍清の笑い顔や笑い声に、ドキドキしている気持ちを悟られそうで、
「もー、びっくりしたじゃん!」
などと怒ってみるものの、どうやらつぼにはまったようで、なかなか笑いが止まらない。次第に、そんな龍清につられたのか、自分でもおかしくなってきて、笑ってしまった。すると、龍清は驚いたような顔をしてから、優しく微笑んで、
「笑った。」
っと小さな声でつぶやいた。予想外の言葉に、何か悪いことをしてしまったのか、急に心配になる。どういう意味で言ったのだろうか。
「え?今……。」
「ん?どーした?」
問いかけてみても、なんでもないような顔で、逆に問いを返されてしまう。微笑んで言っていたし、大丈夫だったのだろうか。そのことも含めて聞きたかったが、何回聞こうとしても、はぐらかされてしまう。こうしている間に、授業開始の時間は着々と迫っていた。
「んー……なんでもない。」
結局、私は意味を聞けず、そう言うしかなくなった。さらに、時間になるということで、各自自分のクラスに戻ることになってしまい、それ以上は何も話せなかった。せっかくのチャンスをあまり活かせなかったことに凹みつつも、まだ耳に残っている龍清の声にドキドキしている。だが、そのたびに能力によぎる、さっきの言葉の意味を考えれば考えるほど、不安になっていく。そんなこんなで始まった授業は、なかなか集中できなかった。

Re: 君は隣人 ( No.38 )
日時: 2019/08/14 16:54
名前: 雪うさぎ

19章 提案

「お昼ご飯どこにする?」
考え事をして、自分の世界に入っていた私は、今年もクラスが同じ、さらには同じ班になった勇志の声で現実世界に引き戻された。
「え、あー。あんまり遠くないとこがいいよね。」
今日は、気温もだいぶ上がり、夏が近づいてきたのを感じる。もうすぐ一学期も終わりを迎えようとしていた。あっという間に過ぎてしまった一学期。その間に龍清と話したのは、雛と廊下で話していた日だけだった。度々見かけることはあったが、声はかけれずにここまで来てしまったのだ。そして今、私と勇志は、二学期の始めにある校外学習、その班行動のルートを考えているところだったのだ。
「なあ、あのさ……。」
私の返事を聞いた勇志が、珍しく言葉を濁らしながら、何かを言おうとした。しかし、その声はずっと聞きたかった声にかき消されてしまった。
「勇志いるー?」
ドキッと胸が跳ねる。この声は間違えなく龍清だ。
「わりっ。後でな。」
勇志が走って廊下へ出ていく。その先に龍清がいる……。その思いに流されるようにチラリと目をやると、龍清と目が合った。反射的に目をそらしてしまう。偶然だと頭では分かっていても、見られていたということだろうか。などと都合良く捉えてしまう私がいる。そんな自分勝手な思考を、追い払うために頭を横に降る。すると勇志が走ってきた。
「あれ?話し終わったの?」
「うん。あのさ、さっき言おうとしたことなんだけどさ。」
勇志は、さっき濁ってた声とはまるっきり反対の明るい声で話しだした。
「今度の校外学習のルートさ、龍清達と合わせねー?」
「もちろんい……え……えっ!?」
予想外の提案に、思わず叫んだ私の顔を見て勇志が笑う。その後ろに、同じようにイタズラっぽい笑みを浮かべている龍清が、チラリと見えたような、そんな気がした。

Re: 君は隣人 ( No.39 )
日時: 2019/06/20 10:50
名前: 雪うさぎ

20章 帰路

夏休み前の学年集会。その日は、代表に選ばれた生徒、各クラス1名ずつが夏休みの目標などを発表する。そして、たった今、私は国語科の先生に呼び止められ、その大役を引き受けた。私がその内容などの話し合いを終える頃には、外はだいぶ暗くなっていた。やっと帰れるの一心で、人がいない校門を抜けようとした。その時だった。
「萌衣奈。」
ふと、後ろから声をかけられた。
「え?」
振り向くと、そこには自転車片手に手を振る龍清がいる。思わず緩みそうになる頬を、できる限りこらえ、そっと微笑む。
「萌衣奈が居残りなんて珍しいな。面倒事でも頼まれた?」
首を傾げて顔をのぞき込まれると、思わずそっぽを向きたくなる衝動に襲われる。だが、せっかく久しぶりに話しかけられたことを考えるとちゃんと話したい。さらには、できるだけ印象を下げるようなことをしたくはないので、その衝動を抑える。
「面倒事ではないけど……。学年集会の代表頼まれたんだよー。」
「そんなことだと思ったー!!」
まるで分かっていたような口ぶりの龍清に思わず笑っていた私は、次の龍清の言葉で赤面することとなるとは思ってなかった。
「一緒帰んね?待ってた。」
「え……待ってたって……。龍清が私を?」
「うん。」
ハッキリ告げられた言葉に、急激に頬が熱くなるのを感じる。鼓動の音もうるさく聞こえる。それを誤魔化すように、できる限り普通を装う。
「そっか。じゃあ帰ろう!」
二人で帰路を歩き始めるものの、会話はなかなか弾まなかった。原因はただ一つ。私が緊張のあまり上手く返事を返せなかったからだ。一年生の時はあんなに普通に話せていたのに……。どうやって話していただろうか。別に、あの時だって、今だって、何か意識していたわけでもなかった。そう思うと、なんとなく一年生の時の私が羨ましく感じてしまう。
「あ、じゃあ……。今日はありがとう。」
あっという間にすぎて行った時間を惜しむが、もう遅い。笑顔で俺を言うと、嬉しそうに笑った龍清は
「おう!」
と短く頷いた。かすかに声が弾んでたように聞こえたのは、私の気のせいだろう。そう思いつつも、今までただの帰路だった道を少しの間だけ見つめる。ただの帰路なのに間違いはないはずなのだが、なんとなく、特別へと変わった。そんな気がした。


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