コメディ・ライト小説(新)

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ヘタレクエスト 激突 竜魔王編
日時: 2017/05/08 23:44
名前: ハチクマともふみ

これまでのお話ざっくり

ひょんなことから別世界へ移動し、魔法使いの暮らす世界にやってきたゲーム大好きヘタレ青年ケンジ


そこで出会った魔法使いエレスがたまたま現実世界で自分が意中の相手に似ていたのを理由に婚約を申し入れ、それを条件に世界を脅かす魔王を倒す旅を始める

魔法が使えないケンジは、古株の戦闘員シオから魔法のブレスレットをもらい、ミドリン王国で魔王幹部グランに支配されつつあったスフェルを救い

海を渡りスカル海賊団船長アークと同盟を組むと、南の島の人間を脅かす魔王幹部デスピエロを犬人間トトンと共に倒し、岩の生き物が暮らす国、ロック王国で岩の生き物を呼び覚ます指輪を手にいれる

その後ルルルの森で妖精たちと束の間癒しの時間を過ごすも、突如現れたグランにより仲間は分裂、その後エレスが魔王幹部にさらわれたことを知り、ケンジは自分の行いを省み新たな決意を胸に、神殿に眠る幻の剣を手にいれると、魔王幹部ギルを倒してエレスを救出する

ケンジは仲間たちと再会し、魔王城へ潜入
スフェルはグランを倒し、ケンジも魔王を独自のスタイルで翻弄し追い詰めた
あと一歩で世界の平和を取り戻すその時、最初の村で出会った謎の男リュウが、魔王を補食し竜魔王となってケンジたちに強力な一撃をお見舞いする

凄まじい力で城の外まで押し出されたケンジたちは散り散りとなってしまった


ここから始まる物語はそんな悲劇の幕開けから3年の月日が流れた新たな世界が舞台である

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掌 ( No.4 )
日時: 2017/05/12 23:29
名前: ハチクマともふみ

巨大な魚の化け物は村長を食べると、再び水面の中に消えていった
先程までいた村長は床ごと喰われ、餌となる腐った魚だけが数匹残されていた

「離れろ!!!!」

村人たちはその光景を目の当たりにして、慌てて海の近くから離れる、しかしそれを追うかのように先程村長を食べた奴と同じような姿をした魚が水面から飛び出して逃げる村人に食らい付く

「ぐあああああ!!!」

「あぁ!」

一人がそれに気づくと今度はそいつがまた同じような魚に頭からいかれる
どうやら複数いるようで、村人の一人が足を食われ海に引きずり込まれそうになる者を見つけすぐに持っていた船のオールで魚を叩く、叩くと魚は少し怯み、その瞬間噛まれていた村人は解放

「村長が・・・」

「落胆するのはあとだ、それよりもここから離れなくちゃ、おい!みんな救える奴は救ってすぐそこから避難しろ!!!相手は一匹じゃないぞ!」

「食う側が食われるなんて、皮肉なもんだな・・・」

「くそっ!早く離しやがれ、このボケ魚がっ!」

村人の一人が右足に食いつく魚から離れようと、食い込む歯の痛みをこらえながら、掌で目玉を叩く、バシバシと数回叩くと、向こうも少し痛みがあるのか、口を開いて村人を解放


「はぁ・・・はぁ、思い知ったか、人間様に歯向かおうなんて100年早いんだよ・・・」

ザバアアン!!


村人が水面まで引っ張られた状態のまま沖を眺めていると突如大きな水しぶきを挙げて先程まで数匹ほどいた魚の群れの中から一際大きい虎柄の魚が現れた、口を開けずとも村人10人程を一度の丸のみ出来そうな大きさである

目を血走らせ、ブルブルと体を震えるその顔は丸で人を食らう竜のような顔つき、こちらをじっと睨みつけ口からはみ出した無数の牙、そして刃物のようなぎらつきを見せるヒレをパタパタとさせて今にも食らいつきそうだ、その恐ろしい姿に腹を立てていた村人はまるで自分が喰われることを予測し動きを止める虫のようだった


「・・・あ、ちょっと言い過ぎたかな」

ブァアアクッ!!!!

大きな口で虎柄の魚は村人を丸のみにした、一瞬のことで全く気持ちの整理がつかずにいる他の村人たちはただただその恐ろしい光景を見ることしか出来なかった

「あいつが親玉か・・・」

「ヌシグマを食ってた連中よりも遥かにでけぇじゃねぇか・・・」

皆がその光景に絶望しているところに、影で隠れていた、恐らく化け物に食われた村人の娘であろう子供が母親の手から離れ、魚の方へ走っていった

「お父ちゃん!!!」

「おい!ガキ危ないぞっ!誰か止めろ!」

「ちょっと待てよ!」

「待ちなさい!誰か!!」

母親の声も聞かずにバカデカい巨大魚に向かって持っていたおはじき的な何かをぶつけるために海に向かって投げ込む子供、しかしおはじきは届かず、他の魚たちや巨大魚はおはじきで揺れるわずかな水面の揺れに反応し子供の方へ、ゆっくりと近づいてくる

「何してるの、逃げるの、お父ちゃんみたいに喰われたらどうするの!」

母親が急いで子供の方へ行き抱きかかえる、しかし時に既に遅し、魚たちは既に目の前にいた、他の村人たちもオールを持って反撃しようとするが、あきらかに数で勝てても力の差は見ただけで歴然にあることがわかった

「くそっ!能無しめっ、お前らなんかに喰われてたまるかってんだよ!!」

すると一匹の魚が子供の前に飛び上がり口を大きく開けて食いつこうとする
もうダメだ、母親はそう思い子供を自分の背中で守ろうと魚に背を向けた





バキッ!!!

聞いたことの無い鋭い刃物がぶつかるような音、母親は目を開いて自分の目の前で何かが起こったのに気づき、後ろを振り替えると、赤い眺めのコートに身を包んだ黒いゴーグルをかける謎の男が魚の横っ腹を鉄のような手で殴り付けていた

魚はその一撃を受けて死んだ魚の目をし、そのまま水面の中に落ちる
すると紫の液体を体から出してぷか~っと水の上に浮き動かなくなってしまった
赤いコートの男はその場で空中回転すると水の上を越えて木の床に足を着く

「あぁ、あなたは・・・」

男は方針状態の母親の姿をチラッと見るが、魚たちは怒り、男に向かって数匹飛びかかってくる、男は黙って魚たちを迎え撃ち右左上へと拳を振り魚たちを一発で仕留めていく
するとその光景を見た海の奥にいる巨大魚がゆっくりと口を開く

スイコ「貴様・・・我が僕たちをよくも・・・」

すると男は魚たちが大量に浮かび足がつけるようになっていたため、そこまでジャンプし、掌を振って手首をブルブルさせる

スイコ「一体何者だ!!」

ケンジ「勇者ケンジと人は呼ぶ、魔物の分際で人間たちに危害を加えるとはもってのほか、覚悟は出来てるんだろうな」

スイコ「それはこっちの台詞だ、せっかくの飯の時間を邪魔しやがって、この大海原の主スイコ様に楯突いたらどうなるか思い知らせてやる」

ケンジ「その必要はない、お前の仲間たちが地獄で待ってる、すぐに会わせてやるよ」

スイコ「生意気な!!」


そういうとスイコは体をしならせて、尾びれを水面から出すと、尾びれについていた無数のトゲをケンジに向けて投げつける、ケンジはその尾びれを交わしてジャンプ、スイコは瞬時に上空へと移動したケンジを見て呆気にとられているとケンジはスイコの目と目の間に左の義手の手刀で勢いよく突いた

スイコ「かっ!!」

一瞬の出来事だった、スイコの額に突き刺さる左手、それと同時にスイコの体はみるみるうちに真っ白に染まっていき体を震えさせるとそのまま固まって浅い水の中でドスンと倒れ込み動かなくなってしまった


ケンジ「よし!」

義手を額から抜き、即死したスイコの体の上に乗るケンジ
村人は皆口をあんぐりさせて方針状態となっていた

記憶 ( No.5 )
日時: 2017/05/16 01:51
名前: ハチクマともふみ

西の島の大きな山の下にある崖と林の囲まれた小さな村、ここは「イワハダ村」屈強な男たちが素手で岩を砕き、巨大な荷台に積め込んで謎の建造物をつくっている
汗だくの雑踏をこき使うのは村人の中でも一際筋肉の大きい男「クロイ」、隣にお盆を持って作業風景を眺めるミツアミの少女もいる


クロイ「遅い、もっと早く出来ねぇのか!」

雑用1「へいっ!すいやせん!!」

雑用2「くっそぉ~、最近益々労働環境が厳しくなってる気がするんだが」

雑用1「しゃーないだろ、俺たち以外の奴が俺たち以上に活躍してるもんだから、底上げ図って気合い入ってるんだよ」

雑用2「ケンジめぇ~覚えてろよ・・・」



汗をかいて必死に働くところを横目に林の隙間から、ケンジが大きな巨大魚の尾ひれを引っ張ってやってきた


ケンジ「戻りました、近くで食料になりそうな奴がいたので、軽く仕留めてきてまして」

クロイ「ったく、お前はいつも何かすでかすな・・・まぁ結果的に良い方向に導いてる分マシだが」

ケンジ「俺はこういう風にしか、この村に貢献できませんから」



その夜、いつものように外で薪を焚き、飲めや歌えやの大騒ぎをして楽しむ雑用とそれを見つめるクロイの隣で正座をするケンジ


クロイ「お前の成長は著しい、部下も見習ってもらいたいもんだ」

ケンジ「そんなこと・・・俺はやるべきことをしているだけです」


するとケンジの隣にちょこんと座る先程のミツアミの少女
ケンジはその子に対して少し抵抗があるのか、隣に座られた瞬間、クロイの方に少しじり寄った

クロイ「・・・俺の娘の婿としても相応しい存在になるに違いないな、それでもまだまだ先の話だが」

ケンジ「は、はぁ」

クロイ「ずっとここにいる気は無いのか?」

ケンジ「正直なところ迷っています、クロイさんには十分な程にお世話になってるし、この村にも漸く馴染んできて、居心地も良くなってきてる、でも俺にはやらなくちゃいけない使命があるんです」

クロイ「その剣のことだろう、最初に見たときから気づいていた、それは南の島の近くにある孤島で祭られている幻の剣、それを手にするものは本物の勇者だけだ、だがケンジお前はその使命とやらを覚えていないだろう」

ケンジ「忘れちゃいけない何かを俺はすっぽり何かの拍子で抜けてしまったんです、自分が何者で何をするためにここに来たのか、どこからやってきたのかも思い出せない、覚えてるのは自分の名前だけ・・・」

クロイ「俺たち村の人間は常にこの岩と林で囲まれた空間で生きている、世間のことなど全くわからない・・・が目的もなく行動するのは良くないことだ、俺にとってお前はこの村の一員であり必要不可欠な存在、悪いことは言わん、ここに残り新しい人生を歩むべきだ」

ケンジ「・・・そうですね」



薪の火が空しく燃え上がる、自分の心に秘めた闘志、何にぶつけていいかもわからないこのたぎる気持ちは今村のために活かされている、本当にこれでいいのか、およそ3年もの間この村で鍛えられてきたケンジの右手は岩を殴り皮が剥げ腫れ上がり、腫れが治まればまた腫れを繰り返しとんでもなく大きな拳となっていた

その夜、ケンジは自分用に用意してもらった小さな住宅の寝具の上で横になり、家の入り口からわずかに見える月光を眺めている、光を見ると何だかよくわからないが過去に聞いた声や色鮮やかな光が脳裏を駆け抜ける





ケンジ!・・・しっかりしてよケンジ!!

くらえぇ!!ケンジ!!!!

ケンジくん!!!



ケンジ「はっ!!」


気がつくとケンジは眠っていた、汗だくのケンジの枕元にはクロイの娘が座っていた、自分がうなされているのを心配しているようだった、すると



ヒュルルルルルルルルルルルルルルル~~~~~~~~ズドォォオオオオン!!!!!!

飛来するモノ ( No.6 )
日時: 2017/05/19 00:45
名前: ハチクマともふみ

ケンジ「・・・」


激しい爆発音はケンジの家のすぐ近くだった、黒煙を放ち炎に包まれた鉄の塊が見える、そこからボロボロの白衣を来て白髪の若干ケンジよりも年上くらいの男が割れた眼鏡を懐にしまって鉄の塊に触れる

謎の人物「いってぇ・・・おかしいな、前よりも飛距離は行くと思ったのに、あ~あ、これじゃあ翼がこんなに、これじゃあ海も渡れないかな・・・」


恐らく人間であろうその人物にケンジは恐る恐るコンタクトをとることにした

ケンジ「おい!」

謎の人物「お・・・誰だ!」

ケンジ「それはこっちの台詞だ、黙って降りてきて村の大事な岩まで壊しやがって、それに何だその変な乗り物は!!」

謎の人物「失敬なっ、これは私が作り上げた完全なる飛行装置「フライテッシー228号」だ!」

ケンジ「でもさっき海も渡れないとか言ってただろ!怪しいやつめ、今ここで仕留めてやる」


攻撃態勢にはいるケンジ、拳を前に構えて謎の男を威嚇すると男はそれを見て慌てて手を前に出し焦り出す、完全ノーガード状態で少し泣きべそをかいている

謎の人物「待て!待って!!落ち着こうよ、落ち着いて・・・落ち着いた方がいい、お前もそう思うだろ?」

ケンジ「思わん」

テッシー「私はここからずっと遠くにあるイカガク村から来た「テッシー」だ!科学者をしている、主に乗り物などを専攻していて最近ではこうやって飛行機もつくるくらいにまで成長した!見ろ!およそ8年の成果、私の実力さえあればこの通り・・・」


鉄の塊は鎮火し黒こげになっていた、乗り込む場所はあるが翼らしき部分は完全に粉々になっている、誰が見ても修復は不可能である

ケンジ「残念だな」


現実を目の当たりにしたテッシーは汗と涙を袖で拭いて、冷静になる


テッシー「とにかく私は怪しいものではない!ただの実験事故だ、試作品は試す価値があるから試作品という、最初から無理とわかっていればそもそも飛ばすことなんてしなかった、これ本当に飛ぶことが出来ると思ったから試したのだ!村を狙ったり、自然破壊をしようなんて企みはサラサラ無い!」

クロイ「ケンジ・・・何の騒ぎだ」



すると村の奥から数人の雑用を連れてクロイがやってきた、ケンジはクロイたちに見えないようスカイテッシー228号の傍まで行ってテッシーを背後に隠し真顔になる


ケンジ「いや、何かまた落石があったみたいで、近くにこんなものが」

クロイ「何だそりゃ?」

ケンジ「よくわかりませんが、調べてみたところ特に怪しいものでは無さそうです、ほら!」


ものすごい音と共にスカイテッシー228号を殴り付けたケンジ、乗り込む部分は真っ二つになってしまった


テッシー「おい!あまり乱暴に扱うな!うぼっ」


声をあらげるテッシーの頭をクロイたちに見えないようにひっぱたく、クロイは少し変な動きをするケンジを怪しむが、特に追求することはなく


クロイ「ならいいが、早く寝ろ、あんまり外にいると、夜獣に目をつけられるぞ」

ケンジ「わかってますよ」


クロイたちは村の奥へと消えていった



テッシー「お前の殴った分の損害は高くつくぞ!この天才の頭を」


怒るテッシーの胸ぐらを掴み鉄屑へ体を押し付けるケンジ


ケンジ「やっぱり頭領に伝えて縛り首にしてもらったほうが良かったか?それともこのままお前を逃がすか、西の島の危険な夜の密林、夜は獣が狩りを始める時間だ、家なんて丸々一つぶっ壊す奴がそこら中うろうろしている、命が惜しければ俺の言うことを黙って聞くしか他無いというわけだ、わかるか?」

テッシー「わかります・・・」

ケンジ「立ち話もあれだから、一度俺の家まで来い」


テッシーは半ば脅迫されたことによる恐怖にうちひしがれながら、ケンジの寝床へと案内される

西の島の脅威 ( No.7 )
日時: 2017/05/20 23:07
名前: ハチクマともふみ

ケンジ「冷静になって今日の過ちを省み明日へとつなげろ・・・」


部屋に入りケンジが入れたゴポゴポする泥水を渡されたテッシー
異様なその物質に若干引く

テッシー「・・・あぁ、すまない」

ケンジ「それでその魔獣ってのはどんな奴なんだ?」

テッシー「ここだけの話、西の島全体に蔓延っているってことを最近耳にした、お前らの言う獰猛な生き物とはまた違う、恐ろしく体がデカくて、そして頑丈、さらには魔法までも使えるっつうんだから人間じゃあ手が出せない、イカガク村は周辺にる魔獣のせいで村の外への出入りが制限されてる、毎月怪我や死傷する連中が耐えないもんだから」

ケンジ「似たような奴がウッド村にもいた、珍しい喋る魚だったんだ、魔力もあるようだったし只者じゃない感じはしたな、というかここ最近そういうのが増えてきてるような気はしてたんだよな・・・この間も近くの湖でバカでかいウツボが獲れたんだ」

テッシー「そりゃあ、きっと魔獣に違いない、どこから現れてるかはわからないが村の住人は怯えて外に出たがらない始末だ、このままじゃ物資も作物も底を尽きて村が滅んでしまう」

ケンジ「そこでお前が仲間を助けるために村を離れて戦力になる奴を探そうとしたってことか」

テッシー「あぁ~いや、そうじゃない、単純に村から出ようとしたんだ、島全体が侵食されつつあることを聞いてすぐに村を、いやこの島を出ようと考えた、だって自分の命が最終的には大事だろ?」

ケンジ「お前、中々の屑だな・・・」


その言葉に怒ったテッシーは立ち上がりケンジを指差して、非難する

テッシー「うるさい!何も知らない癖にお前に私の気持ちがわかるのか!!二度とあんな村には戻りたくない、見捨てたっていいさ、私は・・・くそっ!!」

ケンジ「ただ事実、お前の心情はどうであれ、村の人間が困っているのには変わりない、聞いたからには黙って見過ごすわけにはいかないな」

テッシー「な、何すんだよ」

ケンジ「村まで案内しろ、俺が何とかする」

テッシー「ばか野郎、相手が誰だかわかってんのか、イカガク村は対魔物ように武器とかもつくってんだ、それでも歯が立たないような連中だぞ」


動揺するテッシーに対し背中に装備した剣を見せるケンジ


ケンジ「俺にはこの世界を救う使命がある、これがその証だ、正義の名の元に悪を成敗するのが俺の役目」

テッシー「そんな奴がなんでこんな場所にいんだよ」

ケンジ「それは知らない、俺も人に言われるまで自分の使命を知らなかった」

テッシー「思い過ごしのアホじゃねぇか・・・そんな奴に村の平和を任せられねぇよ・・・」

ケンジ「いいから早く案内しろ、道中の敵については俺が何とかする」



2人はイワハダ村を出て一度テッシーの住む、イカガク村へ急いだ、
そんな2人を近くで見る影

孤独 ( No.8 )
日時: 2017/05/20 23:51
名前: ハチクマともふみ

ケンジはテッシーを連れてイカガク村へと続く長い密林を進む、途中襲ってくる巨大な獣たちを手あたり次第に叩いていく


ケンジ「これで何体目だ」

テッシー「いやわからないけど、もう20体近くは仕留めたと思うよ」

ケンジ「そんなにたくさんか・・・あまりたくさん叩いても食料として運べない分無駄になるからな、体力も温存しておかないと」

テッシー「それにしては全然バテてないように見えるけど」

ケンジ「まぁ慣れてるからな、これくらいならどうってことない、過去やってきた修行に比べれば」

テッシー「どんな修行を積んできたんだ、それと」



というとテッシーは後ろにちょこちょこついてきていたクロイの娘を見る、娘の名はチェル、ケンジに黙ってずっと着いてきている


ケンジ「何でついてきた、これがバレたら、クロイさんに怒られる、早く村に戻れ」


チェルはケンジの言葉を聞かずに顔を横に振る
ケンジは頭をポリポリかいて困った様子

ケンジ「・・・ったく」


テッシー「出会った時からずっと一緒にいたけど、これで戻ったりでもしたらそのクロイって人に告げ口するんじゃ」

ケンジ「どうってことない、村に帰って謝れば済む話さ、だが愛娘を一緒に危険な場所へ連れて行き、そこで何かあればそれこそ謝ったってただじゃ済まされないだろう、俺も勿論お前もな」

テッシー「・・・それは・・・一大事だな」


チェルは黙ってケンジの傍に行き、腰元の衣類を手でつまみ引っ張っているが
力は弱く、引き返すことを願う素振りではなさそうであった


テッシー「この女、相当お前に惚れているようだな」

ケンジ「まだ若い、女として見ることはできないな」

チェル「・・・」


ケンジ「絶対離れるなよ」




仕方なくケンジはチェルを連れてテッシーと共に山中を進むことにした


数時間経ち要約村が見えてきた、鉄のオブジェが沢山伸びている異様な光景、中で明かりが灯っているのが遠くからでもわかった
テッシーは村が近づくに連れ、足取りが重くなり、ケンジたちとも少しずつ距離を空けて行く


ケンジ「おい!何やってんだ、お前」

テッシー「いや・・・私は村には入れない・・・」

ケンジ「何でだ、一緒に行くぞ」

テッシー「村の外で待っている、事情を聞いて、事件の解決に身を投じてくれ」


何やら様子がおかしいテッシー、とりあえずケンジはチェルと共に夜のイカガク村へと侵入、中には機関銃のようなものを背中に背負った人間たちがうろついていた、どうやら魔獣の潜入を阻むために夜でも巡回を続けているようだ、一人の村人が鉄の塊でできた大きな建物からこちらを見つめやってくる

ケンジ「イワハダ村のケンジだ、魔獣の討伐をお願いされてきたんだが」


その言葉に疑問に思った村人はケンジたちを一旦村長のアベルの元へ案内する
鉄でできた大きな建物が村長の住む家、中にはまるで武装した軍隊のような者たちがそれぞれ雑魚寝をし一時の休息をしているようだった

アベル「わざわざこの村に来てくださるとは、感謝します、ですがケンジさんと言ったかな、そのような身なりで魔獣と会い見えようなど考えているとは、少しばかり安易ではないでしょうか」

ケンジ「俺にはこの鉄をも砕く鋭い拳と最強の剣があります、戦ってみなくてはわかりませんが、自信があります」

アベル「自信があると言われても、魔獣は恐ろしい力を持っています、我々の魔法では太刀打ちできない相手です、そして何より凄まじい勢力だ、護衛で競り合ったとしてもすぐにまた強い者たちがやってきて、私たちにも限界がある」

ケンジ「勢力という事は組織か、一団があるということですか?」


アベル「私が知っている限りだとこの先の山奥にある古い洞窟に奴らの組織があるらしいです、その中でも特に力を持つと言われているのが、「海獣リヴァイア」、こいつは滝の水に海水を流し込んで自分の暮らす土地に変化させた化け物です、もしかするとその洞窟に潜んでいるかもしれません」

ケンジ「リヴァイアか、わかりました、ではその洞窟の場所を教えてください、俺が向かいます」

アベル「いや、本当に強い相手です、一人ではとても」

ケンジ「心配いりません、村の皆さんには危害を加えられないようにしますから」


アベル「・・・命知らずな御方だ、ちなみに魔物の討伐について誰にお願いされたのですかな」

ケンジ「この村の住人であるテッシーという男です」

アベル「テッシー、あいつが」


ケンジ「何かあったんですか?」

アベル「彼はこの村を捨てた男だ、それも普段から誰のいう事も聞かずに自分の好きな物ばかり研究し実験しては失敗する連続で、金も村人から失敬しては返さず出世払いといって流す始末、村への貢献が全くなされなかった挙句村の危機をいち早く察知し自分だけ逃げだすという最低の男だ、奴の言葉は聞くだけ無駄だ、ケンジさん魔獣の討伐は有難いが聞いた相手が悪かったな」

ケンジ「・・・」


村を出てリヴァイアがいると思われる洞窟の道順を聞き向かおうとするケンジ、村の外の外壁に背中をついてじっとするテッシーがそこにいた

ケンジ「お前・・・」

テッシー「そうさ、俺は最低の男だ、天才だってのも嘘、ただ子供の頃からの夢を今でもずっと追いかけているだけなのさ、たくさんの乗り物を自分の手で作ってみたかった、でも上手く行かねぇんだよ、ガキの頃から始めて気づけばもうこんな歳だ、人生ってさ、長いようで短いんだよな勇者さん」

ケンジ「お前は要領が悪い、もっと考えて行動するべきだったな、過去は嘆いても戻っては来ない、どうせ追放された身、村に対する自省の念があるなら着いて来い」

テッシー「そりゃあもちろんさ・・・」




3人はリヴァイアがいると思われる洞窟へと向かう


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