コメディ・ライト小説(新)

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CinderellaTimes
日時: 2017/06/23 20:00
名前: 羅知


 ------げんじつに埋もれた魔法ゆめを貴方はご存知ですか?
 
 いやはやご存知ではない!!ならばワタクシがお教え致しましょう!!
 誰しもが持っていただろう魔法ゆめはいつから消えたのでしょうか!!最後に夢を見たのはいつ頃で?…覚えていない!!それはいけませんネ!!夢見て生きてこそジンセイでしょう?仕方ありませんネ!今回限り特別に貴方に”魔法”をおかけしましょう!!

 さぁ目を閉じて?
考えることをやめて下さい------------




 --------------------今宵の灰被姫シンデレラは貴方です。



*


はじめまして。お久し振りです。羅知らちというものです。
複ファで主に更新している作品の傍らで更新していきたいと思っています。
長さで言うと中編くらいになる予定です。学園”SF”ラブコメです。ちょっと不思議なのです。

注意
・荒らしはお控えください。
・稀更新です。ご容赦下さい。

2001,6,23更新開始







Page:1 2



Re: CinderellaTimes ( No.3 )
日時: 2017/09/23 19:11
名前: 羅知



 "孤独ひとり"で生きていこう、そう決めた時からボクの今まで持っていた色んなことへの興味関心は潮が引くように消えていった。何をやっても、何を見ても、あぁいつかは消えてしまうんだ。そう思ったらやること為すこと全てが無駄に感じた。ボクの世界セカイは急激に"いろ"を失って、全てが燃え尽きたような"灰色グレー" に変わったんだ。
 
 だけど黒澤君は、違ったんだ。
 
 ボクが興味のないことだってなんだって、彼はおかまいなしにボクの手を引っ張った。ボク一人じゃ見ることの出来なかった景色、経験を彼は与えてくれた。白状しよう。ボクは確かに彼に救われていた。灰色の景色は彼のお陰で少しだけ輝いていたし、君の何にも混じることのない"いろ"はボクに希望をくれた。彼のような生き方をしたら、ボクも彼のようになれるのかもしれない。そんな風に思えたこともあった。
 
 
 
 
 ------------だけど、それらが全部"嘘"だったんだとしたら。
 
 
 
 
 あの温度を失くした冷たい目が。どくどくと流れるボクの血とは対照的な"ソレ"が"君"なのだとしたら。ボクは一体どうすればいい?何を信じたらいい?
 
 
 『なぁ、ボクはどうすれば良かったんだよ』
 
 
 聞こえることのなかった君の返事を、ボクはまだ浅ましく期待してしまっている。
 
 
 ∮
 
 
『-----少々"手荒な真似"をしてしまいましたが、無事"コチラ"へ辿り着けたようで何よりです。なにぶん初めての方は"迷って"しまう方が多いものでして、毎度初回は"あのような方法"をとらせてもらうんです』
 
『あぁ、安心して下さい!!その際に負った怪我や、協力してもらった人間の記憶は一切合切なくなりますから。貴方の"親友"の"黒澤卯一"君もきっと明日からは何事もなかったかのように、笑いかけてくれるはずですよ。貴方の"望み"通りに』
 
『-----というわけで、おめでとうございます!!貴方はこの度の"灰被姫シンデレラ"です!!どんな運命ユメも思いの通りに動かして差し上げましょう!!』
 
 
 ぎょろりとコチラを見て笑いかけてくる丸い目玉。鋭く尖った嘴。硬い毛並みのような羽を持った"ソレ"は目覚めたボクを見て機嫌良さそうに話している。何を言っているか分からない。理解が追い付かない。身体だけきっちりと人間でスーツを着ている姿はまるで冗談みたいだ。きっとこれは夢なんだろう、そう思った。目の前で甲高い声で喋っている鳩頭はボクの妄想だし、灰被姫シンデレラとか、運命ユメだとか、厨二病も甚だしい。ボクはとうとう頭がおかしくなってしまったんだろう。きっとそうだ。
 
 
『……信じるも、信じないも貴方次第ですが、それなら"黒澤卯一"の件のことはどうやって結論付けるんです?"信じていた人間に裏切られた現実"と"鳩頭が喋っているような、まるで、狂ったような現実"。……どちらが貴方にとっての"救い"なのでしょうか?賢明な貴方なら分かるはずです』

 
 
 ……もう一回状況をまとめよう。目が覚めると鳩頭が頭に響くようなキンキン声でボクに話しかけてきた。貴方の望みを叶えてあげよう、君は今宵の灰被姫シンデレラだ、なんだと言って。……言葉に出せば出すほどに馬鹿みたいな話だ。それに訳が分からない。さっきまでボクは学校にいて、それで……それで、それで。
 
 
 

 
 
 『しん、じて、たのに』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 先程の光景を思い出して、身体がぶるりと震える。あれはまさに悪い夢だった。目の前の光景があの"悪夢"の延長かどうかは分からないけれど、あの出来事を否定できるのならまだ見ている価値があるのかもしれない。
 
「……わかりました」
 
 ボクがそうこくりと頷くと鳩頭は満足そうに笑い---笑った、といっても鳥頭なのでなんとなくそう見えただけかもしれないけれど----そして、説明を始める。何を言われるのだろうと身構えたボクだったが、鳩頭が始めに口にしたのは誰でも知ってる、と答えるようなそんな確認からだった。
 

 
 
『あなたは灰被姫シンデレラの物語をご存知ですか?』

Re: CinderellaTimes ( No.4 )
日時: 2017/09/23 20:19
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2

こんばんは、四季と申します。いきなり失礼します。

お話読ませていただきました。
この作品は心理描写がよく書けていて良いと感じました。
ここからどう展開していくのか気になります!

また更新楽しみにしています。これからも頑張って下さい。

Re: CinderellaTimes ( No.5 )
日時: 2017/09/24 18:16
名前: 羅知


 
『当たり前だ、と思いましたか?……いえ、別に貴方を馬鹿にしている訳ではありません。しかし今から話す話には"あの話"がとても重要になるのです』
 
 ふざけたような甲高い声はそのままながらも、神妙な雰囲気を持って鳩頭は話す。しかしその内容はとても一口では信じられるものではなかった。
 
『あの話は、ただの"空想の物語"ではありません』
 
 普通で普通の日常を送っていたボクには、とてもでないけれど信じられない話。しかし目の前にいる鳩頭は至極真面目に話を続ける。……まぁ、状況が既にふざけているけれど。
 
『あの物語が作られる以前からワタクシ達一族は存在しておりました。そしてごく一部の人々からは"マジョ"と呼ばれていたのです。……ご察しかと思われますが、あの物語に出てくる魔女マジョ----マジョは私達一族のことになります』
 
 そういえば、原作ではシンデレラを助けるのは魔女ではなく鳩だったっけ、とふと思い出した。最後のシーンで鳩がシンデレラの姉の目玉をつつくのが幼い頃、かなりのトラウマだった。そう考えて、その鋭利な嘴を見ると自分の目玉も取られてしまうんじゃないかと思って、心臓がひゅっとなった。
 
『抉ったりなんかしませんよ』
 
 どんな手を使ったのかは分からないけれど、鳩頭はボクの考えていることを読み取ったらしく、苦笑しながらそう弁解した。先程までの他人行儀な笑顔じゃなく、くすっとしたどこか親しげな笑い方だった。何故だろう。さっきから鳩頭なのだから細かい表情など読み取れるはずもないのに、なんとなくどんな顔をしているか分かる。鳩頭が何か細工でもしているんだろうか。
 
『"魔法"ですよ。貴方が疑問に思っている、現在起こっている不可思議な現象は全て私の"魔法"によって行われているのです。私達は生まれつき魔法を使うことが出来ます。でなきゃ灰被姫シンデレラを助けることなんて出来ませんから』
「"魔法"……」
『そうです。しかしいつでも好きなように使える訳ではありません。私達は抽選により選ばれた"契約者シンデレラ"の為にしか"魔法"を使うことを許されていません。そして"契約期間"も永遠ではないのです』
 
 聞けば聞くほど嘘みたいな話だ。だけども事実としてこうして鳩頭はボクの考えていることを読み取ることが出来るし、分かるはずもない鳥頭の細かな表情が分かる。まだ全てが----黒澤君がボクを殺そうと殴りかかったことでさえ----ボクの夢だったという可能性も否定出来ない。けれども全てをただの夢だと一蹴するのも愚かではないのかと思えるくらいには、ここまで聞いたボクは鳩頭の話を信じ始めてきていた。鳩頭の話は"現実主義者ボクの夢"にしてはあまりにも幻想的で非現実的だ。例え夢の中でさえ、自分がこんなことを考えているなんて思えない。
 
『あぁ、説明していたらもう"12時"になってしまいましたね!!続きは明日の夜にお話致しましょう』
 
 なんてボクが考えていると、鳩頭は腕に着けていた時計を見て、驚いたように大きな声で言った。そして恭しい仕草でその時計を外すと、ボクの手にぎゅっと持たせた。鳩頭の手はほんのり汗で湿っており、手袋越しから確かな温もりが伝わってきた。
 
『次回からは、その時計を着けてお眠り下さい。そうすればまた此処に来ることが出来るはずです』
 
 そう言うと鳩頭は二三歩後ろに下がって、深々とボクに向かってお辞儀をした。
 
『それでは次回のCinderellaTime(シンデレラの時間)にてお会いしましょう。さよな----』
「待って」 
『…………なんでしょう』
 
 別れの言葉を告げようとした鳩頭を遮る。鳩頭、鳩頭といっていたせいで大事なことを聞くのを忘れていた。例えこれが夢だったとしても、これは始めに聞いておくべきだっただろう。
 
 
「お前の名前は?」
『私の、名前-------------』
 
 
 ほんの少し目を伏せて、迷ったように言い淀んだ鳩頭だったが、それは一瞬で、何かを吹っ切るようににっこりと笑って鳩頭は口を開いた。
 
 
 
『----"永遠トア"です』
「……トア?」
『"は【とあ】たま"ですから』
 
 
 
 ……なんだか適当に誤魔化された感が否めないけれど、鳩頭----いや、トアはそれ以上何かを言う気はないらしく、ただにこにこと笑って、こちらに手を振っている。
 
『今度こそ、お別れです』
 
 何故だかとても眠い。トアの姿がだんだんとぼやけていく。瞼が重く、上がる気配がない。意識が、また、暗闇の中へ落ちていく。
 
 
 
 
 後に残ったのは暗闇と、鳩の頭の滑稽な男が一人。
 
 
 
 
 
『------------さようなら、"ミヨシトモキ"。今回の"灰被姫シンデレラ"が貴方であって本当に良かったです』
 
『……なんて、"戯言うそ"、なんだけど、ね』
 
『………………ねぇ、母さん。"ぼく"は愚か者なのかなぁ…………?』
 
 
 
 
 目から落ちる一筋の涙。それが地に落ちた瞬間、彼の羽はぶわりと周囲に飛び散って、全て地面に落ちたとき、そこには、ただただ哀しげな顔をしたまだ幼い少年が立ち尽くしていた。

Re: CinderellaTimes ( No.6 )
日時: 2017/10/05 08:21
名前: 羅知


 
「……夢、だったのか?」
 
 目覚めて一番初めにそう思った。
 目覚めた場所は病院。親や病院の先生が心配そうにボクを見つめていて、ボクはなんだか気恥ずかしかった。話を聞いてみると、どうやらボクは資料室の中で気がついたら気を失っていた(ことになっている)らしい。どうやら黒澤君はボクが資料室で眠っている間に、ボクの携帯に連絡したそうだ。しかし返事がない。そのことを不審に思った黒澤君は急いで学校に連絡し、その後気を失っていたボクを学校の先生が資料室で発見した----というのが"表向き"の事の顛末だった。事実"外傷はどこにもなく"、一応行った病院でも貧血による気絶だろうということで処理された。まるで流れるように忙しなく時間が過ぎていき、落ち着いて物を考える時間が出来たのは、病院やら色んな所に連れ回され疲れはてて家に戻った。時計を見れば針は夜の一時近くを指している。こんな時間だというのに黒澤君からは絶えることなく、『大丈夫か?』『どこも悪くないか?』というボクを心配するLINEが何度も届いていた。黒澤君への返事をどうするか考えながら、改めてボクは思った。
 
(……やっぱりさっきの出来事は夢だったんじゃないだろうか)
 
 黒澤君がボクを殴ったところから、さっきまで見ていた夢のようなものまで全部。そう思うのが妥当だったし、そう考えた方が楽だった。こんなお人好しがボクに危害を加えただなんて、例え不思議な力で操られていたと言われたって到底信じられる話じゃない。殴られた時に出来た外傷だってなかったのだ。夢だ、夢としか考えられない。そう思うのに。
 
(…………)
 
 腕に巻かれた自分のものではない"腕時計"は、あれが"現実"であったことなのだとしつこいくらいに主張していたのであった。
 
 ∮
 
「み、三好!!大丈夫だったのか?昨日は」
 
 朝、学校へ行くと黒澤君が教室の前で待っていて、開口一番にボクにそう心配そうな声色で声を掛けてきた。その顔がいかにもボクの体調を案じるような不安そうな顔で、不謹慎だけれどもボクが大変な目に合ったときにそういう顔をしてくれる"友人"がいることにボクは少しだけ嬉しくなった。
 
「大丈夫だよ。黒澤君。身体に異常はないってお医者さんも言ってたから」
「そ、そうなのか!……それなら良かった」
 
 ボクがそう言うと黒澤君は顔をパァと輝かせて、安心したように大きく息を吐いた。そしてまっすぐとボクの目を見て、真剣そうな面持ちでボクにこう言った。
 
「三好……オレさ、馬鹿だし、煩いし、お前にとっては迷惑かもしんねぇけどさ……お前がもし大変なら救ってやりたい、って思ってるんだ」
「…………」
「だから……オレのことお前はそんなに好きじゃねぇかもしんないけどさ。何でも相談してくれよ!!オレお前の力になりたい!!」
 
 まだ早朝でボクたち以外誰もいない教室で、黒澤君の言葉が反響する。静かだ。人の気配はなく、風の吹く音だけが聞こえてくる。黒澤君のその言葉にボクは笑顔でこう答えた。そういえば高校に上がってから一度もこんな風に自分から笑ったことはなかったかもしれない。変な顔になってないだろうか。いや、例え変な顔になっていたとしても黒澤君ならきっといつもみたいに明るい調子で笑って受け止めてくれるだろう。
 
 
 
 
「嫌いな訳ないだろ、黒澤君」
 
 
 
 
「ボクたちは、"友達"なんだから!!」
 
 
 
 まるで花が咲いたような笑顔。太陽のようだと言ってもいいかもしれない。いや何に表すのなんかどうでもいいんだ。黒澤君は笑った。さっきよりも、いつもよりもとてもいい"笑顔"で!!その笑顔のまま、彼はボクに抱き付いてきた。友達とのハグなんて中学校の頃にもしたことがない。抱き締めてくる腕が、少し痛くて、とても暖かい。なんだかちょっとだけ気恥ずかしい気もするけれど、それはとても心地の良い気分だ。
 
 今日、ボクは高校に行ってから初めての"友達"が出来た。とても元気で明るくて笑顔の素敵な奴だ。魔法なんかなくたって、ボクは幸せだった。トアの言ったことが本当で今夜もう一度会ったのなら、彼に言おうと思う。ありがとう。そして"灰被姫シンデレラ"は辞退させてくれ、と。トアのことはとても感謝している。昨日のことは決して良いことではなかった。だけどもボクが今こうして"友達"と素直に彼のことを呼ぶことが出来ているのはトアのおかげだろう。ボクはまったくもって素直じゃなくて、あんなことがなければきっとボクは彼のことをただの"自分によく構ってくる奴"という認識のまま卒業して-----きっと、そのままだっただろう。あんな目に合ったからこそ、ボクは彼の大切さを再認識したんだ。そして友達になることが出来た。昨日の話を思い返してみると、どうやらボクはトアの"契約者"というものらしいし--------きっと納得してくれる。うん。きっとそうだ。
 
 ボクは極めて楽観的な思想でそう思った。
 
 ∮
 
 腕の中の少年を、"無表情"で見つめながら彼は少年を抱き続けていた。その奥底にある"感情ほんしん"を、隠しながら。
 
 
 
 
 
(一回"裏切られた"のに、すぐ信じるんだな)
 
 
 
(--------いや、"裏切られた"からこそ、か?裏切られたからこそ、それが嘘だと分かったと"思い込んだ"瞬間に"信用"が"オレ"に一気に傾いたのか。"変わらない"んだな、根本的にお人好しな所)
 
 
 
 まぁいい、と彼は心の中で呟く。
 
 
 
 
(オレは--------オレの"仕事"をするだけだ。主人マスターの仰せのままに)
 
 
 
 
 ("オレ"に意志など存在しない主人マスターの意志は"オレ"の意志。"オレ"の意志は主人マスターの意志なのだから)
 
 
 
 そんなことを考えながら、黒澤卯一はまた一際強く腕の中の少年を抱き締めていた。

Re: CinderellaTimes ( No.7 )
日時: 2017/10/04 14:06
名前: いろはうた

はじめまして。
いろはうたと申します。
シンデレラとついているロマンチックな題名に惹かれて
お邪魔させていただきました!


シンデレラということなので
さぞかし内容もロマンチックなのかと思ったら、
その前に圧倒的な文章力にほわぁぁぁと
声にならない声を上げてました。
ステンドグラスのような素敵な文章だと思います。


そしてそして黒澤君の黒さに震えております。
黒い!!黒いぞ少年!!
でもそこがいい!!←


更新頑張ってください!!


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