コメディ・ライト小説(新)

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桜と家族と僕の嘘
日時: 2017/07/04 11:02
名前: りんごっち

あなたは今...どこにいるの...?


=目次=
一話『絆と僕と妹と』>>01 >>02 >>03
二話『母と父と思い出と』>>04 >>05 >>06 >>07
三話『過去と未来と再会と』>>08 >>09 >>10 >>11 >>12
最終話『桜と家族と僕の嘘』>>13 >>14

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Re: 桜と家族と僕の嘘 ( No.10 )
日時: 2017/07/04 09:15
名前: りんごっち

これは、今から15年も昔の事。
僕と雫はまだ本当の実家で暮らしていた。
雫は僕のいとこ。このことを雫は知らない。

事故により身寄りのなくなった雫を僕達が引き取ったのだ。

実家はとある町の豪邸。
母はまるで人形のような見た目をしていて、とても優しかった。

父は多分いない...幼い僕でもそれは分かっていた。

あるとき母が病気にかかった。
精神的なものだという。

僕達を今の自分が育てられないと思ったのか施設に預けた。

その時、僕は母と約束した。

「涼...お母さんはちょっと疲れちゃったからさ...ちょっとだけお母さん辞めてもいい?」
「え?」

「お母さんに戻ったときは迎えに行くから」
「それっていつ?」

「お母さんにも分からない」
その時の母の顔はどこか遠くを見つめるような穏やかな目だった。

「絶対に迎えに来てね?約束だよ?」
「うん」

こうして僕達は施設に預けられた。
母からの迎えも諦めかけていた。
でも、未来は誰にも分からない.....

Re: 桜と家族と僕の嘘 ( No.11 )
日時: 2017/07/04 09:34
名前: りんごっち

豪邸の一室。
窓の外をじっと見つめる黒髪の女性。
すると、勢いよくドアが開いた。

着物を着た女中が入ってくる。

「奥様!涼様と雫様の情報が入手できました!」
「え...」
「現在、涼様は東京で一人暮らし、雫様は○○町で暮らしています」
「○○町の方が近いわね。今すぐ車出してくれる?」
「御意!」

「すぐ迎えに行くよ。約束したからね」
そう言うと長い黒髪を後ろで一つに結った。

Re: 桜と家族と僕の嘘 ( No.12 )
日時: 2017/07/04 10:32
名前: りんごっち

ピンポーン
誕生会も終盤に差し掛かった頃、チャイムがなった。

「僕が見てくる」
廊下を少し急ぎ足で通り土間にあるサンダルを軽く履く。
鍵を開け扉を開くと見覚えのある女性が立っていた。

「母さん?」
「り、涼...?...涼!!!!」
女性は涙を溢しながら僕の名を呼んだ。

さすがに遅いと思ったのか全員、玄関に集まってきた。
「ど、どうかなされましたか!?」
焦る母に気付き我にかえったのか女性はハンカチで涙を拭き、改めてこちらに向いた。

「雫まで...大きくなったね」
「涼、こちらの方は?」

「母親...本当の...」

Re: 桜と家族と僕の嘘 ( No.13 )
日時: 2017/07/04 10:45
名前: りんごっち

最終話『桜と家族と僕の嘘』
「そうなの?涼ちゃん...」
首を傾げて問いかけてくる雫。

父も母も呆気にとられている。

女性が口を開く。
「私、神城 千代(かみしろ ちよ)と申します」


僕と母で本当のことを話した。
僕と雫の関係。
雫の過去。
病気のこと。
そして『約束』のこと...

今の家族もとても大切だ。
でも僕は嘘をついていたんだ。
この家族は偽り...そうずっと思っていた...

Re: 桜と家族と僕の嘘 ( No.14 )
日時: 2017/07/04 10:59
名前: りんごっち

母(千代)は口を開いた。

「雫と涼にはどちらの家族につくか決めてもらいたいの」
「ちょっとどういうこと?」
雫が困惑した顔で体を揺すってくる。
「僕には何とも言えない...」

「あくまでも二人の意見は尊重する。どちらでもいいの」
辺りに沈黙が流れる。
沈黙も破ったのは雫。

「私は今の家族がいい...昔のことはあまり覚えてなくて...」
母(千代)は微笑むと言った。
「それでいいの、雫。どうなろうと私達は家族だから」

「僕は...」
深く息を吸い込むと目を閉じ静かに言った。
「元の家族がいい」
母(千代)が驚いたように目を見開く。
「今の家族も大切だ。でも僕はここでケジメをつけたい。自分の気持ちに」
父は満足気に頷くと言った。
「よく言った!それでこそ俺の息子だ!」




数日後
「いってらっしゃ~い!」
大学の春休みも終わり東京に帰ることになった。
母(千代)はここでの生活が気にいったようで実家にずっといついている。
「また、来てね!」
雫が元気に手を振る。
「もう1つの実家にも帰ってきてね~!」

「おぅ!いってきます!」

家族が2つある...なんて変わってるけど今は結構充実してる。
桜が舞う。もう少しで春が終わる。

*END*


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