コメディ・ライト小説(新)

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猫と仮面(仮題名)
日時: 2017/08/05 19:11
名前: ゆなも

......報告は以上です」

大きな部屋に一つだけ置いてある机の前に並ぶ少女と少年が姿勢良く並んでいる。

今日の長い報告をそのうちの少女の方がつげた。

目の前のイスに腰掛ける女性に向かって。

「二人ともお疲れさま。この後、食事でもどうかしら、と言いたいところだけど、もうこんな時間ですしね・・・」

その女性は二人に向かって優しい微笑みを向けた後、壁にあるすでに12時を回った時計をちらりと一瞥した。

部下に対して決して上から物を言うことがないこの女性の言動に

目の前に立つ少年は苦笑いしそうになって慌てて顔を引き締める。

隣に立つ少女が眉を少しだけ動かしたのを珍しく思いながら。

「こちらこそ、いつもご苦労様です。エラ・ドラファ二ー少佐」

「あらあら、ご苦労様なんて。君たちに比べれば、私なんて特に何もしてないですよ。君たちは毎日が任務ですもの」

品のある柔和な微笑みを浮かべて優しく言う。

また隣の少女の表情が変わった。

「エラ・ドラファニー少佐。明日も少佐は早いでしょうから、私共は失礼させていただいてもよろしいでしょうか?」

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Re: 猫と仮面 ( No.5 )
日時: 2017/08/13 01:22
名前: ゆなも

*第1章*本気と使命
「おはよー。シュリー!今日は体育祭だよっ頑張ろうね!」
 
登校するなり後ろの方の席に座るアシュリーのところに駆けてきた彼女に
近くにいた生徒は戸惑いの表情を浮かべたり、遠くから眺めている生徒の中にはいつも通りといった様子でほほえましく見ていたりとする中でアシュリーは柔らかい笑みを浮かべて挨拶をする。
ついでに朝から元気だなーというあきれている表情も隠して。

「おはよう、エミリ。体育祭前からエネルギー消費してない?頑張って!他校にも勝てるといいわね」
エミリことエミリーゼはそうだった!という顔をした後、あははと笑う。
そんな癒されるような可愛い笑みは少し真面目な顔にすぐ変わってしまった。

「私が頑張るんじゃなくてシュリーも頑張るんだよー。他校にだって負けないもん」
「ええ、そうね。でも、私は運動もできないし、特に貢献はできなそうだから応援をしっかりやるつもり」
血筋がものをいうこの世界では一見、優等生そうなアシュリーでも運動が苦手な部類に入る

という設定だ。
エミリーゼの家系、スミス家からは古くから運動選手が多く出ている。
そんなわけで当然、エミリはクラスの期待の星なのである。 

Re: 猫と仮面(仮題名 ( No.6 )
日時: 2017/08/13 16:11
名前: ゆなも

肩につくかつかないかくらいの薄い茶髪を指でいじりながらエミリが言う。

「応援も大事だけど、シュリーも本気で頑張ってね!私も頑張るし・・・
でも、家族のなかだとダントツの運動オンチなんだよね......」

少し不安気な様子がわかる。
実際、エミリは負い目を感じていた。

「大丈夫よ。あと、それは私には、イヤミにしか聞こえないから」

シュリーが冗談で励ましたつもりなのだが本気にとったようでエミリは少し申し訳なさそうに、ごめんと謝る。

「えっ、冗談よ。もちろん私も精一杯のことをするつもり」
そんなエミリに少し驚いた後、さらに励すことにした。

「冗談にしてはリアルだよ、シュリー」

少し不満そうに言うエミリにごめんと返したところで着席の鐘がなってしまった。

「じゃね、また。」

学校指定の少し大きめなジャージを着て、指が半分隠れた手を振って、自分の席へと駆けていく。

その様子を目で追いながらシュリーは、はっとため息をついた。

なんか疲れるなこういうの。

人つき合いに馴れない彼女は毎朝そう思っているのだ。

ドアが開き、鉢巻までつけ入ってきた気合い十分な担任にクラスが騒然とする。

Re: 猫と仮面(仮題名 ( No.7 )
日時: 2017/08/18 00:19
名前: ゆなも

こういう無駄に熱血な教師も見てるだけで疲れる。

朝からうんざりなシュリーははっとため息をつく。
普段、彼女は感情を表に出すことが少ないためか、隣の生徒に少し驚かれたみたいだ。

「えー、みんな!今日は体育祭。本気でいくからなー。いいか?」
張り切りすぎにも見える教師の言葉にぱらぱらと「はーい」といった間延びした返事が返される。
それも数人だが、満足そうに頷いている教師の姿はシュリーをもっとうんざりとさせる。

早く終わらないかしら。
と思っているの彼女と同様に窓際の一番後ろに座っているブレイデンも窓の外を見て退屈していた。

そんな二人がほぼ同じタイミングで携帯端末を取り出したのは偶然ではない。
二人は軍から送られてきた、今日の任務に関わる情報を送られてきてすぐ確認していた。

うんざり顔だった二人がビシッと真剣な表情になったのは偶然かもしれないが。

見事なシンクロを見せる彼らには気づくわけもなく、クラスはがやがやと騒がしい。
そこに移動の放送が入りクラスが静かになる。
「競技場に移動してください」

その放送を聞いた、アシュリーとブレイデンはさらに気持ちを引き締めた。

Re: 猫と仮面(仮題名 ( No.8 )
日時: 2017/08/22 13:53
名前: ゆなも

ガヤガヤと騒がしくしながら会場へと向かう。
季節は秋。あちこちに落ち葉が見える。
赤く染まった木々を眺めながら歩くシュリーの肩を軽く叩いたのはブレイデンだ。
シュリーが振り返ろうとしたがすぐにブレイデンが横に並び、二人が少し間を開けて、横に並ぶ形になった。
「何?ブレン」
「今日のリスト見たか?」
「ええ、見たわ。たとえ、知り合いの誰かだとしても『消す』のは変わらないわ。任務だから」
「そうか。俺はそうそう割り切れるもんじゃないけどな、おまえがそうなら、まぁいいか」
どこか遠くをみながら自分に言っているみたいにブレンがつぶやく。
シュリーはそんなブレンを見て、自分が周りの友達に情深くないことに気づいた。
(わたしの友達ね・・・)
心の中で守りたいものについて考えているとブレンが何かに気づいて
「おっ、じゃあ先。おまえの友達が来たしな」
とそそくさと去っていった。
代わりに来たのはもちろんエミリだ。
「シュリー、ブレンと何話してたの?」 
顔をシュリーの顔の前に出して目をじっと見られる。 
「別に、挨拶程度のこと」
普段通りに返すシュリーにエミリは何を期待していたのか、がっかりとした顔をする。 

Re: 猫と仮面(仮題名 ( No.9 )
日時: 2017/08/22 23:35
名前: ゆなも

ブレンが話しかけてきたのは今日、『消す』のは彼女
エミリーゼであるため、友人であるシュリーの意志を確かめたから。
なんて本人に言える訳がない。
まさか、エミリが____
気づけないなんて私・・・
何か考え込んでしまったシュリーを心配そうに見ているエミリを一瞥し内心、悲しく思った。
こんな風に思うなんて私、ホントは彼女の優しさの温もりに埋もれていたのね。
そんな考えにたどり着いたシュリーは微笑みに見える苦笑いを浮かべるという器用なことをしながらエミリを見た。
「そんなに緊張しなくてもきっと大丈夫だよ!絶対に優勝するもん」
何時にもまして無口なシュリーを緊張してるととらえたのか
力強い光を目に浮かべたエミリがシュリーの両手を握りながら頷く。
シュリーは、自分がほっとする安心感に包まれた

ことに気づかなかった。
あるいは、気づかないふりを彼女自身にしたのかもしれない。


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