コメディ・ライト小説(新)

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短編恋物語
日時: 2017/08/28 21:01
名前: 向日葵

初めまして!向日葵と申します!
えっと、短編で恋愛ものを書こうと思います!
読んで頂けたら嬉しいです


話(予定)↓
#01 【 1番でありたい 】
#02 【 結ばれることができない① 】
#03 【 結ばれることができない② 】
#04 【 立場の違い 】
#05 【 嫉妬というもの 】

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Re: 短編恋物語 ( No.1 )
日時: 2017/08/29 16:01
名前: 向日葵

#01 【 1番でありたい 】

・井岡健人
・白石真杏



『大きくなったら結婚しようね!』

『ずっと仲良しでいようね!』


なんて、言われたことがあった。
そんな10年以上も前のこと、彼女はきっと忘れてるんだろうな。

なんて、思いながら俺はベッドに横たわって昔のアルバムを見ていた。

小学校の頃から、大学まで隣に映る彼女はとても楽しそうで。
彼女の隣に映る俺も、とても楽しそうだ。

「健人、片付け終わったか?」

兄、悠人はそう言いながら部屋に入ってきた。

「ああ、ごめん。まだ」

俺はそう言うとアルバムをベッドに置き、ダンボールだらけの部屋で片付けを始めた。

悠人はベッドに腰掛け、アルバムに手にした。

「へえ、懐かしいな。昔からお前ずっとマナちゃんと一緒にいたよなあ」

アルバムを見ながら、悠人が言う。

マナ、というのは幼馴染の真杏という女のこと。
親同士が仲が良く、小さい頃から真杏とは仲良くしていた。

「お前、真杏ちゃんのこと大好きだよな、本当」

悠人はそう言って微笑んだ。

「うるせーよ。兄ちゃんも手伝って」

俺はそう言って悠人からアルバムを取り上げ、ダンボールに入れた。

【 今日午後から行くねーん】

真杏からメッセージが来ていた。

【はいよ】とだけ返信をすると、俺は携帯を置く。


なんだかんだ言って、真杏とは小中高大と、学校がすべて同じだ。
小学生のときはバカみたいに仲が良くて、中学生のとき俺は少し照れくさくて避けた時期もあった。
高校生の時はむしろ恥ずかしく思うことが恥ずかしくて、オープンに仲良くしていた。
現在の大学でも、それは同じだ。

当たり前のように一緒にいて、当たり前に親友になっている。



「けーんちゃーん!来てあげたよ!」

午後になり、真杏がきた。
けんちゃんとは、俺のことだ。

「うっせーなー。はやく手伝え」

俺はそう言いながらダンボールに荷物を詰める。
真杏は口を尖らせながら「せっかく来てあげたのに」と言ってベッドに腰を下ろした。

「でもいいなー、一人暮らし。たまには泊めてよね」

真杏が言われ、「はいはい」と答える。
実はちょっとこういう言葉だけで嬉しかったりして。

「それに、別にそんなに遠くに引っ越すわけじゃないし。兄ちゃんが結婚したら俺の部屋使いたいってうるさいからさ」

「まーそれは仕方ない。けんちゃん邪魔者じゃん。でも大学から近くなるならいいじゃん?」

「確かにな。それは好都合。だからって毎日来んなよー」

なんちゃって。

「えー、行こうかな。もう住み着く予定だよあたし」

是非そうしてもらいたいもんだ。

「住みつくなら家賃払えよな」

「それは勘弁」

真杏はそう言いながらベッドに横たわった。

「お前、手伝いに来たんだろーが」

俺はそう言ってベッドに座り、真杏を起こした。

「そういえば!けんちゃんミスキャンの告白断ったんだって?!」

真杏は驚いたように言った。

「ああ、うん。なんで知ってんの」

「みんな言ってたもん。なんで断ったの?ミスキャンだよ?」

「ミスキャンだろうが何だろうが、俺はあの子好きじゃない。なんかプライド高そう」

「へーさすが、見る目あるー。あたしも水野花澄きらい」

水野花澄、がミスキャンの名前だ。

「あー、お前は嫌いそう。水野さんみたいな美人。自分にないものを全部持ってるからな」

俺がそう言うと、真杏は怒った表情でいう。

「うるさい。ミスキャンにモテたくらいで調子乗るな」

「悪いな、モテる男で」

なんて、こんな冗談を言ったりするのが楽しい。

Re: 短編恋物語 ( No.2 )
日時: 2017/08/29 14:28
名前: 向日葵

「か〜むかつく。いいもん、知ってる?あたし、あの篠原先輩に告られたんだ〜。ごめんね、モテる女で」

真杏はそう言ってドヤ顔をした。
篠原先輩は、大学でも女子に人気の男で、モデルをやっているらしい。

「ふーん、あんなチャラ男みんなに告ってるって。おつかれ」

俺は平静を装って言う。
心の中では断ったことを祈っている。

「なにそれ、むかつく。もー付き合っちゃおうかな、篠原先輩と!」

「付き合えばいいじゃん?ヤり逃げされるだけだよあんな男」

「わかんないじゃん!」

「わかる。俺の友達も引っ掛かったし、噂よく聞くぜ?知ってて付き合ったらお前相当あほ」

「わかんないよ〜?あたしには本気かも」

「ふーん、先輩との接点は?」

「…ない」

「はい、ヤリ目ですね、こりゃ。断れよ」

「あーもー、わかってるよ。イケメンなのに勿体ないよねーあの先輩」

真杏は落胆の表情で言った。

「俺はイケメンだとも思わねえけど。あんな男の底辺野郎」

「けんちゃんも影でそう言われてるかもよー」

「言われてないね。俺は誠実に付き合ってきたから」

「どうだか。ふられた側は怒ってるかもよ。全部自分からふってるくせに」

「価値観の不一致ってやつだよ、そりゃ仕方ねーだろ」

「ふーん。誰だっけ、高2の時の彼女」

真杏は部屋の物をダンボールにつめだす。

「あーえっと、サヤカ?」

「そー!サヤカちゃん!あの子いい子だったのに。しかもめっちゃ可愛いし」

「いい子だったけどねー」

「あんな子がけんちゃんのこと好きってこと自体が奇跡なのに。なんで振っちゃったかなー」

理由としては、性格のいい子な故に気を遣っていたことがあった。
だが何より、彼女に真杏と距離を置いてくれと言われたことがきっかけなのは確かだった。
自分的に、真杏と距離を置くなら彼女を手放した方が良い、そう思ってしまったのだ。

今までの子たち全員に、真杏とのことは1度は言われてきた。
自分のその度に彼女たちとの別れを決めてきた。
その決断に、今でも後悔はない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日、俺はアトリエにいた。
気づけばもう、日は暮れて空はオレンジ色に染まっていた。

携帯を見ると、1時間前に真杏からメッセージが来ていた。

『どこいるー?』
『先帰ってるねー』

という内容。
また気づかなかった。

真杏も帰ったことだし、今日は遅くまでいるか。
俺はそう決めると、筆を持ち、先ほどから描いていたキャンバスに色をつけはじめた。

「やっぱり素敵」

後ろから声が聞こえた。
振り返ると、そこにはスラリとした細い手足がよく目立つ、ロングヘアの女が立っていた。
彼女が水野花澄だ。

「あ…」と、俺は彼女を見て呟く。

花澄は微笑み、近づいてきて言った。

「そんな気まずい顔しないでよ。普通にして欲しいな」

言われ、俺は筆を置いて言う。

「ああ、ごめん。でも、素敵ってなにが?」

「健人くんも素敵なんだけど、健人くんのこの絵」

花澄はそう言って健人の目の前にあるキャンバスを見た。

「俺の絵が?」

少し驚いた。

「見たこと、あったの?」

「うん。あたしが健人くんを好きになった理由はね、この絵なの。もちろんそれだけじゃないけど、作品が学校に飾られていたのを見た時、なんかすっごい心を掴まれた気がした。それでこの作品を描いた、井岡健人って人にとても興味が湧いたの。それで、会ってみたら一目惚れしちゃって」

花澄はそう言って照れくさそうに微笑んだ。
正直、彼女の言葉はとても嬉しかった。
自分の絵を見て、こんなにも感動してくれる人がいたのだと、初めて知った瞬間だった。
真杏は絵を褒めてくれるし、感動してくれる。だが、真杏以外に絵を見てくれている人を知らなかった。
俺は花澄のことを勘違いしていたのかも知れない。

「健人くん?」

俺がボーッとしていると、花澄は不思議そうに顔を覗き込んできた。

「あ、ごめん。なんか、びっくりしちゃって」

「びっくり?」

花澄は微笑んだ。

「いや、水野さんはなんていうか、絵とかそういうもの、興味ないと思ってた」

「そんなことないわ。健人くんの絵はとっても素敵」

「ありがとう。そう言ってもらえると、なんか自信つく」

俺はそう言って微笑んだ。

「もっと自信持った方がいいよ!こんなに素敵な絵が描けるんだから。あたし健人くんの絵とっても好き。まあ、健人くんにはふられちゃったんだけど」

花澄は冗談らしく言った。

「あ、その説は、ごめんなさい」

俺はそう言って微笑んだ。

Re: 短編恋物語 ( No.3 )
日時: 2017/08/30 16:05
名前: 向日葵

「まあ、ふられたせいで逆にもっと好きになっちゃった」

花澄はそう言って微笑む。

「え、どうして」

「だって、あたしがミスキャンってだけでその辺の男は寄ってきた。あ、これ自慢じゃないよ。その男たちが好きなのはあたしじゃなくて、ミスキャンのレッテルを持ってるあたしだから、全然嬉しくなんてなかった。そんな人たち、好きになれるわけない」

彼女は彼女なりに、ちゃんと考えているようだ。

「でも健人君は違う。むしろあたしから告白したのに、それを断った。ミスキャンのレッテルになんか興味なくて、なんか余計に好きになっちゃった」

花澄にそう言われ、俺は「あ、そっか…」としか言えなかった。
花澄は口を尖らせて言う。

「ちょっと、何その反応。このあたしがこんなにアピールしてるのに」

「ああ、ごめん。そういうの、慣れてなくて」

「嘘つき。あなた結構モテるでしょ。たまに聞く」

「そんなことないよ。俺みたいなのは絵のことばっかりで、何も考えてないし」

俺はそう言ってキャンバスを見た。

「絵が好きなのね」と花澄。

「うん、大好き」

俺は迷いなく答えた。

「はー、そのくらいあたしのことも好きになって欲しいんだけどな」

花澄はそう言って近くにあったソファに腰を下ろした。
俺は苦笑するしかなかった。
ただ、彼女が俺の絵を見て興味を持ってくれたと聞いて、彼女の印象はだいぶ変わった。
俺が思うほど、彼女は嫌な子じゃなかったようだ。
ただ、突然のことで付き合う気にはならないが。

「水野さん、面白いね」

俺がそう言うと、花澄は微笑んで言った。

「バカにしてるの?それ。あ、そうだ。あたしのこと、花澄って呼んでよ」

「いや、そんな急には…」

「えー、じゃあ花澄ちゃんは?」

「むりだよ」と俺は微笑んだ。

「えー」

嫌そうに口を尖らせる花澄を見て、俺は言う。

「徐々になら。最初は名字でいいだろ?」

「苗字だったら今と変わらないじゃん」

「水野、じゃだめかな?最初は」

言うと、花澄は少し嬉しそうに言った。

「あ、なんか今、距離が縮まった感じした…!」

「なんだよそれ」

俺はそう言って花澄に笑顔を向けた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ただいまー…って、誰もいないか」

俺は家に入るなり独り言を零した。
一人暮らしを初めてから毎回こうだ。
だが今日はただいまを言う相手がいたようだ。
リビングに電気がついていた。

「…真杏?」

扉を開けると、そこには真杏がいた。
真杏は不機嫌な表情で言う。

「何度も連絡したのに!」

「あ、ごめん。アトリエにいた」

俺はそう言ってカバンを下ろした。

「知ってるよ!そんなこと」

真杏はそう言ってソファに勢いよく座った。

「え、なんで、先帰ったんじゃ?てか、俺んちの鍵持ってるんだから別にいいだろ」

「もーこんな夜遅くに?こんな可愛い年頃の女の子を1人で歩かせるなんて」

真杏はムスッとした表情で言った。
彼女がなぜ先に家に入れたのかと言うと、合鍵を渡していたのだ。

「わりーわりー。飯は?」

「まだー」

「はいはい。何食べたい?」

俺はそう言ってキッチンへ行く。
真杏はそう言うとカウンターになっているキッチンに来た。
笑顔になった真杏は嬉しそうに椅子に腰を下ろした。

「オムライス!」

「おっけー。テーブル拭いて待ってて」

俺はそう言って水に濡らした布巾を真杏に渡した。
真杏は「うん」と言って受け取り、カウンターのテーブルに置く。

「おい、今ふきにいけよ」

俺が微笑みながらそう言うと、真杏は俺の言葉を無視して言った。

「あたしさ、篠原先輩と付き合うことにした」

言われ、俺は手を止めてしまった。

「…え?」

つい、真杏の方を見た。
真杏は頬杖をついて言った。

「やっぱ色々考えたんだけど、篠原先輩かっこいいし、LINEも毎日来てさあんなにアピールされたらなんか、その気になっちゃった」

真杏はそう言うと携帯を出し、画面を見せてきた。
それは、篠原先輩とのトーク画面だった。

「なんか、信じてみてもいいんじゃないかなーってさ」

真杏にそう言われ、俺は動揺を隠せなかった。

「…そ、そっか。ヤり逃げされても知らねーからな」

「そんなことしないよ、きっと」

「いやわかんねえだろ。たぶんその言葉も、真杏とヤるためだって」

「なんでそんなこと言うの。篠原先輩のこと、何も知らないくせに」

「知ってるよ、現に俺の友達だって…」

「それは噂でしょ?本人と話したことあるの?」

「だったら真杏だって、特に話したことないのに告られたんだろ?そんなの好きって言うのかよ」

「は?だったら水野さんだってそうでしょ?今日だってあたしのメッセージ無視して仲良さそうに話しちゃってさ!ふったくせに」

2人はだんだん感情的になる。

「水野は別に関係ねーだろ?てかなんで知ってるんだよ」

いうと、真杏は少し驚いたように言った。

「水野って…昨日まではさん付けだったのに…」

しまった、と思った。
なぜかはわからない。

「…というか、けんちゃんには関係ないじゃん!あたしが誰と付き合おうと!」

真杏は怒っている。
謝れ、謝るんだ健人。

「…そうかよ。確かに俺には関係ねーよな。だったら端から俺に言ってくんな。勝手に付き合えばいいだろ。どうなっても知らねーからな俺は」

「勝手にするよ、もういい帰る」

真杏はそう言うと荷物持ち、勢いよく飛び出して行った。

なぜこうなってしまったんだ。
俺はその場にしゃがみ、頭を抱えた。


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