コメディ・ライト小説(新)

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その手をもう一度。
日時: 2017/09/13 20:31
名前: かかお

「ねえ、お兄ちゃん。どれくらい、私のことが好き……?」


目の前を早足で歩く彼にそう問いかける。

私は不安だったのだ。彼が、私をおいていってしまうのではないかと思って。

彼が立ち止まり、こちらを振り返る。

そして、こう告げた。


「死んでも、守ってあげたいと思うぐらい好き」


私の大好きな笑顔で。

今思えば、幼い私は“好き”といわれればそれで満足であったのだろう。

そして、彼の言葉も嘘ではなかったのだ。


***************

「かかお」と申します。初投稿です。つたない文章ではありますが、どうぞ温かい目で見守ってくださいね。

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Re: その手をもう一度。 ( No.1 )
日時: 2017/09/13 21:12
名前: かかお

ずっと私のことを守ってくれていた。

悩んでいたら、相談に乗ってくれた。

誰よりも私のことを一番に考えていてくれた。

そんな、本当の兄のように慕っていた近所のお兄ちゃんは


「お兄ちゃん……ばか。ばか。なんで、急にいなくなっちゃうの?」


突然、い亡くなってしまいました。

葬式が終わった後、急に実感がわいてきて。


「ばか。ばかばかばかばかっ!!」


涙が、止まらなかった。

一度はじまったものは、なかなか終わらないようで。

私は、もうこの先泣かなくてもいいくらいの涙を流したと思った。


「また泣いてんの?ほんと、泣き虫なおさないとだめだよ。俺が助けたくなっちゃうから」


懐かしい声が響く。


「……しん、兄?」


夢か幻でも見ているかのようだった。

死んだものが、常世ここにいるはずがない。

私も、幽霊など信じていなかった。

少なくとも、この瞬間までは。


「やっぱ、りえが心配で戻ってきちゃったみたい」


そうはにかみながら笑う姿は、生前のものと同じだった。

なにより、私が好きだったもの。

ソレを見て、この人はしん兄だと確信した。


「ただいま、りえ」

「おかえり……しん兄っ!!」


その存在を実感しようと、しん兄に触れようとする。

だが、そこはやはり幽霊なのだろうか。

彼に触れることはかなわなかった。

Re: その手をもう一度。 ( No.2 )
日時: 2017/09/13 21:19
名前: かかお

山宮里絵さんぐうりえ
結構な泣き虫。だが、ソレは真之介のまえでのみである。ちょっと腹黒。基本は天然である。
靏田真乃介つるたしんのすけ
故人。りえlove。面倒見良すぎな完璧人間。慕われることも多かった。

Re: その手をもう一度。 ( No.3 )
日時: 2017/09/15 22:28
名前: かかお

「しん兄……」


私が文字通り、通り越した体。

改めて見つめてみてわかった。

彼の体がうっすらと透けていることに。


「……りえ、仕方ないよ。だって俺、死んじゃってるし」


そういって、悲しそうな顔をした。

そりゃ、そうだ。

自分が死んだとわかって悲しまないでいられる人間が存在するのだろうか。

しん兄だって、こんな不幸に遭わなければもっと長く長く生きていられただろう。

結婚だってしてたかもしれない。


「でもさ、こうなったからにはわけがあるんだよね」


「え?」


「ほら、よくあるじゃんそういう話。未練があるまま死ぬと幽霊になるってさ」


「そうなの?」


「そうそう」


それは、作り話の中での話しだ。

それが幽霊になってしまった答えとは限らない。

しん兄に未練はあったのだろうか。

……もしかして、好きな子がいたとか?

あるいは、付き合ってた彼女がいたとか。

……でも、それはありえないか。

そういうことが理由なのであれば、私ではなくてその彼女のところへ一番に行くであろう。

じゃあ、なぜ私のところへ来たのか。


「でも、未練とか記憶の限りはないんだよね。記憶もさ、死ぬ原因とかはさすがに覚えてないけどそれ以外は大丈夫だし」


「しん兄に好きな人がいたとかは?」


「いや、いなかったかな。俺は部活人間だったからね」


「そっか」


「うん。……やっぱり、抜け落ちてる“死ぬ原因”ていうのがキーなのかな?りえ、俺ってどうして死んじゃったのかわかる?」


「あ、わかるよ。しん兄は、車と接触事故起こしたらしくて、相手はトラックだったっぽい。タイヤに引かれちゃってて、トラックが通った後は誰だか見分けがつかないくらいつぶれてたって……だから、葬式のときもしん兄の顔は見てないんだ」


「りえ、ありがと」


「ううん、へいき」


しん兄はそれを聞いてどうするつもりなんだろう。

実体がないのに。

実体がないってことは、未練があっても解決できないのかもしれないのに。




……そういえば、なんで私にはしん兄が見えるんだろう。


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