コメディ・ライト小説(新)

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ダメ男とダメ女
日時: 2017/10/10 01:08
名前: ゆぅ

【 登場人物 】

@鮎川 綾未(あゆかわ あやみ)
20歳。桜ヶ丘芸術大学音楽学科。
ピアノを専攻している。
明るい性格で、思ったことは口に出す。
直登を嫌っている。

@真城 直登(ましろ なおと)
20歳。桜ヶ丘芸術大学美術学科。
絵画を専攻している。
容姿端麗でナルシストな所がある。女子からの人気は学校1。

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Re: ダメ男とダメ女 ( No.1 )
日時: 2017/09/24 19:46
名前: ゆぅ

#01 【 ダメ男の変わり目】



「ねえ、あの人だよ、やっぱかっこいい…」

昼休み、女子たちの噂が聞こえる。

「ほんとだ…!どうしよう、話したいな~」

「かっこいいよね、真城先輩」

彼女たちの視線の先には、整った顔立ちをして、どこかの芸能人のような髪型で、おしゃれな服を着こなす長身の男。

彼こそが、噂の真城直登である。
直登は友人である浩輔と並び、どや顔で大学の庭を歩く。

「真城センパイ!あ、あの…良かったらLIME教えてもらえませんか!」

LIMEはメールのような機能のアプリのことだ。
女子たちにそう言われ、直登は機嫌良さそうに言った。

「あー、いいよ。俺ので良ければ」

直登はそう言って携帯を出す。
女子たちはキャー!と嬉しそうな表情を浮かべる。

「ありがとうございます!!」

彼女立ちはそう言って立ち去って行った。
直登が彼女たちに手を振ると、浩輔は呆れたように言った。

「お前、彼女は?」

「彼女?ああ、小夜?大丈夫大丈夫。バレなきゃいいって」

「小夜ちゃん、気にしてたぞ。お前が女の子にLime教えるから」

「大丈夫だって、あいつが心配性なだけ」

とかクズなことを言っているこいつがこの物語の主人公。
真城直登は大企業の御曹司で、いわば金持ちのボンボンだ。
容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能、彼の欠点と言えば女好きという事だろうか。

「でー、今日って何時から授業だっけ?」

直登はだるそうに言った。

「ああ、1時から。今日は来るの?」

「行かなーい。俺は今からデートだからな」

「え、小夜ちゃん今日は講習だって言ってなかったか?」

「そうだよ。小夜じゃないもん。それじゃ、授業頑張れよ~」

直登はそう言うとそそくさと歩いて行ってしまった。

やはり彼は最低な男だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おまたせ」

直登はそう言ってピンクのミニスカートを履いた女の元へ駆け寄った。

女は笑顔で手を振り、「直登くん!」と言った。

(うわ~、こいつのスタイル好みじゃないわ~。てか俺とのデートだからって化粧濃すぎだしミニスカートは気合い入りすぎでしょ)

直登は彼女を見てそう思いながら口では「可愛いね」と言って彼女の頭を撫でた。

女は頬を赤らめながら嬉しそうな顔をする。

(ちょろい女)

直登は彼女を見て一人思った。




デートも終盤になり、空の色も黒くなってきたところで、女が言った。

「そういえば直登くん、彼女さんは大丈夫なの?」

「小夜は優しいから大丈夫だよ。滅多に怒らないし」

「…ふぅ~ん、そうなんだ…」

女は不服そうな表情を浮かべた。
直登は「ん?どうしたの?」と言って女の顔を覗き込んだ。

女は不機嫌そうに言った。

「…だって、その口ぶりだと別れる気なさそうだから」

(うわー、めんどくせ~)

直登はそう思いながらも、彼女に笑顔を向けた。

「…正直俺、小夜より君の方が大事だよ?でもね、小夜と別れるにも時間が必要だろ?ちゃんとわかってくれるよね」

直登がそう言うと、女は顔をあげて「本当に?」と呟く。
直登は笑顔で「本当だよ」と答える。

「…なら、小夜ちゃんと別れるの待ってる…」

(本当にちょろいな、こいつ)

直登はそう言われ、「うん、いい子だね」と言って女にキスをした。




目が覚めて、直登は寝ぼけた顔で隣を見た。
隣には昨日の女。
まだ服を着ていないということは、そう時間は経っていないということか。

時計を見ると、朝七時だった。
シャワーを浴びたら帰ろう、そう決めると重い体を起き上がらせ、自分のパンツを身につけた。
女は寝かせておこう。
ちゃんとホテル代を置いて帰れば文句はないだろう。

あれ、こいつ名前なんて言うんだっけ。
女の顔を見てふと思った。
まあいいか。
二度と話すこともないだろうし。

直登はベッドから降り、シャワールームへ向かった。

Re: ダメ男とダメ女 ( No.2 )
日時: 2017/10/03 21:20
名前: ゆぅ

ああ、暇だ。
今日の予定はまるでない。

【今日はなにしてるの?】

小夜からLimeが来ていた。
正直返すことすら面倒臭い。

【講習とか色々疲れたから寝る予定】

直登はそれだけ返して自宅へ。

ここのところ、小夜とはほとんど会っていない。
そもそも、こんないい加減な付き合いをしていて、小夜もなぜ文句を言ってこないかが不思議でたまらない。

そんなことを思いながら家に着くなり、電話が鳴った。

相手は修斗だ。
彼は大学の友達である。


【あ、もしもし!起きてたか!直登】


修斗の声はやや高めだった。
何か良い知らせなのか。


「どうした?」

【なあ今夜暇?暇だったら付き合ってほしいんだけど】

「…まあ、暇だけど。なに?」


どうせしょうもないことだろう。
適当に理由をつけて断るとするか。


【今夜さ、合コンあるんだけど…相手の女の子に直登が来るなら来てもいいって言われてさ~】

なんだそういうことか。
面倒臭いが飲みたい気分ではある。

「うーん、まあ、いいよ」

【まじ?!じゃあ7時に駅な!女の子は現地で集合になってるから俺らだけで!】

「わかった。じゃあまたな」

直登はそう言うと電話を切った。

合コンか。久しぶりだ。
まあ合コンに来るくらいだ、たいした女ではないだろう。
男に飢えたビッチか、地味な女か、どっちかだな。
直登はそんなことを思いながらベッドに横になった。


【今日話せる?話があるんだけど】

小夜からLimeが来ていた。
話ってなんだ、面倒臭い。

【今日は予定ある。なに?Limeでいいよ】

【会って話したい】

【なんで?そんな大事な話?】

【あたしにとっては大事な話】

【俺にとっては?】

【知らない。とにかく少しでもいいから会えない?】

小夜の様子がおかしかった。
いつになく怒っているように感じた。

【昼は暇だけど】

そう返すとすぐに返信がきた。

【じゃあ2時に駅前のカフェにきて。】

内容はそれだけだった。

【わかった】

それだけ送ると、すぐに既読がついたが返信は来なかった。

一体なんなんだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーー

午後2時。
直登は言われた通り駅前のカフェに来ていた。

「ごめん、遅くなった」

小夜はそう言いながら現れた。
そういう顔は相変わらず可愛い。

「大丈夫。すいません、カフェラテ1つ」

直登は近くにいた店員に言った。
小夜は「ありがとう」と直登を見る。

「…で、話って?」

直登はさっそく本題を切り出した。
小夜は「ああ、うん」と言うと直登を見た。














「あたしと、別れてください」











…は?

Re: ダメ男とダメ女 ( No.3 )
日時: 2017/10/12 23:04
名前: ゆぅ

「…い、いや、なに言ってんだよ、小夜」

直登は焦った表情を浮かべた。

意味がわからない。
どうして突然そんなことを?
小夜は俺のことが好きで、大学1人気な俺と別れたくはない、はず。

直登はそんなことを思いながら小夜の顔を見た。

小夜は真顔のまま、表情を変えることなく答えた。

「私もう限界です。私何度あなたに浮気されればいいんですか」

直登は意表をつかれた。

「う、浮気って…。俺浮気なんかーー」

直登の嘘を蔑むように、冷たい声で小夜は言う。

「あれだけ浮気しておいて、私にばれていないとでも?」

「さ、小夜……?」

「なんなら一人一人、名前を言ってあげようか」

小夜はそう言い、真顔で続ける。

「1年の広瀬まみ、早川菜月、佐藤涼子、2年は中沢雅、江藤美紗。もっと言って欲しい?」

小夜にそう言われ、直登は何も言えなかった。
なぜ小夜がそこまで知っているのか。

「知らないの?私が、今言った人達に別れろだなんだって嫌がらせされてたこと。浮気するなら相手の女にも厳重に注意すべきだったね。詰めが甘いんだよ、直登は」

小夜のこんな顔を初めて見た。
小夜はいつも、笑顔で優しい顔しかしなかった。
1年近く付き合っていたが、小夜は悲しい顔も、悔しい顔も、辛い顔も、嫌な顔も、何一つとして見たことは無かった。

俺は一体、小夜の何を知っていたんだ。

直登は1人、そう思った。
目の前にいる怖い顔をした小夜は、まるで知らない人のようだった。

「だから、私と別れてください」

小夜はそう言い、直登を見た。
直登は俯いたまま答える。

「……だ」

「え?聞こえない」

直登は顔をあげ、小夜を見た。

「嫌だ!俺は別れたくない」

直登はつい、大きな声を出してしまった。
小夜は少し驚いた表情を浮かべた。

「……どうして?」

言われ、直登は小夜の目を見て言う。

「俺は、小夜のことが好きだから。だから、別れたくない」

直登がそう言うと、小夜は少し嫌そうな表情を浮かべた。

「どうして?私のことなんかどうでもいい、彼女って言う肩書きが欲しかったから浮気しまくってたんじゃないの?なら他の人に彼女になってもらってよ。それでいいじゃない」

「違う。俺は小夜のこと本当に好きなんだ。浮気したのは…本当に、申し訳ないと思ってる…だから」

「いい加減にして。申し訳ないと思ってる?今更なに?私のことが好き?そんなの嘘だよ」

「嘘じゃない」

「嘘!直登にとっての好きって何?…私にはもうわかんないよ」

小夜はそう言うと立ち上がり、テーブルに1000円を置いてカバンを持った。

直登は立ち上がり、「小夜!」と言うが小夜は無視して店を後にした。

え、これで俺は別れたのか?
俺は、ふられたのか?
直登は大学2年の夏、20歳にして初めて女にふられる経験をした。

Re: ダメ男とダメ女 ( No.4 )
日時: 2017/10/14 02:53
名前: ゆぅ

とにかくこんな気持ちは初めてだった。
悲しいような、なんだろうか、この気持ちは。

小夜のことは好きだった。
小夜は美人でスタイルが良くて、いつも笑顔で優しく、付き合う前から癒されていた。

小夜なんか最初は遊びのつもりだった。
ただ、美人な子がいると知り、話したいと思い、どうにか話しかけてLimeを交換した。
Limeが続いて、小夜の性格の良さがわかった。
美人なだけじゃなく中身まで綺麗だった。

そしてようやく2人でのデートに漕ぎついた。
いつもなら最初のデートでキスをして、そのままいい雰囲気を作りホテルへ行き、そのまま音沙汰なく、というのがいつものパターンだった。

だが小夜には、どうにもそれができなかった。
初めてキスをしたとき、とてつもなく心臓が破裂しそうになった。
今までにない気持ちだった。
抱きしめただけで、鼓動がうるさかった。
小夜に聞こえてはいないか、と不安にさえなった。
顔をあげた小夜を見た時、可愛いと思った。
美人で高嶺の花のような小夜の顔はその時、少女のように無邪気な笑顔だった。

ああ、俺はこの子に恋をしているんだ。

直登はその時思った。
こんなことを思ったのは初めてだった。
いつの間にか小夜に惹かれていた自分がいた。

美人だからとか、そういうことではない。
彼女には直登の目を惹く何かがあった。
直登は小夜を好きになった。

初めは小夜しか見ていなかった。
小夜以外見えなかった。
これが恋か、と思った。

だが半年ほど経ったころだろうか、いつしか小夜の存在が"当たり前"になっていた。
そしていつしか、直登は小夜以外の女にも目がいくようになっていた。

いつでも優しく微笑む小夜に甘えていたのだ。
小夜は浮気を知っていた。
だが今日まで、直登に言ってはこなかった。

知った日から、直登に抱きしめられているとき、キスをしたとき、セックスをしたとき、彼女は一体どんな気持ちだったのであろう。
それもすべて1回や2回ではなかったはずだ。
数え切れないほどの愛情表現を、小夜はどう思っていたのだろう。

小夜のことが好きだった。

これは事実だ。
だった、ではなく現在形だ。
小夜のことは好きだ。
それなのになぜ、自分は他の女に手を出したのか。
失って初めて気づくとはこのことなのか。

それとも、俺は肩書きが欲しかっただけなのか。

俺が必要としていたのは、小夜だったのか?
それとも、彼女だったのか?

今の直登に、結論を出すことはできなかった。


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