コメディ・ライト小説(新)

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ダメ男とダメ女
日時: 2017/10/10 01:08
名前: ゆぅ

【 登場人物 】

@鮎川 綾未(あゆかわ あやみ)
20歳。桜ヶ丘芸術大学音楽学科。
ピアノを専攻している。
明るい性格で、思ったことは口に出す。
直登を嫌っている。

@真城 直登(ましろ なおと)
20歳。桜ヶ丘芸術大学美術学科。
絵画を専攻している。
容姿端麗でナルシストな所がある。女子からの人気は学校1。

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Re: ダメ男とダメ女 ( No.3 )
日時: 2017/10/12 23:04
名前: ゆぅ

「…い、いや、なに言ってんだよ、小夜」

直登は焦った表情を浮かべた。

意味がわからない。
どうして突然そんなことを?
小夜は俺のことが好きで、大学1人気な俺と別れたくはない、はず。

直登はそんなことを思いながら小夜の顔を見た。

小夜は真顔のまま、表情を変えることなく答えた。

「私もう限界です。私何度あなたに浮気されればいいんですか」

直登は意表をつかれた。

「う、浮気って…。俺浮気なんかーー」

直登の嘘を蔑むように、冷たい声で小夜は言う。

「あれだけ浮気しておいて、私にばれていないとでも?」

「さ、小夜……?」

「なんなら一人一人、名前を言ってあげようか」

小夜はそう言い、真顔で続ける。

「1年の広瀬まみ、早川菜月、佐藤涼子、2年は中沢雅、江藤美紗。もっと言って欲しい?」

小夜にそう言われ、直登は何も言えなかった。
なぜ小夜がそこまで知っているのか。

「知らないの?私が、今言った人達に別れろだなんだって嫌がらせされてたこと。浮気するなら相手の女にも厳重に注意すべきだったね。詰めが甘いんだよ、直登は」

小夜のこんな顔を初めて見た。
小夜はいつも、笑顔で優しい顔しかしなかった。
1年近く付き合っていたが、小夜は悲しい顔も、悔しい顔も、辛い顔も、嫌な顔も、何一つとして見たことは無かった。

俺は一体、小夜の何を知っていたんだ。

直登は1人、そう思った。
目の前にいる怖い顔をした小夜は、まるで知らない人のようだった。

「だから、私と別れてください」

小夜はそう言い、直登を見た。
直登は俯いたまま答える。

「……だ」

「え?聞こえない」

直登は顔をあげ、小夜を見た。

「嫌だ!俺は別れたくない」

直登はつい、大きな声を出してしまった。
小夜は少し驚いた表情を浮かべた。

「……どうして?」

言われ、直登は小夜の目を見て言う。

「俺は、小夜のことが好きだから。だから、別れたくない」

直登がそう言うと、小夜は少し嫌そうな表情を浮かべた。

「どうして?私のことなんかどうでもいい、彼女って言う肩書きが欲しかったから浮気しまくってたんじゃないの?なら他の人に彼女になってもらってよ。それでいいじゃない」

「違う。俺は小夜のこと本当に好きなんだ。浮気したのは…本当に、申し訳ないと思ってる…だから」

「いい加減にして。申し訳ないと思ってる?今更なに?私のことが好き?そんなの嘘だよ」

「嘘じゃない」

「嘘!直登にとっての好きって何?…私にはもうわかんないよ」

小夜はそう言うと立ち上がり、テーブルに1000円を置いてカバンを持った。

直登は立ち上がり、「小夜!」と言うが小夜は無視して店を後にした。

え、これで俺は別れたのか?
俺は、ふられたのか?
直登は大学2年の夏、20歳にして初めて女にふられる経験をした。

Re: ダメ男とダメ女 ( No.4 )
日時: 2017/10/14 02:53
名前: ゆぅ

とにかくこんな気持ちは初めてだった。
悲しいような、なんだろうか、この気持ちは。

小夜のことは好きだった。
小夜は美人でスタイルが良くて、いつも笑顔で優しく、付き合う前から癒されていた。

小夜なんか最初は遊びのつもりだった。
ただ、美人な子がいると知り、話したいと思い、どうにか話しかけてLimeを交換した。
Limeが続いて、小夜の性格の良さがわかった。
美人なだけじゃなく中身まで綺麗だった。

そしてようやく2人でのデートに漕ぎついた。
いつもなら最初のデートでキスをして、そのままいい雰囲気を作りホテルへ行き、そのまま音沙汰なく、というのがいつものパターンだった。

だが小夜には、どうにもそれができなかった。
初めてキスをしたとき、とてつもなく心臓が破裂しそうになった。
今までにない気持ちだった。
抱きしめただけで、鼓動がうるさかった。
小夜に聞こえてはいないか、と不安にさえなった。
顔をあげた小夜を見た時、可愛いと思った。
美人で高嶺の花のような小夜の顔はその時、少女のように無邪気な笑顔だった。

ああ、俺はこの子に恋をしているんだ。

直登はその時思った。
こんなことを思ったのは初めてだった。
いつの間にか小夜に惹かれていた自分がいた。

美人だからとか、そういうことではない。
彼女には直登の目を惹く何かがあった。
直登は小夜を好きになった。

初めは小夜しか見ていなかった。
小夜以外見えなかった。
これが恋か、と思った。

だが半年ほど経ったころだろうか、いつしか小夜の存在が"当たり前"になっていた。
そしていつしか、直登は小夜以外の女にも目がいくようになっていた。

いつでも優しく微笑む小夜に甘えていたのだ。
小夜は浮気を知っていた。
だが今日まで、直登に言ってはこなかった。

知った日から、直登に抱きしめられているとき、キスをしたとき、セックスをしたとき、彼女は一体どんな気持ちだったのであろう。
それもすべて1回や2回ではなかったはずだ。
数え切れないほどの愛情表現を、小夜はどう思っていたのだろう。

小夜のことが好きだった。

これは事実だ。
だった、ではなく現在形だ。
小夜のことは好きだ。
それなのになぜ、自分は他の女に手を出したのか。
失って初めて気づくとはこのことなのか。

それとも、俺は肩書きが欲しかっただけなのか。

俺が必要としていたのは、小夜だったのか?
それとも、彼女だったのか?

今の直登に、結論を出すことはできなかった。

Re: ダメ男とダメ女 ( No.5 )
日時: 2017/10/21 02:01
名前: ゆぅ!

「えっ別れた?!」

直登は合コンの約束をしてたことを思い出し、駅で会った修斗に小夜のことを話した。

修斗は驚いた表情を浮かべた。

「そー。ふられた」

直登がつまらなそうな顔でそう言うと、修斗は笑いながら言った。

「まじかよ!やるなあ白河小夜。あと真城直登をふるとは」

「何で楽しそうなんだよ」

直登はムスッとした表情で言う。
修斗は「悪い悪い」と直登の肩を叩く。

「ま!直登はどーせすぐ女できるんだろー?今日の合コンの子だっているし」

修斗にそう言われ、直登は浮かない表情で「それはどうかな」と呟いた。

「え、なんで?もしかして白河に振られてショック受けてるとか?直登が?」

「そりゃ、俺だって彼女に振られたらショックくらい受けるよ。小夜は結構好きだったから」

「何言ってんだよ~、さんざん女引っ掛けてたろー?」

「そうだけど…小夜はなんか違うんだよ、そういう女共とは」

「だから付き合ってたんだろうに。まあ終わったことは仕方ない!今日それネタみたいに話せば白河のことは忘れるって!」

「…そうかな」

そんなこんなで2人は小洒落た店に到着した。

「女の子たちはもう来てるから」

修斗はそう言い、2人で席へ。

向かった先には、男女6人がいた。
男の方は直登の友人でもあるが、女4人は全員知らない女だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「岩崎真琴でーす」

元気よくそう言う女は割と派手めな色の髪の毛をきつく巻いた化粧の濃い女。
爪にはピンクとゴールドの色が付いている。
見た感じツリ目の印象からか、性格はきつそうに感じた。
岩崎真琴、50点。

直登はそう思いながら笑顔で拍手をする。



「石野渚です!」

そういう彼女はさっきの真琴のように派手な髪色に派手な巻き髪をハーフアップにしている。
爪も真琴同様派手な色だ。
マスカラが多少ながら涙袋についている。
この女はきっとガサツな女だ。
だが顔は真琴より整った顔立ちだ。
石野渚、60点。



「工藤菜々です」

この女は大人しそうな印象を受けた。
暗めのストレートな茶髪に透明な爪。
先程の2人とは違い、胸元のあかないワンピース。
どこか地味そうに感じる。
無理やり数合わせで連れて来られたというところか。
工藤菜々、40点。


3人の自己紹介を終え、次に最後の女に回ってきた。





「鮎川、綾未です。よろしく」

彼女はどこか緊張しているように見えた。
だが菜々のように暗い印象は受けない。
むしろ明るく感じる不思議な女だ。
暗めの茶髪に、ゆるいパーマのかかったロングヘア。
爪は透明で光っている。
瞳が大きく、鼻筋が通っていて唇がとても薄いのが印象的だ。
鮎川綾未、70点。


今夜は石野渚か鮎川綾未を引っ掛けるとしよう。

直登はそう思い、1度石野渚を見た。

彼女は笑顔で話している。
落としやすいのは渚だ。
渚のようなタイプはワンナイトでも望むであろう。
おおかた、直登を連れてこいと言ったのは渚か真琴で間違いなさそうだ。

それから鮎川綾未を見る。
彼女もまた、笑顔で話してはいるがどこか作り笑顔にも見える。
不思議な女は落としやすくはないが、顔が1番タイプだ。
彼女には長期戦が必要そうだ。

となると、今日の予定は決まった。
まず石野渚と鮎川綾未のLimeは手に入れよう。
石野渚とうまくいけば、セックスは楽しめそうだ。
鮎川綾未は落とすまで、彼女を惚れさせるまでが楽しめそうだ。
同時進行したとしても、鮎川綾未はそういうことを話すようなタイプには見えない。
石野渚は公言しそうではあるが、あえてこのメンバーには言わないかも知れない。
言ったとすれば、石野渚だけでいいか。

直登はそう考えると、まず石野渚に話しかけることにした。

「渚ちゃんは彼氏いるの?」

直登がそう言うと、渚は嬉しそうに直登を見た。
やはり彼女は俺狙いか、そう思った。

「いたら合コン来ませんよ~~」

渚がそう言い、直登はニコニコしながら「そうなんだ~いやほら、たまにいるでしょ?」と彼女を見た。

ふと横を見ると、真琴がつまらなそうな顔で渚を見ていた。
彼女も直登狙いのようだ。
そして綾未を見ると、彼女はつまらなそうに1人水を飲んでいる。

綾未にも話しかけるとするか。
直登が綾未を見た瞬間、修斗が綾未に話しかけた。

「綾未ちゃん何飲む?」

修斗に聞かれ、綾未は先程までのつまらなそうな顔を一瞬で笑顔に変えて答える。

「ビールで。お願いします、井岡くん」

井岡、とは修斗の名字だ。
修斗は名前を呼ばれたことが嬉しかったのか、途端にテンションが上がっていた。

「しゅ、修斗って呼んでよ!ビール飲めるんだ?やるね~」

「ビール大好きなんです。修斗くん」

綾未はそう言って微笑んだ。
修斗は嬉しそうに「そうなの?」と話を続けている。

まずい、このままでは修斗に綾未は持っていかれそうだ。
とはいえ、彼女は思いのほか明るい性格のようで落としやすいのかも知れない。




しばらくして会話が盛り上がるなり、話題は直登に向いた。

「そう言えば真城君、彼女いたんじゃないっけ?えっとお、確か白河…小夜?」

ついに来てしまったか、小夜の話題が。

「え、ああ…小夜は…」

直登が言葉を詰まらせていると、修斗が肩を組んできた。

「こいつ、本当についさっき、白河小夜に振られてやんの」

修斗はそう言って笑い飛ばした。
お前が言うことか、それ。
まあいい、過去はもうネタだ、ネタ。

「えっ真城くんがふられたの?!」

真琴は驚いた表情で言った。

「そうそう。急に呼び出されてさ、さっき」

直登は笑いながら言った。

「え~~白河さん?って人、もったいな~い!直登くんが可哀想…」

渚が言った。
可哀想、などと言っているが本人は嬉しそうだ。

「だろ?俺って本当可哀想」

直登がそういった時、一瞬だけ、綾未がこちらを見た気がした。

「なんでふられたの?」と真琴。

「いやさ、俺の浮気が原因」

直登はネタのように笑った。
すると、渚が言う。

「えー!直登くんに遊ばれるなら全然余裕!彼女さん我慢すれば良かったのに~」

「だろ?もうさ、キスなんて挨拶みたいなもんじゃん?海外では普通にする国だってあるだろうしさ~。そんなことでいちいち小さいよな、小夜って」

直登がそういい、笑い飛ばした時、周りは笑っていた。

菜々と綾未以外は。
菜々はただ俯くばかりで、ほとんど何も話していない。

鮎川綾未が笑っていない?
なぜ?

直登がそう思ったその瞬間だった。

「あの、1ついいかな」

綾未は表情1つ変えずに小さく手を挙げて直登に言った。

やっと俺に食いついたか、鮎川綾未。
小夜のことをネタにして良かった。

「ん?なに?綾未ちゃん」

直登が笑顔でそう言いながら綾未を見ると、綾未は真顔で言った。







「あなた、やっぱりクズなんですね」

Re: ダメ男とダメ女 ( No.6 )
日時: 2017/10/25 00:15
名前: ゆぅ

8人の間に、沈黙が流れた。

…は?
何言ってんだ?この女。

直登は頭が真っ白になった。

「…え、あの…それは一体どういう…意味で…」

直登がしどろもどろしながら言うと、綾未ははっきりと言い放った。

「そのままの意味です。あなたクズですね。とても不愉快です」

綾未にそう言われ、直登は立ち上がって綾未に言う。

「ちょ、ちょっと待てよ!たいして話してもいないのにクズ呼ばわりって失礼だろ!」

直登に言われでも尚、綾未は表情を変えず直登を見上げて話す。

「小夜のことを小さいとか何とか言って浮気した自分を正当化してるあなたの方がよっぽど失礼だと思うけど」

「小夜?おまえ小夜のこと知ってんのか?」

「もちろん。小夜はあたしと同じゼミです」

「お前それを知ったうえで…?」

「そう。別にあなたがどんな生き方をしようが勝手だしあたしには関係ないけど小夜のこと傷つけておいて小夜が小さい?クズの考えることは本当にクズなんだね」

「お前俺の何を知ってるわけ?何を知ってそんな偉そうに言ってんだよ」

「もちろんあなたが普段どんな人かなんて知らない。知りたくもないしね。けど、浮気をしてそれを正当化するような男だってことはわかる。キスなんて挨拶って?海外じゃ当たり前?ここは日本だよ。そんなにキスがしたないなら日本から出ていけばいいのに。それも小夜の合意の元ならアナタが挨拶程度にキスをするのは構わないけど小夜は知らなかった。それっておかしくないかな。小夜はアナタの彼女って言う肩書きのためにいる道具なんかじゃない」

綾未は淡々と言う。
直登はあまりの正論に、言葉が出ない。

「…小夜のことを知っていながら俺のこと騙してたのかよ」

直登は苦し紛れに話した。
綾未はため息をついてつづける。

「騙すも何も、今日好きで来たわけじゃないんで。まあクズの顔を生で拝めて逆に得したけど」

「おまえな…!」

直登が怒鳴りかけた寸前、綾未は真顔で言う。

「あたし何か間違ったこと言ってるかな。浮気したのはアナタでしょ?」

綾未にそう言われ、直登はつい唇を噛み締めた。
言葉が出てこなかった。

「1人の人間大切にできない人に、多くの人を大切にするなんて無理な話なんだよ。ま、もう小夜もアナタから解放されたし、あたしには関係ないんで今後も続けてどうぞ。あたしは何も文句言わないよ。金輪際関わることないんだから」

「小夜の友達なんて、結局は俺の他人だろ?それなのに部外者に何でそんな偉そうに言われなきゃいけねーんだよ」

直登がそう言うと、綾未は少し考えてから直登を見て言った。

「確かにそれはそうだね。つい怒りをぶつけてしまっただけだから、それはごめんなさい。それと、何か空気悪くしてしまってごめんなさい」

綾未の素直な態度に、直登は何も言えなかった。
それも、表情1つ変えずに全てを言い切った綾未が腹立つ前に少し怖く感じた。

なんなんだ、この女。
少しでも可愛いと思った自分に腹が立つ。

直登は1人そう思った。

「…ま、まあ!気を取り直してさ!話そうよ!ね!!」

修斗が空気を壊す。
綾未は「そうだね、ごめんなさい。追加注文しますね」と言って店員を呼び、真琴と渚も愛想笑いを浮かべて話し出す。

「菜々ちゃんも楽しんでる?」

修斗がそう言うと、菜々は作り笑いを見せて頷いた。

直登はとても話せる気分にはならなかった。

綾未のような女には初めて出会った。
直登に楯突いてくる女なんてこれまでにいなかった。
みんな笑顔を浮かべ、文句を言わず近づいてきては簡単に自分を好きになった。
女にはここまで恥をかかされたのは初めてだ。
それも人前で。
なんなんだ、あの女。

直登はイラつきながら綾未を見る。
綾未は何事もなかったかのような顔で当たり前のように楽しく話をしている。
そんな笑顔が余計に腹立たしかった。
あんな女1人に何も言えない自分が悔しい。

Re: ダメ男とダメ女 ( No.7 )
日時: 2017/10/31 23:44
名前: ゆぅ

【やっぱり直登くんのこと気になって修斗君にLime教えてもらっちゃった!ごめんね、勝手に】

翌日、渚からLimeがきた。
狙い通りだ。
狙い通りすぎてつまらない。

昨日は結局あのあと特に話すこともなく解散し、二次会にも行かず1人帰ってきた。

渚とは元々Limeを交換する気でいたが、昨日はそんな気になれず、忘れて帰ってきたのだ。
すると案の定、渚の方は直登の連絡先を自ら探り、そしてLimeしてきた。
嫌な気はしないが、どうも気が乗らない。
昨日まではこの女でしばらくは暇を潰そうと思っていたのに。
綾未にクズ呼ばわりされたことが悔しいのだ。

直登は【いいよ別に。】とだけ返信をした。
するとすぐに渚からの返信があった。

【綾未に言われたこと、気にしてるの?ゴメンね。】

すぐに核心をつかれた。

【別に気にしてないよ。てかなんで君が謝るの】と直登。

【綾未を誘ったのはあたしだもん。綾未、ズバズバ言いたい事言う性格だから、気にしなくていいよ、あんなの。綾未が悪いよ】

渚からのLimeを見て、渚の好感度が下がった。
この女は、俺に好かれるために友達である鮎川綾未が悪いと俺に同情するのか、と。
ただ単に彼女は綾未が悪いと思っているのか、どうなのかは知らないが、鮎川綾未のことを否定しかしていないところを見ると前者だろう。
それか、何も考えていないバカなのか。
どうでもいい。

【ありがと。でも本当に大丈夫だよ。心配かけてごめんね】

直登がそう返し、【ううん!直登君のためならそんなこと全然へっちゃらだよ!】と来た。
媚を売っているのが見え見えだ。

直登は返信をせずに携帯をポケットにしまい、歩き出す。
どうもやる気が出ない。
直登が次の講義に向かおうと歩いていると、たまたま小夜を見かけた。

小夜は友達と楽しそうに話している。
それも男友達とだ。
まあ、今更関係ないか。
直登が小夜の横を通り過ぎようとした時、小夜が直登に気づき声をかけてきた。

「あ、直登!」

名前を呼ばれ、直登は振り返る。
小夜は最初気まずそうに話し出す。

「…その、元気?」

「元気に見える?」

直登がそう言うと、小夜は小さく俯いた。

「…ごめん」

「なんで謝るの?」

「…いや、なんか」

「なんか、なんだよ?」

お前のせいで俺は鮎川綾未に。

そんなことを思った。
ただの八つ当たりだ。

「私のせいかなって思ったから」

「…自惚れんな。俺はお前なんかに振られたところで痛くも痒くもねーよ!」

つい声を荒らげてしまった。
小夜は俯いて言う。

「…そ、そうだよね。ごめん」

小夜のそんな態度がまたはなにつく。

「…てか、お前だろ?あの女に変なこと吹き込んだの。だったらあいつを通さないで俺に直接行ってこいよな」

すると小夜は顔をあげて不思議そうな表情を浮かべた。

「あの女?なんのこと?」

「とぼけんなよ。鮎川綾未だよ。あいつに俺に恥かかせてほしいとか何とか言ったんじゃねーの?知らねえけど」

「ちょっとまって。なに、それ?綾未ちゃんに何か言われたの?というか、どうして直登が綾未ちゃんを知ってるの?」

白々しい。
無性に腹が立った。

「白々しいんだよ。もう二度と俺に関わんな」

直登をそう言うと小夜のいる方向と反対を向き、1人歩き始めた。

一体なんなんだ。
言いたいことがあるなら小夜が言ってくればいいだけの話だろ。
どうして人前であんなこと。
正直、小夜がこんなに姑息なことをするとは思わなかった。

ーーーーーーーーーーーー

講義はまったく頭に入らない。
イライラしすぎてだめだ。

【ごめん怒ってる?】

渚からLimeが来た。
そういえば返信するのを忘れていた。
面倒に思ったが暇潰しくらいにはなるか。

【ごめんね!返信するの忘れてた!渚ちゃんこそ怒ってない?】

優しく返信してあげた。

【全然大丈夫だよ!しつこくてごめんねー】と渚。

【そんなことないよ笑
さっきはちょっとイライラしてて、ごめん。】と直登。

【そっか、なら良かった笑】

【ごめんね笑】

【大丈夫!ねえ今日暇だったりする?】

きたか、誘い。
暇だし、乗ってやるか。

【この講義が終わったら暇だけど、なんで?】

【ほんと?良かったらご飯でも行かない?】

はー、ということは俺が奢ってやらなきゃいけねーのか。
面倒臭い。
まあいい、暇潰しだ。

【いいよ。どこ行く?】

【やったあ!なんでもいーよ!】


とかなんとかLimeをし、直登は講義が終わると渚との待ち合わせ場所に向かった。

校門を出ると、すぐそこのバス停の近くに渚がいた。
渚はすぐに気づきこちらに小走りできた。

「本当に来てくれたんだ、嬉しい」

渚はそう言って微笑んだ。

「当たり前だよ。嘘つかないよ、俺」

直登もそう言って微笑んだ。

「本当嬉しい!行こ!」



そんなこんなで渚と夕飯を食べ、飲みに行き、案の定夜はホテルへ。
今までと何も変わらなかった。
唯一変わったことと言えば、セックスをしても何も感じなかったということだ。
小夜の存在がいかに大きかったかがわかる。

隣で眠る渚を見ても、何も感じない。
というのも、浮気していた頃と何も変わらない。
浮気していても、相手の女に恋愛感情を抱いたことなどない。
どうでも良かった。
まあ暇潰し程度にはなったが。
渚は今後も暇潰しの相手になってもらうとするか。

直登はそう思うと、渚の頬にキスをした。
渚は目を開け、直登を見つめる。
直登は「渚」と呟いて微笑んだ。
渚は頬を赤らめ、直登を見つめて微笑む。
直登は渚の唇にキスをすると、渚を抱き寄せた。

いい暇潰しができた。


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