コメディ・ライト小説(新)

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青春-あおはる-
日時: 2017/10/02 02:56
名前: 花枝千歳

「私と、付き合ってください!」
茶髪をツインテールにした女の子。背は低めで、いかにも幼児に見える。
そして、うるうるとした大きな瞳で見上げられる。たぶん、一般的には可愛い分類なのだろう。しかし、こういう可愛い、は僕にとって苦手なタイプだった。
さらに、うるうるとした大きな瞳の裏から伝わってくる大きな自信。この子は僕を落とせると踏んでここに呼び出したようだ。
放課後の下駄箱前に。
僕はやはり、いつものように言った。
「ごめん。気持ちは嬉しいけど、付き合えない。」
これが僕のいつもの台詞で、目の前の女の子の落胆する表情も、いつもの通りだった。
この瞬間が一番居たたまれなくなる。
僕は静かにその場を去った。

僕の名前は近藤 樹(こんどう たつき)。
今年二年になった、高校生だ。部活はバスケ部で、委員会は図書委員に入っている。運動も読書も好きな僕は自分で言うのもあれなのだか、頭はそこそこいいと思う。
友達もいるし、悩みごとも特にない。
特になかった。...一ヶ月前までは。
「近藤くん。もう用事はすんだのかな?」
黒髪ストレートで、天使のような微笑みをうかべる彼女の名は氷室 四葉(ひむろ よつば)。
誰にでも平等で、優しく、おしとやかな子だ。
そしてこの子が悩みの種である。
そう、初恋の相手だ。
一ヶ月前に転校してきた彼女はその性格のため、すぐにクラスに馴染み、今ではクラスのアイドルとまで噂されている。
僕は軽い足取りで氷室のところまで駆け寄った。
「ああ。用事はすんだよ。」
僕がそう言うと氷室はフフっと笑って、歩き始めた。それに僕もついていく。実は、今日は一緒に帰る約束をしていたのだ。勇気を振り絞って言ってみたところ、すぐに承諾してくれた。
「近藤くんさ、さっき、告白されたでしょ?」
夕日を見ながら歩く彼女がおもむろに言った。
「ん。そうだよ。」
まともな返事もしない僕に、僕はガックリと肩を落とす。しかし、そっけない返事でも氷室は気にしていなかった。
「そっか。モテるもんね、近藤くんは。波瑠(は
る)ちゃんの告白断らなかったらよかったのに。」
静かに氷室は言ったが。波瑠?茶髪の子の名前か?と内心僕は思っていた。
「分からないか。あの子ね、志水 波瑠っていうんだよ。小さいから可愛いって人気なんだって。」
興味があるのかないのか分からない目だった。
僕は「へえ」とだけ返す。そして、無言が続いた。
内心、かなり焦る。話題どうしよう、どんなのならいいんだ?とあれこれ探した結果が。
「その波瑠っていう子と友達なんだ?」
が口から出てきた。あまりにもつまらない。
「そうだよ。15日くらい前に知り合ってね、他のクラスだから話はあまりできないけど、3日前にメアド交換したの。」
そして、僕をみて付け足した。
「だから、今日、慰めるんだ。近藤くんがフッたから。」
クスクスと氷室は笑った。
少し意地悪そうに笑っているようにみえ、僕は少しムッとした。普通、ムッとするのは女子なんだけどなあ、と思ったが。
そうこう話しているうちに、十字路につきかかる。ここから右に曲がると僕の家だ。氷室はたしか左に曲がると言っていた。
「じゃあね。また明日。」
「じゃあな。」
氷室と僕は反対の方向に歩んでいく。と、そこで後ろから声がした。
「近藤くん。」
「ん?」
僕は足を止め振り替えると、氷室は別れた場所から一歩も動いていなかった。
「どうしたんだよ?」
僕は大きめの声で聞いた。
帰ってきた言葉は...聞こえなかった。
そして、氷室は小さく手を振りながら踵(きびす)を返し、行ってしまう。
「何だったんだ...?」
僕の呟いた声はオレンジ色の空に吸い込まれていった。

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Re: 青春-あおはる- ( No.5 )
日時: 2017/10/02 02:59
名前: 花枝千歳



───なんで、こんなことになったんだ?
「なんだー、付き合ってたのー?私カッコいいなって思ったのに~」
目の前の女子が言う。
「めっちゃお似合い!いかにもお姫さまと王子さまカップル!いいなあ。」
まてまて!これは違う!
なんで、こうなったんだっけ?なんで──

遡ること、1時間前。
僕は志水波瑠に誘われてカヘェに来ていた。
お見合い相手は、女子は志水波瑠と、その友達の桜井穂香(さくらいほのか)、さらに他の学校の鈴木綾香(すずきあやか)である。
男子の方は、僕と秀、そして...早川隼(はやかわしゅん)。僕は知らないが、どうやら秀の友達だということ。
まず席に着いて、一人一人自己紹介していくこととなる。
「えっとお、桜井穂香っていうんだけどねえ。趣味はオシャレかなあ。よろ~」
秀もうっ、となるくらいの可愛いアピール。僕は苦手だ。
「鈴木綾香です!趣味は料理!恋人募集中です!よろしくね!」
こんな感じで、自己紹介は続いていくのだが。
正直、こんなふうに自己紹介はできる気がしない。本読みや体を動かすのが好きっていっても、趣味になるほどではない。僕はこう答えることにした。
「近藤樹です。バスケ部に入ってます。よろしく。」
僕は趣味の替わりに部活のことを言った。
明るく言うわけでもなく、あくまでも平然に。
しかし、かえってそれが彼女達の興味をそそることになってしまったらしい。
僕が自己紹介を終えると、桜井穂香と鈴木綾香がコソッと話し合っていた。
それから、本格的なお見合いに繋がる。
僕は静かにみんなのフィールドからでようと、時間をチラチラみていた。
用事を思い出したので帰ろう、と言おうと思う。
言おうと思った。
鈴木綾香と目があった。
ああ、やってしまった。
目が合うと、だいたい話すのが基本だ。それは、男女関係なく。
「えっと、樹君...だっけ。さっきバスケ部入ってるっていってたよね?どのポジションにいるの?」
少し恥じらいながら言う彼女、鈴木綾香。
...遅かった。
「あー、えっと、一応キャプテンだよ。」
僕は目を剃らしながら言った。
質問されてしまった以上、もう、帰ることは不可能に近い。ここは、かわし続けるんだ。
「えっ!そうなの?じゃあじゃあ...」
そういうと、スマホを操作しはじめる。
僕は警戒していると、目の前につき出してきた。
「これ!この前の中央大会!この優勝チームのここに映ってる、このキャプテン。これ、樹君?」
チラッとスマホの画面を見ると。確かに、僕だ。
「うん、そうだけど。」
「えー!?マジー!?すごいすごい!」
いきなり、騒ぎはじめた。
僕はギョッとする。ここまで騒ぐ女子は初めてだ。
「ねえねえ、好きな人いる?いないよね?告白されたことあるの?」
いきなりの質問攻めに僕はどれを答えればいいんだと迷う。女子ってこういうものなのだろうか?
迷いながら考えているとき、鈴木綾香のとなり─志水波瑠が口をだしてきた。
「あー!私告白したんだよ!」
「~~!!」
僕は内心頭を抱える。
余計な口出しはしないでほしい。
彼女のペースにのせられる!
「えっ!?そうなの?波瑠ちゃんが告白なんて初めてじゃない?樹君、なんて返したの?」
興味しんしんに僕を見る鈴木綾香。僕に無邪気な笑みを見せてる──とみせつつ、意地の悪い笑み。
そして、となりの男子の時間が、止まっている気がする。
「あ、それは断っ...」
ここまで言った所でふさがれた。
「オッケーされたんだよー!両思いなの!」
「!?」
何を言ってるんだ彼女は?志水波瑠は?
オッケーなんて...
「...おい...今の話は本当か...?」
となりから、すごい殺気。
あ、やばい。いろんな意味で。
「ちがっ、落ち着け秀!」
僕は今にも爆発しそうな秀をおさえようとする。
その間にも女子はキャーキャー言い始め。
一人、早川俊が静かに茅の外だった。

Re: 青春-あおはる- ( No.6 )
日時: 2017/10/02 03:00
名前: 花枝千歳

──────はめられた。
これが、僕が思ったことである。
志水波瑠にはめられたんだ。それは、僕がフッたときからもう始まっていたんだろう。この計画は。
みんなの前で自己申告することによって、周りから認めさせる方法。僕らが、両思い...付き合っているということを。
僕は慌てて否定すれば、それは図星だと思われ、また、否定しなかったらしなかったで、結果は変わらない。
要は、みんなの前で、ということが大切な訳で。
女子の噂の伝達力は半端ではない。
二日くらいすればクラス全員に行き渡っているし、一週間もすれば、全学年に行き届いている。
ダメだ。これは。
どうしよう、どうするべきか。
僕の視界に映る志水波瑠は満面の笑みだ...。
「おい!聞いてんのか!?樹!」
その声で僕は意識を戻す。そうだ、今は本気で自分の身が危ないんだ。
秀の想い人、志水波瑠を僕に奪われたと勘違いしているバカ野郎。いや、この場合勘違いして当たり前だが、今は僕の心情を理解してほしい。
「だから違うんだって」
胸ぐらを捕まれながら反論する僕。
秀は本気で怒っている。そして、視界の端に一瞬見えた女子たち。みんな、すごいニヤついている。
「ちがくねえだろ?告白されたなら、言ってくれりゃあよかったじゃん!波瑠ちゃんのこと好きなの知ってたくせによお!!」
半分涙目の秀を見るのが痛々しい。
ダメだ。おそらく、今は何を言っても伝わらない。俺がどうにか納得してくれる答えを探していると。
「やめてよ、二人とも。私のために争わないで。」
志水波瑠が止めに入る。その顔は、すごく嬉しそうで。嬉しそうで...。嬉しそうで...?
その瞬間、思いっきり秀を突き飛ばした。
「樹!?お、おい!」
僕は思いっきりテーブルにお金を叩きつけてカヘェを後にした。
後ろから声がしたが、振り返らない。
僕はただ、歩いた。
志水波瑠が気に入らない。すごく、嫌いだ。
嘘をついた上に、少女漫画のヒロイン気取り。ものすごく腹が立つ。自分にも、志水波瑠にも。
明日から、茶化されることだろう。
僕の本命は違うというのに。志水波瑠は、あいつは、明日、どんな反応をするだろう。氷室はどういう顔をするだろう。
いつのまにか、氷室と別れた十字路に来ていた。なんとなく、会える気がしたから。そう思っていたら。
「あれ?近藤くん?こんな夜中にどうしたの?」
それは、透き通っている声だ。
桜の花びらのように、ヒラヒラと僕の周りを舞っていく。
「...氷室...!」
今は、8時前。女子が一人で歩くなんて。
そう考えていた時だった。
氷室は寂しそうに笑った。
「ううん、ごめん。」
「え?なにが?」
いきなり謝られ、たじろぐ。何か悪いことでもしただろうか?
「さっきまで、どこにいたか知ってる。」
ドクン、と心臓の音が聞こえた。
まさかね...?
「駅前の、カヘェでお見合い、してたよね?」
「な、なんで...」
「私も、たまたまいたの。あそこで本読むの、好きだから。」
「...。」
「盗み聞きするつもり、なかったんだけどね。」
そんな。なんで、どうして。
「波瑠ちゃんの、オッケーしたんだね。」
「...!ち、ちがっ...」
「両思いおめでとう。じゃあ、また明日ね。」
「...」
そうして、彼女は目の前から消えていった。
僕はただ、立っている。立つしかなかった。氷室には、聞かれたく、なかった。
唯一の彼女にも、また。
「...帰ろう。」
僕が絞りだした声はその一言だけだった。

Re: 青春-あおはる- ( No.7 )
日時: 2017/10/02 19:13
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2

こんばんは、突然失礼します。四季と申します。

青春を「あおはる」と読むのが綺麗で良いですね。好みです。

文章のことになってしまいすみませんが、地の文がそこそこあるのが良いなと思いました。

これからも執筆頑張って下さい。

Re: 青春-あおはる- ( No.8 )
日時: 2017/10/15 18:01
名前: 花枝千歳

ー両思いおめでとうー
彼女の言葉は僕の胸に突き刺さっている。氷柱のように、鋭く、冷たい言葉だったきがした。
ピロン。
不意にポケットから音がした。ポケットを探ると出てきたのは、携帯で。画面を開くと志水波瑠の文字がでていた。
僕は見るつもりはなく、またしまいなおした。
もう、名前だってみたくなかったんだ。志水波瑠の名前なんて。
しかし、着信音は続く。素晴らしいくらいに。
だから、僕も辛抱づよく我慢してやった。見たくなんてなかったから、頭を抱えて耳をふさいで、ただ、音がなりやむのを待った。
そして最後には、電話が鳴り始める。それは一回にとどまることはなく、七、八回鳴った。
なんてやつだろう。こうもしつこく連絡してくるとは。そんな事を考えているうちに、電話のコールは止まっていた。
静かに鳴った部屋。
僕は恐る恐る携帯を取り出して、画面を開いた。もちろん、志水波瑠はみない。見るのは、氷室のところだ。一件、連絡が届いていた。
『近藤くん、こんばんは。波瑠ちゃんの告白OKしてたなんて知らなかったよ。あの時の帰り道、気づかなかった。教えてくれれば、もっと相談のったのに...。図々しくて、ごめんね。波瑠ちゃんのことでなにかあったら言ってね。相談、のるよ。』
氷室は、良いやつだな。これが思ったことだった。友達思いの良いやつだと。
もしも、僕が本当に氷室の友達の中にに入っているのなら。
僕の悩みの相談相手になってほしい。
志水波瑠をけなすことになるかもしれない。
だけど、君だけには、話したいんだ。
『こんばんは。連絡ありがとう。少し相談にのってもらっていい?』
そう送ると、すぐに返事は返ってきた。
『いいよ。なんのことかな?』
『志水波瑠について。』
『どうしたの?』
『まず、最初に言っておくけど、僕と志水波瑠は付き合ってなんかいない。勝手にあっちが言い出したんだ。』
そう返すと電話がかかってきた。
『波瑠ちゃんが、嘘、ついたの?』
「そうだよ。いきなり両思いだって。」
『そうなんだ...。波瑠ちゃんからメールきた?』
「...きたけど、見たくないんだ。あんな...」
ーーー嘘つき女の。
言いそうになったが、それは押さえた。仮にも氷室の友達なんだから。
「いや、何でもない。」
『そっか。見てないんだ...。なら、見てみた方がいいと思うよ。もしかしたら、謝罪メールかも知れないし。』
「...分かったよ。じゃ、一旦切るね。」
そう言って、通話を終了すると、志水波瑠のメールを意を決して見た。
そこには。
『樹くん?やっぱり、嫌だったかな?あんなに怒るなんて思ってなかったの...😢ごめんね🙏💦💦』
『でも、樹くんがわるいんだよ?』
『私みたいな、華奢で可愛い女の子をフルから。』
『明日からは、カレカノでよろ!(^o^)v絶対良い彼女になるからさ!』
この内容は、絶対に反省してないだろう。
僕は怒りよりも呆れのほうが勝った。

Re: 青春-あおはる- ( No.9 )
日時: 2017/10/22 12:32
名前: 花枝千歳

僕は、学校に行きたくなかった。
行けば完全に志水波瑠が僕にベタベタくっついてくるはずだ。
となると、周りからバカップルと勘違いされるし、志水波瑠もモテてるらしいから周囲からの殺気が突き刺さってくるだろう。
深い...とても深い溜め息が口からこぼれる。
そんなことを考えて家を出ると。
「おはよう。近藤くん。」
目の前にいたのは。
氷室だった。
「なんでいるの?」
「ん~...特に理由はないよ。」
クスクスと笑う彼女は、とても美しく。少しの間だけ、みとれた。
「行こっか。」
氷室に言われるままに歩き始める。
彼女は優しくて、でもしつこくない。志水波瑠とは正反対だ。
「近藤くん。」
「何?」
「波留ちゃんとは、どうだった?」
僕は、しばらく返答に困った。何て言うべきか。
どう言えば良い?
氷室をみると、心配そうに僕を見てくれている。
「...志水波瑠は、反省はしてないと思う。」
「そっか...。」
「彼女をやめる気はないらしい。」
僕がそういうと、氷室をですは目を伏せた。とても、暗い表情だ。
すると、急に僕の腕を引っ張った。
「近藤くんは波留ちゃんのこと、嫌い?」
とても、真剣な顔で聞いてくる。だから、本心を伝えた。
「嫌いだよ。少なくとも、変な噂はばらまかないでほしい。」
「...わかった。」
そして、いつもの、明るく笑う氷室に戻った。
なんだったんだろう。
そう思っていると。
「いたいた!樹くーん!」
え?と僕は、声のした方に振り向く。今の声は、明らかに。志水波瑠のものだ。
「なんで、待ってるの?」
僕は、声のトーンをさげて言ってみたつもりだが、彼女は微塵も不思議に思っていない感じだ。
「嫌だなあ。カレカノだよ?これくらい、当たり前でしょ?さ、いこいこ!」
僕の腕をグイグイ引っ張っていく。そう、隣にいる氷室なんかに目もくれず。
僕は強引に引っ張られるよりも、友達の癖に氷室に挨拶もしないことに腹をたてて、その手をふりほどこうとした。そのとき。
「波留ちゃん。そういうの、やめよう。」
横から氷室が反発した。
そして、志水波瑠の腕をつかんで、引き離す。
その顔は、とても冷たくて、いつもの彼女じゃないみたいだった。
そして、それ以上に驚いたのは、志水波瑠の豹変ぶりだ。
「なんであんたがここにいるの?私はね、今から樹くんと、学校に行くの。邪魔しないでよ!」
そして、ぶった。氷室を。
「!」
僕は、駆け寄ろうとしたのだが。氷室は僕をみて、そこにいろ、とでもいうように、手をかざし た。
「波留ちゃん。無理矢理は、ダメだよ。嫌がってる。」
「いいよ!これから好きになってもらえばいいんだもの!だいたい、なんであんたはいつも樹くんと一緒にいるの!?」
「友達だからだよ。」
氷室の言葉は、重く、冷たく、そして優しかった。今の氷室は見たことなかったけど、それでも、すごく嬉しい。
「私も樹くんの彼女だから一緒に...」
志水波瑠の言葉は途中で途切れた。氷室が遮ったからである。
「自分のことしか考えてないくせに。」
その言葉にみるみる顔を歪めていく。事実、その通りだが。
「なによ!そしたら、あんただって思い込みでしょ!?」
声をあらげて、必死で抵抗する。でも、悪いけど。
「違うよ。」
氷室が僕を友達だと言ってくれたから。僕も自信をもって、言える。
「僕は、氷室を友達だと思っている。」
「なら、私のことだって...!」
「悪いけど。僕を振り回さないでほしい。」
僕は、やっと言えた。学校に着く前に。噂が広がる前に。
志水波瑠の顔はもう熟したトマトのように赤くなっていた。今にも爆発しそうだ。
でも、言い返すことはしてこなかった。
「行こう、近藤くん。」
「うん...」
僕と氷室は志水波瑠の横を静かに通りすぎる。でも、横切るときに聞いたあの呟きは...。

ーーーーーーー殺してやる...っーーーーー


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