コメディ・ライト小説(新)

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日時: 2017/10/25 21:33
名前: おしるこ

人は生まれながらに無価値なのだと誰かに言われた事がある。
誰に言われたかなんて覚えていないし
思い出す必要も無いだろう。
私は今、軍医として生きているのだから。


あぁ…もう忙しくて頭がどうにかなりそうだ。
書類が机の上で山積みになっているのを見ていると気が遠くなりそうになる。
宮森忍は眼鏡を外し片手で視界を覆う。
もう一度ちらりと指の隙間から机の上を見ても状況は変わらなかった。
ハァー……………………。
医務室に長く深い溜息が響く。
「なんで軍医の私がこんなに書類を捌かなきゃなんですかねぇこの軍は…。
眠い……。」
書類の山から目を逸らし時計を見る。
時刻はもう深夜1時を回っていて、今も針は動き続けている。
体力的にも精神的にもそろそろ限界だった。
「珈琲飲みたい…。」
そう呟いた宮森は重い鈍痛にまとわりつかれた頭を押さえ、隈のはっきり出た目の下を擦りながら明るい灯しの付いた廊下に出た。


「あ、不健康軍医だ。」
失礼な事にそいつは私を見るなり指差してそう言ったのだ。
黒髪の毛先は染料で人工的に紅く染められていて、長く伸ばした髪はひとくくりにされている。
深夜の疲れ目には全く優しくない髪色をしている少女。
歳にしては少し高い身長と明るい笑顔がチャームポイントとでも言うべきだろうか。
赤川逢、軍の第一編成部隊の副長という大層な肩書きの割には脳味噌は恐らく筋肉であろうそいつは私の幼馴染だ。
「誰が不健康軍医ですか。
それよりもなんで第一編成部隊副長のアナタが深夜キッチンで冷蔵庫漁ってるんですかね?
健康維持と睡眠不足防止の為に深夜の徘徊と夜食は禁止ですよ?」
「違うよぉ、ウチの隊長が多すぎる書類を徹夜で片付けようとしてたせいか寝不足と栄養不足でついさっき倒れてさぁ…。
忍も書類で忙しいだろうから、何とかしようと思って…。」
またか、と思わず顔を顰めてしまう。
生真面目で紳士な第一編成部隊長は書類の提出期限が近くなると連日徹夜し、毎度の如くぶっ倒れるのである。
「はぁ…。
第一隊長はこちらで引き取ります。
アナタも部下なら部下らしく上司の健康を気遣うくらいして下さいね。」
「う、ごめん…。」
こうして私は珈琲を飲み忘れた。

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