コメディ・ライト小説(新)

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桜の君
日時: 2017/12/18 19:26
名前: 竜里

私は七風 茉凜(ななかぜ まりん)。高校一年生。
全ては、クラスで起こったあの事件から始まった。
ーその日は、5月の雨の降る日だった。
「ねぇねぇ、そろそろみんなも慣れてきたし、新しいルールを作って遊ぼうよ!」
クラスの一人が言ったのが、きっかけだった。
新しいルールでは、クラスの成績によって順位を付けていくということだった。
最初はみんなもやりたくない様子だったけど、ルールが付けたされ続け、
「一番の成績の人は、ルールを作っていく事ができる。」
「一番下は、熊さんと呼ばれてみんなにいじめられる。」
そして、徐々にみんなの感覚もずれて、いじめはこのクラスに蔓延していった。
…でも一番恐ろしかったのは、成績評価が良いからという理由でいじめを知らんぷりし続ける先生。
私は狂った笑い声と、いじめられ、泣き叫ぶ声に怯える日々をおくってた。
「…もう、嫌‼こんな事、いつまで続くの。」
その時、裏山の方から小さな女の子が現れた。
「どうしたの?君、迷子?」
女の子は首を横に振ると、私の手を握った。
ーシャンシャン。シャンシャン。
鈴の音が聞こえて、私はいつの間にか眠ってしまった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「大丈夫?」
さっきの女の子に起こしてもらった私は、周りを見て驚いた。
…そこにはさっきまであった学校が消え、藁で作られた屋根の家が沢山並んでた。
「ここは?」
少女は何も言わず、私の手をひいて山奥へ私を連れていった。
「ついたよ。僕の家はここ。」
そこは、大きな洞穴だった。
「君の家族は?まさか、一人って訳じゃないよね…?」
「僕は一人暮らしだけど。」
え?
「何かね、僕は特別な桜鬼さくらおにの力を持っているって。」
「桜…鬼?」
「うん。この桜色の髪とか。僕の髪にも何かあるらしいから切っちゃ駄目って。第一僕は男だ。この髪のせいで、女だとか気持ち悪いとか、色々面倒なんだけど。」
「…って、男!?」
「うん。やっぱり女だと思われてた。あーあ。僕、何でこうなるかなぁ。」
「ごめんなさい。」
少女…じゃなくて少年は壁掛けで干してた魚の干物を指さしていった。
「お腹、空かない?」
ぐう~。
私のお腹の音だ。
「あはは…。そうだね。続きはご飯食べながら話そうか。」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「そう言えば、君の名前は?」
「名前?何それ。美味しいの?」
「ぅえ!?いや、そもそも食べ物じゃないし。君は普段何て呼ばれているの?」
「僕?鬼って呼ばれてるけど。」
いや、鬼は名前じゃないだろう。
「それは、さすがに名前じゃないだろう。じゃあ、例えば華流斗かるととかは?」
「かると?僕が?」
「うん!華流斗。改めてよろしくね!!」
華流斗は嬉しそうに微笑み、私の手を握った。
ー「おい!お前は誰だ!」
ちょんまげの強そうな男が3人。
「違う!僕が無理矢理こいつを連れてきたんだ。…だって、こんなに可憐なおなご僕にぴったりの生け贄だ。」
「ふん。どっちみち、ここをうろうろしてるなら親に捨てられたガキだろう。愛でるなり、食うなり好きなようにしろ。」
えぇ!!さすがにそれは…。
「…それはともかく、明後日は樹木様じゅもくさまの儀式の日だ。せいぜいくいのないようにしろ。」
樹木様…?何だろ。
「分かったよ。どうせ、俺なんか死んだってあんたら人間は、神様なんかに認められない。ただ、あんたらが自己満足して楽しいだけだろうけどな!!」
…え?華流斗が死ぬ?
「おー怖っ。そんじゃ、桜鬼。せいぜい足掻くんだな。」
男達が去っていく。でも今はそんな事どうでもよかった。
「何…。死ぬって何よ!!せっかく仲良くなれたのに!」
私は悔しくて悔しくて、涙がポロポロ流れた。
「仕方ないんだよ。死ぬのは。僕ら桜鬼は、神様の生け贄として生まれ、死んでいく。だから、あんたが悲しい思いする事ないんだよ。」
…無理。死んじゃ駄目!
私は決意して立ち上がった。
「死んだら駄目!!」
「な…。何だよ!だから、ほっとけってー
「うるさい!うるさいうるさいうるさい!!
神様が何?私には、華流斗は一人しかいないのっ。だから、死んじゃ嫌…。」
「そんな事言ったって。」
私は、華流斗の手をひいて立たせた。
「行こう。一緒なら怖くない!」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ーあれからどれくらい歩いただろう。気付いたら、夜だった。
「疲れたね。」
私がそう言うと、華流斗はゆっくり座った。
「沢山歩いたね。」
夜空を眺めて、華流斗が呟いた。
「ーこのまま、逃げよう。ずっと一緒に。」
でも、その願いは叶わなかった。
ーがさがさ!
近くの茂みが揺れて、強そうな男が沢山現れた。
「おいてめえ、これはどういうことだ。」
「何よ。このままじゃ、この子は死んでいく。気持ちのある生き物が、生きたい事の何が悪い!神様なんか関係ない!私はこの子を守る!!」
相手が誰でもかまわない!私は、ただ、華流斗といれれば…。
「やめろ!うるさい!!てめえらが俺を殺そうが、どうだって良いけどこいつ殺すってんなら俺だって…手加減しねぇぞ……!」
華流斗。ありがとう。ありがとう。
「い、一斉にかかれ!早く捕らえろ!!」
ヤバい!さすがに…!!
「♪暁の門その扉 開け♪
神に誓え♪その時は来たり♪」
華流斗の歌声が響き、綺麗な夜空は一瞬にして夕焼けの赤に染まった。
「うわぁ!!」
「どうしたってんだ!!」
気付いたら、人々は燃えるようにして消えていった。
「一体何が…。」
「桜鬼は、その歌で神を呼ぶこともできる。でも、人々はその力を封じ込めようとしてた。僕の家族は、殺され続けて僕は一人になった。…でも、生きたいって思い出すことができた。ありがとう。」
華流斗は私にキューッと抱きついてきた。
「君を、元の世界に返してあげなきゃ。」
嫌。帰りたくない!
「君には、君の仕事がある。だから、ここでお別れ。」
…私の仕事。あるのかな。
「しかし、ガキ一人の為に命懸けるなんて、お前根性ある。」
…あ。
私にもできた。私でも、救うことができる。
「…じゃあね。」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
私は、裏山に戻っていた。やらなきゃ。私にもできるって華流斗が教えてくれたから。
「行こう。」
私の本当の戦いは始まったばかりだ。

end

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