コメディ・ライト小説(新)

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日時: 2017/12/20 15:50
名前: タコの達人



それはとても綺麗な箱だった。


黄金を固めてできていて、街行く人々を魅了させた。


でも、毎回聞かれることがある。


──箱の中身はなんですか?


それは誰にもわかりません。


あなただったら、何を入れますか?




・ご訪問者様・




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Re: 箱 足立氏  ( No.1 )
日時: 2017/12/20 16:23
名前: タコの達人


20XX年

会社から帰る途中の足立氏は、駅前の雑貨店であるものを見つけた。
『黄金の箱』
名前の通り黄金で、中身はきっと宝石や真珠などが入っているのだろう、と、色々な人の胸をざわつかせた。

足立氏は、そういうものに興味がない。
そんなものを買ったところで、何に使うのだ。
いつもそんな考えだった。

だが、黄金の箱は違った。
何か。何かを感じた。
箱は、足立氏を誘うように言った。

『買ってごらんなさいよ』

その誘惑の言葉を聞き、足立氏は値札を見た。

十万五千円

会社帰りの足立氏に、そんな金はない。
諦めるしかないか、と思った。

帰ろうとした足立氏に、箱は言った。

『ひどいわ、私を置いて行くなんて。私、あなたのことが好きになっちゃったのよ。責任取ってちょうだい!』

足立氏は足を止めた。
そして、店の中に入り、箱を盗ろうとした。
「お客様、お返しくださいませ。」
顔を見られてしまった。もうどうしようもない。
なんとか言って、ごまかすか。

「中身が気になりましてねえ、ちょっと手にとってみただけですよ。それに、どういう触り心地なのかも知りたくて…。」
「そういうことでしたら、どうぞ。盗まないでくださいね。」
なんとか切り抜けたが、今から盗むのは無理そうだ。
外には、何十人も見ている人がいる。
ここでカバンやポケットなどに入れれば、すぐ捕まってしまう。

だが、中身を見ることは許されたのだ。
見てから帰ろう。

足立氏が箱を開けると、中には赤いプッシュボタンが入っていた。
好奇心で、それを押した。
すると、自分以外のものがすべて止まったのだ。
車、人、犬、鳥…。

『今なら盗めるんじゃない?遠慮せずやっちゃいましょうよ』

足立氏はポケットに箱を入れた。

プッシュボタンを落としたのに気が付かずに。



月日が流れ、止まったまま生き物たちは滅んでいった。
2XXX年、止まったまま恐竜が誕生した。
だが、プッシュボタンの効かない宇宙の隕石で滅びた。隕石が落下した勢いで、プッシュボタンは押された。
そしてまた、時が始まる。

箱はというと、いつ滅びたかわからない人類のポケットに入っていた。
『出られない〜、外で遊びたい〜。』

人類はそれを拾う。
箱の中身にプッシュボタンを入れる。
そして、雑貨店に飾っておく…。



Re: 箱 八雲氏 ( No.2 )
日時: 2017/12/21 14:16
名前: タコの達人


2XXX年

子供の迎えに行く途中の八雲氏は、今年新しくできた雑貨店で、あるものを見つけた。
『黄金の箱』
街行く人々を次々と魅了させる、魔法の箱のようだった。

(素敵。夫への贈物プレゼントにいいかもしれないわ)
八雲氏の夫は光るものが大好きで、八雲氏への贈物プレゼントはいつも宝石。
だが、八雲氏は、夫に光るものを贈ったことがない。

(この機会を、逃せない。)
八雲氏は値札を見た。

十万五千円

八雲氏の家庭は大豪邸で、何十万の物もポンと買ってしまう。
「これで十万なんて、安いものよ。プレゼント用の袋に入れてもらいましょう。」
店員に話しかけると、驚いたような顔で八雲氏を見た。
「お客様、これを買うということは、ずる賢い泥棒たちに狙われる可能性が上がるのを覚悟しているんですよね?」

八雲氏は戸惑った。
確かに、家は大豪邸だが、守備などは一人も雇っていない。
前にも泥棒が入ったことがあり、たまたま財宝を隠しておいたのが良かったものの、八雲氏の手に一生の傷がついてしまった。
それ以来、八雲氏は泥棒を恐れているのだ。

「では、やめておきましょう。」

八雲氏は雑貨店を出て、保育園へ向かった。

(夫の誕生日、もうすぐなのよね。あの箱を買っていれば、この前の喧嘩のことも、丸く収まったかもしれないのに。)
だがもう遅い。
八雲氏が出た後、もっと金持ちな女性に買われてしまったから。


『ちぇー、あのお姉さんがよかったなあ。こんなオバサン、私の目当ての女性じゃないよ。』

箱は一人、ブツブツしゃべっていた。
女性は家に帰って箱を開けた。
中に入っていたのは、とても綺麗な髪飾りだった。
「まぁ、綺麗だこと。買ってよかったわ」
早速女性は髪につけた。
その瞬間、髪飾りはとてつもない大爆発を起こした。

その勢いで箱はどこかへ飛んでいき、いつの間にか八雲氏のカバンの中に入るのだった。

「…テロかしら」
さっきの大爆発を八雲氏と子供は見ていた。
「てろってなに?」
「悪いものだから知らないほうがいいわよ」

ピッ

箱は、独自のGPS機能をセットした。
すると、草むらから大量の男たちが出てきて、八雲氏達を捕らえた。

八雲氏は毒ガスで殺され、子供は売り飛ばされた。






箱 〜髪飾りの取り扱い説明書〜
・死んだ細胞に触れさせないでください。
万一大爆発を起こしても、こちらの会社は一切責任を負いません。
使わない場合、箱に戻して捨ててください。
誰かに拾われるのを、待ちますので…。


「あぁー?ほんとにこの箱の中に入ってたのか?」
「そうっすよ。」
「あ、ここ見てください。もうひとつ髪飾りが入っていたみたいっすよ」
「おお、シルバーか。お前ちょっと付けてみろ。」
「了解っす、似合いますかね。」
「あ…………………」


・もうひとつもありますので、ご注意くださいませ。




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