コメディ・ライト小説(新)

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僕の声は君だけに。
日時: 2018/11/10 19:13
名前: ゆず
参照: http:/

_届かない

僕の声は君には届かない。
君が遠すぎるから。
だから……だから、会えなくていい。もう、忘れたっていい。
もう、あきらめた。そのはずだった。
なのにどうして、
  
      ___涙が溢れて止まらないんだ。

*******
どうも。えっと、こんばんはが多いかな。
この小説は、主人公の男の子が一途な恋をする物語です。
そして、男の子の友達の恋の行方にも注目です!


【主人公】 京也きょうや
高校二年 男子
身長は低い方,優しい,怖がり,心配症,照れるとかわいい
勉強は普通,運動神経は良い
目立つのは苦手だが、性格故にクラスの中心

【中心人物たち】
今井いまいゆう…瀬ノのクラスメイト,天然キャラでクラスの人気者
神城しんじょう陽茉莉ひまり…瀬ノのクラスメイト&幼馴染み,みんなのお姉さんのような存在だか、頭は良くない
上島じょうじま隆寺りゅうじ…高校からの友達,見た目はヤンキーだが意外に真は真面目、頭は良くない

目次
第一章  君の声が、そばに。
第1節 「約束の木下で」
>>001-004
>>007-018
第2節 「放課後の奇跡は」
>>020-023
>>027-029
>>031-042 >>045
第3節 「違和感を感じて」
>>048-053
>>062-063
>>072-079

第ニ章 君が、心から羨ましい。
第1節 「月夜の下、電話ラブコール
>>080-

#番外編『可愛いので許します……』>>057
#瀬ノグループキャラ設定>>074

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Re: 僕の声は君だけに。【第2章『月夜の下、電話(らぶコール)』】 ( No.83 )
日時: 2018/10/07 16:09
名前: ゆず


『……うっ、うぅ……う……』
電話越しに聞こえる。
苦しそうに嗚咽の声を漏らす。
俺はかける言葉がなかった。何を言えばいいのかわからなかった。
どうすればいいのかわからない。頭が痛い。
いよりの言葉はまだ続いた。
『なんでって、聞いた……どうして、て。そしたら言われた……私は、私は、半端者なんだって……」
それを聞いた時、頭が狂いそうだった。怒りが自分の全てを支配して、暴れ狂いそうだった。
でも、耐えられた。
全てが無駄になってしまうだろう。いよりの勇気が消えてしまうだろう。いよりを、傷つけてしまうだろう、と。
『次の日から、私は学校に行きませんでした。家族も……心配してたけど、理由は言えませんでした。ずっと不登校で、中学校も、ずっと……』
精神的なダメージによる、不登校。原因は自分ではない、他の人から与えられたもの。
許せるはずがない。怖いわけがない。
「うん……ありがとう。教えてくれて……」
今はこんなにも教えてくれた。全てをわかってあげられることはないかもしれないけれど、それでもいい。
でも、いよりは明日、元気でいられるだろうか。
不安で胸が押しつぶされていた。怖くて怖くて、声が震えていた。
「あ、明日は__」
『でもね』
俺の言葉を遮るように、いよりが声を張り上げる。
俺は言葉を続けることもできたのに、止めた。確信ではなかったけれど、いよりの声が少しいきいきしている、いつもの声だったから。
『でもね……私、君と出会ってよかったって、思う』
世界がパッと明るく照らされる。いよりの声が、思いが、一筋の光となり、冷え切ってしまった心もゆっくりとはいえ、確実に温まっていく。
『瀬ノくんと、ゆうさんと、陽麻莉さんと、上島くんと……みんなと出会えたから』
笑い声がする。
『今はね、ありがとうって、すごく言いたいの』
静かな間が空く。暖かい雰囲気のままで。
いよりが小悪魔のように、楽しそうに笑う。
『さぁ、問題です。私は今、どこにいるのでしょう』
「え……?」
今までとはノリが違いすぎて、なんて答えていいのか戸惑ってしまう。
待て待て、なんて言えばいいんだよ!?え、引っ掛け?引っ掛けなの?
「え、えっ:……家、でしょ?自分の部屋、とか……」
また、いよりが笑う。
『ぶぶー!答えはね、ベランダだよ』
わからなかったでしょ、と笑う。
(いやいや、わかんねぇよ!)
いつからベランダにいたのだろうか。いくら夏だからと言っても、夜になると一気に気温が下がる。身体を冷やさないためにも、夜に長い間外にはいない方がいいだろう。
しかし、いよりはそんな俺の心配を無視して、楽しそうに話しを続ける。
『今日はね、月が綺麗なんだよ』
見てみてと言われ、ベットから立ち上がり軽いドアを開ける。俺の部屋にはすぐベランダへと出られる、ガラス張りのドアがある。開けた瞬間、風が入り込み、髪が大きく揺れ、頭を抑える。
窓を閉めていたため、見ることができなかった月。
俺を、いや、俺たちを照らす光は、が眩しいほどに輝いていた。

Re: 僕の声は君だけに。【第2章『月夜の下、電話(らぶコール)』】 ( No.84 )
日時: 2018/10/17 22:36
名前: ゆず


月夜の下、僕らは繋がっている。
表情は見えないけれど、耳を澄ませば、すぐ近くに君の声がある。たしかに、君が心のそばにいるのだと実感出来る。
『……瀬ノくん』
「ん?」
言い出しにくいことなのか、戸惑っているのが感じ取れる。
『皆さんに聞きました……突然歌を歌わなくなった、と』
身体全体に衝撃が走る。皆さん、とはゆう達のことなのだろう。
(これは余計なことを喋ったな、あいつ)
不覚にも頭をかきむしり、少し苛立ちをあらわにしてしまう。声も溢れてしまっていたかもしれない。でも、勝手に言われたことに怒っている訳ではなかった。
『教えてくれませんか?その理由。知りたいんです。ダメ……ですか?』
この流れで、小動物の鳴き声のようにか弱い声に小悪魔たっぷりで言われたら、逃げることも出来ないことを知っている。俺は、その理由が嫌いで、あまりにも情け無くて、言いたくないのに言わなければならない時に、怒っているのだ。
そのままベランダに出て、ドアを閉める。ベランダの柵に膝をつきながら、ため息を吐く。
「言わなきゃ、ダメか?」
いよりは何も答えない。
あくまでも、俺の意思で話してほしいと言うことなのだろう。でも、逆に遠慮して言われる方が、性格上やめるという選択肢は出来ないのだ。
「えっと……十年前くらいかな。ある女の子にあったんだ……」



完全に気が抜けた夏休みが始まったばかりの小学一年生の時。
空がうっすらとオレンジ色に染まってきた頃、五時のチャイムが鳴り響く。俺はその時、はしゃいで動きたい気持ちが溢れる元気な男の子だった為、リュックに野球のグローブとボールを詰めて遊んでいた帰りだった。
「うっ、う……うぅぇ……うぅぅう」
それは、女の子の泣く声だった。
いそいそと家に向けて進んでいた足を、思わず止める。周りをキョロキョロと見渡し、見えたのは、小さな公園の影。ゆっくりと近づくと、そこには女の子がいた。
白いレースワンピースに、一回り大きい麦わら帽子を邪魔そうに被る女の子。
髪は肩よりも少し短く、黒く透き通っていた。顔を覆い俯いていたため、表情は読み取れなかったものの、たしかに彼女は泣いていた。
あいにくその時の俺は、今よりも正確がとんがっていて、生意気だった。
「おい。何泣いてんだよ、こんなところでさ」
女の子は何も答えない。泣き声も止まり、完全に無視されたのだ。
「……私より……小さい、くせに……」
残念ながら、俺はほんの少しだけ、この女の子より小さかったのだ。明らかに分かっていっているし、気づいているはずだ。その行動にカチンときた俺は、しつこいと言われてもいいと思い、また聞きなおす。
「あのなぁ!俺は父さんから泣いてる女の子はほっとくなって言われてんだ。聞いてやってるんだから答えろよ」
無理矢理にでも言わせてやろうと企んでいた時、女の子は渋々顔を上げ、口をとんがらせてむっすりしている。しかし、帽子のせいで、目は見えない。
「この後……遠くに行くの。いつ帰ってこれるかも、わからないし……。せっかくみんなと友達になれたのに……」
再びうずくまり、丸く小さくなる女の子。かなり落ち込んでいるようだった。
「よしっ!」
そんなことも気にすることなく、元気よく声を上げて立ち上がる。さすがの突然のことに、女の子は口をぽかんと開けて、俺を見上げていた。その女の子に向かって、手を差し伸べる。
「ならさ、時間になるまで遊ぼうぜ。どうせ暇なんだろ?」



懐かしいあの時の場面の余韻に浸る。
「そのあと夜にもなって七時くらいまで公園で遊んでたんだ。その女の子はいよりと同じように音楽が好きみたいでさ。言ってたんだ」

_____君の声をたどって必ずまた、会えるよ。

「初めは全く考えなかったけど、時間が経つにつれて、また会えたらと思ってた」
だから、ずっと歌を歌っていた。
「家族も歌う事が好きで、俺もよく歌うようになってたんだ。俺が歌えば家族はいつも笑って喜んでくれたからさ」
『そうなんですか』
父はギターを弾きながら、静かだった家を盛り上げて、温かい雰囲気にしていた。
大好きな父さんに、大好きな母さんに囲まれる楽しい生活がずっと続くのだと思っていた。
「でも、幸せは続かないものなんだよ」
電話の向かうで拍子抜けた声が聞こえる。いよりがそうなる事は分かっていた。
「父さんが……離婚を申し出たんだ」
俺にとって、それは歌わなくなったきっかけであり、全てが壊れた瞬間だった。

Re: 僕の声は君だけに。【第2章『月夜の下、電話(らぶコール)』】 ( No.85 )
日時: 2018/10/26 22:32
名前: ゆず

まず、『僕の声は君だけに。』。投稿76回目、閲覧2000回超え。
ありがとうございまぁぁぁぁぁあああす!!
自分で言うのもなんだけど、ここまで続くとは思わなかったです。はい。
今、そして今まで読んでくださった方々。本当にありがとうございます。
自分にとって、とてもエールになります。
そして、これからも、末長くよろしくお願いします。
*******

あの少女に会ってから五年後の、俺が小学五年生の時だった。
その日はいつもと違い、友達の家で遊んでいたため外も見えず、時間も忘れていた。だいたい帰り着くのは、午後五時半。しかし、すでに五時半を回っていた。
俺にとっては、かなりの心配性な母さんに付き合うのを避けるため、今まで時間は守ってきた。だからこそ、母さんの焦りようが目に浮かんだ。
家に着いた時には、夏ということもあり陽は落ちていなかったが六時になっていた。
玄関の前で泣きながらスタンバイしている母さんがいるのではないかと、恐る恐る玄関の扉を開ける。
だが、そこには誰もいなかった。
それどころか、普段なら聞こえてくるはずの、コンっと野菜がすんなりと切れる音も母さんの楽しげな鼻歌も聞こえてこなかった。
その時一番に考えたのは、心配や涙を通り越して、カンカンに怒っているのではないかということだった。

その中目に入ったのは、父さんの靴だった。父は大手企業の社長で、帰りが遅いどころか朝になっても帰らないことがあった。休日も仕事仕事と忙しく遊ぶことなんてありえなかった。ちゃんと理解していた。俺たち家族のために働いてくれていること。我慢しなくてはいけないこと。
でも、友達とその父が手を繋ぎ、一緒に歩いたり、一緒に喋ったり。そんな姿がとても羨ましくて心が苦しくなるばかりだった。
早く帰ってくる。つまり、皆で夕食を囲める。それだけが、三人にとっての楽しみだった。
俺は荷物をその場に放り投げ、すぐに電気のつくリビングに走った。
「お父さん!お帰__」
バタバタとした足音で、父さんと母さんが振り返った。その苦しそうに歪んだ表情は酷く悲しいものだった。
「きょう……や」
絞り出すような声。そう俺の名前を呼んだと思った瞬間、思いっきり抱きしめてきた。
「ごめん……ね。お母、さん……ごめんね。ごめん。ごめんっごめ……ね」
母さんは子供のように泣きじゃくっていた。
耳元でうるさいほどに響く声。
俺は何が起きているのか分からなかった。
しゃがみこみ抱きつく母さんの背後に立つ父さんを見ても、目を合わせようとしない。
笑わない。
混乱の中、聞こえる言葉。ごめんねって泣きながら言う言葉。
「……ねぇ、どうし……たの?」
分からない。
誰も答えてくれない。
父さんは気まずそうに黙り込み、母さんは泣き続けている。
何も変わらない光景。
「ねぇ……ねぇ!」
消えてゆく普段の光景。
「ねぇ……お父さん!お母さん!」
その叫びは家を飛び出して、遠くまで響いた。
____でも、その声は誰にも届かない。

Re: 僕の声は君だけに。 ( No.86 )
日時: 2018/11/09 23:09
名前: ゆず

やっとテストが終わった!!今、気分爽快です。
随分、間を開けました。いや、そんな大した期間でもないか?
テスト期間でも、小説のこと考えていたんですけど、勉強で精一杯でした……。両立は難しいですね。

現在、第2章!!自分でも言うが、遅い!!長い!!
そこはしょうがないのでご了承くださいww
今後の展開はとっくに考えているんですけど、小説に書くのに時間がかかるんです。自分、登場人物の名前と題名を考えるのがダメなんです。
「陽麻莉」も友達に相談しました。二章は特に全くで……思いつかなかった。
で、友達に考えてもらったんですけど、「ダサい言われたから、変える!!」みたいなこと言ってて……。もしかしたら、自分がダサいとは言わないものの、そんな感じの言葉を言ったのかもしれません。本当に変えるのかは、未定です。
閲覧増えていたのでびっくりしました!読んでくださっている方がいるんだなぁと思うと嬉しい( ´∀`)
自分もほとんどのコメ・ライの他の小説(30くらいいってるのは読んでない)を読んでいるので、皆さんも頑張って下さい!
まだまだ、頑張りまーす!ブイ☆

Re: 僕の声は君だけに。 ( No.87 )
日時: 2018/11/13 23:20
名前: ゆず

嫌な思い出ほど記憶に残るなんて、世界は不条理だった。
「……もう、歌う理由がないんだ」
そんな事ない、そう言いかけたいよりの言葉を切るように遮った俺の声は、普段よりも低く早口になっていた。
「家族で楽しく笑っていた時に戻りたかった……。また、笑いたかったんだ……でも、歌を歌えば、母さんは元気になるどころか、泣くばかりだった……」
今なら分かる。父さんが離婚を申し出たのは母さんのためだった。
社長である故に会社にかかりっきりの父さんは中々家に帰ることも出来ず、夜遅くに帰るのが当たり前で、心配症である母さんは寝る事なく、じっと家で待ち続けていた。もちろんのこと、母さんが寝不足になる事も多かった。
そんな母さんを見ていた父さんは自分のせいでと思ったのだろう。
離婚を申し出、また新しい出会いがあるまで、ある程度生活できる分のお金を家に持ってきている。そして、母さんの「京也のために帰ってきて欲しい」という要望により、一年に一回、父さんの誕生日の日だけ、家に帰ってくる。
俺のため、それは決して嘘ではなかったはずだ。でも、それ以上に母さんは父さんに会いったかったはずだ。毎年父さんの誕生日が近づくと、どうお祝いするのか、何を渡したらいいのか、どんな服を着ようかなどと、一か月かけて悩み、近づくにつれて、父さんの昔の話も増えていた。
そう___まだ、父さんの事を愛していた。
自分の誕生日にきて欲しいと頼むのではなく、父さんの誕生日を指定した。それも、少しでも父さんの思い出の中に入るためだった。
だからこそ、俺が歌を歌う時、思い出して泣いてしまうのだ。

これは心からの言葉だった。
「だから俺には、音楽は必要ないんだ」
俺の音楽は家族すらも幸せにできなかった。たった一人の少女さえも見つけることができなかった。
そんな不良品を持ち歩くなんて、ただの邪魔でしかない。
それならもう、捨ててしまった方が楽___
『……ん……ない…………』
「え?」

『そんなことない!!』

二回目のいよりの張る声。
一回目は、ただ俺を突き放すために放った叫びだった。
しかし、今は俺を励ますように、自分に自信がないものの、必死に励まそうと言っているようだった。
普段の俺だったら、どんなに喜んだことだろうか。心の底から感謝できただろうか。
でも今だけは、その言葉が嘘っぽくてたまらなかった。まるで馬鹿にされているようにしか聞こえなかった。落ち着いて考えれば簡単にそうじゃないことなんて分かったはずなのに、何処からともなく溢れ出した怒りの矛先は、いよりに向いていた。
「じゃあ、一体俺に何が___」
『好きだからだよ』
なんの迷いもなく放たれた言葉に混乱していた。
俺とは違い、いつも通りの優しく透き通った声。
『人のためなんかじゃなくてもいいんだよ?自分が好きなら…………それで、いいん……だよ?』
最後の方にはすっかり声は弱々しくなり、声は震え、鼻をすする音が届いた。
『瀬ノくんの、バカ……バカバカバカバカ』
ねえ、そういよりは力無くとも、届く声で、
『必要ない、なんて……言わないでよ……』

俺はいよりが落ち着くまで待っていた。一生に比べれば、微かな時間だったが、その時は一秒一秒の間隔がとても長く感じた。
先に言葉を発したのは俺だった。
「今日何日だっけ?」
突然なことに不意を突かれたいよりは、少し迷いを見せた。
『八月……二十三日?』
「うん。明後日の土曜日に、この町の真ん中にある神社で祭りがあるんだ」
それはそれなりに人気で、毎年町中から多くの人々が訪れる。
「もう、あいつらには行く約束してるんだけど、どうかな?一緒に」
『えっと……』
「あ。ごめん。急に言ってもだよね?」
『行きたい』
「え?」
『行きたいです!』
すっかり楽しそうにトーンの上がった声。喜んでもらうことには何の嫌なこともなかった。
「分かった。じゃあ、今日も遅いし、また連絡する」
『おやすみ』

長い長い電話が終わり、ベランダから家のベッドの上へと戻る。スマホの画面も真っ黒に染まった。
その時、俺の右腕は無意識のうちに棚の上に振ろうとして、止めた。

一瞬の気の迷いだった。
やはり収まらない怒りの感情の思うがままに、暴れて、全て壊してしまいたいと思った。
しかし、その直前に我に返り、冷静さを取り戻そうと手を膝の上に戻して、何も言わず寝転がった。
手が動いていた先___棚には、小さな小物入れに小さな頃に撮った家族写真。そして、ゆうに借りたままの音楽プレーヤーだった。
「何なんだよ……」

好きなそれでいい。『好き』という言葉は、よく耳にする。
あの食べ物が好き、あの動物が好き、あの色が好き、あの場所が好き。あの子が好き。
でも、はっきりとは分からなかった。好きとは、どういう意味なのか。

先程言われた言葉をもう一度、思い浮かべた。

___必要ないなんて、言わないでください。

そんな事を言ってくれる友達もきっと、数少ないだろう。感謝するにも仕切れない、今までで一番の励ましの言葉だった。
でも、それでも。





俺は返事をしなかった。


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