コメディ・ライト小説(新)

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少女と海猫の少しだけ変わった日常
日時: 2019/02/21 07:56
名前: 空巫女

「ニャ~!」
日本人とアメリカ人のハーフである私、千影は“一人”の猫と“暮らしている”。
何故、“一人”や“暮らしている”と言った表現をしたのには理由がある。

“その猫は人の姿になる事ができるから。”

このお話は、私と猫の普通の人と少し違った日常。

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はじめまして、空巫女です。
なりきり板では活動していましたが、
今日からこちらの板でも活動をします。
更新は不定期となります。

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#21 おおかみ ( No.25 )
日時: 2019/03/18 17:52
名前: 空巫女

<#21 おおかみ>

『千影ちゃん、開けて!』
扉をドンドンと叩く瑠姫。
「嫌よ。そもそも何で貴方が私の家を知っているのよ...」
私は大きくため息を吐くと、扉を開けて問う。
「あ、えっと、それは...」
「言えない事?学級委員でもあろう貴方が、何をして、クラスメイトの家を特定したの?」
言葉を詰まらせる瑠姫を、私は問い詰める。
すると、今まで無言だった、獣人が口を開いた。
「その説明はわたくしから。私は、紫狼の獣人。名前は未だないの。ここからが本題なのだけど、私が、主たる瑠姫様に、同郷の者...正確には、貴方様後ろに居る猫に会いたいと、無理を申し出たの。それを、瑠姫様は同級生たる紅実を通じて、この家の位置を調べてもらった。それ故、罰するならば私を」
狼の獣人は、その場に跪く。
獣人に跪かれるって、何とも言えない不思議な気持ちね。紅実も葵相手に同じ思いをしたのかな...
後、紅実も黒なのか。まぁ理由が理由なので仕方ないよね。
「頭をあげて。理由を知った以上、あれこれ言うつもりもないから。罰したりもしないわ」
私は獣人と同じ目線になるように、しゃがむ。
「い、いいの?」
頭をあげた獣人は目に涙を浮かべていた。
自分で言っても、罰されるのが怖かったんだろうね。
「勿論よ。海猫に会いたいんでしょ?話してきなさいよ。あ、海猫はね、猫の名前」
私は獣人の手をとって、家に入れる。
瑠姫が、“何で私は駄目なのに狼はいいの?”的な、視線を、こちらに向けているがスルーする。まぁ、瑠姫の場合獣人が絡んだ時の行いがあるからね。
獣人は許されたと解ったら直ぐ様、海猫に抱きついた。
「嗚呼、ずっと会いたかった!僕より早く郷を経って、ずっと心配していたの!海猫なんて、いい名前まで貰って、羨ましい!」
雰囲気ががらっと変わったよ、この狼。
1人称だって私から僕に替わっているし。
尻尾が千切れるんじゃないかと、不安になるぐらい振っているし。
それに対して海猫は...
「ま、待って。言いにくいんだけど、誰?」
狼の獣人の事を忘れていた模様。
獣人は、一瞬にして顔から表情が消える。
そのまま、床にヘタっと、座り込んでしまった。
「ぼ、僕の事、覚えないの?」
「うん...ごめんね」
海猫は申し訳なさそうにしている。
そりゃね、わざわざ自分に会いに来てくれた人の事を忘れてしまっているんだから。
「僕は、貴方を追いかけてここまで来たのに...」
「本当にごめんね...わざわざ来てくれたのに...」
俯く獣人。そして必至に謝る海猫。
そんな時だった。何処からか声が聞こえたのは。
「どうしたのさ、あんた達は。ていうか海の家ってここだったんだ」
そこにいたのは白鳥の獣人である巽先輩だった。

#22 じゅり ( No.26 )
日時: 2019/03/19 23:32
名前: 空巫女

<#22 じゅり>

「鳥先輩、どうしてここに!?」
海猫が驚きの声をあげる。
声をあげるのは、仕方ない声だと私は思った。
だってね、同じ部活の先輩が、自分の家の側にいたら誰だって驚くからね。
「こら海、鳥先輩やめなさい。昔なら名前が無いなら仕方ないにしろ、今は可愛い義妹に貰った“樹李”っていう立派な名前があるんだから!」
巽先輩は、胸をはって、ドヤ顔をする。
「名前を貰った...?巽先輩って獣人...?」
瑠姫は名前を貰ったのと、“義妹”というワードだけで、巽先輩が獣人だということを当てて見せた。この様に、瑠姫は普段なら頭はいい。
あれ?それ以前に瑠姫は巽先輩が獣人だって事知らなかったのね。
後で解ったんだけど、海猫や葵が有名過ぎて、獣人としての巽先輩の知名度は思ったより低く、知っているのは、ホルンパートのメンバーと、私や紅実等の一部だけだそう。
「あ、それでね。アタシがここにいる理由なんだけど、実はアタシの家ってこのマンションの上の階なのよ」
「「「な、なんだって!?」」」
巽先輩と、狼の獣人以外の声が合わさる。
「せ、せ、せんぱいが、ままま、まさか...」
海猫が凄い狼狽えていた。うん、気持ちは解るよ。
「落ち着きなさい」
「にゃあ」
狼狽えられると、話が進みにくいので、顎を撫でる。すると不思議な事に、海猫は落ち着くのだ。いや、落ち着いているのかは不明だけど、静かになったから良しとしよう。
「へぇ、海ってこうすれば静かになるんだ」
「あ、これは恐らく私がやらないと効果ないです」
「おおう、そうなんだ」
感心する巽先輩に言っておく。
「それで話を帰るのだけど、お盆休みの真最中なのに、なんでこんなに人が集まってるの?」
首を傾げる巽先輩。
「嗚呼、それは...」
私は口を開くも、言葉が思い浮かばずに、そのまま口を閉ざしてしまう。
そして、瑠姫が何か言いかけたのだが、それよりも先に先輩が狼の獣人の薄紫色の髪の毛を弄り始めた。暫くすると、狼の獣人は伸ばしっぱなしの癖っ毛だったのが、2つのお団子結びに。
「あー!貴方、眠り狼っていわれてた紫狼!?」
海猫は、思い出したのか大きな声を出す。
「そう、そうだよ!」
獣人は思い出してもらえて嬉しいようで、尻尾を高速で振っていた。
「もしかしたら眠り狼なんじゃないか、って思ったから髪型を郷にいた時の髪型に戻したらまさか本当に...前はいつも眠そうにしてたのに、今じゃ全然違う...」
髪型を弄った巽先輩は驚いていた。
そして、私も驚きで唖然としている。眠り狼がどんなのかは知らないが、海猫や巽先輩が揃って解らない程違うって凄い...
「あ、瑠姫。そういえばまだこの獣人の名前、決まってないのよね?この際決めちゃえば?」
巽先輩が突然そんな提案をしてきた。確かに名前があれば、雰囲気が変わっても誰だか解るからね。
「そうですね。でも、私名前のセンスが...千影ちゃん程じゃないけど...」
瑠姫、今何て言った?私への悪口があった様に聞こえたのだけど...そんな私の気持ち等知らない巽先輩は、話を続ける。
「そんな時こそ、アタシの義妹に頼めばいいのよ!いつき、おいで!」
一瞬柱に話かけた様に見えたが、柱の影から小さな女の子が。いつの間に柱の影に...?
「はじめまして。たつみいつき、中学3年生です」
自分以外全員年上だから緊張している筈なのに、巽先輩の義妹、樹ちゃんは堂々と自己紹介をした。凄いな。しっかりしている。
「えっと、お話は柱の影から聞かせて頂きました。盗み聞きの様になってごめんなさい。
そして、これは私からの案なんですけど、獣人さんの名前には、自分の名前の漢字を入れるといいと思います」
謝ってお辞儀をしたあと、すらすらと意見を述べる樹ちゃん。ヤバい、この子凄い。
「成る程、...なら、瑠姫るきの“る”と、おおかみの“み”で、“るみ”!瑠未なんて名前はどうかな!?」

#23 るみ ( No.27 )
日時: 2019/03/20 00:20
名前: 空巫女

<#23 るみ>

瑠未るみ...これが、僕の名前...」
名前を貰い、嬉しさで涙を浮かべる狼の獣人こと、瑠未。
「瑠未さん、いいお名前ですね」
樹ちゃんはニコッと微笑むと、お辞儀をした。
「では、私達は課題があるので、この辺で失礼します」
また微笑んだ樹ちゃんは、マンションの、上に続く階段へ向かった。
「樹、待って!」
「お姉ちゃん、遅いと置いてっちゃうよ!」
慌てて後を追う巽先輩と、置いてっちゃうよといいながら、階段でしっかり待っている樹ちゃん。
こんな妹、欲しいかも。私はそんな風に思ってしまったのだった。

二人が帰ってから数分後。
「少し思ったのだけど、瑠未、貴方ってさ、素はどっちなのよ?私達は同じ歳なんだし、無理する必要もないのよ?」
これは答えるまでもなく、僕っ子が素なのだろうが、いちいちわたくしとか言われるとややこしいので、はっきりさせてもらう事に。
「えっと、僕はこっちが素かな。貴方の言葉通り、私の方は、少し無理してた...」
瑠未は耳を動かしながら苦笑いする。
「そりゃそうだよ。だから、もう無理しなくていいからね?さっきの瑠未、涙浮かべてた程なんだから」
海猫か瑠未を撫でる。獣人が獣人を撫でるって変わった感じだけど、それよりさっき涙を浮かべてたのって、罰されるのが怖かったからじゃないんだ。
「ありがと、海猫!」
瑠未が海猫を、抱き締める。
そう言えば、瑠未は海猫に会いたがっていたのは何でなんだろう?
それを見透かしたように、瑠未は話し始める。
「海猫と僕は、郷で親しかったんだ。僕はあまり友達が居なかったけど、海猫はちゃんと優しくしてくれたから、この町に来たら、海猫には合っておきたいと思ったの」
そうなのか。海猫も、瑠未が眠り狼だって知った時は嬉しさで尻尾出てたから間違いないのかな?
再開を果たした二人は、そのまま喋り始め、私と瑠姫は見守る事になったのは、言わない方がいいかな。

#EX4 キャラクター紹介3 ( No.28 )
日時: 2019/03/20 00:28
名前: 空巫女

<#EX4 キャラクター紹介3>

瑠未るみ
瑠姫の家で居候する僕っ子の、紫狼の獣人。海猫と仲が良い。眠り狼という謎の2つ名を持っている。郷から出る前と現在では、かなり雰囲気が変わったそう。

たつみいつき
樹李の義妹兼飼い主の中学3年生。しっかりものだが、それは両親を失った寂しさを隠す為なのかもしれない。樹李の事は“お姉ちゃん”と実姉の様にしたっている。

#24 たいかいとうじつ ( No.29 )
日時: 2019/03/22 16:42
名前: 空巫女

<#24 たいかいとうじつ>

<<海猫side>>

時が変わってお盆休みも終わり、夏休みも後半に。
余談だが、瑠未は夏休み後に転校するという事で、まだ居ない。あれ、でも瑠姫はいるから、瑠未は家で1人なんだ。

今日は部活がある日だが、朝から慌ただしく、部活開始時間はいつもより2時間ほど速い。
なんせ、今日は吹奏楽の大会なのだから。

「海猫、樹李!楽器運搬頼む!」
「「はいっ!」」
私と、鳥...じゃなかった、巽先輩は獣人なので、パートリーダーから楽器運搬を任せられる。
「先輩、そっち持ってください」
「よしきた!任せなさい!」
そうして、二人ががりで打楽器のティンパニを持って階段を降り、外に出てトラックに乗せる。楽器を運び終えると直ぐ様階段を登り音楽室へ。そしてまた楽器を二人ががりで運ぶ。これのループだ。

「持つこと自体は対した疲労にはならないですけど、何度も階段を登るのって、疲れますね...」
「こらこら、弱音を吐かない。これラストだから頑張って!」
私がため息を吐くと、先輩は私を励ましてくれる。
その言葉があってか、何とか運び終える事が出来た。

その後電車で移動し、会場へ。
実を言うと、県大会はお盆前に終わっていて、見事金賞&中部大会出場権を得ていて、今回の大会は中部大会である。ここで上手くいけば全国に行けるのだ。
私達の学校は9番目であるので、出番が来るまで他の出場校の演奏を聞いている。
どの学校も上手い。流石中部大会だけある。
やがて、5番目の学校の演奏が終わると、私達はチューニングや、最終確認の為に移動した。


そして、数分後...
現在、8番目の学校が演奏が終わり、私達は舞台裏で待機している。
うう、大会は2回目なのに緊張する...
私は巽先輩の隣で、ホルンを持ってまっていると、瑠姫を連れた千影が話しかけにきた。
「瑠姫、海猫、がんばろうね。海猫、大会は初めてだから、緊張してるだろうけど、無理しずに、楽しんで」
「楽しむ...?」
大会を楽しむ?私には千影の言葉の意味が解らなかった。
すると、隣で会話を聞いていた巽先輩が、割り込んでくる。
「そうよ、折角の大舞台なんだから、全力で楽しみなさい。今は何言ってるんだって、思うけど、そのホルンを吹いたら解る。県大会では感じられなくても、この大会なら解るわ」
巽先輩は、私の肩を、ポンッと叩いた。
そして...

『9番、○○県、○○○高校吹奏楽』

アナウンスが聞こえた。
すると、部長が皆を集めていた。
円陣だ。県大会の時もやった。皆の思いをひとつにするために。

「絶対、金賞取って全国いくよ!」
『おー!』
こうして、私達の中部大会が始まった。


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