コメディ・ライト小説(新)

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こんなのが好きだなんて認めたくない
日時: 2019/03/08 01:21
名前: おもち

【 登場人物 】

@桐山 光(きりやま ひかる)
大学2年生。千和の幼馴染。
容姿端麗、スポーツ万能、文武両道。
男女共に人気者で若干ナルシスト。

@成海 千和(なるみ ちわ)
大学2年生。光の幼馴染。
バカで何をやらせても中半端かそれ以下。
基本的に食べることと寝ることしか考えてない。
恋がしたいと嘆いている。

@五十嵐 響(いがらし ひびき)
大学2年生。
クール。千和のことが好き。光のことが嫌い。

@羽山 胡桃(はやま くるみ)
大学2年生。
ぶりっこ。男好き。学年1カワイイと言われ天狗になっている。
光のことが好き。

@中原 絵里(なかはら えり)
大学2年生。通称えっちゃん。
千和と光とは中学から仲が良い。

@沢村 瑛二(さわむら えいじ)
大学2年生。
大学で光と仲良くなる。

Page:1



Re: こんなのが好きだなんて認めたくない ( No.1 )
日時: 2019/03/07 23:12
名前: おもち



#01 【 認めたくない 】


春。


「ねえ、あの人かっこよくない?」

「ほんとだっ!ちょっと、話しかけてみようよ!」

「え~!やだよ~!恥ずかしい!」

とある女子の会話。
そう、これは俺に向けられたもの。

うんうん慣れてる。
このままいくと、あと5秒後には話しかけられる。

5。

「え、どうする?話しかけてみる?」

4。

「え~!マミが行ってよ!」

3。

「えっ!あたし?!」

2。

「ねえお願い!じゃあ一緒に行こ!」

1。

「あ、あの·····」

きた。

光はそう思いながら振り返り、何食わぬ顔で「ん?」と彼女たちを見た。

彼女たちはパアッと明るい表情で身長180cmのこの俺を見上げる。

身長180cmの俺は「どうしたの?」の彼女に微笑みかけた。

「あ、いや、えっと·····何年生ですか?」

「2年だけど」

「わ、私たち1年で、その、これからよろしくお願いしますぅ!」

「うん、よろしくね」

光が微笑むと、彼女たちは癒された表情で「よろしくお願いします·····!」と真っ赤な顔を光に向けている。

光は「それじゃあね」と手を振ると向きを変え、教室に向かった。


桐山光、20歳。
4月9日生まれ、身長180cm。
自分で言うのも何だが、容姿端麗、スポーツ万能で、剣道や空手までできる上に、ピアノや絵の才能まで持ち合わせる天才。

家族構成は父、母、兄、妹、弟がいる。

そして今、大学2年生。
もちろん成績は常にトップ。

これまた自分で言うのも何だが、モテる。
かなりモテる。

とはいえ、この真面目な性格な故に今までの交際経験は2人。
20歳にしては妥当かそれ以下くらいか···。
だが高校2年生の時から恋人はいない。
理由は自分でも分からないが、告白されるのは日常茶飯事だ。
が、断っている。決してモテないわけではない。

と、話は逸れたが最近気づいてきた。
原因はこの女にあるではないか、と。




「おっはよ~ひかちゃん、今日もキメてんね~」

後ろから話しかけてきたのは、ベタベタな展開だがパンを食べながら登校する幼馴染。

成海千和。

「うるさい、別にキメてない」

光は表情1つ変えずに歩きながら答えた。

千和は「またモテたがっちゃって~。てか昨日の課題見せて」と光を見上げた。

「お前またやってないのか。呆れるな」

「早く見せて。てかやってくれたら嬉しい」

「·····」


成海千和。
7月7日生まれ、身長150cm。
家が近所で、幼稚園の頃からの付き合い。
勉強はできないし、運動音痴だし、芸術的センスも皆無なこの女となぜ17年も仲良くしているのかは分からない。

ちなみに小学校、中学校、高校、大学までずっと同じ学校に通っている。

俺が知ってる限り、コイツの恋愛歴は1人。
高校の時に1人、訳のわからない男と付き合っていたような付き合っていなかったような。

髪型や服装、メイクこそちゃんとしているが恋愛偏差値は0に等しいと言える。

そもそも髪型や服装、メイクに至っても男の俺が教えてあげたものだ。
本当に大丈夫なのか幼馴染として不安になってくる。



「ねえ、カレシほしい」


そんな千和がこんなことを言うものだから、心配でたまらない。

「なんだ、急に」

「いやあ、私もさ、カレシとデートしたりあんなことやこんなことしたい!って思って」

「恋愛するよりも先に勉強できるようになったらどうだ。お前テスト返ってきただろ。どうだった」

光が言うと、千和は「えっ!」とバツが悪そうな表情を浮かべた。

「えっ!じゃないだろ。今回は前回より教えたんだから、そこそことれたはずだけど」

「·····ひかちゃん、合コンとか興味ない?」

「·····なんの話だ」

「いやあ、えっちゃんがさ、カレシほしいって言ったら合コンセッティングしてくれてさ!そしたらさ!えっちゃんの友達がひかちゃんと仲良くなりたいらしくてさ、ひかちゃん連れてくって約束しちゃったんだよね~」

「何でそんな勝手な約束を」

「ひかちゃん暇だしいいかなって」

「暇じゃない」

「まあまあまあ!だからひかちゃん、男足りないらしくて、誰か1人連れて来て!今日!」

「今日?!」

「今日。じゃあと連絡するね!ばいばい!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と、なんやかんやあり合コンとやらに参加させられた訳だが。

「なあ、千和ちゃんの友達が連れてくる女の子って大丈夫?変な子じゃないの?」

行く途中、光が誘った数合わせ要員の沢村瑛二が不安そうに言った。

カノジョ欲しい~~!誰か紹介しろよ~!光なら女の子いっぱい知ってんだろ?!なあなあ頼むよ~~!とか最近ほざいていたような気がするので誘ってみた次第だ。

「変な子じゃないかは保証できない。まあ千和が誘った友達じゃなくて絵里が誘った友達みたいだし少しはまともだろ」

絵里は千和の友達兼中学から光の友達でもある中原絵里のことである。



「まあ、それは信じるしかねえけどさ·····。てか光、いいの?」

「なにが」

「千和ちゃんにカレシ、できちゃうかもってことだろ?」

「···それの何が問題なんだ」

「おいおいイイのかよ?俺知らねえぜ?」

「お前昔から俺と千和に何かを求めてくるけど何なんだそれ」

「だって幼馴染とか絶対最後は結ばれるパターンだろ」

「漫画の読みすぎだ」

「そうかな~。俺はてっきり、光は千和ちゃんのこと好きなのかと思ってたけど」

「どこをどう見たらそう思えるんだよ」

「·····勘?」

「ふざけるな」

「とか言って~認めたくないだけじゃねえの~??」

瑛二はこういうからかいをかなりしてくる。

そう。


認めたくないに決まってるだろ。


いや、好きかどうかは別として、俺があのアホの世話を焼いていることは事実だ。

あのアホのせいで元カノには振られたのも事実だ。

だがあのアホが高校生のときにカレシ(かも知れない)ができた時にモヤッとしたのも事実だ。

いやだからといってこれが恋愛感情であるとは言い難い。

タイプとはかけ離れすぎている。
あんなアホな貧乳好きなわけがない。

Re: こんなのが好きだなんて認めたくない ( No.2 )
日時: 2019/03/09 01:28
名前: おもち



#02 【 初めての合コン 】


「クルミでーすっ」

ミルクティー色の髪の毛がふわっふわ女子。
部屋汚そう。

「ユキでーすっ」

清楚めの黒髪女子。
勉強できそう。

「ミナミです!」

ショートカットのパリピ系女子。
性格良さそう。

「絵里です!趣味は手芸とお菓子作り、好きなタイプはーーーーー」

嘘まみれの中原絵里。
我が強いモテないサバサバ感丸出しだぞ。

「んっと、成海千和です!頑張ります!」

何かを履き違えたいつもよりメイク濃いめの似合っていない千和。
何を頑張るんだ、もっと違うとこ頑張れ。

なんだこれ、大丈夫か、この合コン。

続いて男性陣。

「タクヤでぇす~!よろしく~」

茶髪のホスト系のチャラ男子。
え、もう顔の穴という穴にピアスが開いてる、痛そう。

「え、えっと、ホリミキトです。本日はそのーーーー」

明らかに場に慣れていなさそうなオタク系男子。
なんか山菜好きそう。

「ヒビキです。よろしく」

ちょっとだるそうな感じのイケメン感漂う男子。
すげー目良さそう。

「沢村瑛二でーす、今日はよろしく~」

程よい挨拶、さては合コン初めてではないな。
コイツに半年ぶりのカノジョができることを願おう。

「桐山光です。こーゆーの初めてで慣れてないんだけど、みんな今日はよろしくね」

爽やかにキメこもう。

笑いを堪えるな千和、チーク濃すぎて既に酔っ払ってるみたいになってるぞ。

冷めた目で見るな絵里、俺を睨んでるその顔、かなりブサイクになってるぞ気づけ。

キラキラした目で見るな瑛二、お前は···なんの顔だそれ。

そんなこんなで5:5の合コンは幕を開けた。



初めに口を開いたのは部屋が汚そうな髪の毛ふわっふわのクルミ。

「はいはーいっ!光くんはカノジョいないのー?」

俺を連れてこいと言ったのはクルミか?

「うん、いないよ」

光は爽やかに微笑んだ。

「ええーっ!いつからいないんですかぁ?」

と、黒髪清楚女子ユキ。
案外ぶりっこ口調で驚いた。

「うーん、そうだな、もう2年以上はいないかな」

「えええっ意外!」とクルミとユキ。

「クルミちゃんとユキちゃんは?カレシいないの?」

と、ここで入ってきたのは合コン慣れ男の瑛二。

「うん、クルももう2年くらいいないかなぁ?」

クルミはそう言って光を見た。
やはり彼女がそうか。
一人称クルって。

「えっクルミちゃんカワイイのに!」

と入ってきたのはホスト系ピアス男子タクヤ。

「そんなことないよぉ~っ」

明らかに喜んでいるじゃないか。


と、ここで千和を見た。

明らかに強ばった表情で唇を噛み締めている。
がっちがちに緊張して喋れてないじゃないか。

絵里フォローしてやれ。

と、絵里を見た。

絵里は皿にローストビーフを盛り、千和と食べ始めた。

お前ら何しに来たんだ。


「はい!ヒビキくんはどんな人がタイプぅ?」

絵里がぶりっこ全開で話し始めた。
コイツ男の前だとこんなんなのか。
絵里を知ってる俺からしたらこの絵里はなかなかのきしょさだな。

するとだるそうなイケメン、ヒビキは静かに反応する。

「·····んー、飾らない子、かな」

「へえー!そうなんだ!あたし家で結構オナラとかしちゃうんだよねー!」

と絵里。
いやそれ飾らないとかじゃないだろ隠すとこ隠せよもうちょっと飾れよ、とりあえず落ち着け。

ヒビキは苦笑している。
ほら見ろ失敗だもうヒビキくんは諦めろ絵里。
若干引いてるぞ。

「····千和ちゃんは?どんな人がタイプなの?」

オタク系男子ミキトがここでようやく発言。

なんだアイツ千和の奴に興味があるのか?

「えっわたしっ!?わ、わたしは····」

わたしは·····?

「うーん、わたしを好きでいてくれる人、かな?」

なんともまあ、反応に困る回答。

「へえ、なんか素敵だね、それ」

すかさず反応したのはなんとヒビキ。

「えっ、そ、そうかな····」

千和は何と言っていいか分からず目を泳がせている。
慣れていないのがバレバレだ。



すると瑛二が小さな声で話しかけてきた。

「なあ、ヒビキって奴、千和ちゃんに気があるんじゃねえのか?」

早とちりにも程がある。
だが合コンとはそういうものなのか?

「だからなんだ」

光は笑顔を崩さないまま、爽やかにビールを飲んでから答えた。

「だからってお前っ、まあ、光がいいならいいんだけどさっ!」

なんだこの煽られてる感じ。



「ねえ光くんっ、クル、光くんの隣行きたぁ~い」

クルミが言った。

「えっそれは~···えっと」

これはどう答えるべきなんだ。

すると絵里が鼻息を荒くして言う。

「よし!じゃあそろそろ席替えしよっか!」

そんなに興奮するな。

ちょっとまて席替え?

ふと、ヒビキを見た。

アイツまさか、千和の隣に?

てか、どうやって席決めるんだ。

「はーい!じゃあくじ引きがいいと思います!」

ユキが言った。

くじ引きか。
くじ引きならヒビキが意図的に千和の隣にいくことはできないな。

くじなら可能性も低い。

「よしっ俺はユキちゃんの隣·····ユキの隣·····」

隣で瑛二がすげー呟いてる。
ユキちゃんに聞こえちゃうんじゃないかっていうくらいの声で心配にすらなる。

コイツがカノジョいない理由はオス丸出しのこういうところなのではないかと思う。

千和は誰の隣を望んでるんだ。
やはりここは男慣れしてないアイツは安パイをとって俺か?俺だよな。

仕方ないから俺も千和の隣の方が気が楽だ。
クルミの目は今にも吸い込んできそうなほどギラギラしてるし、ユキは瑛二が狙っているし、ミナミはよく分からないし、絵里は鼻息がうるさいし。

「はいっくじ引きできたよー」

ミナミはそう言って割り箸を手に持った。

「じゃあ番号順ね!はい、こっちが男子。せーので引いてね!せーのっ」


2番か。
2番ということは向こう側の真ん中。

となると両側は·····。



席順に座った。

1番はクルミ。2番が光。3番がユキ。4番が瑛二。5番が絵里。

ここでテーブルを挟む。

6番がミキト。7番がミナミ。8番がヒビキ。9番が千和。10番がタクヤ。




·····なんでこうなる。

Re: こんなのが好きだなんて認めたくない ( No.3 )
日時: 2019/03/10 17:07
名前: おもち



#03【 合コンってなんなんだ 】


なぜこうなる?

クジだぞ?10分の1の確率だぞ?
そんなピンポイントになる?仕組んだ?

しかも何でヒビキの隣のうえに逆隣がチャラそうなピアス男なんだ。
しかもしかも何故俺から遠く離れた場所。

いやいやいや。
千和は今までの恋愛経験ほぼ皆無たぶんなんだぞ男2人に挟まれるなんて·····。

まあ落ち着け俺。
よく考えてみたらそんな恋愛偏差値0に等しい千和がヒビキかタクヤと上手くいくなんてことがあるはずがないだろ。

そうだ、そもそもの問題はそこだ。
ヒビキだろうがタクヤだろうがチンカスだろうが千和が相手の時点でそこから恋は生まれない。
そうだ、盲点だった。

安心してこの場をやり過ごそう。

そして何より鼻息の荒かった絵里の鼻息が聞こえない。どうした絵里。

絵里を見ると、明らかに不服そうな表情。
絵里は恐らく初めはヒビキ狙いだったがオナラの下りで諦めがつき狙いをタクヤにしたと見た。

向かい側がタクヤとは言え隣が瑛二と言うことに不満を感じてそうな目をしている。

「どうしたの絵里ちゃん、具合でも悪い?」

すかさず瑛二、絵里に話しかける。
そうかこの2人何気に初対面。

絵里のタイプはチャラくて頭の悪そうなやつだ。
瑛二は見た目爽やか(自称)で絵里のタイプとはかけ離れている。

絵里は瑛二を睨みつけるようにして言った。

「だってあんた、光の友達でしょ?対象に入らないじゃん」

どういう意味だ。
まあそんなことはいい。瑛二の反応は。

「ふざけんなよっ。光の友達ってだけで何でそんな迫害されるんだよ俺!」

そうなるだろうな。

「は~?だって光の友達とかゴミばっかだし。光みたいなナルシストとかさ~」

おい燃やすぞ。

「俺はゴミじゃねえよ。大体お前、さっきと態度違すぎじゃねえか!」

と瑛二。
そうだもっと言ってやれ。

「何であんたにブリブリしてなきゃなんないのよ面倒臭い。男紹介しなさいよ」

合コンの最中で出会った男に男を紹介しろとはなんと斬新な。

「んだとてめ····!じゃあそっちこそ女の子紹介しろよ!」

お前もそうきたか。

「は?何であたしがあんたに女当てがってやらなきゃならないのよ」

「ふざけんな!俺だってカノジョ欲しいんだよ!」

「あたしの方がカレシ欲しいの!」

必死かお前ら。
もうお前らが仲良く付き合って月にでも行ってくれ。
一生帰って来なくていいから。

てかいいのか絵里、目の前のタクヤくんさっきのお前とのギャップに引き気味な表情浮べてお前のこと見てるぞ。気づけ。

タクヤは引きつった表情で絵里を見ていた。

瑛二と喧嘩してる暇があったらタクヤくんに媚び売ったらどうだ。

そしてユキを見ると、瑛二など気にすることなくヒビキと話しているじゃないか。

お前はどんまいとしか言い様がないな瑛二。



と、こんな観察している場合ではない。
隣からクルミの声が聞こえてくるではないか。

「ねぇ光くんはぁ~どんな人がタイプぅ~?」

このブリブリした口調もだんだん慣れてきた。

「うーん、俺は····」

ふと千和を見た。
美味しそうにサラダを食べている。
だから何しに来たんだ。

「····素直な子、かな」

「素直?例えばどんな?」とクルミ。

「んー、たくさん食べて、たくさん寝て、たくさん喋って、たくさん笑って、いつも楽しそうな子」

「え~!やだすごい!」

え、なにが。

「まるでクルのことみたい!」

お、おうすごいこと言うなこの子は。

「り、クルミちゃんはそんな細いのによく食べたりするんだ?」

「うん~!クルたっくさん食べるよ!」

タイプを聞かれてもありきたりなことを答えるべきじゃないな。
この後どうしたらいいんだ。

というかそもそもこれは本当に俺のタイプなんだが自分のことを名前呼びする女の子がどうもダメだ。
これは今発覚した。

「そうなんだ····いいね」

苦し紛れの返事。
イイネってなんだイイネって。

いやそんなことはどうでもいい。
気になるのは千和だ。

見れば、ヒビキと話しているではないか。
男と話してる時くらいサラダを食べることを一旦ストップすべきだとは思うが気にしないでおこう。


「千和ちゃんよく食べるね」

ヒビキが微笑みながら言った。
千和は「へっ!あ、ごめんなさい」と言ってようやくサラダを置いた。

アイツ男作る気あんのか本当に。

「ううん、いいんじゃないカワイくて。名前もチワちゃんって、チワワみたいでカワイイ」

ヒビキは再び微笑み攻撃。
さらにはカワイイときた。
チワワって。やめろ。

千和は顔を真っ赤にして「や、そ、そんなことは·····!」と少し俯いている。

····マンザラでもねえのかよ。

「千和ちゃん顔真っ赤だよ」

「あああいやっそんなことないです!」

「はは、面白いねチワワちゃん。なんかピュアな感じがいいね」

おうおう、これは本格的にヒビキという男は千和を狙いにきてないか?

どうする?
てか合コンってどうすれば成功?

助けを求めようと瑛二を見た。

が、間にユキがいる。
のにも関わらず瑛二はまだ絵里と言い合っている。
二人とも顔が真っ赤だ。
酔っ払って喧嘩するとか本当に面倒臭い奴らだな。

てか瑛二、ユキちゃん狙ってたのにそんな鼻息の荒い女と話してる場合か。
隣にいるだろユキちゃん。


「光くん、やっと私の方見てくれた~!」

ユキが微笑んだ。

いや君を見たわけじゃないんだけど何だそれちょっとカワイイなおい。

「ん?どうかしたの?」

光はそう言ってユキを見る。
ユキは「ううん、光くんと話したくて~」と微笑んだ。

おいおい瑛二、しっかりしてくれ。
俺はずっとクルミちゃんに捕まってるし向かいのヒビキ君は千和に夢中だしユキちゃん退屈してるぞ。
ヒビキ君は千和に夢中だし。

どうするのが正解だ。


「ねえ光くん、LIME教えて~」

クルミが携帯を手に言った。
断りづらいので別にLIMEくらい教えてもいいが君と付き合う気はないぞ。

「ああ、いいよ」

光はそう言って携帯を出し、LIMEのQRコードを表示した。

「はい」

光が携帯を差し出すと、「あたしもいい?!」とユキ。

「あはは、いいよ」

断れるわけないだろ、この空気。

2人にLIMEを教え、光は携帯を確認。

なるほど。
クルミは《羽山胡桃》というらしい。
ユキは《本多由希》。

本名が分かったところでそろそろ帰らないか。





·····て、おい。

千和の方を見ると、千和もヒビキと携帯を見せ合っていた。

Re: こんなのが好きだなんて認めたくない ( No.4 )
日時: 2019/03/13 23:32
名前: おもち


#04【 合コンのせいで。 】


「ええ?!タクヤくんとユキちゃん付き合ったの?!あそこそんなに話してなかったじゃん!」

後日、大学で絵里が引くほどデカい声で言った。
千和は「ほんとだよね!わたしもびっくりしたよ~」と目を見開いていた。

「ちぇー、絵里のせいでユキちゃんと全然話せなかったじゃんよ~」

瑛二は落ち込んだ声で言った。

「こっちのセリフよ、アンタのせいでタクヤくん取られちゃったじゃないのよ!」

絵里もムッとした表情で瑛二に言う。

「は?元々タクヤって奴お前にキョーミなさそうだっただろーが!」

「いやいや、それを言うなら由希は初めから光狙いだっつうの~」

と、ここで光の話に。

「てか、光はどうなの?」と瑛二。

どう、とは。

「光はやっぱ胡桃でしょ?胡桃すっごい前から光に会いたがってたし」

ああ、羽山さんね。
あのあと案の定LIMEが来たが適当なところで終わらせてしまった。
変に期待させるのも良くはない。

「あーまあ、友達ってことで終結?」

光が答えると、「なーんだ」と絵里。

「ひかちゃんずーーっとカノジョいないんだからチャンスだったのにね」

と、千和。
いや、そんなことよりお前はーーーー。

「····千和はーーーー」

光が言いかけたところでチャイムが鳴った。





····講義が終わったらでいいか。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


講義が終わった時、千和はそそくさとカバンに荷物を詰め出て行った。

今日は午前で終わりで、お母さんと出掛けるんだとか。
·····本当にお母さんか。



昼休み、自販機で飲み物を選んでいた時だ。

飲み物を買ってその場を去ろうとしたとき、見たことのある男と遭遇した。

ヒビキだ。


「·····あ」

「·····あ」


同じタイミングで母音を発するな。


「確か、こないだの。んっとーー、キリヤマくん?だっけ」

やっぱだるそうに、ヒビキは言う。
それすら鼻につくなコイツ。

「ああ、うん。そちらはえっと~·····ごめん、名前聞いてもいいかな」

光は余裕こいた表情で言った。
本当はかなりかなりかなり動揺している。
というかバリバリ名前覚えてる。

「はは、忘れられてたか~」

ヒビキはそう言うと持っていた教科書の裏を見せながら「イガラシヒビキです」と言った。

教科書の裏には《五十嵐響》と書いてある。

ほ、ほう·····。
なんか、かっけえ名前。

てかなにコイツの余裕?腹立つんだけど?


響は自販機の隣のベンチに腰を下ろして言った。

「桐山はさ、チワワちゃんの幼馴染なんだってね」

コイツ、すぐに千和の話題を出すか。
てかチワワちゃんって何か馴れ馴れしいからやめてくんねえか。

光は「あ、ああ。そうだけど?」と余裕を見せつつ自販機のボタンを押した。

間違えた。
おしるこを買ってしまった。

何で昼におしるこ飲まきゃいけないんだ。

「はは、好きなの?おしるこ」

なんだコイツ今少し小馬鹿にしてないか?

「す、好きなんだよねぇ~おしるこ」

本当は嫌いだ。

光はそう言いながら缶を開け、おしるこを飲む。

うえ、まずい。
甘ったるい。なんだこれ。

「はは、変わってるんだな、桐山って」

響はそう言って軽く微笑んだ。

「·····千和と、付き合ったりとか·····その·····したわけ?」

思い切って聞いてみた。

言うと、響はニヤリと微笑み、光を見上げて言った。





「気になる?」




こ、コイツ!!
むかつく!なんだコイツ!なんだコイツ!!

いやいや落ち着け。
ここで動揺したら負けだ。落ち着け俺!



「い、いや別に?気になるとかじゃなくてさ。どうなったのかなって思っただけだけど?」

「あ、そう。はは、なーんだ、チワワちゃんから聞いてないんだ?幼馴染なのに」

な、なんだコイツのこの余裕。
てか嫌味か!嫌味なのか!

「べ、別に?今日たまたまあんま話してなくてさ····」

今のは苦しい。
苦しすぎる言い訳だった。

「はは、そうなんだ。桐山はどーなの」

え、ちょ、まって。
話してくんないの?え、なんで?

「····いや俺は何も」

「へえ、クルミって子とユキって子、桐山に気があったように見えたけど」

「ああ、まあ、LIMEは交換したけど別にそのあとは何も」

そんなことより教えろよォォォ!
お前は?お前も千和とLIME交換してたよな?!

「はは、そうなんだ。桐山って結構モテるからさ、もう付き合ったりとかしてるのかと思った」

「いや別にモテないよ俺」

モテるけどな。

「はは、大学でも有名だよ。でもなんでカノジョ作んないの?選り取りみどりでしょ」

「いや、俺は好きじゃないと付き合わないし。誰でもいいって訳じゃないよ」

「そうなんだ。じゃあ好きな子がいるんだ」

やめろよ。
なんだ、この、罠に嵌められてる気分。

「いや、今は特にそういうのはないけど。五十嵐は?」

よし、話を戻せた。

「あー、俺?うーん、俺も別に誰でもいいって訳じゃないよ」

「そ、そうなのか。でも合コン来てたってことはカノジョ欲しいってことだろ?」

「あー、それは来た理由、桐山と一緒じゃないかな?桐山もどうせ、人数合わせに呼ばれたカンジじゃないの?」

「ああ、まあ、そんなもん。五十嵐も?」

「まあ、そんなカンジかな。でも行って良かったかも」

え、まって。

「えっ、と、その、それは、なんで·····?」

やべ、動揺しすぎた?

光が言うと、響はまた光を見上げ微笑みながら言った。

「はは、なんでだろ?」

えーーーーー·····。
そこは言おうよ·····。

響はそう言うと立ち上がり、「じゃ、俺そろそろ行くわ」と言って飲んでいた缶をゴミ箱に捨てた。

「あ、お、おう。じゃまた」と光。

また会いたくないけど。

「んー」

響はそう言ってその場を後にした。




·····なんでこうなった?
いや、だから、結局どうなったんだ?



光の元を去った響は、歩きながら携帯を出した。


『明日10時に駅で大丈夫?』

『いいよ!』

『おっけー。じゃあ気をつけて来てね』

『五十嵐くんも!』




差出人は、成海千和。

Re: こんなのが好きだなんて認めたくない ( No.5 )
日時: 2019/03/18 01:06
名前: おもち



#05 【 合コンの後 】


「ひかちゃん、明日デートすることになった」

幸せそうな表情で言う千和が憎い。

元々本人に聞こうとしてたけど。
まさか本人から言われるとは。

で、そんなことより。

「····は、はーん。誰と?」

完璧。
完璧に素っ気ない感じで聞いてみた。

「五十嵐くん!」

だよな。
だよな。分かってたよ。

「····ど、どどっどこ行くんだよ」

「遊園地」

デートか。
いや、デートなのか····。

「何時に?」

しまった。後をつける気満々みたいな質問をしてしまった。

「10時にしゅーごー!」

アホで良かった。

俺は17年一緒にいて1日中千和と遊んだことがないというのに。
たった1日、いや数時間会っただけで1日遊びを取り付けるとは五十嵐のやつ何者なんだ。

いや別に良いんだけどさ。



「いやあ~ついにわたしにも、カレシができるかな~ん」


千和はニヤニヤしながら、かつ幸せそうな表情で言った。

カレシねー、五十嵐ねー。

「ま、まあ俺もいづれはカノジョできるし。千和もカレシくらい作っていいんじゃねえの」

誰目線なんだ、俺。

「うん!ひかちゃんも頑張ってよ!」

やめろ、その、他人感。

「あ、でねでね!明日化粧と髪の毛、えっちゃんに頼もうと思ってさ~」

ちなみにココ、俺んち。

今更ながら千和と俺は大学に来るのと同時にアパートを借りた。
隣同士に。

千和は昔から俺に着いてきてた。

何をするのにも俺で決めていた。
高校も、大学も、全部俺に合わせてきたもんだ(大学は絵里に影響されたかも知れないが)。

それが何がカレシだくそ。

瑛二が言うように、幼馴染ってよく結ばれるみたいなパターンかと思ってたんだが。

てか俺んちで五十嵐の話するのやめろよ。
どういう状況だよ。
どういう感情だよ。


そんな時、LIMEが来た。
胡桃からだ。

『光く~ん!いま何してた?』

こんな内容だ。
めんどくさい。

『まばたき』

これだけ冷たくかつ意味の分からない返事をしとけばさすがに胡桃も分かるだろう。

だが返ってきた返事はこうだ。

『え~!偶然!あたしも~!』

だろうな。
なんだこの図太さ。逆にすごい。
てか一人称クル呼び忘れてるぞ。

てかなに、怖いんだが。
これなんて返すのが正解?

すると千和が携帯を覗いて言った。

「なーんだ、ひかちゃんも胡桃ちゃんとヨロシクやってんじゃん~!」

やめろなんかそのやましいことあるみたいな言い方。

「ヨロシクしてねえよ」

「でも胡桃ちゃん可愛かったよね~。学年1カワイイって有名らしいよ」

千和はそう言いながら携帯をいじっている。

絶対興味ないだろ。適当だろ。

「そうか?ぶりっこは苦手なんだよ俺」

タイプで言えばユキの方が良かった気はする。

「そかな~!ひかちゃんナルシストのくせに自分からグイグイいかないからむしろ胡桃ちゃんみたいな子の方がいいよ」

お前もか。殺すぞ。

「別に好きでもないのにグイグイいく必要がないだろ」

「そんなんだから影でイケメンくそ童貞って言われるんだよー」

俺そんなこと言われてたのかよ。

「誰がくそ童貞だ。イケメンしか合ってないだろ」

「ねえ髪の毛結んだ方がいいかな?」

シカトかよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『ねーアンタ、今日千和、五十嵐くんとデート行くみたいだけどいーの?』

絵里からこんなLIMEが来ていた。

『やまいも』

返信はこんな感じでいいだろ。

『喪服』とか返って来ていたが生憎今日は絵里としりとりをして遊んでいる暇はない。

俺は忙しいのだ。


さてーーーーーー。


現在は9時56分。駅前。

五十嵐は52分に来ていた。
初デートに遅れるって大丈夫か、千和のやつ。
あいつは絶対に遅刻する。

それと言っておくがこれはストーカーではない。
別に気になっている訳でもない。
保護者的目線での付き添いだ(勝手に)。

10時7分。そして現れた千和。
千和にしては遅れなかった方だ。
絵里のやつが早々にアパートに来て千和のヘアメイクをしてやっていた甲斐があったようだ。

そして絵里、メイクに気合いを入れすぎじゃあないか?

千和の髪、巻きすぎてキャバ嬢みたいになってるぞ。

と、そんなことを思っていると、声をかけられた。

「あー!光くぅん!やだ偶然だね!」

振り返ると、クルミがいた。

え、なんで。本物登場かよ。

「····羽山さん。どうしてここに」

光が言うと、胡桃は光に腕を絡みつけながら言った。

「んー?たまたまだよーぉ。光くんに会えるなんてシアワセ~」

(*´∇`*)みたいな顔をするな。
絶対わざとだろ。
てかどっから知ったんだよ、絵里にも言ってねえよ。
俺この子にGPSでも付けられてんのか。

まあいい。適当に巻いてさっさとアイツらを追うとするか。

って、もういない。

だが焦ることはない。
どこへ行くかは分かっている。
あのアホがべらべらと話してくれたお陰でな。

さて、後をつけるとするか。


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