コメディ・ライト小説(新)

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ヒロイン(笑)になりまして
日時: 2019/09/09 07:51
名前: RINO

初投稿です。
BL要素はないつもりですが、BLのように感じるかもしれません。
苦手な方は読まないことをオススメします。

学生のため、更新は不定期となります。
誤字脱字の指摘や感想などをいただけると嬉しいです。


☆あらすじ
「これ、わたしが書いたの。読んでみてよ」
 小説家志望の姉により書かれた『月城学園物語』という恋愛小説。昔からコツコツ書かれていたそれを読む係に抜擢された弟、神楽トオルは、不幸なことに『月城学園物語』のヒロインとしてトリップしてしまう。
 周囲は何故かやたらめったら女にモテるイケメンだらけ(ムカつく)。
 女子はこっちを嫉妬の目で見てくるので夢だった彼女ができる気配もない。

 最悪の事態の中、トオルはもとの世界に戻るため奮闘することに……。



☆キーワード
#男主人公 #異世界転移(みたいな?) #現代 #ギャグ・コメディー


☆目次

プロローグ >>01
第一話 トリップ >>04-05

Page:1



Re: ヒロイン(笑)になりまして ( No.1 )
日時: 2019/09/08 12:55
名前: RINO

 100円ショップで買ったのだろうノートに書かれた姉の文字。
 丸みを帯びた女子のよく書く形のそれだが、姉の文字はやや大きめで、主張が激しい。そして、その内容はーーまさに、乙女チックな恋愛小説だった。
 時間設定はおそらく現代。
 舞台は、『月城学園』という架空の学園だ。

 ジャンルはゴリゴリの女性向け恋愛小説だが、ファンタジー要素も詰め込まれており、姉の恋愛脳に慣れているトオルならば難なく読むことができた。

「どうだった? 面白かった?」

 引きこもり気味なせいか、肌の白さが目立つ姉の顔を見ながら、トオルは素直に感想を述べる。

「逆ハーレム……っていうのかな。出てくる男のほとんどが主人公に惚れてたけど、そこに違和感があったよ」

 ネットで覚えたばかりの単語を使い、自分の知識力をそれとなく披露するも、常にスマホを側に置く姉にとっては慣れ親しんだ言葉なのか、完璧にスルーされた。

「まぁ、主人公が平凡設定なのにひとめぼれはおかしいかなー?」
「一人くらいならあるかもしれないけど、二人や三人虜にするのに平凡な容姿じゃ説得力がないかもね」

 どこかで、男は女よりもひとめぼれをしやすいと読んだことがある。
 別に平凡な容姿だからって、ひとめびれをされない理由にはならない。
 ……ただ、そう何人もイケメンを虜にするっていうのは違和感があるだけで。

「うーん……やっぱり捻りが必要かな」

 そう言う間にも、早速ペンを取る姉に嘆息する。
 友達から羨ましがられるほど綺麗なのに、現実の恋愛に見向きもしない。
 彼女が欲しいと思っているのにできないトオルには理解不能だった。

「アドバイスありがとう」

 部屋に引っ込んだ姉を置いて、トオルは家から出る。

「あら、カナちゃん、どこ行くの?」

 散歩中の近所のおばさんに話しかけられ、顔をしかめそうになる。
 このように、姉と間違えられることが多々あるのだ。これも、姉によく似た女顔のせいなのだが、声も低いし、手も女のように柔らかくはない。

「こんにちは。姉は家にいますよ」
「あら、トオルくんだったの……ごめんなさいね、よく似てるから」

 いえ、と言って、その場を離れようとする。
 よく間違えてくるこのおばさんが苦手だった。

 ーーだけど。

「!」

 その場から離れるより先に、トオルの姿はかき消えていた。
 唐突にトオルが目の前から姿を消したことに驚くおばさんだけが、しばらく立ち尽くしていた。
 

Re: ヒロイン(笑)になりまして ( No.2 )
日時: 2019/09/08 13:45
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2

初めまして。
四季と申す者です。いきなりの書き込み、失礼致します。

姉の作品に対して率直な意見を述べるトオルくんが良かったです。
また、彼の意見をきちんと聞いて考えている姉も、素敵な人だなと感じました。
二人の信頼関係のようなものが感じられるやり取りが読んでいて楽しかったです。

続きが気になる作品なので、これからも執筆頑張って下さい。応援しております。

Re: ヒロイン(笑)になりまして ( No.3 )
日時: 2019/09/08 19:33
名前: RINO

四季様

感想ありがとうございます。
こっそり四季様の作品をいくつか読ませていただいていたので、初め、名前を見たとき「え……え……えええ!?」と一人謎の奇声をあげてしまいました(汗)。

のんびり投稿になると思いますが、暇なときにチラッと覗いていただければ幸いです(*´ー`*)。

Re: ヒロイン(笑)になりまして ( No.4 )
日時: 2019/09/08 23:48
名前: RINO

「……どこだ、ここ……!?」

 さっきまで、確かに家の前でおばさんと話していたというのに。
 目の前にあるのは、汚れの見当たらない純白の校舎。ゴミひとつ落ちていないし、春らしいこじんまりとした花が咲き乱れ、小鳥はさえずり生徒たちは楽しそうに談笑している。

 トオルの通っている西山高校とはえらい違いだった。
 きらきらしいオーラに気圧され、ふらりとよろめく。

「おっと」

 その瞬間、爽やかな柑橘系の香りが鼻孔をくすぐった。

「平気? 怪我してない?」

 背中に暖かな感触。
 どうやら、よろめいたトオルを誰かが支えてくれたようだ。

「ありがとう……ございます」

 慌てて離れ、支えてくれた男を見る。
 長い間男とくっつく趣味はない。
 すらりとした長身。つくところにはついている筋肉。整った顔には女子の好きそうな爽やかな笑みが張り付いていた。
 誰がどう見ても爽やか好青年だ。

「君、見ない顔だね。転校生だろ?」

 ……見ない顔って。

「生徒全員の顔を把握してるんスか?」

 ここで絶対にモテモテなタイプに反発してしまうのが非モテの悲しいところだ。
 なんとなく感じる威圧感に、自然と敬語になりながら言うと、相手は目をしばたたかせた。

「そうだね。顔と名前くらいは把握しないといけないだろ?」

 ……なんなんだ、この男は。

「えーっと、確か君の名前は夜空ミクちゃん……だっけ」

 違う。
 両親から、神楽トオルという名前をもらっているのだ。
 しかも、男子にちゃんづけって何だ。いくら女顔でも、ちゃんと見れば肩幅も女子より大きいし、背も女子よりは高い。すかさず否定しようとして、さっきから足がすーすーすることに気づいた。

 とてつもない嫌な予感がする。
 怖々と下を見ると、案の定スカートをはいていた。

(もしかして、俺女子になってる……?)

 それもある種の男の夢。
 ドキドキしながらもそっと胸を触る。
 ちゃんと男の胸だった。そもそも、ムスコが存在を主張してきているので女子になっているわけではないようだ。

 沈黙を肯定と受け取ったか。

 男は、軽く落胆していたトオルの手を取り、恐ろしくなるほど自然に繋いだ。

「……な」

 男と手を繋ぐ趣味は勿論ない。
 振りほどこうとしたが、彼は笑みで威圧してきた。
 ……怖い。

 どうして、手を繋ぐことを拒否するだけで殺気を飛ばしてくるんだ。

「すまない、こちらから名乗るべきだったな。俺の名前は月城ミユキ。一応、ここの生徒会長をやっている」

Re: ヒロイン(笑)になりまして ( No.5 )
日時: 2019/09/09 07:49
名前: RINO

 月城ミユキ。
 夜空ミク。

 名前が、繋がる。ハッとして、校門に書かれた校名を確認した。
 ーー私立、月城学園ーー。

 つまり。

「ここは、『月城学園物語』の中ってことか……!?」

 どうして、ここにいるのかなんてわからない。
 けれども、これだけははっきりとわかった。
 ここは『月城学園物語』の中で、自分はその主人公ヒロインの夜空ミクになってしまっているということ。

「物語……? 物語ではないが、月城学園の前にいるのは確かだぞ」

 ミユキの声が現実に引き戻す。
 慌てて覚えている限りの『月城学園物語』について思い出そうとするも、もっとよく読んでおけばよかったと悔やみたくなるほど覚えていなかった。
 それについてはまた後に記憶を探るとして、問題は。

 月城ミユキ。
 彼の情報をできるだけ思い出すこと。
 名字からも関連性が予想できると思うが、彼はここ月城学園の理事長の息子だ。お金持ちな上に文武両道、眉目秀麗。一年生にして生徒会長という役職につき、二年生になった今も、二年連続でその職務をこなしている。
 
 まごうことなき完璧青年。

 憎たらしいほど女性にモテる彼をそれほど睨まなかったのは、小説の中の登場人物だからで、こうして目の前にモテ要素の塊みたいな男がいたら、そりゃ殺気も飛ばす。

 ミユキについて思い出したことで、余計に憎たらしさが増した。

 その、トオルの殺気を感じたのか。
 ミユキは一人、軽く肩をすくめた。

「……どうしたんだ? 俺、嫌われるようなことしたかな? もし、気分を害したのなら謝るよ」

 ……このまま、嫌いだからといって殺気を飛ばすだけでは話がすすまない。
 そう自分を説得した。
 思い出したことで良いことがひとつあるとすれば、それは同じ学年だということだ。敬語はいらない。

「いや、ちょっと聞きたいんだけどさ」
 
 話の流れを完璧に無視しながら、精一杯の愛想笑いを浮かべる。

「この制服、男子用のものに代えてもらうことってできるか?」

 いつまでも足のすーすーするものをはいていて、万が一強風でも吹いたら自分は勿論、周囲まで可哀想なことになる。誰が好き好んで野郎のスカートの中身を見るか。
 周囲の心の平和のためにも、制服を代えるのは必須だった。

「……わかった。ついてきて」

 ついてきてもなにも、手はさっきから繋ぎっぱなしなのだが、ミユキはトオルの手をひき、校内に入っていった。


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