コメディ・ライト小説(新)

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花と太陽
日時: 2019/12/08 18:06
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM

はじめまして、雪林檎ゆきりんごです!!
クイック、ありがとうございます。
初めて書くものです、よろしくお願いいたします。


≪Prologue≫
 ―何のために強くなりたいの?
もう戸惑って、流されないため?
ううん、それもあるけど―
 
君に好きって伝えるため

≪Character≫ >>1
 
≪Episode≫ episode1 >>2

今からでも間に合う!!
≪Episode1~Episode6までの要約≫ 詳しいことは各お話を読んでください。


学校の高嶺の花 高嶺 千雪 彼女は親が不仲で一人ぼっちという孤独心から自殺しようとする悲しい家庭に育った少女。 
 そんな彼女を変えたのはクラスの人気者・綾瀬 泰陽。泰陽は千雪にとって心を開ける唯一無二の男子、気になる存在でもあった。彼の方も千雪の事が気になってはいるが恋には鈍感でお互い恋心になかなか気づけなくて……。でもライバル・美麗の出現により、“綾瀬君の事が好きなんだ”と気づいた千雪は恋に喜びを感じて……。
 泰陽も幼い頃からのライバル・藍と仲良くしている千雪を見て嫉妬心を覚え、自分が好きだったことに気づいて……。
そんな恋に気づいた二人は意識しすぎて――。 

【新しいキャラクターも続々登場中!!】

恋愛状況としては、


美麗⇔千雪  美麗&千雪 恋のライバル同士 泰陽&藍 幼い頃からの恋、部活ライバル同士
↓ ↗ ↑  美麗は泰陽が好き、千雪と泰陽は両想いなのに泰陽が好きという事に気付かない。
泰陽⇔藍   平行線――。

      千雪と藍は心友同士、だが藍は千雪が好き。美麗と藍は知人。美麗は千雪の事が好きな
      ら協力しろというが千雪のことを応援しているからと断るが……。

四角関係です。


Page:1 2



Re: 花と太陽 ( No.3 )
日時: 2019/11/17 15:54
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM

Episode 2


 「おはよ!!泰陽っ!」
朝早くから、苺香(いちか)が元気よく挨拶して来る。
つややかな黒髪が見える。
ーーー高嶺だ。高嶺千雪。最近、彼女は無表情だけじゃなくて笑顔もするようになった。
苺香ってそういえば高嶺の……
「お前って高嶺と幼馴染だよな。なんで一緒にいないの」
そう言ったらさっきまで楽しそうに笑って、桜太(おうた)と話していたのに、ビクッと
体をこわばらせ、急に口を閉じて寂しそうに目を伏せた。
 そして、
「誰から聞いたの?」
と、俺をにらみつけて、先に校門をくぐって行ってしまった。
あの苺香が、あんな冷たい顔をするなんて。高嶺と幼い頃なんかあったのか?
高嶺に同じことは聞けない。今、楽しそうに笑っているのに壊したくないから。
どうしよう。

「ねぇねぇ苺香。高嶺千雪って泰陽たちといると嬉しそうだよね」
「泰陽のことが好きな女子は、ベタベタしないようにしているのに」
「なんなの?私、あの子嫌い」
私の周りで高嶺千雪。私の幼馴染の悪口を言っている。
あの子の悪口。最近、あの子は楽しそうに笑っている。
昔と違って、毎日何かと闘っているような表情は見せなくなった。
嬉しい、一方、泰陽のおかげで笑顔が増えたけど泰陽のことが好きな女子が
あの子のことを妬ましく思っている。
 それにしても泰陽はどこから、私とあの子が幼馴染だと知っていたんだろう。
今まで中学に進学して以来しゃべってたことがないのに。
あの子が話すとも思えない、冷静沈着なしっかり者だから。
まぁ、泰陽は交流関係が広いから知っていたのかも。
さっきビックリして当たっちゃったなぁ。
あやまとこう。自分でも怖かった、あんな声と表情が出るなんて。
人間って怖い。


――体育館

「あれ、なんで高嶺さん棒立ち?」
女子は、バスケだというのに当の高嶺は棒立ちで固まっている。
苺香が中心となって、ボールをパスしながら点数を取っている。
「まぁ、仕方ないですよね。高嶺さんみたいな体育嫌いな子は」
 体育は、固まっていなけければ……みんなのチームワークを私が壊すわけにはいかないしな。
「苺香!パスッ!!」
「うぇいっ!」
汗を流して、みんな楽しそう。
……私も混ざりたいなぁ。でも、下手に動くと
『高嶺っ、まともにボール取れないくせに動くなよっ!!』
 ビクッ!!
『そーだ、そーだっ。邪魔だろうがっ!』
うぅ触りたいなぁ。
「今度はうろたえだしましたね」
隣で楽しそうに、高嶺を見ている桜太が言う。
本当に高嶺は体育が嫌いなのか?嫌いだったら、あんなに混ざりたそうな顔をするか?
よし、試してみようか。
「苺香、いいか?」
さっきまで忙しそうにしていた苺香が走ってくる。
「うい」
 ごにょごにょ……
「えっ!!やだよーっ!」
そこをなんとかっと手を合わすと、仕方なさそうに高嶺の方にボールをもっていく。
苺香ちゃんに何をいいました?と首を傾げる桜太に俺は見ててみなと言う。

太田さんが、綾瀬君に何かを言われて気まずそうに私の方に近づいてくる。
 どうしたんだろう。
太田さんが私の目の前で迷ったように固まる。
ねぇ苺香どうしたの?、なんで立ち止まってんの?と言って太田さんに呼び掛ける。
「高嶺さんっ!パスっ!」
え、なんで?私に?
「頑張ってっ!!」 
太田さんが、私を応援してくれる。信じてくれる。
せっかくボールを渡してくれたのに、失敗するわけにはいかない。うん、頑張るね。
私は、ボールをバウンドさせて素早くかわしていく。
「わっ」
「ちょっと待ってっ!ちょっと待ってっ!体育できないんじゃないのっ?!」
ゴールだ。よし、
 その瞬間、私は手元にあったボールをゴールに目掛けて投げた。
ーーーボン、ボン。
「……は、入ったっ!」
 シーン。
あれ?私、一人だけで盛り上がってた?
だったら……恥ずかしい。
「た、高嶺さんっ!体育できたんだね!!」
「シュートすごく上手いね、習ってたの?」
いえ、イメトレをしてたんです。というとみんなは感心したように頷く。
そう、頭の中ではみんなと混ざってた。汗を流して楽しそうに笑ってた。
それを発揮できたのも、綾瀬君たちに出会ったから。
「ありがとう」
すると太田さんは、不思議そうにきょとんとしたらクスッと笑って言った。
「違うよ、高嶺さんにボールを渡してみたらって言ったの。泰陽だよ」
へぇそうなんだ、よくわかったなぁ。私がみんなとバスケやりたいって。
やっぱり、綾瀬君はすごい。私に出来ない事を軽々とやってしまうから。
楽しそうに笑って千雪を囲むみんな。 
一方 苺香、そして千雪を妬ましく思う集団がいることを二人は知る余地もなかった。

 ザーーっ
静か、に私はトイレを流す。
『ありがとう』
そう言った、千雪は。久しぶりに会話した、何年ぶりだろう。
さぁ、出ようと……
 アハハ、パタパタ
友達の話す声が聞こえる、何の話だろう?
「――てかさー苺香のアレ、実際どうなの?」
ーーー私の話?
「うちらの前では、泰陽に言われたからボール渡したって言ってたけど」
「あー怪しかったよね、二人で笑ってたし本当は仲がいいとか?」
「つか苺香さ、自分の事かわいいと思っているよね?」
「わがままな性格だし、うざいしさ。可愛い系と美人系で合うとか思ってそう」
あーそれなと笑う声が聞こえる。どうしよう、どうしよう。
ちょっとしたことで言われるんだ。いつも、いつもーー。
 ガチャッ!キィー。
嘘、隣に入ってた人いたんだ。聞かれた、恥ずかしいよーーっ。
 『違うよ』
え、この声。千雪ーー?
「太田さんは、あなた達と同じように私の事きらいだよ。」
私が関わって太田さんが悪く思われるのは嫌だから。
みんなに囲まれて、笑っている太田さんがなくなるのは嫌だから。
「は?何を言ってんの?苺香の事かばってんじゃん、やっぱ仲いいんじゃん」
行こ、と一緒にいた子達を連れて出ようとする。
「違う、事実を言っただけ。仲なんて良くないっ」
撤回してっ!と私は腕を掴んで頼む。
何回、振り払われてもしつこく掴み直して言う″撤回して〟とーーー
 


トイレで、千雪と友達による口論が徐々に激しくなっていた。
制服を荒々しく掴んだり、千雪の呻き声(うめきごえ)も聞こえるようになっていた。
ここでいつもみたいに飛び出せない自分が恥ずかしい、悔しい。
あの時と同じだ。同じ道を辿っていく、嫌だ。
 

――9年前。
「なんか、千雪ちゃんって上から目線でやだ」
「それもそうだけど、わがままで自分がかわいいと思ってる苺香ちゃんもやだ」
「絶対に性格悪いよね。あの二人」
ど、どうしよう、私も言われてる。
『違うよ』
え、この声ーー?千雪ちゃん?
「私と苺香さんを一緒にしないでよ」
 どうして?千雪ちゃんはそんな冷たい声で苺香さんだなんて言うの?
いつもは苺香ちゃんって、私のこと呼ぶのに?
私たちの悪口を言っていた子たちはパタパタとトイレを出て行った。
泣き声が聞こえる、いつも寂しそうに両親の帰りを待つ声と似ていた。
 千雪ちゃん――。
「ごめんね、こんな庇い方でこれしか思いつかなかったんだ。苺香ちゃん」
最後に呟いた私の名前は、とても優しい声だった。

 ザワザワ……
女子トイレの前にみんな何やら集まっている。
「何が起きたんだ?」
と聞くとあの高嶺と他の女子達が口論しているという。
 口論?まさかあの高嶺が?
高嶺が苺香と仲が良いというだけで悪く言っていた女子に悪く言っていたことを撤回しろと頼んでいるらしい。
ーー傷だらけになりながら。しかし当の本人はどこに行っているんだろうか。自分の事で口論されているというものに。
 助けたい、守りたい。
俺が行こうとすると、後ろから肩を掴まれ止められた。
後ろで静かに聞いていた桜太が口を開いた。
「ここは、僕たちが関わることじゃないんです。苺香ちゃんと高嶺さん達の問題です。」
 そうだけど、でも。
「気持ちはわかりますが、今は見守りましょう、ね?」
「…………あぁ」

 あの時と同じは、嫌だーーー!!
私は、涙を拭い手に力を入れて前に進む。
そこにはぐちゃぐちゃになって傷だらけの千雪と無傷の私の友達がいた。
 千雪、手を出さなかったんだ。このお人好しは。
友達はビックリした顔で近寄る。そして、私の腕を掴む。
「苺香」
私は、ギロっと名前を呼んだ友達に言う。
「……なよ、触んなよっ!!私の事、悪く言ってたくせに」
 その瞬間、青ざめた顔で急いでトイレを出ていく。
傷だらけになった千雪は、太田さんいいの?と心配そうに私の顔を見上げる。
なんで、この子はいつも人の事ばかりなんだろう。
 私は千雪を抱きしめる。
「私の事、昔みたいに、な、まえで呼んでよ。千雪――。」
びっくりした顔になった千雪は、ニコっと笑って、
「苺香、ちゃ、んーー。」
と優しく私の名前を呼んだーーー。

 9年にも及ぶ私達のわだかまりは、15歳の春に消えた――。
15歳、私達は再出発した――。

見ていた俺達は、
「良かったですね」
と桜太が言う。俺は、気付いた。
「お前、こうなるのを知ってて――。」
そう言ったら、桜太は振り向いて人差し指を口元にあてて、
「秘密です」
と、微笑んだ。
結構、桜太って計算高いと俺は陰ながらおもったーーーー。


Re: 花と太陽 ( No.4 )
日時: 2019/11/24 16:20
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM

Episode 3

「千雪、帰りどっか寄ろうよ?」
「!!うんっ!」
これが現実なのか?時より、そう思う時がある。
 でも今はそばに苺香ちゃんがいる。
苺香ちゃん、慣れない呼び方で呼ぶ名前がくすぐったく感じる。
「え~今日、僕と帰りましょうって約束しましたよね?苺香ちゃん」
奏桜太くん。
「うるさいなぁ、今日は千雪と帰るの!」
太田苺香ちゃん。
自分勝手すぎますよぉとヘロヘロとしゃがみ込む奏君を掴む男の子。
「じゃあ、俺ん家に寄ってゲームしよう」
と優しく笑いかける綾瀬泰陽君。
「1年に超好きな子いるんだけどっ!」
「あの子達でしょっ」
上級生は私達を指差して頬を赤く染めながら話している。
 すごい、みんな話題になるんだ。
私は、そんな人達と仲が良くなったんだ。
「高嶺っじゃあな。また明日」
毎日笑ってもう、昔の私じゃないんだ。


「千雪って好きな人いる?」
喫茶店の片隅でショートケーキを食べながら苺香ちゃんは私に問いかける。
「えっ」
好きな人……。今までにできたことのない特別に呼べる人の名前。
「いたらいいと思ってるけど……」
……明るくて私を照らしてくれる人がいいなぁ。
 ぼやぁ。
っ!!ど、どうして綾瀬君が頭に浮かぶの?
私は、ブンブンと首を振る。
「どうしたの、千雪?私はね、実はいるんだぁ」
こんな苺香ちゃんのかわいい顔見たこともない。誰が、苺香ちゃんにこんな顔させれるんだろう?
 もしかして……。
「奏君?」
びっくりした顔でみるみる真っ赤になる。
「そうだよ、でも完全に私の片思いだから言わないでね?」
内緒ねっと恥ずかしそうに人差し指を口に当て、上目づかいに私の顔を覗き込む。
 か、かわいいっ!!
でも、いつも一緒だから付き合ってると思ったというと悲しそうに首を振る。
二人が付き合えたらいいなぁ。
私もこんな顔してみたい、だなんておこがましい。いまだに男の子に謙遜されてる気がするし……。
 はぁ…。
「ねぇ聞いてる?」
えっというと、も~仕方ないなぁと頬を膨らませる。
「B組の笠寺藍かさでらあいの事っ」
″笠寺君〟学校でいつもやるテストで私の次のNo,2を守り続けている。あの笠寺君かなぁ。
苗字も名前も珍しいしきっとそうだよね。
顔は見たことないけどその男の子がどうしたんだろう?


 苺香ちゃんから聞いたことによると、その笠寺君は。
色素の薄い髪で目がきりっとしているとてもかっこいい男の子だそうだ。
家は神社育ちのおぼっちゃんで私達の家の近くに住んでいるという。
そして本が好きな文武両道ができる男の子らしい。
 それが私と何の関係があるんだろう…?まぁいっか。
ブーっブーっ
私が乗らなきゃならない電車が発車音を出す。
 あぁやばいっ
と走ると同時にドアが閉まる。
 その時ーーーー。

グイっ!!
わっ、誰かに引っ張られた。
色素の薄い風になびく短い髪、繊細なきめの細かい白く私の腕を掴んだ大きな手――。
目がきりっとしていてモデルみたいな高身長。片手には読みかけの本。うちの制服――。
 もしかして……。
「高嶺千雪?」
「笠寺藍さん?」
私ったら口に出して、もし違ったら……!
考える前にお礼言わなきゃ。
「あの、引っ張ってくれてありがとうございました。」
なんで?私のこと――。
「堂々1位の高嶺さんの噂は聞いてたから。特徴はストレートロングの長い髪に前髪をヘアピンでとめてること。」
私と同じ?
「よろしく、高嶺さん」
にこっと笑いかけられる。
 ま、眩しいっ!!
私もよろしくお願いします……と笑う。今、顔がひきつったのは気のせいかな?
でも、綾瀬君以外に初めて笑いかけられた。うれしいなぁ。

「えっ、あの笠寺君に助けられたのっ?!しかも笑いかけられたっ!!?」
いいな~と苺香ちゃんが目をキラキラさせる。
 そんなに?でも引っ張って助けられたときはドキッとしたなぁ。
「ていうかそんな出会いかた少女漫画みたい」
キャ~と頬を赤く染める。少女漫画かぁ……。
「どうしたの?高嶺、苺香ずっとここにいて」
 この声、まさか……。
「おはよっ」
あ、綾瀬君!!すごい、いつも以上に眩しく見える。どうして?
「おはようございます。苺香ちゃん、高嶺さん」
後ろからひょこっと奏君が顔を出す。
苺香ちゃんはいつも通りだと思ったけど足元を見るとガタガタ震えていた。
いつもこんな感じで奏君と喋っているんだ。頑張ってるなぁ、苺香ちゃん。私は、微笑ましくなった。
キャ~、キャ~と女の子たちの嬉しそうな歓声が聞こえてくる。
 何だろう?とみんなで見ると……。
背の高い男の子が見えた。後ろには女の子達の大群。
色素の薄い風になびく短い髪、目がきりっとしていてモデルみたいな高身長。
本を読みながらこっちに来る。
 間違いない!笠寺君だっ!!
笠寺君も私達に気づいたようでにこっと笑いかけてきた。
相変わらず、眩しいっ!!
「高嶺さん、おはよう」
と私達を見る。そこで綾瀬君の目の前に目線を止める。
「泰陽、おはよう」
当の綾瀬君は、ものすごく嫌そうな顔で、目をキラキラさせ、子犬みたいな表情をしている笠寺君を見る。
桜太もおはよう。というとにこっと笑いこちらこそと言っている。
 どうして、綾瀬君はそんな顔をするの?
はぁ~と深いため息をついて奏君を連れて行ってしまう。その後を苺香ちゃんが急いでついていった。
戸惑っている私と目が合い、笠寺君は思い出すように言う。
「泰陽と俺は小さい頃からののライバル同士だからいつもあんな感じ、大丈夫だよ」
でもいいんだ、喋らなくても。勝負するときお互いの気持ちがわかるから。と笠寺君は満足そうな顔で言う。
  へぇ、ライバルでもあり心の通じ合える戦友みたいな関係なんだ。
なんかいいなぁ、かっこいい。

 なんで、藍が高嶺の事知ってんだ?あんな親しそうに。
俺なんか高嶺に挨拶したってびっくりされるだけなのに……。
 悔しいなぁ。俺の方があいつよりも一緒にいる時間は長いのに。なんで俺には?
………嫉妬?
な、なわけないか。そうだよなぁ、高嶺に俺が嫉妬?おこがましい。
他校にも高嶺のことが好きな男子がいて帰りには出待ちまでしている奴もいる。
そんな高嶺の花なのに俺なんかが高嶺に嫉妬しているなんて言ったらブチ殺される。
 男として、みんな高嶺の事を大切に想っている。
「まったく、今朝からどうしたんですか?顔がこわばっていますけども」
笠寺君に会ったからですかと俺の顔を覗き込むように見て心配そうに桜太が言う。
 たぶんそれもある、けど違う何かモヤモヤしたものが心を渦巻いていた。
俺の心とは違い、空は雲一つない快晴だった。




 




Re: 花と太陽 ( No.5 )
日時: 2019/11/24 16:22
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM

Episode4
 朝起きて、まず最初に思い出す顔ーーーー。
みんなの事。今日はどんな楽しい事があるのかなって考える。
昔と違う今の私の行動、変わったって思えるからうれしくてつい顔がにやけてしまうーーーー。
 プルプル~
電話?誰だろうこんな朝早くから?
ベッドから私は、起き上がって電話を取る。

『あ、千雪ちゃん。おはよう、元気かな。』
声を聞いた瞬間――
「!」
頭が真っ白になった、だってその声の主はお父さんだったんだもの。
いつもは無口なお父さんが私と話しているから。
待ち望んでいた声が聞こえる。目から涙がポタポタとこぼれる。
止まらない、でも泣いているのに心はポカポカしている。
 どっちかにしてよ、私。
『千雪ちゃん聞いてるかな?実はな父さんと母さん。』
嫌な予感がした、寒気が立った。
『離婚することになったんだ。』
大丈夫だよ、知らせたかっただけだからと言い残したまま電話を切った。
 え、り離婚!?


 俺は教室を入るといつも目の前で楽しそうに話している高嶺と苺香に挨拶する。
けども今日は違った。苺香しかいない、毎日休まず学校にまじめに来ている高嶺がいなかった。
苺香に声を掛けると、
「た、泰陽。どうしよう、朝千雪の家に行ったら誰もいなくて。」
電話もつながらなくてぇと顔を真っ赤にして目に涙を溜めて話す苺香を見る。

 そのあとの授業の内容も頭に入らなかった。
ただ頭に浮かぶのは高嶺の寂しそうな顔だけだった。
今もあの顔をしているのだろうか。

「あの、千雪の家行ってみない?」
心配だしと苺香が言っている。
そうですね。と桜太が言う。

 「ここだよ」
ここが高嶺の家。俺は見上げる
 ……デ、デカッ!!!
苺香は何にも戸惑いもなくインターホンを押す。
慣れているんだな、幼馴染すげえ。
 何回鳴らしても応答はない。
すると苺香がドアノブを掴むと力強く引く。
 ぐいっ
中は綺麗だった。高嶺の気配もしない。
電話がオレンジ色に光っていた。
今朝……?再生してみるか。
 ピ―。
『あ、千雪ちゃん。おはよう、元気かな。』
高嶺のお父さん?
苺香は寂しそうに唇をかみしめていた。桜太はただ、ずっと静かに聞いていた。
『千雪ちゃん聞いてるかな?実はな父さんと母さん』
嫌な予感がした。寒気が立った。
『離婚することになったんだ』
大丈夫だよ、知らせたかっただけだからと言い残したまま電話を切った。
 なんだよそれ。勝手すぎないか?
これを高嶺はたった一人で――。
テーブルから箱が落ちてきた。中身はメモだった。
兄からのメモ。兄のメモに対する返事の書かれたメモもあった。
高嶺はこのメモをずっと心待ちにして。

「離婚をするとか言って知らせたかっただけとか勝手すぎだと思う!!」
苺香は、怒鳴る。それもそうだ。
「どうしますか?未だに高嶺さんから連絡はありませんし」 
桜太は苺香を慰めながら、どうしたらいいか俺達に呼び掛ける。
「絶対、千雪を見つける!だって一人で泣いてそうだもん」
泣きそうな顔して苺香が言う。
「失礼します。はい、オレンジジュースとショートケーキ」
苺香のお母さんが運んでくる。
そうだ、ここ。苺香の部屋だった。
「どうしたの?真剣な顔して」
苺香がひらめいた顔で問い掛ける。
「ねぇ、お母さんって千雪のお母さんと仲良いんだよね?」
「えぇ、千早ちゃん(ちはや)と私は幼馴染だからね。二人が出会ったところも知ってるわ」
と得意げそうに言う。
 それって……。
「教えてそこっ!」
苺香のお母さんが加わり話し始めた。
「千早ちゃんと夏樹君は、ビルで出会ったの。千早ちゃんが仕事で失敗したとき夏樹君が優しく励ましてくれたって言ってたわ」
よく千雪ちゃんを連れてあのビルに行ってたわと懐かしそうに言った。
 それだ!!
俺は急いで家を出た。
「ぼ、僕達も一緒に行きましょうよっ!」
待ってと私は、桜太を呼び止める。
「きっと、泰陽は連れて帰ってくる。待とう――?」
お母さんに私は言う。
「タオルケットと温かい飲み物を出して」
大丈夫、今までも千雪を笑顔にできた泰陽だから。笑顔で戻ってくるよね――。

何時間、走ったんだろう?
ふと気が付くとビルの前に着いていた。
このビルの屋上に高嶺が――。
待ってろ、高嶺!
 ガチャっ!
ドアを開ける音が響く。
「高嶺っ!!!」
私はドアの方を見る。 
……綾瀬君?
どうして、ここに?
綾瀬君は真っ赤な顔して息を切らしながら近づいてくる。
「どうして、一人で抱え込むんだよ」
一人で、抱え込む……?
 そっか、聞いたんだ。
「聞いたの?」
お父さんとお母さんの離婚の事そう言おうとしたら、口元が震えてきた。
言葉の代わりに涙が溢れてきた。
 恥ずかしい、こんな所で泣くなんて。嫌だ。
唇を噛み締めて、抑えようとしたけど無理だった。
 不意に誰かの腕が私を抱きしめた。
「見てないから、泣いていいよ」
大丈夫だからと私の頭を撫でながら言う。
 優しいな、綾瀬君は。全部受け止めてくれる。
「約束して。一で抱え込まないこと、俺に助けてって言う。」
はい、約束と綾瀬君は小指を向ける。
 ゆびきりげんまん、嘘ついたら針千本のますっゆびきった。
綾瀬君。ありがとう、ここに来てくれて。

家に帰ると苺香ちゃんと奏君が待っていた。
「千雪~っ心配したんだからねっ」
泣きながら微笑んで苺香ちゃんは私を抱きしめられる。
2、2回目だ!そういえば、私。
 綾瀬君に抱きしめられ……あ。 
「体を暖かくして下さいね」
と赤くなって固まっている私に奏君がタオルケットを掛けてくる。  
「高嶺、早く。みんな待ってる」
そんなことも知らずに綾瀬君は笑いかけてくる。
 綾瀬君。君と出会ってから、太陽のような毎日だね。
 ありがとう、綾瀬君。


Re: 花と太陽 ( No.6 )
日時: 2019/11/24 16:16
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM

Episod5

「千雪お昼食べよー」
うん、と言って教室を出ようとしたとき、
「僕もご一緒していいですか?」
この声は、奏桜太君だ。
綾瀬君の親友でもあり、苺香ちゃんの好きな人。
「べ、別にいいけど!って泰陽は?」
 ″泰陽たいよう〟
その名前を聞くだけでドキドキする。
「千雪、顔真っ赤だよ?」
「なんか上級生女子に屋上に来いって呼び出されたみたいですよ」
私達は顔を見合わせて苺香ちゃんは言う。
「……それって」

屋上。
「私、君みたいな男の子好きだなぁ。」
綺麗なショートカットの女の子が自信たっぷりに言う。
「美麗ちゃんみれいは学年で一番可愛い子なんだよ。そんな子が君を好きだって言っているんだよ」
後ろのお団子にした女の子が言うと、
「付き合う?どうする?」
  ごくり……
当の綾瀬君は一度黙って、
「あの、帰っていいですか?」

「「は?」」(綾瀬君以外)

「み、美麗ちゃんが付き合ってもいいよって言ってるんだよ?」
「ちょっと待って!ちょっと待って!!帰りたい理由は何っ?!」
 綾瀬君、どうしたんだろう。
「あの、付き合うとか何するか分からないんで」
恥ずかしそうに言い終えると下を向いて黙り込む。
「ピ、ピュア……!」
綺麗な女の子は顔を赤らめて力が抜けたようにしゃがりこむ。
一緒にいた女の子は動揺して何度も名前を呼ぶ。
「あぁ見えて恋愛偏差値すごく低いんですよね」
「嘘、見えないね千雪!」
綾瀬君があの女の子と付き合わなくて良かった、だなんてあの女の子は失恋したのに自分は酷いと思う。


「泰陽く~んっ一緒に帰ろ?」
お昼の時に綾瀬君に告白した女の子が綾瀬君に抱きつく。
 ズキっ
痛い胸のあたりが刺すようにズキズキと痛む。
「ちょっ先輩っ!抱きつかないでくださいっ!!」
頬を真っ赤に染め困ったように言う。
「先輩だなんて呼ばないでよっ!美麗って呼んで。でも恥ずかしがってる泰陽君も可愛い~」
きゃっきゃっ言いながら綾瀬君に抱きついてる。
「ああ、泰陽君が可哀想です。」
「こんな人がいっぱい居るのにやりすぎじゃない?あの先輩、ねぇ千雪?」
あれ?千雪?と苺香ちゃんの呼んでいる声が聞こえる。

体が勝手に動いた___


「……うわっ!」

  グイっ


___気づいたら、綾瀬君の腕を引っ張てた。___
 
「ちょっとあんた離しなさいよ。泰陽君が痛いでしょ、ていうかどこの誰よ」
女の子が睨み付ける。
「離さない」
自分の首を振ると顔を上げて言う。
「離さない」

凄い、この子。唇もほんのりピンク色でプルプル。しかもまつ毛も長くて目がぱっちり……無駄な肉もついてなく足も手も細いし色白。
 ま、眩しい……!何、このオーラ……!
「あんた、泰陽君とどういう関係よ」
女の子は黙ると困ったように目線を逸らして目をウルウルさせる。
「あれ、先輩だよね」
「あの人、高嶺さんの事虐めてるんだ。てか勝てるわけないだろ」
「あの奪い合いされてる男誰?」
周りの人達が騒ぎ立てる。なんか気まずいんだけど……。
すると高嶺って呼ばれてる女の子が口を開く。
「離して…お願い」
ヴっ…心が痛い。
そう思うとパッと手を離してしまった。
その瞬間。

泰陽君が走って逃げだす。
「あっ」
追いかけなきゃ…。
 グイっ
「待って、行かせない」
 しつこいなぁ、この子。
そんなことは見向きもせず、私は泰陽君を追いかける。
 それより、泰陽君とあの女の子はどういう関係何だろう。 

「千雪、泰陽の事好きだよね?」
 私が綾瀬君を…好き?
そう繰り返すと心がポカポカした。
「……好き」
そういった瞬間、私は恥ずかしさのあまり首を振って言い直す
「こ、困ってたから」
ふーんとニヤニヤして苺香ちゃんは仕方がなそうに言う。
「今日は勘弁してやるか」

私が綾瀬君を好き?
そう自覚した瞬間目の前がきらきら輝いてるように見えた。
 ポカポカしてくすぐたったい。
初めて知ったこのときめき、また綾瀬君をのおかげだ。
これが恋なんだね、ありがとう。


Re: 花と太陽 ( No.7 )
日時: 2019/12/07 15:33
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM

Episode6

 女子はよく分からない。
おはよー、おはよう。と学校に来たみんなが朝の挨拶をする声が聞こえる。
その時___。

  風になびくつややかな長い黒髪が目を通った。

高嶺だ___。
「あ、高嶺さんだ。おはよう!」
隣で部活のジョギングをしていた藍が言う。
高嶺は俺たちに気づくと振り向いてにこっと笑い会釈する。
「返してくれた。」
……藍にじゃねーよ。
いや、今のは本当に藍にかもしれない。ってか“今のは”ってなんだよ。
という事はいつもは俺ってことか?
俺……すごく勘違いしてないか?
 恥!!
んなの、俺らしくない。集中しろ俺!!
「綾瀬 対 城田。」
 「「よろしくお願いします。」」
とお互いに向かい合い礼をする。
「やっぱすげぇよ。綾瀬は、先輩相手に。」
ヒソヒソと周りが話す声が聞こえる。
 そうだ、考えててもしょうがない。
「はじめ。」
俺は素早く相手をかわし相手の頭を竹刀で叩く。
 面!!
バン!と体育館に鳴り響く。
「止め。赤、綾瀬」
審判の声がバン!という音に続いて響く。
 うっし。終~了、すっきりした~!!!
やっぱ、防具をきて試合練習すると悩みがぱっと消えるなぁ……。
そう考えながら防具を脱ぎ、制服を着る。
俺は自分が幼い頃から着ていた防具を見つめ撫でた。


 教室に入ったら高嶺と苺香が話しているのを見かけた。
「おはよう。」
と俺が言うと高嶺は気づいて俺の顔を見ないで言う。
「お、おはよっう……。」
苺香がニマニマと高嶺をじぃっと見つめて、高嶺を連れていく。
 高嶺……どうしたんだろう?

 そのあとも、何度も話しかけようとしたけどそそくさと話さないでどこかに行ってしまう。
……俺、もしかして!高嶺に避けられてるっ!?
俺は頭を抱えて心の中で叫ぶ。
すげぇ、ショック……。俺なんかしたっけ?
ぼうっと高嶺を見つめていると、誰かに呼ばれ廊下に出ていく。
 誰に呼ばれたんだろう……。あんな、嬉しそうな顔して。
気になって教室のドアからそっと顔を出して見ると、俺は目を見張った。
だって、だってさ!!
藍と高嶺が親密そうに頬を赤く染めて話してるから!?
「藍君、ありがとうございます。」
 藍君!!?
いや、なんで名前呼びっ!!?
「お礼になんて言わなくていいよ、千雪。」
はぁ?!今朝まで苗字呼びだったのにっ!!?
いや、なんで?なんで、藍とっ?
頭の中が真っ白になってなんで、なんでと二人に問いかける言葉しか浮かばない。
 くそっなんでだよ……!
俺はそんな二人を睨みつけながら、見ていると……。
「じゃあ、またね。藍君……。」
恥ずかしそうに名前を呼ぶ。あんなに赤らめやがって……。
俺は無意識に唇を噛み締める。
「うん、LINEで連絡してね。千雪。」
にこっと笑いかけて自分の教室に帰って行く。
 ら、LINEっ!?
藍、高嶺。お前たちLINE交換してたのっ!?俺だってLINE、知らないのに……。
 無性に怒りが込みあがってきた、藍に、高嶺に……。
“悔しさ”と怒りで俺の心は包まれた。
 ん?KUYASISA?くやしさっ?
ってか俺、高嶺と藍が恋人関係になったり、LINE交換してたりしてもどうでもよくねぇか?
俺が高嶺の事、“好き”でも何でもないんだし……。
 好き?好き、すき……。
その時、俺がババロアみたいに真っ赤になって赤面したのが分かった。
「~~っ!!?」
お、俺、もしかして……た、高嶺の事が好きなのか。
だから……。
こんなにも、こんなにも高嶺の事が気になって他の奴と話してんのが気に入らねぇのか……。
高嶺が苺香と楽しそうに話しているのをもう一度見てみると、幸せな気持ちになるのが分かった。
一方、胸がきゅ~っと締め付けられる痛みがはしった。
これが、恋か?俺は高嶺に恋してる。
それだけで胸が弾むような、苦しいような簡単には説明ができない気持ちになった。
空を見ると俺と同じで、雨にも晴れにもならない曖昧な曇りだった……。


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