コメディ・ライト小説(新)

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君を想い出すその時には君の事を――。
日時: 2020/01/08 16:29
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM

お初&クイックありがとうございますです、“雪林檎”と、申します。
えー、私にとってはかけもちの第三作目ということで頑張って完結まで書いていきたいと思います!

 他にも書いていますので未熟・駄作ではありますがこちらも、読んで頂けると嬉しい限りでーす!↓(≧▽≦)

『花と太陽。』←メイン

『君はかわいい女の子。』

※注意

●投稿不定期。

●運命に抗う孤独な女の子と無口な幼馴染の男の子のファンタジー主従関係、恋物語。内容は重いですが……。

●国語が得意なくせに文才0なので貴方様が理解できる場面が少ないです。

●温かく見守っていただけると嬉しいです。

●荒らし、悪コメはごめんです。荒らし、悪コメする人は Go home!!


≪CONTINUITY≫

住人とこれまでの君を想い出すその時は――。←略して「君想い。」って呼んでくれると嬉しいです。

≪舞台・用語≫ >>1

第1章「メゾン・ド・セグレート」←全6話 完結


第1章第1話;「メゾン・ド・セグレート」 【君と私。】 >>2

第1章第2話;「メゾン・ド・セグレート」 【昔から歩き出した今日。】 >>3
 
第1章第3話;「メゾン・ド・セグレート」 【携帯。】 >>4

第1章第4話;「メゾン・ド・セグレート」 【初めて。】 >>5

第1章第5話;「メゾン・ド・セグレート」 【初恋と猫耳。】 >>6

第一章第6話;「メゾン・ド・セグレート」【考えるよりも。】 >>7
 

第2章「自分の運命を決める闘い。」



第2章 第1話;「自分の運命を決める闘い。」 【お父様。】 >>8

第2章 第2話;「自分の運命を決める闘い。」 【九条 総司。】 >>9

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Re: 君を想い出すその時には君の事を――。 ( No.7 )
日時: 2019/12/15 12:17
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM

第一章第6話;「メゾン・ド・セグレート」【考えるよりも。】
 

 心配していた学校生活も約3週間が経とうとしていた。
「先生!小倉さんがいません!!」
「先生っ!!小倉さんが教室に犬をつれてきています!!」
『ワンっ!』
「先生ー!小倉さんがアルコールランプでのりをあぶっています!」
私の事よりも彼女の事の方が心配です……。

「おい今度は早弁だよ。」
「すげえ。」
周りの人が小倉さんがの事をヒソヒソと話している。
「……。」
大丈夫なのか?早弁なんかして――。

キーンコーンカーコン……。
「お昼……。」
 きゅるるるる……。
小倉さんがお腹を鳴らしながらお財布を振る。
「お金がないのか?早弁なんかして後の事を考えていないからだよ。」
小倉さんは、絶望した顔をして私を見る。
「これでも食べるか?私は少し胃の調子が悪いから。」
「くれるの…?」
「なんなら、豆乳もつけるけど。」
ぱぁあぁぁぁあっと一気に小倉さんの表情は輝いて私に近づいて抱きしめる。
「好き…!!」
「えっ」
す、好き?!!好きって言われた…!!
「うかちゃん、初めて会った時から優しい子だと思ってた…。」
「う、うそつけ!!大好きな食べ物をもらったからだろう…!」
そういうと小倉さんは、少し悩んでから言う。
「ううん、第六感で判るよ?」
「判るか!?」
「じゃあ…。」
「思いついた事言ってるな?」
そういうと小倉さんは、ぎゅ――っと抱きしめてくる。
 温かい…。
『君はもっと他人とかかわった方がいいよ☆』
でも、私はどうやって関わったらいいか解らない……。

 アハハ!
女の子が笑う声が聞こえる。
 何だろう?
「ねぇ、なんで猫耳なの~?」
「人生の遊び人だからさ~☆」
この声――まさか…!!
「意味わかんない~。」
「ミステリアスな猫さんだからね~♪」

「あっ!!うかたんっ。朝ぶり~!!」
 やっぱり、猫月さんか……。
「え~どういう関係?」
「秘・密な関係❤」
恥ずかしそうに体をクネクネさせて言う。
 まったく、この人はいつもふざけている。
「誤解を呼ぶようなことを言うな。」
「も~誤解じゃなくない?」
本当にこの人と付き合っていても時間の無駄だな。
 もう無視しよう…。
「待ってよ!いつもそーたんにメールを送っていいかクッションを抱きながら迷っているシャイなうかたーん。」
 なんでそれをっ!!
「視たなっ…!?」
「ツンデレ?というか乙女っていいよね~。」
私はデリカシーのない猫月さんにイライラしながら言う。
「そ、それで、何の用かな?なければ警察に通報するが??」
「ジョーが喧嘩して保健室に居るんだけどさー案内してくれない?」
 は、早く言え!!!
本当にまったく、この人はいつもふざけている。(大事なことだから2回言った。)

 保健室――。
水無瀬君はボロボロになって座っている。
「あらら、ボロボロじゃないの。」
そういうと水無瀬君はスイッチが入ったようで目をキラキラさせて言う。
「この傷もヒーローの証だっ!!」
……全く、何が原因でこんな傷になるまで喧嘩してたんだ。呆れる。
「先生が聞いても言わないらしいよ。」
 ふーん。
水無瀬君を見たら背を向けて何も言わない素振りを見せる。
それを見た猫月さんはニヤニヤして私に囁く。(本人は囁いているつもりのようだがとても声が大きい。)
「あのね、ジョーがいくつまでおむつを着けていたかというと~~~。」
 おむつ……?何を言っているんだ、この人は――。
それを聞いた水無瀬君は真っ赤になって叫ぶ。
そういうことか、なるほど――。
「わ――っ!!言う言う言う!!」
 この人は………本当にずる賢いな。
と私は、猫月さんに気づかれないように横目で見て思う。

「瑠璃の事、頭おかしいって言ったんだ。」
 確かに小倉さんは、いつもボーっとしていて危なっかしい。
「でもいいんだ。あいつは何にも考えてなくても解ってるんだ。」
 へー、そうなんだ。
「考えることよりも深いトコ…。きっと本能とかで理解してんだ。」
 本能――?
「だから…。あいつの事を何にも知らないで言う奴を俺が倒すんだ。」
 小倉さんの事をそんなに…。
「俺はあいつのヒーローであいつは俺のお姫様だから。」
 お姫様…?ヒーロー?
その時――。大きな笑い声が隣から聞こえた。
気になって、隣を見ると猫月さんを見ると赤くなって大笑いしていた。
「ぎゃはははひひひひははははは!!」
ひぃひぃひぃと足をジタバタさせて震えている。
 あーあ。本人が居るのに……。
猫月さんが大笑いするのを目の前で見た水無瀬君は、私の思った通りに赤くなって叫ぶ。
 ……ガララ。
「水無瀬……。」
おっとりとした小さな声は保健室の中を響いた。
 この声――。小倉さん――?
「あ、ジョーのお姫様。」
「る、瑠璃…。」
すると、ニヤニヤしながら言う。
「それじゃあ、ボク達はお暇しよーかね~。」
  パタン。
ドアを締める直前――。
見えた小倉さんが、水無瀬君を心配するように背中をさすって何かを喋っていた。
「……仲がいいんだな。」
私が猫月さんに問いかけるように言うと楽しそうに笑って言う。
「二人は幼馴染さ~。友達以上恋人未満の二人の世にも美しい恋物語~♪」
 他人のプライデートを……と思い無視する。
「あるところに能力の化身達の封印を解いた一人の男がおりました。化身達は自分にふさわしい人間を選び契約したその人間の家系は不思議と繁栄していきました。」
私は猫月さんの事を見つめる。
「その家でも化身達と契約し特別な能力を持った――。それがボク達です。」
猫月さんの事を私が睨み付けていることも気にもせず話を続ける。
「ボク達は契約を受け継ぐだけでなく同じ日、時間。同じ容姿性質を持って生まれ化身達のおかげで稀に記憶まで受け継いで不思議と同じような運命を歩むのです。」
 契約を受け継ぐ……。
「家々はそんな貴重な存在を一族全体で大切に育てることにしました。」
つまり……と言う。
「家族という存在はボク達にとっては希薄な存在です。いつもボク達は孤独、えーん寂しいよぅ。」
猫月さんが楽しそうにケラケラ笑いながら嘘泣きをしているのを横目に私は一人で呟く。
 今更だ……。家でも、学校でもいつも私は一人だった、孤独、絶望。
「だからこそ~求め合い身を寄せ合う二人のお話~❤人は良くも悪くも他人と関わらずに生きるのは難しいよ?」
でも、私は一人になる為に――。
「さぁ、うかたんもレッツコミュニケーション♪ジョーも瑠璃りんも面白い子だよ~☆お友達になってみたら?」
 ……やけにおせっかいだな、猫月さんは。
「『おせっかいだ、どうやって関わればいいか解らない?』なんて難しく考えちゃ駄目だよ。そんなのいつの間にかだよ~☆」
 こいつ……。
「また視たな!?」
私は、猫月さんに震えながら怒鳴った。

「お昼食べよー。」
「あー、腹減った。」
騒々しくなり始めたお昼。
 今日もお昼は一人か……。
そう思い食べようとした時――。

ぎゅう~~。

「!!」

誰かに抱きしめられた――。
私を抱きしめていたのは小倉さんだった。
「なっ……。なんだ、君か。」
私は平然を装う。
 すごい、まだドキドキしてる。顔、焦りで赤くなってないかな?
そんなことを考えていると小倉さんは私に問いかける。
「うかちゃん、お昼。私と水無瀬と食べよう?」
 一緒に…?
「……ど、どうしても一緒に食べたいというのだったら仕方がない、食べよう。」
そういうと小倉さんは、嬉しそうに笑って購買の方に走っていくときに思い出したかのように言う。
「じゃあ、お昼買ってくるから屋上で待っててくれる?水無瀬は居るから。」
 屋上……。みんな一緒、ご飯――。
初めてかもしれない、クラスメイトと食べるのは――。
屋上に向かって私は喜びを隠せずに廊下をスキップで行っていると声が聞こえた。
 ……誰か居るのかな?
私は声が聞こえる方に向かってそっと忍び足で歩く。
「……きです。九条君が他の女の子を好きなのは分かっています。」
 この声――。聞き覚えがある、聞いていると鼓動が速くなる。
「すまない、僕には――。」
九条君の声、名前……?ここに居るのかな、じゃあお昼誘ってもいいよね……。

そっと近寄って苗字を呼ぶ。
「九条君――。」
そこにいたのは、一人の女子生徒と九条君。
姿をみた瞬間、目を見開いた。
――二人はキスをしていた。
 ズキン、ズキン。
あぁ、胸が痛い。苦しい、痛みから逃げたい――。
「あ――。」
驚いて声を漏らしてしまい、九条君は私に気が付いて女子生徒と払い抜ける。
私が立ち去ろうとすると、腕を掴まれる。
「待って、日高さ……ん。!!」
私の瞳に涙が溢れ出してきているのに気づき、焦る彼が視界の端に見えた。
「……してよ。離してよっ!!触らないで、汚い。」
今後私に近づかないで!!と私は言い残し立ち去る。
その後は無我夢中で走り続けた。
なぜか今まで溢れなかった涙が急に流れ出して涙を止めるのに大変だった。
 どんなに酷いことをされても、裏切られても動じず涙なんて慣れてしまい流すことなんてなかったのに――。
どれだけの時間がたっても彼の事でいっぱいだった。
思い出すたびに胸が締め付けられて涙が溢れてきて部屋に帰っても自然と彼のいる隣の部屋ばかり気になってしまって。
自分から言ったのにそんな彼を気にする自分が嫌になった。
後の事は覚えていない。ただ、眠りについてしまい記憶がない。

Re: 君を想い出すその時には君の事を――。 ( No.8 )
日時: 2020/01/08 16:30
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM

第2章 第1話;「自分の運命を決める闘い。」 【お父様。】

「藤~花ちゃんっ!あたしが準備していい?」
部屋を訪ねられて追い返すのも性に合わないので北小路さんを部屋に入れた。
準備というのは私の家――つまり、マンションを造った管理者。
お父様の誕生日パーティが行われるからそのドレスなどの準備という事だ。
「藤花ちゃん、元気ないわね。」
……!!私は北小路さんのことを見ようとしたら、
「動かないで、今髪を結ってるからね。……図星かしら?チビ……じゃなくて九条の事?」
私は昨日、九条君に酷いことを言った。
やっぱり、人と一緒には生きていけないと考えたのに今、こうして人と話している。
 私は、矛盾している。
「どんなことが原因なの?」
――私は心のモヤモヤを取る為に素直に話した。
「誰かに裏切られても気にしなかったのに、九条が誰かにキスされているところを見て動揺し酷いことを言った……。」
それは――と言い私の髪を丁寧に結う。
「嫉妬ね。」
 嫉妬……?
「藤花ちゃんが九条の事を簡単に言えば大切に思っているてこと、難しく言えば説明出来ない感情を九条に抱いてるという事よ。」
 大切?説明出来ない感情?
「出来た!説明出来ない感情の答えを自分で見つけるしかその感情の事は解らないわ。」
次、ドレスいくわねと言い部屋に有るドレスを持って来る。
「これは悩むことじゃないわ、悪い事でもない。良い事よ。」
 良い事……。

 「はい、出来た!!」
鏡に映し出された私は私じゃないみたいだった。
髪は綺麗に梳かされていてトップの髪は上げられていて可愛い髪飾りで結わかれていた。
ドレスは淡いピンク色でビーズや小さなお花がちりばめられていて、
腕の方には薄い半透明のきめの細かい布があって純清楚なドレスなっていた。
 私じゃないみたい……。
「そんなに九条の事気にしてるんだったら、さっさと仲直りしなさいな。」
 仲直り……。
「――アドバイス、ありがとう。北小路さん。」
えぇ、と北小路さんと私は微笑み合う。


 会場に行くと多くの関係者が居た。
「おっ、藤花。すげえ似合ってるな。」
と藤谷が笑う。
「流石に藤谷もジャージじゃないな。」
「あぁ、今朝さー。ヒノのさ。お付きの人たちが部屋に来て、なんかやってくれたんだよねー。」
「ハッロ~ン☆猫さんの登場だよ~。あ、うかたんはそういうドレスなんだね~。」
「君はパーティ会場でもそんな感じなんだね。」
というと、猫月さんはこちらに近づいてきて言う。
「君が探しているのはどちらかな?冷静で君の事を大切に思っている月?それともいつでも明るく照らしてづける太陽かな?」
どちら?と楽しそうに笑いかける。
 月?太陽、探す?
疑問が頭にでき始める中、私は頭をフル回転させて考える。
――!!
……多分、猫月さんの言う月と太陽はあの二人のたとえだ。
 私は――。
「いっぱい食べる……!!」
「る、瑠璃一緒に食べよ。」
「うん、水無瀬頑張ろう……!!」
「本当に初々しいわね~。」
真っ赤に染まっている水無瀬君、料理を次々と食べている小倉さん、ニマニマして二人を見つめている北小路さん……。
「……。」
辺りを見回しても九条君はいない。
 ――パーティに来ていないの?でも、マンションに住むものは全員参加だ。
来てる、来てるはず――。じゃあ、なんで彼はいないんだ。

私が探そうと走り出したその時――。
 
 グイっ!!

「――!!」

誰かに腕を掴まれた。
「――やっぱり藤花か。普段と違うから呼び止めようか迷っちゃったよ。」
太陽――穂高……!!
戸惑って穂高を見てから周りを見渡すと、九条君が見えた。
 九条君――!!
行こうとしても、腕を掴まれているから行けない。
いつもは手の届くところに居るのに――今は届かない。
 あれ、痛い。胸が締め付けられるように――。
悲しい、君の声が聞きたい。君の様々な顔が見たい、君の事をもっと知りたい。
「ごめん、穂高。用事があるの!!」
「お、おいっ!藤花!!」
 伝えなきゃいけない、君にこの言葉を届けなきゃいけない――。
『そんなに九条の事気にしてるんだったら、さっさと仲直りしなさいな。』
『気持ちを込めてごめんって言うだけよ。』

「九条君っ!!」

九条君は止まってびっくりした顔で私を見る。
「九条君、私――。君に酷いこと言った。」
そういうと九条君は泣きそうな顔になってだけれど私の話を黙って聞いていた。
「ごめん――。私には、君が必要なんだ。」
九条君は涙を流して言う。
「――僕は、日高さんを不快にさせた。それでも、いいのか?また同じことになるぞ。」
「いいよ。言ったでしょう、私は律儀で正義感が強いんだ。そんなことぐらいで君との契約は一生取り消さない。」
思い出したかのようにクスッと笑って言う。
「そうだったな、忘れてた。」
小指を出し私は言う。
「こんな私でもいいですか?」
「勿論、むしろ君に何と言われようがこれからは一生離れない。」

 私達は契約を結びなおした――。
二人で微笑み合っていたその時、歓声が沸いた――。

「ボスっ!!お誕生日おめでとうございます!!!」
「長生きを願います!!」
――ボス?
繊細な色素の薄い髪をオールバックにして紫水晶色の瞳――。
 あれは!!お、お父様とお母様――。
お父様はパーティ会場のセンターに着くと笑顔で言う。
「今日は俺の為に来てくれてありがとう!!俺の誕生日を祝う場でもあるが俺の娘・藤花が組織に入ったこと、今年で16だという事を機に!!」
……私?え、どうして?
みんな、私を見る。は、恥ずかしい……。
そう思い、思わず顔を隠す。
「セグレートデュエロを行うことにした!!」
セグレートデュエロ……?何、それ?
「娘の婚約者がいるが本当にふさわしいか調べる為。尚、デュエロに勝った者は娘と婚約をし願いを叶えたあげよう。」
それって、私には参加権がないってこと?
 私は商品の一部でただ誰かの婚約者にまたなってじっと見ているだけって……!あんまりよ!!
気づいたら、私は、お父様の前に立っていた。
「あんまりよ!商品の一部にされて私の望みは叶える可能性もないなんて!!取り消してよっ!」
そういうとお父様は何ともないような顔をする。
「藤花、拳で戦うか?俺に勝ったら受け入れてもいいぞ。」
 私が負けるって思ってるからこんなこと言うんだ。
私の何かがキレる音がした――。
周りの人はどうしたらいいか集まって戸惑っている。
「はあっ!!」
私、渾身の蹴りを入れてもお父様はビクともしない。
それよりかはまだまだだなと言わんばかりにニヤッと笑う。
「あ、甘く見ないでよ……!」
何度も蹴りを入れたり拳で殴り掛かったりしてもお父様は笑う。
まるで娘の練習を見ているかのようにアドバイスを入れてくる。
「突き出すようにやるんだ、目的のところを見て!!」
「くっ……。」
ためらうとお父様は言う。
「どうしたんだ。もう終わりか、藤花。」
お父様は強い。だから組織のトップに君臨している。
みんなはざわざわする。
「藤花(ちゃん)……。」
「日高さん――。」
負けたくない、ここで負けたら意見を通してくれない――。
なのに、どうして?
足が動かないんだろう、私はこんなに弱いんだろう。
私がお父様をキッとにらみつけた。
 その時――。

「貴方、もうやめたあげて……。」

凛としたそれでも控えめな声が響いた。
 お母様……。
「藤花ちゃん、貴方への参加を私は認めます。不公平すぎるわ、でも。」
扱い方は女、ボスの大事な一人娘だとしてもみんなと同じ分かったわね?と言いお父様の方を優しく見つめる。
「いいでしょう?ねぇ、今回は見逃してやってくださいな。」
そういうと、渋々目を閉じて言う――。
「日高 藤花の参加を認める!尚、扱いは同じ。」
 認められた……?
良かった……。これで、未来が自分で開ける可能性が広がった――。
「藤花ちゃん、お疲れ様、怪我してない?やったわね!これで意見、通ったわね。」
「まさか、ボスに闘いを挑むなんてビックリしたよな。」
「このデュエロ、負けられねぇな。」
「……勿論。5年分のズワイガニ、お肉勝って食べる!!」
みんなが笑いあって、でも真剣な表情で言う。
私も、絶対に負けられない――!!
勝って、自分で未来を切り開くんだ――。
 ……そういえば、九条君はどうしたんだろう。
さっきまでは居たのにトイレかな?

 この時――。
私は知らなかった――。
九条君が今、何をしているかを――。


Re: 君を想い出すその時には君の事を――。 ( No.9 )
日時: 2020/01/08 16:30
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM

第2章 第2話;「自分の運命を決める闘い。」 【九条 総司。】

 薄暗い、小さなパーティ会場の一室――。
僕――九条 総司は黙って跪く。

「――総司、大きくなったわね。何年振りかしら?」
凛とした、それでも控えめな声が響いた。
僕の恩人――日高 藤花の母親。
日高 菖蒲だ――。
「12年振りですね。」
「12年か……。あの出来事から12年も経ったなんて、まさか貴方がうちの娘に自ら近づくなんてびっくりしたわ。」
――あの時から会おうともしなかったからと呟く。
彼女に近づいたのは自分からじゃない、初めて会ったあの日――いや、再会の日。
僕は彼女がこんなにも大きくなって可愛くなったことにもびっくりしていた。
どこかに彼女と一緒にまた、居たい。今度こそ護り切る。
 その気持ちがあったのだろう。
だから、あんなの事言えた、そう思う。だってあの12年前のあの日は僕は彼女の事を護れなかった、逆に護られた。
――能力を使ったあの時、彼女の大切な両親との思い出も何もかも代償としてすべて失った。
僕は両親との絆を壊し距離を取るようになったのも人見知りを重ね、捻くれてしまい無口になったのも
 全て僕のせいだ。
こんな僕が彼女の傍に居られるはずないのに居ることがおかしい、分不相応だ。
彼女が知ってたら、騙してたの?嘘つき!そんなことを言われるに違いない。
なのに、傍に居たいと思ってしまう、新しい婚約者とも上手くいってほしくないと思った。現に日野西との事を邪魔した。
 僕は矛盾している、こんな自分は嫌なはずなのに彼女の傍を離れられない。
唇を噛み締めて下を見て考えていると、
 温かい腕が僕を包んだ――その時___。

  「!」

柔らかい匂いが香ってきた。

___この匂い、この花の匂い。___

「……こんな風に総司や藤花ちゃんの事を抱きしめていたわね。」
 みんなで一緒にお茶を飲んだり遊んだりとしたわねと優しく目を伏せて僕の頭を撫でる。
「総司……。もう悩まなくていいの、今度こそあの娘の事護ってあげて。」
 いいのか?僕なんかが傍に居ても……。
「いいのよ。今回の機会で貴方があの娘のこと護れるって貴和に証明しなさい。」
この機会は貴方の為でもあるのよ?と優しく微笑む。
 ボスに……?
「応援してるわ。他の誰よりも藤花ちゃんの事を思ってるって知ってるわ。」
とウィンクして部屋を出ていく。
 また、彼女は僕の婚約者になってくれるときは来るのか。護らせてくれるようになるのか。
そんなことを考えながら部屋を出た。

Re: 君を想い出すその時には君の事を――。 ( No.10 )
日時: 2020/01/11 20:25
名前: ミコト

こんにちは雪林檎さん!
雪林檎さんの小説3つ、読ませていただきました。
どれも力作で続きが気になっちゃいますね!特にお気に入りは『花と太陽』ですね(実際全部好きです!)

まだ始まったばかりですが、期待してます!
それではまたの機会に〜。

Re: 君を想い出すその時には君の事を――。 ( No.11 )
日時: 2020/01/14 17:23
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM

ミコトさん、読んで頂きありがとうございます!!
今は『花と太陽。』を中心に書いていて投稿が不定期になってしまいますが、これからも飽きずに読んで頂けると嬉しいでーす!!(^^)/
それでは、またよろしくお願いします!!


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