コメディ・ライト小説(新)

Re: 僕の声は君だけに。 ( No.48 )
日時: 2018/08/17 19:10
名前: ゆず

第3節 『違和感を感じて』


現在8時30分。
ギラギラと照りつける太陽に嫌という気持ちを超えて、怒りが溢れ出してしまいそうな朝。
暑さにやられてしまったバカ三人はいつも以上ににハイテンションのご様子だ。

「ヤッホォォォォおおお!!こんちくわ!!!!!」
「やぁ、こ……こんにちは(笑)」
「こんっちわーす(笑)」
「えー……こんにちは……」

もちろん最後が俺だ。
ついでに言えば、最初がゆう。二番目が陽麻莉で、三番目が上島だが、後半二人はゆうの異常なほどの気合な挨拶に笑いをこらえていた。

で、今俺たちの目の前にいるのがいよりなのだが……。
機能停止したロボットのように、目を点にして放心状態だった。
「えっ、えっと……あの、え?」と完全にパニック中。やっぱりやめとくべきだったのかな?

いよりは、人見知りでちょっとした会話さえも緊張するという。
めったに外にでないという彼女は、一ヶ月たった今、話をした人は、家の主の女性と俺の二人だけらしい。
それを聞いて、友達や話相手が増えたら喜ぶんじゃないかと思い、俺と特に仲の良いこいつらを連れてきた。
俺は大きなため息をつきながら、頭をかく。
「こちらはゆう。彼女は陽麻莉。こいつは上島と言います。俺の友達です」
ご丁寧にわかりやすく説明する。流石に状況を把握してくれるだろう。こいつらも名前を呼ばれるたびに、よろしく、と愛想よく挨拶をする。

バシッ

「「えっ?」」
勢いよく窓を開けて、いよりは家に戻っていった。
突然のことに、四人とも固まっていた。
「え?い、いより?」
ナニゴトカ?
猛スピードで頭脳をフル回転させる。
もしかして……逃げるほど、コミュニケーションが苦手といういよりにとっては嫌だったのか?
なかなか戻ってこない。
瞬間、状況を説明する、ひとつの式が浮かび上がる。

無言+逃げる=「もう、瀬ノくんなんて、大っ嫌い!!」

「俺……嫌われた?」

誰にも届かない心のなかで、情けない悲鳴をあげた。

Re: 僕の声は君だけに。作者から。 ( No.49 )
日時: 2018/07/26 22:43
名前: ゆず

こんにちは、こんばんは、おはよう!!

最近、中学校の方が忙しいんだよなぁ。(あっ。受験生だ)
でも、小説書くのも考えるのも楽しいので、頑張っていきます!!

そして、「僕の声は君だけに」は、
夏中心の恋物語です。つまりは青春!!
今の時期にぴったり~だと思います!!
遠いかもしれないけれど、『夏祭り』のシーンがあるので、楽しみにしていてくれたらなぁと思います。

今後も、感想、またはコメントを待っています!
こんなシーン出して欲しいなぁってのも、嬉しいです。

夏の暑さを吹き飛ばす一言。


夏だぁぁぁぁぁぁああああああ!!!


Re: 僕の声は君だけに。 ( No.50 )
日時: 2018/08/17 19:12
名前: ゆず

「だ、大丈夫か?瀬ノ……」

隣に並ぶ、上島とゆうは瀬ノの落ち込み具合から、心配せずにはいられなかった。
瀬ノは心の声丸出しだった。
逃げるほどコミュニケーションが、とか、嫌われた、とか。
どんよりとしたオーラが全体を包み、このまま放っておけば、飛び降り自殺でもしてしまいそうなほどだ。
(そこまで、彼女のことが好きだったのかねぇ……)

驚きを超えて、半笑いの状況だった。
学校ではかなりモテる瀬ノだが、瀬ノ自身の恋話は聞いたことがない。
そんな瀬ノをここまでにするなんて、どんな女の子なのか興味がある。

いつもはからかうゆうや上島のやつも、全力と言えるくらい励ましの言葉をかけていた。
「大丈夫だって、瀬ノ!お前は悪くない!」
「そそそそうだよ!あの子は瀬のっちのことがちゃんとわかってないんだよ!」
「あぁ。瀬ノには俺たちがいる!」
「たとえ、あの子に嫌われようと!」

ゆう。それは言わないであげて。
瀬ノは何かに刺されたかのように、大きく体を揺らす。
その刹那…。
今まで動かなかった瀬ノがプルプルと震えだし、その背中には真っ赤なオーラが溢れ出した。
そして、耐えられなくなったように爆発。
「絶対、お前らのせいだろうがぁぁぁぁぁぁああ!!」


*********

投稿50突破!!
閲覧800いきましたぁぁぁぁぁぁああ!!
イェーイ!!!

夏はこれから!そして、瀬ノといよりの恋もこれからです。
夏休みに起こった、不思議な出会い。でも、それは恋の始まり。
「僕の声が君だけに」!
これからも頑張りますので、よろしくお願いします。


Re: 僕の声は君だけに。 ( No.51 )
日時: 2018/07/16 20:32
名前: ゆず

叫んだかと思うと、瀬ノの目には涙が溜まっていた。
半泣き。
リスのようにほっぺを膨らませて怒っているようだ。
瀬ノには悪いが……かわいい……。

(しかし)
こんなにも瀬ノが感情的になるなんて初めてだった。
怒ったりはするが声を荒げることはなく、からかったり、隠していたりする。本人言わく「めんどくさい、どうしようもないだろ?」とのことだ。
でも、今はどうだろうか。
拳を握りしめて、叫んでいる。いや、別に可愛いからいいんだけど。
こんなにも思ってもらえるなんて、彼女が羨ましいな。

もしかしたら……聞こえてなかったのか?
「もういい、帰ろうぜ!」
瀬ノは振り返り、道路を渡ろうとする。
「待って、瀬ノ。あの子が……」

ガラガラ

再び、ドアが開く音がする。
あの子の家からだ。
皆んなが振り向くと、あの子が両手いっぱいでボールを抱えていた。
ボールの中には、氷がぎっしりと詰め込まれていており、上に手作り感満載の溶けかけた棒アイスが乗っていた。
「ごめん……また、せた」
瀬ノは目はまるでありえないものを見たように大きく見開いていた。
しばらく、固まってきて、意識が戻ったようにバタバタ混乱し始める。
「え?なな何で?帰ったと思ったのに……」
「待ってて……言った」
「いよりさん?」
「言った……!」
彼女の声が強くなると瀬ノは必死に誤っていた。彼女も瀬ノ同様、ほっぺを膨らませていた。
先ほどまで怒って半泣き状態だった瀬ノは、いつのまにか満面な笑顔だった。
これも、今まででは考えられないほどの笑顔だ。

音楽を心から楽しんでいたあの頃と同じ。
一瞬で変わった。
いつもはクールぶっている瀬ノの表情は彼女に関わると、コロコロと変わっていく。
これも__恋、なのだろうか……。

今までになく嬉しかった。
理由も分からず、突然と閉ざした音楽。変わってしまった瀬ノの冷たい心を、彼女は溶かそうとしている。
きっと、すぐに瀬ノの笑顔は音楽と共に戻ってくる。
ありがとう。
そう、心から言える。

__でも、それは本当?

自分ではわからない。
いや、わかっているけど隠しているだけかもしれない。
嬉しい反面、私の表情は強張っている。
彼女に夢中な瀬ノやゆう、上島は気づいていない。
信じたくない。でも、どこか彼女を憎んでいる自分がいた。

Re: 僕の声は君だけに。 ( No.52 )
日時: 2018/07/23 14:02
名前: ゆず

いつにも増して、俺の心臓は高鳴っている。
さっきまでは胸が張り裂けそうなくらい苦しくて、抑えきれないほど切なく悲しい気持ちに襲われた。
まるで、今まで大事にしていたものが壊れてしまったように、俺の心は何かが欠けた。
でも、今は違う。

自分の表情が優しくなるのが分かる。欠けたものを取り戻すかのように、また暖かい何かで満たされていく。
心のどこかでほっとしている自分がいる。
また、何かだ。その、何か。
俺には何かの感情が欠けていた。でも、再び彼女がその感情を作ろうとしている。
目の前にいる彼女が__いよりが。
ほほを膨らませ顔を真っ赤にして怒って見せているいよりが。


もう、可愛く見えて仕方ない。


今までにはなかった感情。
どこか胸がぎゅっと小さくなれば、温かい。いつもの自分とは違い、抑えきれずに溢れ出す。
喜びでもなければ、楽しさでもない。
何かが違う。
でも、何が違う?
わからない。知らない。むずがゆい衝動が全身を走る。
それでいい。今は、それでいいと思う。
無理に思い出すような、感情ではないと思うから。
今は。今はまだ。
また新しく彼女の表情が見れたから。
この気持ちの理由はそれだけでいい。


_なんて、悠長なことはしていられなかった。
どうにかして彼女の怒りを収めなければいけない。そうしないと、今度こそ嫌われてしまう。
俺は焦っていた……。
今日はよく感情が変わる日だ。
「ご、ごめんいより。わざとじゃないんだ。聞こえなかっただけ!だから」
「……ほんとに?……」
「うん、本当!」
彼女の口から「むぅ」と不安が漏れる。
「……じゃあ、許す」

彼女の言葉は時々、上目線になる。不安が残ったままの時とかに。
それでも許してくれたって事は、少しは信頼してくれてるって、思ってもいいのかな。
「何で、今……にやっとしたの?」
鋭い視線に返す言葉なく、笑ってごまかす。
何の予兆もなく、彼女は俺たち全員に告げた。

「ここ……暑い、から。家の中……どうぞ」


******
閲覧860人突破!!ありがとうございます!
なんか早くない?嬉しいなぁ( ´∀`)
愛おしいなんて感情を知らない、考えたこともない、主人公_瀬ノの初々しい恋を書こうとしているのだけれど……。
うまく表現できているかな?

まぁね、私も夏休みに入ったから、小説バンバン考えます!

Re: 僕の声は君だけに。 ( No.53 )
日時: 2018/07/26 18:30
名前: ゆず

「え、失礼しまーす……」

遠慮がちになってしまう声。当たり前だ。初めていよりの家に入るのだから。
「暑いから、ここやだ」と言い、いよりは俺たちを家に招いた。
リビングルームは玄関を入ってすぐの左のドアのようで、ドアを横に押して開ける、どちらかといえば古い方の家だった。
「あ……自由に座って。お茶入れる、よ」
ハッとしたように駆け足で奥の台所に向かう。
「手伝うよ!」
その背中をゆうが追いかける。
(焦らなくていいのに)
でも、これでゆうと話すきっかけになるかもしれない。そう思うと、笑みをこぼしてしまった。
「どうしたんだよ、瀬ノ。女の子の部屋来て笑うなんて。気持ち悪い」
「誤解を招くことを言うな」
机のそばに座る。
机と言っても、ちゃぶ台のような椅子のない机。

いよりの家は殺風景な部屋だった。
殺風景というよりかは、物が少なく、生活しているのかさえも、見られない。
テレビ、エアコン、冷蔵庫、机。
生活するには欠かせないものだが、誰かが使った後が全くない。

でも、その中にひとつだけ女の子らしい部分があった。
小さくはあるが、テレビ台の上にひとつ。
棚の上にひとつ。机の上にひとつ

__ピンクのクマのぬいぐるみ。

「はーい!いよりんが入れてくれた冷たいお茶だよー!」
ゆうはお盆に乗せたお茶を運び、いよりの手には先程見たアイスがあった。
それよりも目に入ったのは、いよりの迷いながらも楽しそうな笑顔だった。
「いより。お母さんの友達って人は?」
「えっと」と迷っている。
「高校の先生で、多分学校にいる」
だから、いないのか。
これで大体予想がつく。
家にいる時が短いその人は家の家具などはあまり興味がなく、生活ができる程度でよかった。それを見たいよりがどうにか殺風景な部屋を変えようとして、ピンクのクマのぬいぐるみを置いたんだろうな。

かわいい。
(高校生でクマのぬいぐるみなんて反則じゃん……)
真っ赤になりかけた顔を必死につねり、心配されながらも言い訳できない状況にはならずに済んだ。