ダーク・ファンタジー小説

今日も少女は夢を見る。
日時: 2015/04/26 14:12
名前: ばなな

初めましての方ははじめましてー、そうでない方はお久しぶりでございます。
昔考えていたお話なんですけど、せっかくだから投稿しようかなっていう軽い気持ちで書いていくので、至らぬ点も多々あるかとは思いますが、どうか優しく見守ってくださりますようお願い致します。

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Re: 今日も少女は夢を見る。 ( No.1 )
日時: 2015/04/26 14:43
名前: ばなな

今日の夢は海の中で泳ぐ夢だった。きらきらと輝く海はとても綺麗で、
一緒に泳いでいた魚たちもまた、美しかった。
小さな者に大きな者、名前はわからなかったけれど、とにかく楽しかった。

私は幼い頃から、見たい夢を見ることができた。
¨空を飛びたい¨と願えば、飛ぶことができた。夢の中でだけれど。
夢中になって、毎晩のように夢を見たのを今でも覚えている。


ある日、母親から告げられた。
「私たちは夢を操る魔女なのよ。」と。
人々に夢を見せるのが仕事。ただし、夢を見るのはそのぶん寿命を使うから、心から夢を見たいと願っている人にしか魔法を使ってはいけないということを。
母に尋ねた。
「どうして私に夢を見させてくれるの。」と。
母は驚いた様子で、
「あなた、無意識のうちに自分に魔法をかけてしまっていたのね。ああ、なんてこと。」
と嘆いた。それから真剣な眼差しでこう言った。
「あなたには素質があるわ。でも、今のように毎晩夢を見続けてしまっては長くはもたないわ。だから、これをお飲みなさい。」
手渡されたのは薄い桃色の液体。これがなんなのかはまだ、幼かった私にはわからなかったけれど、今の私に必要だということは理解した。
すこし含んで、飲み込めば、甘い匂いが立ち込めて、私の意識は微睡みの中へと落ちていった。

目を開ければ、小さな机に、椅子。すこし古いクローゼットにランプ。
紛れもない私の部屋だ。だが、今日は何かおかしい感じがするのだ。
それはきっと、夢をみなかったから。いつものように満ち足りた目覚めではなかったからだと悟った。
明くる日も明くる日も、私が夢をみることはなかった。

Re: 今日も少女は夢を見る。 ( No.2 )
日時: 2015/06/21 18:06
名前: ばなな

夢が見られない。それはもう絶望でしかなかった。
このままではもう夢を見られないかもしれない。なんとかしなければ...


薄暗い階段を、慎重に下っていく。コツン、コツン。足音が響く。
「着いた..」
家の地下にある、小さな書庫。昔祖母が集めたものを中心としている為、見るからに古いものが多い。わたしはひとつひとつ本を手に取っていった。
これじゃない、これじゃないと呟きながら。
「あった...」
1時間ほど経って、ようやく見つけた、本。
母親に渡された薬はおそらく、魔力を低下させる呪術のかかった薬だ。だから解呪の本を探していた。サッと本を開き、読む。
「これは...」


内容はとても簡単だった。だが問題は、薬に使う材料のひとつがもうこの時代にはないことだろう。
「どうしたものかしら。」
ため息をついたところで何も変わりはしない。が、思い出した。
そういえば昔、亡くなったおば様から似たようなものをもらったような。
ベッドの下にしまってあった小瓶をとりだす。
「これだわ...!」
材料は全て揃っていたのだ。数多の、偶然によって。



解呪に必要な材料を煮込んで、3日経てば薬が出来た。
躊躇いなく全部飲み干すと、突然押し寄せた睡魔におそわれて、私はひさしぶりに、夢を、みた。


血を流している、祖母に母。この夢はいったいなんなのだろう。今の私には、わからなかった。



数年経ち、すっかり大人びた容姿になった私は近くの街へでかけた。
「気を付けなさいね。このごろ魔女狩りがはじまっている。処刑された多くは魔女ではなく人間だが..」
と祖母に出掛ける前に言われていたので、すこし街を見て帰ることにした。
ヒュッと強い風が吹いた。
「あっ。」
被っていた帽子がふわりと飛んでしまった。
すると、
「どうぞ、おじょうさん。」
と近くに居た青年が帽子を拾って渡してくれた。
「すみません..ありがとうございます。」と礼を言えば、青年はにこっと微笑んで、去っていった。

「素敵なお方だったわ。」
わたしは、そう呟いたのだった。



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