ダーク・ファンタジー小説

白い髪と真紅の瞳
日時: 2015/10/18 17:21
名前: 宙陽

僕は貴族という裕福の名を名乗ってきた。…いや、名乗らされてきたのだ。半年前に両親が病気で死んで、僕は独り残された。正直、執事だの、メイドだの、金だのに囲まれた生活に嫌気の差す日々の連続だった。以来僕は彼等を一人残らずここから追放した。外から入ってくる金も、大分減った。街での物の買い方を知ったのも、つい最近になっての事だ。料理にしろ掃除にしろ、そのくらいの事、僕にだってできる。

月光が空を満たす夜、僕は外に出たくなり、扉を開いて地べたを歩き始めた。月光だけが輝く、支配する闇夜の静寂に沈む世界…。
そんな事を思いながら、休みもせずただ歩いていた。気付けば大分先にまで来てしまっていたようだ。…もう遅いし、そろそろ引き換えそう。目の前の光景に背を向け、自分の家に向かおうとしたその時だった。僕の視界の横に何かが映った。そこへ振り向くと、少し離れた所に月の薄明かりに照らされた何かがあった。何かと思い近づいて見ると、それは地に横たわる人間のようだった。その姿、身体には一枚の布が被さっていた。そして背中を覆い、地にも垂れ下がる髪…。見る限り、二十歳になろうとしている僕より4,5歳小さい女の子だ。
布を外してその姿をはっきりと見ようと思ったが、し始めた瞬間取り止めた。
…彼女の身には何も纏われていないのだから。
生きているのか死んでいるのかは分からないが、僕は布が剥がれぬようそっと彼女を抱えあげ、家へと向かって行った。

そして家に着いた後、彼女を母親の寝室だった部屋のベッドの上に寝かせた。僕はその隣で椅子に座り、様子を見ることにした。数分の間彼女を見つめていたが、徐々に瞼が重くなり、眠りに落ちてしまった。

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