ダーク・ファンタジー小説

純白のサスペスト
日時: 2016/03/09 00:35
名前: いんばーす

一章 純白のサスランス
一話 大男

「サスランス・ショルディニスタ。17歳。身長173.6cm、体重60.8kg。暴行による投獄、4回目...」
「ははは、あまりにも喧嘩が強すぎてそこらのヤクザをワンパンとか書いてるぞ。ヤクザをこの街から潰してくれていることには感謝するがなあ...」
「おい、オッサン。俺はいつ釈放されんだよ。さっさとこのくっせえとこから出してくれ。」
「サスランスとか言ったか。落ち着けよ、お前は本日釈放されるさ。」
「そいつはいいニュースだな。」
1965年11月、R国、インダール州、ディルバド。平穏なこの街は、今日も高度経済成長期真っ只中で、人々は職場へと向かっていく。
平穏なこの街の唯一の不良集団のリーダー、サスランスは今日釈放されるところだった。
この釈放される日にち、時刻、天気どころか空気中の酸素の多さすらまでも、この地球ができたときからずっと運命として決まっていたかのように、あの事件に遭遇する運命にあることもまだ知らずに、サスランスは釈放されたのだった。

サスランスは家に帰ってきて、母親の心配を気にかけず、2階にある自分の部屋へ行った。
ショルディニスタ家は決して裕福な家庭とは言えなかった。父親は自分が生まれて9か月後、トラックに跳ねられ死亡した。6つ上の兄は3年前にR国中心地の大都会へ出稼ぎに行くと言ったっきり、どこにいるかもわかっていない。母親が言うには、「サスランスには、双子の弟がいたんだよ」と聞くが、自分が11歳の時に突然消えたらしい。奇妙なことにサスランス自身は、その話を15歳の時に聞くまで、双子の弟という存在があったことを知らなかった。4歳の時に大都会へ家族でい行って迷子になったことも鮮明に覚えているのに、その弟の存在すらも忘れていた。姉は現在、母と友に生活を支えている。

サスランスは、どこへ行くとも言わず、ひょいと家を出て、平穏な街をふらふら歩いていた、不良集団は今日は集合はない。なにもすることがないのだ。
平穏な街並みだった。
次の瞬間、目の前に身長190あろうかと言わんばかりの大男が突如目の前に出てきた。さっきまでは目の前にそんな大男はいなかったはずだ。逆光であまり顔が見えなかったが...
大男は自分の方へ近寄ってくる。サスランスは震えて動けなかった。不良のくせして臆病である。
近寄ってきた男はこう訪ねる。
「サスランスという男を知っているかね?この街にいて、不良として有名と聞くが...」
サスランス、この街にいる、不良として有名...
該当する人物は大男の目の前にいた。この震えて動けない臆病者である。
どうせ嘘をついても意味はないだろうとサスランスは思い、話す。
「その男なら知っている。お前の目の前にいるぜ。」と答えた。
大男は、「そうか、君がサスランスとやらか...」と、なにかを考えているように返答した。
「少し話がある。私は決して怪しいものではないから、そこらのカフェかどこかで少し話がしたい。金は私がだそう。構わないか?」
構わないけど、目の前に忽然と現れた大男に、決して怪しいものではないと言われても、説得力皆無である。別に暇で断る理由もないし、カフェを案内して、連れていった。男は日本人のような顔立ちだった。

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