ダーク・ファンタジー小説

DIARY
日時: 2017/10/22 20:42
名前: 己鳥  

己鳥(なとり)です 頑張ります!


 父ウィリスが隠していた日記を見つけたマイク•レッドボーン。 「Veronica's Diary(ヴェロニカの日記)」を読んでしまったため、殺人鬼であり吸血鬼の「ヴェロニカ」に追われる羽目に……
 

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Re: DIARY ( No.10 )
日時: 2017/11/28 21:45
名前: 己鳥  



 「ぐぬぬぬ…」


 動かした、というほど動いては
いないが、これでよかったらしい。
 少しだけだが、動いている。
 にしても重い。重すぎる。
 俺を閉じ込めた時はどうしたんだ?
 この扉の仕組みがわからないだろう、
とバカにされていた気がして腹がたった。


 「痛てっ」


 鉄格子から針のような物が出ていた
らしい。見事に刺さってしまった。


 「何でこんな所に針が…」


 すると、ゴウン、ゴウンと鈍い音が
響いた。今まで少ししか動かなかった
扉が、まるで自動ドアのように動き
始めた。







 ヴェロニカがいるであろう「洋館」に
行くことは簡単ではないことを思い
だした。


 果たして現れてくれるだろうか。

 ヴェロニカとはまた違う…。そう、
何というか…。
 とりあえず、人がいない森に来た。
「奴」の考えていることはわからない。

 「洋館」を人の様に扱ってしまうのも、仕方がないことだ。

 「洋館」は生きている。

 今までに2回見たが、外観は変わら
ないらしい。中は違う。現れる場所も。

 洋館は「人間ではない奴」を
引きつけている。
 特にヴェロニカとの相性が良い。
マイクのことを気にいっていなければ、
助けだすことは難しい。


 ずっと降っていた雨が弱くなった
のが感じられる。


 「洋館」は俺が嫌いらしい。

 さて、早くヴェロニカを殺して
マイクを連れて帰ろう。


 洋館は、もとからそこに建っていた
ような雰囲気でウィリスを迎えた。

 ウィリスの「昔」の血が騒いだ。

Re: DIARY ( No.11 )
日時: 2017/12/04 20:26
名前: 己鳥  





 [ 6 ]





 「びっくりした……」


 あんなに苦労して、開けようとして
扉が、こんなにもあっけなく開いて
しまってショックだ。
 
 今思ったが、誰かと鉢合わせたら
殺されないか?
 何か強い武器があったらいいな。
なんてことを考えながら、そっと出る。


 「?」


 出る?どこから。

 どこへ?


 「???」


 あれ? いきなり暗くなった。
何もない。見えない。

 何も見えない。

 暗闇が、マイクの心の奥底にある
不安を煽る。

 一歩、足を踏み出すと「カサッ」と
音がした。
なんというか、「草」を踏んだ感じ。
ほんのり甘い、良い匂いがする。
 マイクは、「何か」に触れようと
手を前にバタつかせた。その度に
匂いがしてくる。


 「何の匂いだ…?」


 歩くと、何かにつまずいて転んで
しまった。その瞬間、まばゆい光が
マイクの目を襲った。
 あまりの光に、目が取れてしまい
そうだ。そんなことはなく、すぐに
目は慣れる。

 辺りを見て、さっきまでの「匂い」
の正体がわかった。


 それは、「花」だ。

 どうしてなのかはわからないが、
俺は「とてもきれいな部屋」にいる。
 高級感あふれる家具が並ぶ中、
「花」が咲いている。

 普通なら、花瓶なんかにさす物だ
と思う。だけど違う。

 どちらかと言うと、壁や床から生え
ている気がする。なんでだ。


 それと。
 もう一つ問題が。

 それは、俺がつまずいた物は
「人の脚」だということ。


 マイクは驚きながらも、興味を
ひかれたのか、近くに寄った。

 脚の感じからして、女性だろう。
もう、なにがなんだかわからない
くらいに「草」と「花」に埋もれて
いた。
 葉っぱをかき分けると、白い
なめらかな腕が出てきた。
 脈はある。生きてはいる。


 「嘘だろ…」


 腕を触って気づいた。
 

 体から「植物」が生えている。

Re: DIARY ( No.12 )
日時: 2017/12/11 20:55
名前: 己鳥  



 扉に少し触れ、中に入った。
入ると「待っていた」かというように
明かりがつく。

 血生臭い。

 向かいの階段には、女が一人立って
いた。
 手にはチェーンソー。
 金色のポニーテール。熊のお面。

 ウィリスは女を視界にとらえると、
すぐに銃を3発打った。


 「出やがったか」


 女は銃弾をかわし、人間離れした
スピードでウィリスに向かって走り、
チェーンソーを振りかざした。


 「こいつッ…」


 かわすと同時にウィリスは女の
腰にナイフを突き刺した。
 素早く動き、距離をとる。


 「?」


 おかしい。ナイフに全く動じていない。
吸血鬼だろう?キツイはずだ。
 新種か?


 「う…」

 「!」


 女はうめき声をあげて、ナイフを取る。


 「…クソが!!痛ってェじゃねーか!」

 「早く殺ソウヨ」

 「ジャック…焦るなよ……」


 何だこいつは。

 まるで、他に誰かがいるみたい
じゃないか。とりあえず、さっさと
殺してしまおう。

 女はナイフを床に落とし、腰を少し
見てから、またチェーンソーを持って
ゆっくりと歩いてくる。

 ウィリスは今度は確実に頭を狙って
打った。
 歩いているくらいなら打ちやすい。
ウィリスが「しとめた」思った時、
女が立ち止まった。


 「?」


 銃弾が…頭をブチぬいていない…?

 すると女は少し後ろに下がって、
頭をヒョコっと動かした。


 「ナイスだジャック!!!」


 そう言った瞬間、止まっていた時が
動き始めたように銃弾が元のスピード
でとんでいった。

 
 「ふー…危ナい…」

 「つカレタ〜」


 何なんだ………。
 
 本当に吸血鬼か?ウィリスが少し
考えると、女は目の前まで迫ってきて
いた。


 「!!」


 かわせなっ……。
 チェーンソーが左腕に近づく。


 「くそっ!」


 ウィリスは腕にチェーンソーの
刃があたるのを承知で、もう1本の
ナイフを取り出す。






 「お?」


 首元が熱い。「ロイ」は首を触った。


 「マジか」


 切られてんじゃねぇか。
 今更、腰の傷が痛む。
 「大ジョウ夫?」と「フェイ」が
言う。大丈夫じゃねぇよ。
 俺たちの力が弱かったのか、この
女の体が弱いのか、それともこいつが
強いのか。よくわからねぇが、あきら
めた方がよさそうだ。
 この体とはサヨナラだ。








 かすっただけだがかなり痛い。
「銀のナイフ」だ。首を切ったのだ
から、もう死ぬだろう。

 女はフラフラと歩き、床に膝を
ついて、お面を取った。


 「またあとでな。レッドボーン」


 顔を上に向けて、大きく口を開けた
と思うと「青い光」が3つ出て消えて
いった。
 そして、バタリとうつぶせに
倒れると、血が辺りに広がった。


 「死んだか…?」


 ウィリスは銃をかまえたまま近より、
足で女の体をつついた。
 反応はなかった。用心には用心を、
と頭に1発打つと、愛する息子を
見つけるために再び足を動かした。

Re: DIARY ( No.13 )
日時: 2018/01/12 17:43
名前: 己鳥  


 彼女の体からは植物が生えていた。
茎を少し引っ張ると、皮膚も一緒に
引っ張られる。


 「なんで…」


 こんなことがあるのか?「すー、
すー」と息をする音が聞こえる。


 「お、おい。大丈夫か?」


 そう声をかけながら植物をかき
わけると、何だか少し見覚えのある
顔が見えた。
 黒髪。白い肌。
 俺が日記で見た「ヴェロニカ」と
そっくりだ。だけど…。


 「んー」


 彼女がモゾモゾとと動きだした
とたん、体から生えていた植物が
「シュル、シュル」と蛇のように
動く。
 挙げ句の果てに、何もなかったかの
ように消えてなくなった。
 あらわになった彼女の純白の
ワンピースに、マイクは心を奪われ
そうになった。
 ムクリと彼女が起きる。


 「あ…」


 開いた目は赤く、何かを秘めていた。


 「ここは…どこなの?」

 「え」


 思わず聞き返す。


 「あなたは誰?…なんだか私…」


 頭をかかえて、辺りをみわたす。
様子がおかしい。わからないのか?


 「ねぇ、何で私はここに?私、
 何もわからないの…。何も…
 わからない……」


 混乱している様子の彼女をなだめ
るように、マイクは近づいた。


 「名前は?名前は…わかるのか?」


 すると、彼女ははっとしたように
マイクを見て言った。


 「ヴェロニカ。ヴェロニカ・メイ
 ウッドよ…」

 「!」

 「どうして名前だけ、はっきり頭
 の中にあるのかしら…? ごめん
 なさい、これ以上は…よくわから
 ないの」


 今なんて。ヴェロニカって。いや
それは予想どうりだった。それより
気になるのは


 「俺の父さんを殺す予定は…?」


 肌寒いのか、腕をさすりながら
ヴェロニカはキョトンという顔で
「どうしてそんなことを?…」と
マイクに聞いた。


 「もしかして、私のこと知ってるの?」

 「あ、えっと……」


 ヴェロニカはマイクをじっと見て
いたが、少しの間の後しっかりと
した表情で言った。


 「とりあえず、ここからでるわ」

 「えっ」

 「あなたも望んでここにいるわけ
 じゃないでしょう?ただ、…そんな
 気がしただけなんだけど。ね?」

 「そうだな…」


 記憶がないのか。これがいわゆる
記憶喪失ってやつか…。あの体から
生えていた植物のせいだったりして。
よくわからないな。
 ドアノブを回しながら、ヴェロニカ
は言った。


 「そういば、あなたの名前を聞いて
 いなかったわ。聞いてもいい?」


 ガチャガチャと力強く回す。明るい
声で、こっちを見ずに。


 「マイク」


 今度はこっちを見たので、思わず
ドキッとしてしまった。


 「そう、マイク。…なんでこんな
 ところにいるのかはわからないけど、
 これも何かの縁だと思うわ。絶対に
 でましょうね」

 「…ああ」


 雰囲気が違いすぎる。日記で見た
ヴェロニカとまるで違う。おそらく
記憶がないせいかもしれないが、表情
も笑顔も、日記のなかではほとんど
なかったものだらけだ。日記でみたこと
はただの人生のほんの一部かもしれない。
だけど…何かが抜けている。

 いいや、そんなことよりも。
 家に帰るんだ。早くここから出よう。

 ヴェロニカはドアから離れて、違う
場所を見る。


 「開かなかったのか?」


 ヴェロニカは少し困った顔をした。


 「ええ。鍵がかかっていたわ。さすが
 に力技でもどうにもならないのよ。
 なにか他の方法があるんじゃない
 か、って思って」


 言わせれてマイクもドアノブを回す。
ガチャガチャとと音がするだけで、
何もおこらない。ドンドンと体当たり
をするも変化なし。するとヴェロニカ
が、


 「日記って何?」


 といきなり話しかける。


 「へっ?」

 「だから、今言ったでしょう?
 日記をみつけろーなんてことを。
 何?あなたじゃない?」

 「お、俺じゃない。何もいってないし」

 「冗談でしょう?いきなり、誰か
 に話しかけられるなんてことあるの?」


 あきれたように言う。
 何だ……?

Re: DIARY ( No.14 )
日時: 2018/01/12 19:35
名前: 己鳥  


 「はっきりと聞こえたのよ…。
 日記を見つけろって。信じてちょう
 だい。あれ、あなた何か知ってるの?」


 たぶん見つけないといけない日記は…。


 「日記って、君の日記のことじゃ…
 ないのか?」


 沈黙。


 「私の日記…?どうしてそんな事が
 わかるの?やっぱり私の事、知って
 るのね」


 これは本当にヤバい。いろんな意味で。
日記のことも覚えてないとは。


 「ああ、俺は君のことを知っている。
 その…少しだけど。多分、日記は
 父さんの部屋にあると思うよ」

 「じゃあ、あなたのお父さんの部屋
 にいけば、その…私の日記が手に
 入るのね」

 「そうなる」


 ヴェロニカは納得したようで、また
出口を探し始めた。


 「出口なんて本当にあるのか?」

 「わからないわよ」


 ムスッと答えた。


 「でも…」

 「?」

 「たった今、思いついた方法があるわ」


 彼女は俺の前に来て、腕組みをした。


 「もしかしたら、あなたは死んで
 しまうかもしれないのだけど。OK?」

 「OKじゃない!」

 「なら、がんばって。口を動かす
 前に行動しなさい」


 そう言いながらマイクの胸をつついた。
 だれが「死ぬかもしれない」と言わ
れてOKする。ふと、思い、マイク
は恐る恐る「で、どうするつもり
だったの?」と聞くとヴェロニカは
笑いながら、「秘密よ」とだけ言った。

 気になってもやもやしながら、マイク
も家具を動かしたりした。いたって
変わったところはない。


 「痛いってば、なに?」


 ヴェロニカは一人でまた話す。


 「? ヴェロニカ?何かあったのか」


 マイクが振り向くと、そこには
誰もいなかった。冷や汗が出る。


 「ヴェロニカ?…」


 密室で人が消えるなんてことが
あるのか。いや、あるかもしれない。
記憶を失っているとはいえ、彼女は
人間じゃないのだから。


 「マイク」


 いきなり呼ばれて、心臓が跳ね上がる。


 「ヴェロニカ!!」


 驚くマイクを見て、ヴェロニカは
嬉しそうに言った。


 「こっちへ来て」


 そう言うと、マイクを壁の前に
立たした。


 「な、なぁ。なんでさっ」


 話かけるマイクを無視して、
ヴェロニカは「ドン」とマイクの
背中を押した。


 「うわっ」


 壁にぶつかって鈍い音をたてるかと
思ったマイクの体は、スルリと壁を
通り抜けた。


 「はぁ!?」


 マイクに続いてヴェロニカも壁を
通り抜けた。

 「そこ」は大きな屋敷のロビー?
みたいなところだった。真ん中には
2階につづく大きな階段。日記で
見た女神像。扉。


 「なん、だこれ…」


 階段の前には血だまりがあったが、
そんなことよりも、扉を見て「やっと
帰れる」という嬉しさが勝った。


 「どう?すごいでしょう。私が
 いなかったら、どうなっていたこと
 やら。それにしても…あんな壁が
 あるなんて。まるでファンタジーね」


 「ここからでましょう」とヴェロニカ
が言った。

 マイクは嬉しさの反面、不安でも
あった。俺を捕まえたのにこんなに
早く出ていかれていいのか?
 これは、罠なのか?本当にヴェロニカ
が…………。


 「うっ…」

 「マイク?」


 マイクはあまりの吐き気と息苦しさ
に耐えられず、その場に倒れこんで
しまった。 
 瞼が重くなってくる。


 「ヴェ…ニ、カ……」

 「マイク!どうしたの!扉はもう
 すぐそこよ!!」


 ヴェロニカは床にひざをついて、
マイクを抱きかかえた。


 「マイク!!」


 どうして私は…初めて会った子に
こんな感情を抱くのだろう。
 気付くと、頬が涙で濡れていた。


 「どうして私は何も覚えてないの!!」

 (日記を見つけて)

 「何」

 (日記を見つけて)


 ヴェロニカは声を張り上げた。


 「だから、日記って何なのよ!私
 が知るはずはいでしょう!!」


 声は続く。


 (日記はあなたの記憶。日記を、
 記憶を奪った奴から取り戻すのよ)

 「わからないわ……」

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