ダーク・ファンタジー小説

黄昏タナトス
日時: 2018/12/08 16:11
名前: おまさ  (masao1234@gmail.com

―――――2030年、6月28日、午後7時30分。――黄昏刻。


 これは、とある少年が出会ったある一つの噺。


彼をそこで待っていたのは、4人のクラスメートとある少女だった。



「君は、《彼女》に選ばれた」


****************
注意
・これは初投稿作品です。文章等拙いところがあると思いますが、温かい目でご覧頂けると幸いです。
・一部残酷な描写が見られます。

それでも良いという方は、どうぞ。

追伸

複雑・ファジーから再び投稿場所を戻しました。
内容は変えておりませんので、初めての方でもお楽しみ頂けると思います。

お知らせ

複雑・ファジーのスレッドは、本作品のコメント欄としてお使いください。皆様からの質問・感想など待ってまーす!



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二話:銃声と血の匂いと、何か ( No.3 )
日時: 2018/12/08 15:53
名前: おまさ  (masao1234@gmail.com

――銃声。血の匂い。殺ったか。

細めた目を恐る恐る開けると、そこには『何か』の残骸と驚きを隠せない二人の姿があった。
「なんでいきなり、乾君が実物の銃を…」
 隣の健一も怪訝な顔をしていた。そんな二人の反応に「分からん」と適当に流した後、さっきから訊こうと思っていた話題を振る。
「何でお前ら、ここにいるんだ?」
「…ったく、色々と訊きたいのはこっちだってのに」
「それはこっちの台詞だよ。‥まぁいっか。話を戻すけど、私たちも良く分からないんだよ。向こうでは電話をしていたんだけど、気付いたらいきなり」
「んで、二人で周り見渡してたら、コイツが俺達を襲ってきて」
 残骸を前に、健一がそうぼやく。晴が言っていた「向こう」というのは、この世界とは違う、現代日本がある現世のことだろうか。
 ――それはそうと、説明が息ピッタシの二人に達也は驚く。少しからかってやろう、と達也は顔を意地悪く歪めた。
「息ピッタシじゃん。‥‥お二人さん、お似合いだと思うぜ」
「なッ‥…!」
 二人は顔を真っ赤にした。なるほど、からかい甲斐のある奴らだ。
「ばッ…馬鹿言うなよ、お前ッ」
「い、乾君、やめてよ…」
 両者赤面しながらそっぽを向いた。やはりお似合いだ、と内心ニヤける。
 二人の様子を見つつ、脳裏にまた新たな疑問が浮かび上がってきた。
 ―――何故、自分の掌に拳銃が。
「‥…乾君?」
「…え?あ、悪い悪い、ちょっと考え事してた」
 そんなことを話す三人には見えていなかった。
――――今一度復活し、再び活動を再開しようとする、『何か』の姿が。

三話:エンドロールよりも赤い花を ( No.4 )
日時: 2018/12/08 15:55
名前: おまさ  (masao1234@gmail.com

「―――ッッ」
「!?」
 『何か』が呻き声を上げて復活―――否、違う。それだけではない。
「…分裂・・・してる?」
 最も恐れていたことが目の前で今、起こっている。達也は己の頬を伝うそれが、冷や汗だと分かった。そんな恐怖を必死で誤魔化すために、銃のトリガーを何度も引いた。銃声。鮮血。『何か』の叫び声。

「えッ」
突然、二人から声が上がる。銃で自分を護りながら、横目で二人を見ると、二人はそれぞれ物を持っていた。
――健一は剣を、晴は本を手にしていた。
 健一は、自分が得物を手にしたのだと分かると、目の前の怪物の右腕の部分を斬り落とした。
 晴はしばし戸惑っていた。何故、本なのだろう。そんな疑問が浮かんだに違いない。しばらく疑問符を浮かべた表情だった。が、本の文字に触れた瞬間、敵に火弾が七発命中した。自分のそれが魔法なのだと分かると、同じく戦闘に加わった。
「ていッ!」
 剣を振るう健一。彼の攻撃は自分や晴のものよりも効いている筈だ。――――だが何故だ。敵の数が減っていない。むしろ、開戦時よりも勢いが増している。
 まさか、こちらの攻撃速度よりも奴らの分裂速度の方が速いとでも言うのか。
 『数の暴力』という言葉を聞いた事がある。喧嘩はしたことが無かったから、正直半分馬鹿にしていた。その言葉の意味を実際に知ることになろうとは。


――――もう、ダメだ。

 一メートル先に対峙する奴らを目前に、心に芽生えてはいけない種の感情の波が、誘惑が、静かに押し寄せた。諦めることはしないと、幼少期に誓った。それももう、役目を終えようとしている。
 頭を振り、必死になってそれを忘れようとする。それでも、「できない」と心の奥底の自分が答える。
 だんだんと近づいてくる「死」の気配。横の二人には悪いが、人生のエンドロールが始まる。目を瞑ると同時に、カウントダウンが始まった。5、4、3、2、1。――――――――


「―――――」


 おかしい。待っている「ゼロ」のカウントが、いつまで経っても来ない。
 もう自分は死んでしまったのだろうか。…それとも神の悪戯でまだ生きているのか。

 ふと、瞑目していた目を開ける。
 ――気付けば、地には血飛沫が紅の花を咲かせた。目の前にいたはずの『何か』は完全に沈黙し、激戦を物語るオブジェと化した。



 『何か』がいたはずの場所に、一人の黒髪の少女が立っていた。
その、彼女が両手に握っている二本の刀には、まだ乾いていない血糊がついていた。


「―――――――――――ごめん、ギリギリだったね」
 彼女の声が、美しくも儚い月が浮かぶ夜空に響いて、消えた。

四話:オリド・リン ( No.5 )
日時: 2018/12/22 15:36
名前: おまさ  (masao1234@gmail.com

目の前に少女が着地するのを、達也達はただ音もなく見ていた。
 ―――三人がかりでも倒しきれなかった奴を、たった一撃で。その攻撃力は、喧嘩をしたことがない達也でも、高いものだとはっきり分かった。
 ただ、三人の絶句の理由はそこではない。
 少し短めの黒髪に、右目が隠れるような髪型。端麗な顔立ち。そして、どこか悲しげな黒瞳。それだけ特徴が揃えば思い当たる人物はただ一人。それは―――――――――。
「…織戸、さん…?」
 中々名前が思い出せない達也に代わり、声を出したのは晴だ。
「―間に合って良かった」
 どこか悲しげな声で彼女―――織戸霖(りん)は言った。彼女のことはよく知らない。知っている事といえば、彼女の家族があまり娘に関して興味がない、という噂くらいだ。一応クラスメートなのだが、休み時間は一人で読書をしているか、音楽を聴くかしている上に、少し話しかけ辛い雰囲気を持っているからである。故に、達也は霖と話した事は無い。
 だが、同じような雰囲気の声を聞いたことはある気がする。
 ―――――この世界に降り立つ直前だろうか。
「オイ、タツ、さっきから呼んでるんだが」
「ファッ!?」
 自分の世界に入っていて、健一の呼ばれていることに気付かなかった。思わず変な声を上げてしまい、恥ずかしく思った。
「な、なんだよ」
「俺ら何でここに転移されたんだろうな。あとさ、なんでお前は銃が出てきて、俺は剣なんだろう、って気になってさ」
「分からないって言ったろ?…そうだ、織戸、何か知らないか」
 と、霖に尋ねた。

――すると彼女の瞳が一瞬、何か迷っているように見えた。が、
「‥ごめん、転移のことはよく分からない」
と、いつもの調子で答えた。
「でも、武器が違うのは、その人との相性だと私は思う」
「なるほどな。じゃあ、ここは何処なんだ?」
「妙に馴れ馴れしいな、お前」
 健一のツッコミを無視して問う。
「…新聞の、『新世界発見』の記事を知ってる?」
 それくらいなら、新聞を読まない達也でも知っている。ネットニュースか何かに上がっていた、いわば「もう一つの現実」と呼ばれるものだ。…まさか。
「その世界は《世界(タナトス)》って呼ばれてて、私たちはその《世界》に……飲み込まれた」
 妙な空白があったが、達也はそれを気にしなかった。
なるほど、どうやらこの《世界》なるものでは、一応魔法的要素もあるらしい。達也の知っている異世界系ラノベのようなファンタジー感は今のところないが。
 ここで一つ新たな疑問をぶつける。

「織戸、何でそんなこと知ってんだ?」


―――――――瞬間、霖の瞳が大きく揺れた。



――――――。――――――――。――――――――。――――沈黙。

「‥何かごめん、いけない事聞いたか。今のは忘れてくれ」
 うん、と少し申し訳なさそうに霖はうなずいた。その後頭を上げると、その黒瞳でビルのずっと向こうを見ている。
「!!みんな、後ろへ下がって!」
――霖の警告に、早鐘が鳴る。とっさに体を後ろにずらす。―遅い。
そのまま、乾達也と三人は爆風に呑まれた。

五話:プレステビータ ( No.6 )
日時: 2018/12/16 14:45
名前: おまさ  (masao1234@gmail.com

そこに、二つの人影があった。
「命中を確認。‥ふぅ、何だったんだろ」
溜息をつくのは、特殊な金具で身を覆った人物だ。背中にはジェットパックのようなものを背負い、両肩にはミサイルがついた、SFなんかに出てきそうなヤツだ。
「誰でもいいよ。それより一体ここが何処なのかを知りたい」
そんなSFじみた装備で身を包んだ少女に傍らの少年は呟く。
「…ユート、暇」
「そんなこと言われたって、何もできないよ。大体、学校帰りに召喚されたんだから、カバンの中にゲームが入ってる訳じゃあるまいし」
 ユート、と呼ばれたその少年は、暇だと言ってくるその少女に少し呆れるようだった。そういった直後、彼女が急にカバンの中をゴソゴソし始めるものだから、少し驚いた。
「‥‥どやぁ」
「…何でそこにビータが入っているのか、僕には分かりかねるよ」
 得意げな顔でプレステビータを見せてくる彼女に苦笑した。
 ――――――――しかし、そんな和やかな時間は長くは続かない。
「!高速接近反応!西からだ、ユート!」
自身の装備に付いているセンサーの性能を開放し、少年に警笛を。その様子に、少年も頷きを返し、辺りを警戒する。
「距離100!80、68、52・・・・」
 アナウンスする。
「46、33、15!!――――――――あれ?」
少女は思わず首を傾げる。
「‥・反応が、消えた?何で」
 試しに周りを見渡してみると、あることに気付いた。
「ユート…?ユート!!何処!?」
少年の姿が無いのだ。


「――――――――お探しの人は、この人?」
「!?」
 そこに、今まで聞こえなかった第三者の声が混じる。自分の鼓動が速くなっていく。脳は警鐘を大音量で鳴らし、決して警戒態勢を解くのを許さない。
 声が聞こえた方向から出てきたのは、少年だ。――――――――――――――――否、もう一人いる。そこには、少年の首に刃を突きつけている少女がいた。
「――――織戸さん……?」


――そこには、黒髪の少女――織戸霖が立っていた。

作者から ( No.7 )
日時: 2019/01/05 14:44
名前: おまさ

・・・・すみません、もうちょっとだけ待ってて下さい。。。。。。

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