ダーク・ファンタジー小説

転生少女は愛を願う
日時: 2018/12/26 15:13
名前: ダークネス

ただ、愛して欲しかった。
ただ、抱きしめて欲しかった。
名前を呼んで欲しかった。
私を見て、笑って欲しかった。
ただ、それだけだった・・・

愛を知らず、虐待を受け続けていた少女は、神様の気まぐれにより異世界へ転生する。
そして転生した先で待っていたのは、個性豊かで心優しい『家族』。
愛を知らない彼女は、新しい家族に愛されながら第二の人生を歩み始める。



こんな私だけど、どうか・・・どうか、愛してください。

【キャラクター紹介】
家名 ハリストン
  王家の血筋。公爵家。

父 フェイル(9/3)
  騎士団団長。先代国王の甥。熱血で、某有名テニスプレイヤーを彷彿とさせる。気が動転している時や混乱状態になった時は次男のケイルに殴ってもらっている(理由・殴られた時の痛みで目が覚めるから)

母 リリー(5/7)
  伯爵家の次女。お城でのダンスパーティーの際フェイルに見初められ結婚。天然で抜けているところがある。ネガティブな所あり。

長男 レオン(11/11)
  魔法、剣、学力、全てにおいてトップクラス。優しく物腰が軟らかで女性に人気がある。

次男 ケイル(8/6)
  騎士。子供が好きなのだが、強面のため女性や子供に逃げられてしまう。そのため、自分から逃げないアリスに必要以上に構う。

三男 スカイ(5/10)
  幼少期に強大な魔力のせいで魔力暴走を起こし、外見の成長が10歳前半で止まってしまっている。アリスを着飾らせるのが好きで、よく街に出かけては服やアクセサリーを買い与える。

四男 シェザード(12/24)
  魔眼を持っており、相手の魔力を『視る』ことが出来る。また、その魔力の乱れにより感情を感じ取ることも出来る。魔力を同調させると、心を覗くことも可能。体調の善し悪しも多少はわかる。また、『呪声(じゅせい)』と呼ばれる特殊な声を使える。シスコン、ブラコンをこじらせている。

五男 ルース(12/24)
  極度の心配性。いつも自信がなくおどおどしている。しかし魔法の腕はピカイチで、学園卒業後宮廷魔導師になることが約束されている。妹のことが心配すぎて魔法でつくりあげた現代で言う盗聴器を作ってしまった。(ケイルに握りつぶされ鉄拳制裁をくらいました)

長女 アリス(4/2)
  異世界から転生してきた女の子。前世の記憶を保持している。前世ではひどい虐待を受けており、人に対して強い恐怖心を持っている。

【その他】
不定期更新になります。
別サイトで掲載しているものですが、こちらのサイトの方が感想やアドバイスを多く貰えるのでこちらに掲載致します。元々掲載している方のサイトを更新したらこちらも更新致します。
出来たらでいいので、感想やアドバイスをください。
不定期ではありますが、頑張って完結までも出ていけるように頑張りますので、よろしくお願いします。
現在ネタ不足なので、もし宜しければ『こんな話を読んでみたい』などといったコメントをいただけるとさいわいです。


【目次】
>>1 プロローグ
>>2 新しい世界へ
>>3 触れる愛情
>>4 『少女』と『家族』(シェザードside)
>>5 かくれんぼ
>>6 僕の『妹』
>>7 『ネズミのパーティ』
>>8 召喚魔法
>>9 閑話休題・お父さんは娘とお話がしたい(フェイルside)

Page:1 2



かくれんぼ ( No.5 )
日時: 2018/12/26 14:32
名前: ダークネス

 誰も、私を見てくれない。
 誰も、私を見つけてくれない。
 例えば私がいなくなったとして、心配してくれる人、探してくれる人、私を見つけてくれる人は、きっとどこにもいやしない。
 それは、私独りのかくれんぼ。

 ねぇ、ねぇ、鬼さん。
『もう、いいよ』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「アリス、みーつけた!」

 高らかな声で、誰かがそんなことを言う。
 ふと目を覚ますと、隙間からこちらを覗き込む、澄んだ空のような青がそこにあった。

「・・・スカイ兄しゃま?」

「そうだよー、スカイ兄様がお迎えに来たよー。さぁ、ベッドの下になんて隠れていないで、出ておいで。ごはんの時間だよ。かくれんぼは、もう終わり」

「はい・・・」

 私は言われた通り、もそもそとベッドの下から這い出ると、髪や服に着いたかすかな埃を取り払う。
 スカイ兄様も自分の髪の毛に着いたごみを払い、私を軽々と抱き上げる。

「アリスはかくれんぼが好きなんだねぇ。目を離すとすぐに隠れちゃって・・・最初はすごくびっくりしたんだよ?ルースなんて、失神しちゃったんだから」

「・・・ごめんなさい」

「あー・・・責めてるわけではないから、謝らなくていいよ。それに、アリスはまだ三歳になる前で、遊びたい盛りの年頃だってことは、皆よくわかってるから。そんなに落ち込んだ顔をしないの」

 そう言ってスカイ兄様は、私の頭を優しく撫でてくれる。
 ・・・違う。違うの、スカイ兄様。
 確かに、何も言わずに隠れて皆を驚かせてしまったことは、申し訳ないと思ってる。でも、いま謝ったのは、そこじゃないの。私が謝ったのは・・・スカイ兄様の言った、「かくれんぼが好き」というところなんだ。
 私は、かくれんぼが好きなんじゃない。ただ、自己満足のためだけに、皆を巻き込んでるだけなの。
 最初は、ただ前世のころに染み付いた癖が出ただけだった。
 前世では、視界に入っただけで嫌な顔をされたから・・・嫌われたくなくて、怒られたくなくて、反射的に体が動いただけだった。
 そうしたら、皆が急に慌てだして、血相を変えてお屋敷の中を行き来しだして。なんだろうって思ったら・・・みんな、私のことを探していたらしくて。私がケイル兄様に抱えられてリビングに戻った時は、涙で顔をぐしゃぐしゃにした父様と顔色の悪いルース兄様に抱きしめられ、レオン兄様に注意をされた。
 その時初めて、私はこの家で必要とされているんだと実感することができた。
 皆の愛情を疑っていたわけではない。ただ、父様も兄様たちもみんなすごい人なのに、私なんかが本当にいてもいいのかわからなかった。何もできない、何も持っていない私が、同じ『ハリストン』を名乗っていいのか。それが、ひどく不安だったのだ。
 でも、皆が私を探してくれて、心配してくれて、私は『アリス・ハリストン』を認めてもらえた気がしたのだ。
 それ以来、私は『かくれんぼ』と称してよく物陰に隠れるようになった。
 皆がまだ私を必要としてくれているのか、ちゃんと探してくれるのかを見るために。
 ただそれだけのために、私はこうして『かくれんぼ』をする。
 それが、どれだけ迷惑をかけているのかを知っていながら・・・
 ──ごめんなさい、兄様。こんな私の身勝手に付き合わせてしまって・・・でも、こうしないと私は・・・私は・・・
 決して口にすることのできない謝罪と言い訳を心に浮かべる。すると不意に立ち止まったスカイ兄様が、私の額に優しく口付けをした。

「・・・ねぇ、アリス。もしも、もしもアリスが、どこか遠くへいなくなってしまったらの話なんだけど・・・」

「・・・え?」

 突然の話に理解が追い付かず、思わず間抜けな声を漏らしてしまう。
 スカイ兄様はただにっこりと微笑むと、その続きを話し始めた。

「こんなにかわいくて大切な妹がいなくなっちゃったら、心配するのはもちろんのこと、アリスが見つかるまで徹底的に、草の根を分けて全力で探すよ。たとえそこが炎の中でも、水の中でも・・・魔界だったとしても。必ず見つけ出して、君を抱きしめてあげる。だから・・・もう、泣かなくていいんだよ」

 優しく優しく紡がれた言葉。それは私の胸に滲みわたり、暖かなものとなって心を包む。
 その言葉は、私がずっと欲していたものの一つであり、どれだけ望んでも手に入ることのなかったものの一つでもあった。
 私は、この世界で必要とされている。ちゃんと私を見てくれて、いなくなっても見つけてくれる人がいる。
 なんて・・・なんて素敵なことなんだろう。
 私は、浮かべなれない笑顔を浮かべ、拙い口調で礼を言う。

「スカイ兄しゃま、ありがとうございます」

「・・・?ふふっ。どういたしまして?」





 ねぇ、ねぇ、鬼さん。
『みーつけた!』



───────────────────────
かなりの時間をかけたくせに、中身の薄い内容となってしまいました。申し訳ございません。
今回は三歳になる少し前のアリスちゃんのお話となっております。あんまりそれっぽさはないですが・・・
ちなみに最初の『もう、いいよ』は、かくれんぼの掛け声とあきらめの声をかけたつもりです。もう隠れたから、探しに来てという意味と、どうせ誰も探してくれないのならもういいやという意味があります。
そして最後の『みーつけた!』は、兄様たちの声だとお考え下さい。
次の話はスカイ兄様視点となります。なるべく早く更新いたしますので、お待ちください。
ここで行う次回予告に予定と入ってる場合は本当に予定なので、変更する可能性があります。ご了承ください。
それでは、また次回お会いいたしましょう。

僕の『妹』 ( No.6 )
日時: 2018/12/26 14:34
名前: ダークネス

 先日、僕達五兄弟に妹ができた。名前はアリス。
 アリスは母によく似た銀の髪が薄らと生えていて、涙で潤む瞳はルビーのように紅く美しく、新雪の如き肌は柔らかく頬だけが淡く染っている。その姿は天使そのものだと言っても過言ではないほど可愛く美しかった。
 僕には弟が二人もいるけれど、妹は初めて。だから僕は、両親が思わず止めに入る程にアリスを可愛がった。
 そんなアリスに疑問を持ったのは、いつからだろうか?
 いつも人形のような笑顔を浮かべるアリス。何があっても決して泣かず、誰も困らせることのなかったアリス。まるでこちらの言葉を理解しているかのように反応するアリス。
 最初に疑問を口にしたは、ルースだった。
 ルースは、アリスが一度も泣かないことを不思議に思っていた。親戚や友人の家で見る赤ちゃんは、どの子も皆元気な声で泣いていたから。
 けれど僕らは、「シェザードも同じだった。ほんとに一度も泣かなかったんだ」といって、ルースを説得した。きっとアリスも、シェザードのように泣かない子なのだろうと。だから心配しなくても大丈夫だよと言って、ルースを安心させた。
 僕らは本気で、アリスもシェザードと同じような子なんだと、だから大丈夫なんだと、そう思っていたんだ。
 でも、違った。アリスが泣かないのは、深刻で、暗く重い過去が原因だった。
 それが分かったのは、ケイル兄さんがアリスの様子がおかしいと言ってからのことだった。
 日に日に痩せていく体。それに伴って失くなる食欲。起きることがほとんどなくなったアリスを見て、僕達はやっと、それがいかに深刻なことかを理解した。
 そこからは、シェザードに嫌な役を押し付けることになってしまった。アリスの過去を見るという、決して褒められた行為ではないことを。
 シェザードに過去を見てもらっている間僕に出来る事と言えば、病状の悪化を和らげるための回復魔法をかけることだけで、それ以外はただただその小さな生命の無事を祈るしかなかった。
 シェザードに過去を見てもらうようになづてから三日後のこと。この国一番の医者であり、王家直属の医者であるシュレウさんが、他国から帰ってきた。
 王家直属の医者であるにもかかわらず、医者を必要とする人がいると聞けば直ぐにそちらへ行ってしまうこの人は、今まで何人物失われてゆく命を救ってきた。今回は、彼にしか救えない命だと父が判断し、遠くの国からわざわざ帰ってきてもらったらしい。

「それでは、よろしくお願い致します」

 父が深々と頭を下げ、シュレウさんにそう言った。
 シュレウさんはただ静かに頷き、アリスのいる寝室へと向かう。そのすぐ後に、レオン兄さんとシェザードが一緒にリビングへと戻ってきた。
 その後は、思い出しただけで気分が悪くなるような時間だった。
 アリスの心に秘められた闇。それは、あまりにも残酷で凄惨な過去だった。
 泣けば蹴られて、笑えば殴られ。彼女に許されたことといえば、息をすることくらい。
 そんな過去をもって・・・どうして今、泣くことができようか。
 泣かない子だと思って放置していた頃の自分を、かわいいかわいいと愛でていただけの自分を、殴り飛ばしたくなった。
 何を言っているんだ。あの子はこんなにも苦しんでいるじゃないか。なぜ、気づけなかった。なぜ、気付こうとしなかった!
 僕はみんなが寝静まった後も、ずっとアリスの傍にいた。痩せた頬を撫で、握り返すことのなかった手を包み込む。
 穏やかな寝息を立てる妹に、僕はそっとキスをした。
 翌日、アリスの体調不良は膨大な魔力の消費によるものだと教えられた。それはかつて僕も経験したことのあるもので、その苦しみを知っている身として、アリスには本当に申し訳ないことをしたと思った。
 魔力が底をつきそうになると、安全装置だかなんだか知らないけれど、全身に痛みが走るのだ。その痛みはだんだんと強くなってゆき、人によってはその命をたってしまうものもいるらしい。それほどその痛みは強く苦しいものなのだ。
 ──あぁ、アリス。本当にごめんよ。僕がもっと君をよく見ていたら、苦しめずに済んだだろうに・・・ごめんよ、ごめんよ。
 ──これからは君をめいいっぱい愛するから・・・家族みんなで、君を愛するからね。もう安心していいんだよ。もう、泣いてもいいんだよ。
 そんな僕の気持ちを代弁するかのように、シェザードはアリスに「愛されてもいいんだよ」と言った。
 その言葉に僕は、強く頷く。父さんも母さんも、兄さんもルースも、使用人たちまでもが同じようにウンウンと頷く。
 それを見てやっと、やっとアリスは、涙を流した。

 さて、アリスが泣いたあの日から二年と少しの時が経った。
 自由に歩き回れるようになったアリスは、少しでもみんなの役にたとうと一生懸命頑張ってくれている。
 その姿はたいへん微笑ましいものではあるけれど、断られた時の悲痛な表情から、それは純粋な心からではなく「役に立たなくてはいけない」というような思いから来るんだと実感する。
 愛されていることを疑っている訳では無いのだろうけれど・・・やはり根付いた過去は簡単には拭えないらしい。
 子供らしくはしゃぐことも、わがままを言うこともないアリス。そんなアリスが、唯一子供らしいことをする時がある。
 それは、『かくれんぼ』だ。
 アリスは時折、ふらっとどこかへ消えてしまい、僕達は消えたアリスをさがす。最初こそ驚いたものの、子供らしく遊びたがっているんだと思って、僕らはアリスの相手をした。
 アリスは見つかった時心から安心した顔をして、その後不器用に微笑む。まるでイタズラがバレた子供のように、幼く笑うのだ。
 でも・・・でもね、アリス。僕は知っているんだ。もしかしたら、もうみんな知っているかもしれないけれど・・・
 本当は君が、かくれんぼをしている訳では無いことを。
 子供らしく遊んでいるように見えるけどね。君が僕らを待ち疲れて眠っている時、僕は見てしまったんだ。
 君が、とても苦しそうな顔をして涙を流しているところを。もういいよ、もういいよって、何度も何度も呟きながら、涙を流しているところを。
 ねぇ、アリス・・・君は、誰に「もういいよ」って言ってるの?なんで、そんなに苦しそうな顔をして泣いているの?
 僕らはここだよ、アリス。ほら、兄様が迎えに来たよ。だから・・・

「アリス、みーつけた!」





 アリス。もう、泣かないでおくれよ・・・



───────────────────────
下書きなしで書きました。
おいおい文章を読み返して、訂正をしていこうと思います。
今回はアリスが生まれてから第三話までのスカイ兄様の心情を書きました。
中身が今まで以上にないです。自分でも何を伝えたかったのかはわかりません。
ただ、過去に捕われているアリスを心配し、過去を思い出して泣かないで欲しいと願っていることだけでも伝わればいいなと思っております。
次のお話はアリスsideとなる予定です。
これからプロットを立てるのでだいぶ遅くなると思いますが、気長にお待ちください。
それでは、また次回おあいしましょう。
ここまで読んでくださいまして、誠にありがとうございました。

『ネズミのパーティ』 ( No.7 )
日時: 2018/12/26 14:35
名前: ダークネス

 キラキラ輝く小さなお城で、華やかなパーティが開かれた。
 今夜の主役はお姫様、可愛く綺麗なお姫様。
 お城の立派なテーブルには溢れんばかりの料理が並ぶ。
 そして純白のクリームに包まれたショートケーキを頬張りながら、お姫様は王様とお妃様と笑い合うのだ。
 可愛い可愛いお姫様。ドレスの似合うお姫様。
 彼女が主役の特別なパーティに、ネズミなんかの出番はない。
 汚れた小さなネズミはそっと、そのパーティから立ち去った。
 お姫様への祝いの言葉を、涙とともに零しながら。
・・・・・・・・・

「「アリス、誕生日おめでとう!」」

 春というにはまだ少し寒さの残る四月の二日。小気味好いクラッカーの音とともに、兄様達がそう言った。
 ひらひらと頭上を舞う紙切れをボーッと見つめながら、私はキョトンと首を傾げ

「今日は何かおめでたい日なの?」

 と言った。
 すると、兄様達──特にスカイ兄様とルース兄様──は信じられないとでも言うような表情をして、私をじーっと見つめる。
 ――私はそんなにおかしなことを言ったのかな?私の誕生日は『祝われないが普通』だと思うのだけれど・・・
 そんな私の疑問を知ってか知らずか、レオン兄様は困ったように笑い、優しく私に話しかけてくれた。

「あのね、アリス・・・今日は、アリスが生まれた日なんだ。それは、分かるかな?」

「はい、わかります」

「そっか。じゃあ、今日が誕生日だということも、分かるね?」

「はい」

「いいかい、アリス。誕生日っていうのは、普通家族や友人たちとともにお祝いをする、とってもおめでたい日なんだ。分かるかい?」

 はいも、いいえも言えなかった。
 今日が私の誕生日だということも、それをお祝いするのが『普通』だということも、全部知っている。
 でも・・・でもなぜ、 『自分が祝われるのか』がわからなかった。
 だって・・・だって私は、今までたった一度として、生まれてきたことを祝われたことがないのだから。前世でも、そして今世でも。だから、そんなの・・・

「分からないよ・・・」

 それは、無意識にこぼれた言葉だった。聞き逃してもおかしくないような、小さくこぼれた言葉の欠片。その言葉を拾い上げたのは、シェザード兄様だった。

「・・・わからないなら、知ればいいよ。これから、一生をかけて」

「・・・ぇ?」

 知らぬ間に下を向いていた顔を上げ、兄様の顔を見る。

「アリスが慣れるまで、お祝い事とかは控えようと思ってのことだったけど・・・あまり良くなかったみたいだね。アリスを傷つけてしまったようだ。ごめんね、アリス」

 そう言ってシェザード兄様は、ギュウッと強く私を抱きしめる。
 ケイル兄様も、少し乱暴に私の頭をなで、二ッと笑い

「二歳になるまでろくに話すこともできなかったおめーにさっきみたいなことをしたら、さらに怯えさせちまうだろうが。昔に何があったかは聞かねぇが、今は今。そん時の誕生日とは違うんだよ。お前は誕生日を祝われて当然の人間だ。生まれてきてくれたことに感謝こそするが、うっとうしいだのなんだのなんて思わねーよ。だから、安心して祝われとけ」

 と言った。
 祝われて当然?生まれてきてくれたことに感謝?本当に?
 今まで投げかけられた言葉とはあまりにもかけ離れていて、素直に信じることができない。だって今までは、「お前はうちの恥さらしだ」とか、「お前なんか生まなきゃよかった」なんて言葉ばかり言われてきたのだから。そんな温かい言葉は、今まで一度も言われたことがなかったから・・・
 だからたぶん、すごく浮ついていたんだと思う。今まで言われたことのなかった言葉をもらえて、うれしくて、テンションが上がってたんだと思う。

「じゃぁ・・・ケーキ、食べれるの?」

 私は、そんなことを口走っていた。いつもは絶対言わないのに。こんなこと、絶対にしないのに。
 サァァッと、血の気が引く音が聞こえた。あぁ、やってしまったと、一気に後悔の念が押し寄せる。
 だってあれは、『あの子』のものだから。私が望んじゃいけないものだから。かつての父に「ケーキが食べたい」と言ったらどうなった?顔が腫れ上がり顔がおかしくなるまで殴られ、蹴られたじゃないか。わがままを言うなって。なのに、なんで私はそれを言ったんだ。なんでなんでなんでなんでなんで!
 私は恐怖でパニックになりながらきっと来るであろう拳に耐えようと歯を食いしばり、ギュゥッと目を瞑る。
 しかし、私に投げかけられたのは罵詈雑言でも暴力でもなく、スカイ兄様の明るくハツラツとした声だった。

「当り前じゃないか!むしろケーキなくして、誕生日を祝えるもんか!料理長が腕を振るってとびっきりおいしいケーキを作ってくれてるよ!」

「・・・ほんとに?」

「もちろん!それに、アリスのために買ってきたプレゼントもあるよ!とびっきりおめかしして、皆で誕生日を祝おうよ!」

 にこにこと笑いながら、スカイ兄様はそう言った。

「さぁ、父様も母様も待ってますよ。行きましょう、アリス」

 ルース兄様はそう言って、私の手を取る。するとシェザード兄様が、少しニヤニヤして
「ルース。こういう時は、『お手をどうぞ、お姫様』と言うんだよ」

 と言った。ルース兄様はそ手を聞いてひどく驚いた顔をする。
「えぇ?!そうなの?!」

「・・・さぁ?」

「え?!ちょっとシェザード、どっちなのさ!」

「ふふふ・・・」

「シェザード!!」

 シェザード兄様はくすくすと笑いながら「先に行ってるから」と言って逃げるように行ってしまう。
 ルース兄様はハァ・・・とため息をつくとこちらをじっと見つめ、

「それじゃあ行こうか。お姫様?」

 と、照れくさそうに笑いながらそう言った。
 私はつないだ手を強く握ると、「はい!」と元気よく返事をした。



 小さなネズミは泣いていた。
 誰も私を望んでくれないと。私は『お姫様』にはなれないと。
 泣いて泣いて泣き続けて、ネズミはいつしか眠ってしまった。
 そしてネズミは目を覚ます。深い深い眠りから。
 さぁ、今宵の主役はネズミのお姫さま。
 涙でほほを濡らしながら、クルリクルリと夜を舞う。
 温かな家族に見守られながら、花のような笑顔を浮かべる。
 ネズミが主役のパーティは、家臣さえも巻き込んで、盛大に行われたそうな。



─────────────────────
またもわけがわからない話となってしまいました・・・本当に申し訳ございません。
今回最初と最後に出てきたネズミのお話は、アリスのことを指しています。ここは結構こだわったつもりです・・・
さて今回はアリスの誕生日をテーマに書きましたが、どうだったでしょうか?
アリスは前世で一度も祝われたことがなく、今世ではもしかして?と思っていたけれど何もなく。あぁ私は生まれてきてはだめだったのかと考えに至ってしまいました。が、それは兄たちなりの気遣いで、やっと普通に話せるようになったからという理由で三年目にしてやっと・・・という感じです。
今回も話がわけわからないし圧倒的に文章が足りないと思っているので、改稿していこうかなぁと考えております。
次はいよいよファンタジーなことをする予定です。がんばって書きますので、お待ちください。
そして宣伝ですが、pixivにて転生少女は愛を願うのキャライラストなどを投稿しております。ので、よろしければそちらもよろしくお願いします。
長くなりましたが、今後ともこの作品をよろしくお願いします。

召喚魔法 ( No.8 )
日時: 2018/12/26 14:37
名前: ダークネス

「アリスに魔法を教えようと思います」

 ある日の昼下がり。みんなでお茶会をしていると、スカイ兄様がそう言った。
 魔法・・・というと、ルース兄様とシェザード兄様がよく見せてくれるあれだろうか?でも、ルース兄様が見せてくれるものとシェザード兄様が見せてくれるものでは、何か少し違う気がする・・・何が違うのかは、はっきり分からないけれど。
 でも、魔法かぁ。あのキラキラしたやつが私も使えると思うと、少しわくわくする。さすがに炎とかはだめだろうけど・・・前にルース兄様が見せてくれた時、レオン兄様が笑顔で注意してたから・・・注意してるとき目元が笑っていなかった気がしたけど、気のせいだと信じたい。
 まぁ、そんなことは置いておいて。何事にも知識が必要だということで早速スカイ兄様とルース兄様による『魔法学講座』が開かれた。
 ちなみになぜ魔法を教えるかと言うと、私の自衛のためだそうです。世の中何が起こるか分からないし、できることは多い方がいいものね。
 さぁ、さっそく勉強開始です。
・・・・・・・・・・・・・

「えぇと・・・それじゃあまず、魔法について説明していくね」

 どこからか持ってきた黒板に『魔法について』と白チョークで書き込みながら、ルース兄様はそう言った。
 私は先日の誕生日の時にもらったがスケッチブックをノート代わりにして色鉛筆でメモをしていく。

「ええと・・・魔法っていうのは、生き物の体や空気中に含まれる『魔力』と呼ばれるものを使って引き起こす現象のことを言うんだ。魔力は人によって扱える量が違ってね。スカイ兄様みたいにとても多くの魔力を持っている人もいれば、ケイル兄様みたいに全く魔力を持っていない人もいる。これらは遺伝などは関係なくて、どちらも化け物級の魔力を持ってるのに全く魔力を持たない・扱えない子が生まれてくることがよくあるんだ。・・・ここまでで分からない言葉とか、説明してほしいところとかはある?」

 ルース兄様は不安そうな顔をしながら、そう尋ねた。特にわからないところはなかったし、これでも一応高校一年生だったので難しい言葉もある程度わかります。
 ので、私は大丈夫ですよと言って説明の続きを諭した。

「なら、説明を続けるね。えっと・・・この魔法っていうのは大き四つに分けることができるんだけど・・・まず、シェザードやレオン兄様、スカイ兄様が使っているのが、自分の中にある魔力を使って発動させる『魔術』。神様から力を借りて使うのが『神術』。これは神官様や巫女様など神職に就いている方、神様を深く信仰している人が使えるよ。それから、人ならざるもの・・・精霊と言う存在に力を借りて使うのが、『精霊術』と言うんだ。僕が使っている魔法が、この精霊術だよ」

 そう言ってルース兄様は手のひらに氷の花を咲かせる。なるほど、だからルース兄様の魔法だけ少し違う気がしてたのか。じゃあ、ルース兄様の周りを付与付与と飛んでいる光の玉は、精霊なのかな?もっとこう、ひらひらしたのをイメージしてたかな・・・あれはあれで綺麗だけど。

「それろ、最後の一つなんだけど・・・これは『妖術』と言ってね。人間には扱うことができない特殊なやつなんだ。だから、人によってこれを魔法としなかったりもする。だからまぁ、妖術に関してはあまり詳しくなくてもいいよ。僕も妖術については全然だから。・・・さて、それじゃあ早速、今日扱う魔法について教えようか」

 そう言ってルース兄様は袖から筒状に丸めた紙を取り出す。
 そしてそれを床に広げ、四隅に不思議な色をした石を置いた。紙には見慣れぬ文字と六芒星、そしてそれをぐるりと囲む円。これは、たしか・・・

「まほーじん?」

「正解!今日使うのは、召喚魔法と言うものだよ。簡単に言うと、こことは別の世界から物質を引き寄せる魔法かな」

「しょーかんまほー・・・」

「今回はアリスの魔力量と魔力の質に合ったものが召喚されるタイプの魔方陣を使うよ。ここに手を乗せれば、勝手に魔力が吸われていくからね、その感覚を覚えてね。感覚を覚えるのがメインだから。もしドラゴンが出てきたら、魔方陣から手を放して、すぐに離れるように。僕たちが追い返すから」

「はい!」

「よし、いい子だね。それじゃあさっそく始めようか」

 ルース兄様のその言葉を合図に、私は魔方陣に手を乗せる。
 すると腕から何かが流れ出る感覚に襲われ、少しすると紙に書かれた魔方陣が淡く輝きだす。
 光はだんだんと強さを増してゆき、血をほうふつとさせるような赤黒い光で辺りが照らされる。
 そして一瞬、太陽よりも強い光が体を包み込んだ。あまりのまぶしさで瞑った眼を恐る恐る開けるとそこには・・・

「私を呼んだのはお前か、娘」

 真紅の瞳でこちらを見つめる、白髪の男性がいた。
 あたりを見渡すと、後ろにいたはずの兄様たちの姿はなく、すべてがセピア色の世界になっている。
 あぁ、私はこの男に殺されるのか・・・死と言う言葉が、頭をよぎる。
 死にたくないなぁ。痛い思いは、もうしたくない。それに死んだら、もう誰も私を愛してくれないじゃないか。嫌だなぁ・・・死ぬならせめてもう一度、誰かに愛してるよって、言ってほしかったなぁ・・・なんて、死ぬ間際には浮かばなかった思いが、いくつもいくつもこみ上げる。
 死への恐怖や未練が混ざり、溶けて、涙となって零れ落ちる。
 もう誰も、私の涙をぬぐってくれないんだ・・・そんなことを考える。すると

「泣くな、娘」

 そう言って白手袋をはめた手で、男性は私の涙をぬぐった。
 私は何が起こったのかがうまく理解することができず、ただぽかんとしてしまう。

「私は、お前を殺すつもりは毛頭ない」

 すごく複雑そうな顔をしながら、男性はそう言った。
 殺すつもりがない・・・?ほんとに?あれ、でも私殺さないでとかそんなこと一言も言ってない・・・あれ?
 男性の言葉に、私はさらに混乱してしまう。
 そんな私にこたえるように、男性は一度ため息を吐話始めた。

「ここは私が作った影の世界。いわば私はここでは簡易的な神だ。だからここにいるやつの思考は読み取ることができる。そしたらお前、なかなかに興味深くて失礼なことを考えているではないか。もう少し様子を見ていようかと思ったのだが・・・さすがに女児を泣かせる趣味はないのでな。お前が望んでいそうなことをした」

 やれやれというように肩をすくめる男性。
 そして男性の言葉を、疲れた脳は何の疑問も持たずに受け入れる。

「それで、娘よ。私を呼びだしたということは契約をしたいのだろう?」

「・・・え?」

「・・・まさかお前、なんの考えもなしに呼んだのか?」

「・・・たぶん?兄しゃまは魔力の流れを覚えるためって・・・あとはぼーはんよーにって言われました」

「・・・そうか。私は防犯のためだけに呼ばれたのか・・・いやまぁ、こちらの召喚陣は規則性がないし、仕方ないとは思うが・・・そうかぁ・・・」

 私の言葉を聞いてから、男性は一人でぶつぶつと何かを言い始める。
 しばらくその様子を見守っていると、男性は髪を乱暴にかき回し、こちらをにらむように見てきた。
 そして

「防犯用でもなんでもなってやる。その代り、貴様の過去を見させてもらう!多少の暇つぶし程度にはなるだろうからな!」

 という、なんだかよくわからないことを言われた。どうやら契約なるものをすることになったようです。

「けーやくって、何をすればいいんですか?」

「なに、簡単なことだ。私に名前を付けろ。それで契約は成立する」

 名前を付けるだけ・・・か。確かに簡単だ。
 名前かぁ・・・んー・・・

「ブルート・・・なんて、どうでしょう?」

「別に何でもいい。意味も聞かん。では、契約成立。元の世界へ帰そう」

 そう言って男性改めブルートは私を片手で抱き上げると、何やら聞きなれない言葉をつぶやく。すると世界に色が付き始め、無音だった世界に音が戻った。
 ちらと後ろを見てみると、ぽかんと口を開けた兄様たちの姿が。・・・レオン兄様まで口を開けてる。珍しい。

「ね、ねぇ・・・アリス?その・・・その男性と、契約・・・したの?」

 スカイ兄様が、恐る恐るそう聞いてきた。
 何を怖がっているのかわからなかったけれど、契約なるものは確かにしたのでうんと頷く。すると兄様達の顔がひきつり、サーッと青ざめる。

「?どうしたの?兄しゃま。具合悪い?」

「・・・アリス」

「んぅ?」

「多分、なんだけど・・・その男性は、ヴァンパイアだよ。最も弱いとされる者でも、軽くこの国をほろぼせるくらいの力を持つ・・・」

「・・・ぇ?」

「しかもその男性は完全なる白髪だ。ヴァンパイアは魔力量やその質によって髪の色素が薄くなるとされている。つまり・・・その男性は、下手すればこの大陸ごとほろぼせる力を、持っているかもしれない」

「・・・」

 大陸を滅ぼす程の力。それを聞いた私は、ギギギ・・・と油の切れた人形のようにブルートの顔を見上げる。

「え、と・・・ブルート、さん?あなたは、その・・・」

「ん?あぁ、私は確かにヴァンパイアだな。頭に暇を持て余した、とつくが。ここ千年間誰にも呼ばれなくて退屈していたんだ。だから次呼ばれたところでは理由がなんであっても契約すると思っていたのだが・・・まさか防犯用とは思わなかったなぁ。まぁ、お前はなかなかに面白い過去を持っているようだからな。暇つぶし程度にその記憶を見せてもらおうと思ったんだ」

 実にあっけらかんと、自分がヴァンパイアだということも、なぜ契約したのかも話すブルート。
 しかしなるほど・・・だから彼は私と契約してくれたのか。普通なら断るであろうところを・・・なんか微妙な気持ちだけど、納得はいった。

「まぁそんなわけだから、これから頼むぞ?娘。それから、娘の兄らもな。私のことは、ブルートと呼ぶように」

 ニィッと笑いながらそう話すブルート。
 そんな彼に私達は、ただハイということしか出来なかった・・・



 自己防衛のためだとか、魔力の流れを覚えるためだとか、そんな理由で行った召喚魔法。
 どうやら私は、とんでもない人物を呼び出してしまったようです。


─────────────────────
今回はファンタジーなやつにしました。
なんか毎回思うけど、ほんとに話がおかしい気がする・・・語彙力と文章力が切実に欲しいです。
今回でてきたブルートは、今後たくさん活躍して頂く予定です。ちなみにブルートとは、ドイツ語で「血」を意味します。ドイツ語って、無駄にかっこよくないですか・・・?私以外にも、同じことを思う人はいらっしゃるはず。
次回は父親sideの話を書きます

閑話休題・お父さんは娘とお話がしたい(フェイルside) ( No.9 )
日時: 2018/12/27 07:59
名前: ダークネス

 茜色に染った空に、白い月がぽっかりと浮かぶ。
 今日は久方ぶりに仕事が早く片付いたので、部下の一人と共に飲み屋へと足を運んだ。
 目当ての店へ着くと、早速エールとツマミを頼む。本人曰く下戸の部下は白湯と魚料理を頼んでいた。
 注文してから間もなくして頼んだ品が届き、お互いの杯を掲げる。そしてグッとエールを煽り、ツマミをつつく。この辺りでは見かけないものではあったが、とても美味い。

「しかし、フェイル殿がこうして我を飲みに誘うとは珍しい。何やら悩みでも持っておられるのか?」

 暫く他愛もない話をしながらツマミをつついていると、ふと思い出したように部下──紅蓮騎士団(ぐれんのきしだん)副団長・神威颯馬がそう言った。
 まぁ、たしかに。俺は基本飲みに行くようなことはしないし、行ったとしても一人飲みが基本だ。誰かと共に飲みに行くのなんていうのはよっぽど落ち込んでいる時か、何か悩みがある時くらいだろう。
 俺は少しばかり思案し、「大したことではないのだが」と前置きをすると、重い口を開いた。

「実はな・・・先日誕生日を迎えたうちの娘が、俺を避けるんだよ・・・」

「・・・は?」

 俺の悩みが予想と違ったのか、神威は間抜けな声を出しぽかんと口を開ける。まぁ、そうだろうなぁ・・・『紅蓮の獅子』と呼ばれている人間の悩みが、まさか子供のこととは誰も思わんよなぁ・・・俺だって思わない。
 けれど俺は真剣そのもの。今まで誰にも話さなかったこの悩みを、全部神威にぶちまける。

 ずっとずっと望んでいた、娘という存在。六人目にしてようやく生まれた、最愛の妻によく似た娘。
 五人の息子ももちろん愛しているし、何物にも変え難い特別な存在だ。だが、ずっとずっと望み続けていた娘という存在はとても特別で、休日は必ず娘の傍に居るようになっていた。
 娘の笑顔だけで、疲れも全て吹き飛んだ。また頑張ろうと思えた。出来る限りこの子の傍に居たいと、心からそう思っていた。
 しかし、その願いは叶わなかった。そして傍に居るという行為も、やめざるを得なくなってしまった。
 娘の・・・アリスの過去が、明らかになったからだ。
 あの子は人に強い恐怖心を持っている。特に『親』というものには、嫌悪にも似た恐怖が湧き上がるらしい。
 そんな状態の子供に、無理をさせることは出来ない。だから俺は、アリスから離れざるを得なくなってしまった。
 それでも常に一緒にいられる妻は、そこまで怯えられることも無くなったそうだが・・・

「仕事でほとんど家にいられない自分は怖がられたままで、それが悲しい。何とかして娘と会話ができる程度にはなりたい・・・と。そういうことであるか?」

「あぁ・・・無理を言っているのは分かるが、俺だけではもはやどうしようもないんだ。だから、力を貸してほしい」

「いやいや、普段からフェイル殿には世話になっているのでな。これくらいなんてことはない。それに、普段からまわりのものに頼りにされておるしな。フェイル殿も、どんと我に任されよ!」

 フフンッと胸を張りながら、その胸を強く叩く神威。普段部下から頼りにされているだけあって、心強いものだ。やはりこいつに相談してよかった。

「・・・けふっ。強く叩きすぎた・・・」

 前言撤回。少し心配になった。大丈夫かこれ。
 まぁ、任せろと言ってくれたんだ、ここはこいつを信じてみよう。それに頼んだのは俺だしな。
 神威は「では娘殿の様子を見てみたいので、さっそく連絡を入れようと思う。お先に失礼仕る」と言って、店を出て行った。


 ・・・どうでもいいがあいつ、すごい量の飯を食っていったぞ。金の心配はしていないが・・・しばらく懐が寒くなりそうだ。


*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――
【神威side】
 店の喧騒に背を向けて、我はガラス戸を閉める。
 空はすでに黒く染まり、銀色の月だけが、空を美しく飾っていた。
 我はその月をぼんやりと眺めながら、「あぁ厄介な頼みを引き受けてしまった」と、少しばかり後悔をしていた。
 そもそも今回のあれは、フェイル殿に何の問題もない。また話を聞く限りでは、娘殿の恐怖心は『とらうま』からくるものであろう。心に負った傷を、初対面である我になんとかできるとは到底思えぬ。
 だが・・・

「あのフェイル殿が、異国民である我に頭を下げ頼ってくれたのだ・・・精一杯、頑張らねばな」


 古いしきたりが多く残る騎士というものの中で、異国から来た我は異質そのもの。誰からも煙たがられ、蔭口と嫌がらせを受ける日々。特に何かを思うことはなかったが、実力よりもその者の出生にこだわる者達には正直嫌気がさしていた。
 そんな時、我を救ってくれたのがフェイル殿であった。
 フェイル殿はわれの出生や容姿など見向きもせず、ただ実力のみを評価してくれた。それが我にとって、どれだけ救われたことか。
 その時の御恩を返すため。この神威颯馬、誠心誠意尽くしてみせる!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さて、フェイル殿のご自宅へと来てみたは良いが・・・どうしたものか」

 立派すぎる門を前にして、我は腕を組み考え込む。
 春とはいえ、まだ日が昇り始めたばかりのこの時間はよく冷える。なぜ執事殿はこの時間帯に来るよう指示したのか・・・

〜昨夜、騎士寮に帰ってからのこと〜

「早朝・・・であるか?」

「えぇ、早朝でございます」

 落ち着いた口調でそう答えるのは、フェイル殿の家の執事長であるセバスチャン殿。時折ケイル殿が「うちの執事に勝てる気がしねぇ」とぼやいているのをお見掛けしているため、相当の手練れだと思われる。・・・なぜ執事が強いのか、疑問ではあるが聞かないでおこうと思っている。聞いてもまともな答えが返ってくる気がしない。
 あぁ、話がそれた。
 とにかくこの御仁は、普通であれば決して客人を招かない早朝に、屋敷へ来いと繰り返す。

「何故、早朝なのであろうか?昼頃ではだめなのか?」

「普段のアリス様を見られるのであれば、確かに昼頃のほうがよろしいでしょう。ですが話を聞く限りでは、早朝に来ていただいた方がよいと思われます」

「それは何故だ?」

「来ていただければわかります」

 先程からこれの繰り返しだ。何故と尋ねても、本質的な答えはもらえない。
 しかしこのまま押し問答を繰り返しても意味がないので、ここはおとなしく引き下がるとしよう。

「あいわかった。明日の朝六時に、そちらへ向かおう」

「かしこまりました。では、明日の朝六時にお待ちしております。家へ着いたら、玄関の戸を大きく三回、ノックしてください。もしかしたら白髪の若い男が出るかもしれませんが・・・その時は全力で逃げてくださいね。それでは、私はこれにて失礼いたします」

 ガチャッと、相手の受話器が下ろされた音とともに、相手の声が聞こえなくなる。
 何やら不穏な言葉が聞こえた気がしたが・・・何も聞かなかったことにしたい。
 しかし、早朝・・・か。何があるのかはわからぬが、その時間でないとわからないことがあるのだろう。
 敬愛なるフェイル殿のため、頑張るとしよう。

〜現在、ハリストン宅玄関前にて〜

 さて・・・いつまでもこうして玄関前でたっている訳にもいかぬ。そろそろ腹を括るとするか・・・
 えぇと、確か三回戸を叩くのだったか・・・?
 ──ドンドンドンッ
 ゆっくり、大きな音がたつように強く叩く。
 少しすると、その大きな扉が開き・・・

「・・・おぉ、大和国の人間か。珍しいな」


 白髪の、若い男が、でてきた。


 一瞬、呆然としてしまった。
 その男の姿は人間とよく似ていたが、確かに人間とはかけはなれた存在だったから。
 魔眼を持たない我は魔力を見ることは叶わぬ。しかし、その魔力を肌で感じることは出来る。そして、この男の魔力は・・・
 ──まさに『化け物』だな・・・
 肌を刺すような魔力は、脳裏に『死』という言葉をよぎらせるには十分すぎるもので。
 武士として、騎士として、決して褒められることではないとわかりながら、我は・・・

「あ、おい!待て!」

 全力で、逃げ出した。
 だって怖いんだもん!それにセバスチャン殿も逃げろって言ってたし!
 だから、走る馬に追いつくこの足で、全速力で逃げる。あの男に追いつかれないように、脇目も降らず、ただただ必死に走る。が、男は我が思っていた以上に化け物のようで。

「逃げ出すとはあんまりではないか?男よ。私は何も取って食おうとは思っておらん。ただ私の『暇つぶし』に付き合って欲しいだけなのだが?」

 息も乱さず、平然と、まるで友達同士の立ち話をしているかのように話しかける男。
 あぁ、まさか我に追いつく者がいようとは・・・
 最早これまで、と思い、我は走るのをやめ大人しく捕まる。
 どうやらかなりの距離を走っていたようで、フェイル殿のご自宅は遥か遠く、目視することができないところまで来ていた。

「むぅ・・・かなり離れてしまったな。このままでは、約束の時間に大幅に遅れてしまう・・・」

 誰に聞かせるという訳でもなく、我はポツリとそんなことを零した。

「なんだ、急ぎの用で来てたのか?ならば申し訳ないことをした。直ぐに家へ戻ろう」

 男はそう言って、我を軽々と持ち上げ、足元に魔方陣を描き始める。
 た、確かに我はほかの騎士と比べれば細く、筋肉もないが・・・それでも体は鍛えているし、そこそこの重さはあるはず。それを、こうも軽々と持ち上げられると・・・少々、自信がなくなるぞ。鍛え方が足りないのだろうか・・・

「考え事をするのはいいが、そろそろ移動するぞ。私は人間に合わせて魔法を使えないのでな、しっかりと捕まれ。最悪体が真っ二つだ」

 そんな恐ろしいことを言うと、男はさらに魔力を流す。

「ティディトフテッション!」

 一瞬の眩い光と、体の内側をかき混ぜられるような奇妙な感覚が一気に襲いかかる。そしてその感覚と眩い光が過ぎ去り、反射的に瞑った目を恐る恐る開けると・・・


 豪華でありながら品の良い、『りびんぐ』と思われる部屋に、我はいた。
 なるほど、先程の魔法は転移するものであったか。今まで一度だけ経験したことがあるが・・・こちらはもう二度と経験したくないな。以前のものは魔法の発動までに時間がかかったが、それでもあちらを使いたい。これは嫌だ。最悪吐くぞ・・・

「お待ちしておりました、神威様ハリストン家へようこそおいでくださいました」

 乱暴すぎる転移魔法と、それを使用した男に軽く怒りを覚えていると、背後からそう声をかけられる。
 ふと振り返ると、執事服を着た初老の男性がそこに立っていた。なぜか、ハリセンとぴこぴこ鳴る小槌を両手に携えながら。
 この者が、セバスチャン殿であろうか?

「勝手に上がり込んでしまって申し訳ない。時間は大丈夫であろうか?だいぶ遅くなってしまったと思うのであるが・・・」

「大丈夫ですよ、神威様。時間についても、屋敷内にいることも、お気になさらず。全てブルート様の身勝手によるものですから・・・ねぇ?ブルート様?」

 にこやかに話しているが、目が終始笑っていない。男──ブルート殿というらしい──に話しかけた時といえば、背後に般若の顔が見えそうな勢いであった。

「む・・・私はただ出迎えただけだ。そしたらこの男が勝手に逃げ出して、追いかけていたらだいぶ屋敷から離れてしまったんだ。そしたらこいつが『時間に遅れてしまう』などと言うから、わざわざ転移魔法を使ってやったんだ。何故私が怒られればならない?」

「黙らっしゃい」

 スパァンッという子気味いい音が、広い部屋に響く。一瞬何が起こったのかわからなかったが、どうやらセバスチャン殿がハリセンでブルート殿の頭をはたいたようだ。
 あー、痛そう・・・

「何をするバルス!」

「セバスです。セバスチャン・クリアフォートです」

「あぁそうだったな悪かった。ではセバス!何故私の頭をはたいた?!」

「貴方がお客様に失礼を働いたからですよブルート様。お仕置きです」

 ピコッピコッという、今度は間抜けな音が部屋に響く。
 この音は苦手だ・・・耳がキーンとする・・・

「うぅ〜っ・・・これはやめてくれ・・・耳がキーンとして痛いのだ・・・」

「存じ上げておりますよ。だからこそ私は、これを選んだのです」

「あえてか・・・いや、まぁ仕置というのならそれが適切なのだが・・・というかそろそろ止めてくれ。客人がぽかんとしているぞ」

「あぁ、失礼致しました神威様。お客様を立たせたままにするとは、執事失格でございます・・・誠に申し訳ございません」

 そう言って深々と頭を下げるセバスチャン殿。むぅ、もう少しあのやり取りを見ていたかったのだが・・・致し方あるまい。それに、今回はフェイル殿の頼みを叶えるために来たのだしな・・・
 我はセバスチャン殿に「気になされるな」と言うと、案内された席に座る。

「では神威様。もう少々お待ちくださいませ。今、アリス様を起こして参りますので」

「あいわかった」

 それでは失礼しますと言って、セバスチャン殿は部屋を出た。
 我はそれを見送り、出された茶を飲む。ふむ、普段は緑茶しか飲まぬが、紅茶も美味いな。今度煎れ方を御教授願おう。

「・・・」

「・・・・・・」

 ・・・何故だろう、ブルート殿の視線が痛い。
 先程セバスチャン殿に怒られたのを根に持っておられるのだろうか?しかしあれは我のせいではないと思うのだが・・・しかし、こうしてただじっと見つめられるのは気が散るな・・・

「あー、ブルート殿?我に何か言いたいことがあるのであれば、言ってはもらえぬだろうか?じっと見つめられるだけでは気が散ってしまってな・・・」

「む。そうか、それは申し訳ないことをしたな。いやなに、この辺りでは見かけぬ人間に興味があっただけだ。私は暇を持て余した、知りたがり屋の吸血鬼なのでな。もし貴様が良いというのであれば、いくつかの質問に答えていただきたいのだが」

 吸血鬼、という言葉に一瞬体が強ばる。しかし、なるほど。この者のただならぬ魔力は、吸血鬼だからこそのものだったのか・・・
 我は心に湧き上がった恐怖を悟られぬよう、つくり馴れた笑顔を浮かべ、勿論と答える。

「では、その腰に携えているのはなんだ?アリスの兄らが持っているものにも見えるが、少し刀身が細いな。それに沿った形をしている。あぁ、貴様の服も見かけないな、どうやって着ている?何でできている?それは女物もあるのだろうか?あぁ、その髪留めの紐も美しいな、夕焼けのように真っ赤だ。それはどうやって染めたのだ?その髪紐はどこに売られている?貴様の国はどのような文化があるのだ?食事も違うと聞いたが、どんなものだ?それは美味いのか?景色は?綺麗か?ここからどれほどの時間をかければ行く事が出来る?それから・・・」

 どこで息をしているのだろうかと思うほどの質問攻めに、思わずたじろぐ。
もはや最初の質問がなんだったのか覚えていない・・・
 どうやってこの質問攻めを終わらせようかと考えていると、再びスパァンッという子気味いい音が響く。見れば、幼い娘を抱えたセバスチャン殿がハリセンでブルート殿の頭をはたいていた。
 ブルート殿はセバスチャン殿を睨めつけるが、女子(おなご)がすやすやと眠っているのを見て、先程のように大声で怒ることはしなかった。が、明らかに不機嫌な表情になっている。

「神威様、お待たせしてしまい誠に申し訳ございません。さぁ、アリス様。お客様がお見えですよ」

 ゆさゆさと、抱えていた女子を揺すり起こす。すると女子はんーっと唸ると、セバスチャン殿の胸に顔をうずめてしまう。

「ふむ、これではしばらくは起きんな。どうする?神威とやら。貴様はアリスと話がしたくて来たのであろう?」

「うぅむ・・・それはそうなのだが、こう安らかに眠っておると、起こすのが酷に思えるな・・・しかしこのままではフェイル殿の頼みを叶えることが出来ぬ・・・どうしたものか・・・」

 じぃっと女子を・・・アリス殿を見つめる。今までフェイル殿とケイル殿の話から想像するしかなかったが、こうしてみると確かに天使と見紛う程の美しさと愛らしさがある。銀糸のように美しい髪、陶磁器のように白い肌と淡く桜のように染った頬。薄く形の良い唇は、紅を引けばさぞ映えるだろう。
 我に幼女を愛でる趣味はないが、こんなに愛らしい子であれば、確かに金を払ってでも欲したくなるものだ。まぁ、幼い子に金を払って『おいた』をする輩はこの愛刀の錆にしてくれるがな。

「セバス、このままでは埒があかん。アリスをこちらへ渡してくれ。私が起こす」

「あまり乱暴はしないでくださいね。わざわざ早朝に来て頂いた意味がなくなりますので」

「分かっておる」

 少々ズレた考え事をしていると、ブルート殿とセバスチャン殿がそんなやり取りを始める。
 はて、何を始めるのであろうか?
 セバスチャン殿からアリス殿を受け取ったブルート殿は、ゆっくりと顔を耳へと近ずける。そして、その白くとがった歯で、耳を噛む。

「んぅぅー・・・ブルート、いたいぃ・・・やめてよぉ・・・まだねむいのー・・・」

 少し間の抜けた声で、アリス殿がそう言った。どうやら起きたようだ。まだ半分夢の中なのか、頭がフラフラしている。

「別に完全に目を覚ませとは言わんが、アリス。お前目当てに来た客人がいるんだ、起きろ」

「んぅー・・・お客しゃまー?だーれー?」

「神威というらしい。貴様の父に頼まれごとをされているらしいぞ?力を貸してやれ」

「はーい・・・」

 こっくりこっくり船を漕ぎながら、アリス殿はこちらへと向く。

「アリス・ハリストンです・・・よろしくおねがいします・・・」

「神威颯馬である。以後よしなに」

 深々と頭を下げながら、ふと疑問に思った。確かアリス殿は、初対面の人間には挨拶どころか姿を見せることすら嫌がる、極度の人見知りだったはず。それが今、普通に自己紹介をし、挨拶をしていた。これはどういうことだろうか?

「貴様が疑問に思っているであろうことを、たとえ違っていても教えてやろう。アリスは今半分ほど眠っている。要は寝ぼけているんだ。そうすると頭の働きやらなんやらが低下して、恐怖を覚えることがないらしい。だから、アリスが普段起きてこないこの時間帯に呼んだんだ」

 訳の分からない前置きとともに、ブルート殿がそう説明してくれる。しかしなるほど、だからアリス殿は挨拶をしてくれたのか。ならば、会話をすることも出来るやもしれない。

「アリス殿、単刀直入にお聞き致す。アリス殿は、フェイル殿・・・つまりアリス殿のお父上の事をどう思っておられる?」

 フェイル殿が最も気にしていたこと。それは、アリス殿にどう思われているかという事であった。
 かつて己を拒み続けた『父』という存在。別の人間とはいえ、それに対する拒絶は大きいだろう。だからこそ、今のアリス殿にどう思われているのかが知りたいらしい。フェイル殿に頼まれた訳では無いのだが、聞ける時に聞いた方が良いであろう。
 さて、アリス殿はどう思っておられるのか・・・あまり嫌っていないといいのだが。

「父しゃまー?父しゃまはねー、すっごくかっこよくて、やさしいから、だいすきだよー?」

 ふわふわとした口調でそう話すアリス殿。
 というか・・・え?大好き?怖いとか、嫌いではなくて?ならば・・・ならばどうして、アリス殿はフェイル殿を避ける?
 混乱した頭では、聞きたいことが上手く紡ぐことが出来ない。なぜ、どうしてといった疑問だけが、脳に溜まってゆく。
 しかしその疑問は、アリス殿によって簡単に解決する。

「あのねー、私ねー、父しゃまのこと、だいすきなのー。でもねー、どーしても、前のことを思い出しちゃうの・・・だから、お話出来ないの。ごめんなしゃいも、言えないの・・・父しゃま、いつも怒ってるように見えるから・・・こわいの・・・でも、もっとお話したいの・・・ごめんなしゃいって、言いたいの・・・」

 それだけ言うと、アリス殿は再び眠ってしまった。
 ・・・まぁ、要するに、あれだ。
 フェイル殿が顔を隠せば、多少はマシになる事案ではないのか?これは。
 我は、騎士寮の自室とは比べ物にならないほど高い天井を見上げ、ため息を吐く。



 とりあえず、寝起きのアリス殿とのコミュニケーションと顔を隠すことを、フェイル殿にお勧めしようと思う。


────────────────────────
なんだこれ、と思った方。ほとんど神威sideじゃないかと思った方。それ、私も思いました。
今までで一番長い話書いたけど、今までで一番中身ねぇじゃねぇかよ、という。
本当に申し訳ございません。今後はもう少しましな話をかけるように精進致します。
今年も残すところあとわずか。皆様、良い年末をお過ごしください。
それでは、また次回お会いしましょう。

Page:1 2



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


E-Mail


URL


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大7000文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。