ダーク・ファンタジー小説

一つ目
日時: 2019/05/14 22:49
名前: 黒鷲 ◆u4itZmBU9g

これは俺が高校2年生の時の話だ

当時、俺の通う高校にはある噂があった。所詮、七不思議などという科学的に証明できない迷信だ。
ある日、俺の友達のAが


「おい、七不思議の一つ目がないって知っているか?それが本当にあるのか確かめてやろうぜ。」

と言ってきた。その時俺は

「俺は幽霊やら宇宙人やらは信じていない主義なんでな。行くなら他のやつ誘えよ」

と言った。

するとAは

「今度、飯奢ってやるから。な?いいだろ?」

と半ば強制的に約束を取り付けられた。
そして翌日の土曜日、深夜0時を回ったぐらいの時間の校門前に俺たちは集合した。当然、校門は閉まっているはずなのだが、なぜか開いていたのだ。俺が疑問に思いAに聞こうとすると、さっきまで俺の隣にいたはずが、いつのまにか居なくなっていたのだ。俺はAに置いて行かれたと思い、急いで昇降口へと向かった。
しかしAの姿はなく、そこもドアが開いていた。懐中電灯で照らし、Aを探し真っ暗な校舎を散策していた。すると俺のクラスへ入る人影が見えた。間違いなくAだと思い、人影を追いかけ、教室へ入るが俺が見た人影の姿はなかった。
何気なく窓を見ると何かが降ってきた。

『ガシャンッ』

なにかが壊れるような音が聞こえ、窓を開けると人体模型の頭が落ちていた。それを見た瞬間、身体が金縛りにあったように動かなくなった。気がつくと俺は屋上にいた。身体が勝手に動き、金網のフェンスを乗り越えた。
そして俺は落下した。落ちる直前、右目に激痛が走った。それはまるで目を刃物でぐちゃぐちゃにされたような痛みだった。

目が覚めると、俺は見知らぬベッドの上にいた。しばらくするとここが病院だと気づいた。誰かがドアを開け、入ってくる。母だった。母を俺をみて目を見開き、突然泣き出した。それからゆっくり母は話し出した。
俺は右目を失明したこと。Aが亡くなったこと。そして4週間が経っていること。

俺が屋上から落ちて助かった理由は、家で寝込んでいたAが俺が倒れていると救急車を呼んでくれたからだった。そう、Aはあの日、学校に来ていなかったのだ。しかしAはその後、自ら自分の左目をえぐり自殺したのだという。救急搬送された俺は4週間昏睡状態だったとのこと。

俺は一つ、目がない

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