シリアス・ダーク小説

ゴーストトレイス
日時: 2020/01/19 14:51
名前: 春先雪華。

前代未聞、現実離れした霊障事件発生。

多くの後輩、先輩に囲まれる女刑事、神導エト。
霊能力を持った刑事たちは今日も霊を追いかけて事件を解決に導く。
彼らの元に届く事件は霊能力関連、そして霊関係のモノだけである。

序.「霊能力を持たない刑事エト」>>01
霊障1.「通行止め橋」>>02 >>03
閑話「鬼神を宿す者」>>04 >>05
霊障2.「知らされなかった知らせ」>>06>>08
「鬼神を知る住職様」>>07
霊障3.「古き劇場の炎舞」>>09>>10>>11

「一段落した」>>12

霊障4.「悪ガキを裁く鬼」>>13>>14>>15>>16
霊障5.「女性虐殺事件」>>17-19
霊障6.「

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Re: ゴーストトレイス ( No.15 )
日時: 2019/11/14 21:15
名前: 春先雪華。

「ンの野郎…!」

同時に複数が飛びかかったにも関わらずナマハゲは軽々包囲を潜り抜けた。これで
確信が出来た。やはり彼は鬼憑きの霊能力者。

「やっぱり神導さんの言う通りでしたね」
「そうだね。あの子がナマハゲに色々教えてる子だと思う。でも先にナマハゲを確保するべき
だよね」

八咫野が親指を少し噛み千切り口笛を吹くと白い鴉が現れ彼の右腕に消えていく。
さらに左腕と両脚に消えていった。能力使用は6分だ。リュウ、八咫野、夜叉丸、三人は
戦闘に長けている。彼ら三人を相手しているナマハゲはかなり強いがナマハゲの動きが
鈍くなっているように思える。

「なんか…疲れてるみたいだぜ…」
「まだ、鬼の力に馴染めてないのではないでしょうか。力があっても身体が追い付いていない」

夜叉丸の言う通りだろう。それに加えて彼の体力は三人ほどは無い。三人は戦闘慣れしている
ということもあって体力は充分にある。ナマハゲの正体は恐らく育ち盛りの少年、まだ
身体は成長しきっていない。ナマハゲは視線を辺りに彷徨わせ、ある人物を見つける。
少女を抜いて唯一、戦闘に参加していない人物がいる。疲れていても頭は回る、
非戦闘員なら人質に取ることは出来る。ナマハゲは前傾姿勢を取り彼女との距離を縮める。

「ヤベェ!!」「ッ!!」「エト先輩!逃げてください!!」

全員が叫んだ。彼の大きな刀がエトの首を刈り取ることは出来なかった。

「そうだったな…拘束要員がいなかったな」

ナマハゲの体はぐるぐる巻き、ついでに少女も両手足を拘束されていた。斎は妖糸使い、
その糸の強度はかなりある。斎がゆっくり彼に近付き腹に肘を打ち付ける。ナマハゲの体から
力が抜けた。

「やめてよ…その子に手は出さないで!」
「落ち着いて。良い?まだ顔が晴れちゃったとかそういうことならまだマシ。貴方、知らないの?
被害に遭った子たちの酷い怪我はね深刻なの。もう一生歩けない人もいる…自分の立場で
考えられないなら虐めっ子となんら変わりはしない」

エトは少女を宥めるような口調で言い放った。

Re: ゴーストトレイス ( No.16 )
日時: 2019/11/16 13:18
名前: 春先雪華。

一人の少年を連れて部屋から出て来たミイラ男、否、ちゃんとした職員の一人
畔村奇談にエトは声を掛けた。ナマハゲの正体である少年を見送り話を戻す。

「君が深入りする理由が分かったよ。やっぱり彼が今回の事件を引き起こしたのには
虐めが関係していた」

少年の弟はつい一か月前に虐めによって自殺した。それが引き金か、少年は霊障特別課の
職員が持っているような霊能力に目覚めた。さらに彼についていた少女も霊能力を
先天的に持っていた。彼女は少年に好意を持っていてストーカーまがいの行為を行かっていて
それがキッカケで彼に加担していた。

「彼もそうだがもう一人の女の子は君の言葉に救われたそうだよ。君は心理カウンセラーにでも
なったらどうかな?」
「いいえ、無理です。それに今の仕事が結構気に入ってますから」

言いたいことは先日、全て言った。翌日、ナマハゲの被害は出なかった。一先ず解決した
ということだろう。

Re: ゴーストトレイス ( No.17 )
日時: 2019/11/26 18:47
名前: 春先雪華。

(真斗君、交差点を右に曲がったところに廃墟があるはずだから。…気を付けてね)

柔らかい女性の声、バイクを運転する青年、信濃真斗は返事を返した。

「そういえば可笑しな夢だったって聞いたんだけど、どんな夢だったんだ沙耶」

無線を通して彼と通話する少女、守野沙耶は小さく唸った。それを聞いただけでも彼女の
心情が分かる。彼女もイマイチ理解できていないようだ。

(それが犯人が見えなかったんです。いつもなら顔は見えずとも体も分かっていたし…でも
本当に今回は何も見えなかったんです。捕まっている人が怯えているのは見えました)
「そっか。まぁ行けば分かるかもな。他に可笑しなところは?」
(そういえば…捕まっているのは数人だけどそのうち一人だけが凄い怖がっていた)

それを不思議に思いつつ、考えるのをやめた。

(ちょっと、よそ見してないで運転しなさいよ真斗)

キンキンとする声を出し彼を叱るのは村井愛良だ。美人だが気の強い女だ。
そしてもう一人、曲者をまとめ上げる人物がいる。

(その通りだ。頼むから集中してくれ)
「分かったよ松崎さん」

松崎竜助、元・刑事の男である。彼らが動き出した同時刻、エトたち霊障特別対策課も
彼らと同じ場所に向かっていた。現在、霊障事件を引き起こした男、立花治が悪路王という
妖怪と霊を操り霊障を起こしていた。

「随分な大仕事ですね」

エトにそう言ったのは夜叉丸だった。暫くの間は休養を取っていたがすぐに現場復帰を
果たした。

「そうだね頑張らないと…!」

Re: ゴーストトレイス ( No.18 )
日時: 2019/12/28 09:17
名前: 春先雪華。

「あーあ、折角従えてた霊たちが倒されていっちゃうよ…で、君は
誰かな?例の刑事じゃないようだけど」

立花治は目の前に立つ青年、信濃真斗に目を向けた。彼は少し混乱
している様だ。

「探偵だよ。お前だろ、そこの人たちを殺そうとしているのは…
大人しく捕まっ「見つけた!!連続女性殺害事件の犯人、立花治!!」

中性的な声が反響する。振り返ると変わった三人組、否、変わった
二人の男を連れてくる女性がいた。彼女が胸ポケットから
取り出したのは紛れもない警察手帳、それには見たこともない名前の
課が書かれていた。だが彼女たちは刑事らしい。治は彼女たちに
食いついた。

「流石霊障事件担当の刑事!あの数の霊を浄化しながら来たんだな」

一人は片目が白く濁っている男、もう一人は入れ墨なのか
ボディペイントなのか、赤紫色の炎のような紋章が体中にある。
それに霊障担当の警察など聞いたことも無い。真斗の頭の中はぐしゃ
ぐしゃだ。そんな彼を余所に彼女たちは動き出した。女刑事は
捕まっている女性の縄を解き急いで外に出るように指示を出す。

「ちょっといいですか?あの人たちが無事に外に出られるように私と
一緒に来てください!貴方の様子を見るに多分、ここに何がいるのか
分かってないと思います。一旦、離れましょう!」
「え、いや、俺は!!」

女刑事は強引に手を引いて部屋を出ていく。真斗と共に。

「あの透先輩、俺が立花治を抑えます」

「分かった。そっちは夜叉丸に任せる」

鬼道院夜叉丸が立花治を、氷室透が悪路王を相手することになった。

Re: ゴーストトレイス ( No.19 )
日時: 2019/12/28 09:57
名前: 春先雪華。

「いってぇ…君はそういうタイプの霊能力者か。君に憑いているのは
鬼神だね?」

立花治はペッと血の混じった唾を吐き出す。口の端や両手からは
赤紫色の炎が轟々を燃え上がっている。治が動こうとしたその時、
足元が凍っていることに気が付いた。

「中々手こずった…流石は伝承にも残る悪路王。だけど残念だったな
未完成の状態で」

治の顔面に夜叉丸の拳がめり込んだ。能力を解くと彼は治を
担ぎ上げた。そして二人は女刑事、エトの後を追い外に出た。
縄で彼を拘束し手錠をかけてパトカーに乗り込む。

****
「ねぇ松崎さんは知らないの?その霊障の…」

愛良は彼にそう聞いた。

「今まで聞いたことも無いな。でも確かに言っていたんだろう?」

真斗、松崎、愛良、沙耶の四人が乗る車はパトカーの後を追っていた。
到着した場所で全員が車から降りエトたちを囲う。

「アンタたちに聞きたいことがある。アンタたち、何者なんだ?
刑事らしいけど…」
「まぁそうですけど…」
「あら?エトちゃん、夜叉丸君、透君、お帰りなさい」
「あ、菫さん!」

菫が松崎を見て少し笑みを浮かべた。

「お久しぶりです。松崎さん」

松崎という男と菫は先輩後輩関係らしい。菫が彼らの疑問に全て
答える。

「霊障特別課は本当は松崎さんがいた頃から存在していました。
ただ現実離れしているため存在はトップシークレット、世の中では
都市伝説のように扱われています。ここに所属する者は霊能力、
所謂超能力者が多いんです。霊とアイコンタクトを取ることが出来る、
それが最低限。神導エトは霊能力は持たないのですが霊との
アイコンタクトがよく取れているということで所属しているんです。
ここには特殊な人間が多いんですよ」

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