二次創作小説(紙ほか)

【ポケモン】ヒビキたちの物語 *12000参照感謝!!
日時: 2017/09/24 10:04
名前: ゆーい
参照: *コメント返信については、お客様のコメント返信欄に返信しています。

お知らせ>>438
天乃ちゃんに返信>>352

12000参照ありがとうございます!!!これからもどうかよろしくお願いします!!

クリックありがとうございます!!いつも見てくださってる方、初めて来た方、感謝感謝です!!
*作者は読者様を神だと思っております。

―この小説は、「みんなの人生を応援する!」というアホな作者が発想したものからできました。

では改めまして……
皆さんおはこんばんにちは!ゆーいです!! 作者プロフィール→下のURL
この話が初投稿で、私の第1作目です!ですが、駄作です(・ω・`)
見てくれる優しい心の持ち主さんが沢山いるので、頑張って書くことが出来ています。
完結したら全て修正するつもりです。色々話の中でおかしいなって思う部分もあるかもしれませんが、
この話が完結するまでお付き合いよろしくお願いします!


† 項目一覧 †
Attentionー注意書き
Goalー目標
Self-introductionー自己紹介
Noticeーお知らせ
Reference breakthrough Dateー参照突破日
Writing start dateー執筆開始日
Writing end dateー執筆終了日
Recommended novelーおすすめ小説
About updateー更新日程
Guestーお客様
Comments Replyーコメント返信
Table of contentー目次


∬――Attention――∬
♯小説の投稿については、更新日程をお読みください。
♯スマホじゃなくてPC、WiiU、iPad向けに書いてあります。スマホでも読めなくもないですが、
 文が読みにくいと思いますので、PCやWiiU、iPadで読むことをおすすめします!!
♯本編は繋がっていますが、一編一編ずつでも読むことができます!
 ですが、今時間あるーっていう人は最初から見ることをおすすめします!!
♯原作とは違う部分がたくさんあります。私設定な部分もあるのでご注意ください。


∬――Goal――∬
1.コメント貰えるように頑張ろうと思うよ!
2.皆から読まれるような話を書けるようにするよ
3.1話に1000文字以上は書きたい…か・き・た・い
4.次目標はちゃんと完結できるようにすることです!


∬――Self-introduction――∬
−ゆーい−
名前:ゆーい(別サイトではAlice、ありすで活動しています)
一言:頑張って投稿していきます!応援よろしくお願いします!!どうか感想コメくださいな!
役割:イラスト以外のすべて
−此花−
名前:此花(Aliceから変更しました)
一言:これからよろしく御願い致します!!
役割:挿絵・記念絵係


∬――Notice――∬
《2016年版》
†4月〜5月   【>>233 >>327
†6月〜7月   【>>334 >>389
†8月〜9月   【>>409
†10月〜11月 【>>418
†12月     【>>429

《2017年版》
†1月〜2月   【>>431
†7月〜8月   【>>439
†9月〜10月  【>>441

《2018年版》
†3月〜4月   【まだです】
†5月〜6月   【まだです】
†7月〜8月   【まだです】
†9月〜10月  【まだです】
†11月〜12月 【まだです】


∬――Reference breakthrough Date――∬ 100参照ずつはこちら【>>276 >>437
●2015/11/21 1000参照突破!!ありがとうございます!閲覧 thank you !!
●2016/01/17 2000参照突破!!ありがとうございます!閲覧 thank you !!
●2016/03/14 3000参照突破!!ありがとうございます!閲覧 thank you !!
●2016/05/08 4000参照突破!!ありがとうございます!閲覧 thank you !!
●2016/06/19 5000参照突破!!ありがとうございます!閲覧 thank you !!
●2016/08/14 6000参照突破!!ありがとうございます!閲覧 thank you !!
●2016/10/14 7000参照突破!!ありがとうございます!閲覧 thank you !!
●2016/12/08 8000参照突破!!ありがとうございます!閲覧 thank you !!
●2017/01/04 9000参照突破!!ありがとうございます!閲覧 thank you !!
●2017/02/09 10000参照突破!!ありがとうございます!閲覧 thank you !!
●2017/??/?? 11000参照突破!!ありがとうございます!閲覧 thank you !!
●2017/08/24 12000参照突破!!ありがとうございます!閲覧 thank you !!

∬――About update――∬
受験勉強モードに入りますので、更新は受験後だと思います。


∬――Guest――∬
○天乃 さん 「初めてコメントくれてありがとう!!天乃ちゃんにやる気をもらったよ!!」
○雪 さん 「いつもコメントありがとう!!雪ちゃんのコメントにはいつも笑わせてもらってるよ!」
○シロマルJr.さん 「いつもコメントありがとう!!またシロマルさんの小説にも行かせてもらうね!」
○そぴあ さん 「雑談掲示板でお世話になってます!!そぴあさんの発言最高に良い!!」
○ヒトミ さん 「コメントありがとう!!ヒトミの小説面白くて好きだよ!お互い頑張ろうね!!」
○冬夜 さん 「コメントありがとう!!コトネちゃんの登場数が多くなるように頑張るよ!」
○コデマリさん 「コメントありがとう!!凄いって言ってもらえて嬉しいよ…!私感激…」
○クリーミィさん 「コメントありがとう!!ヒビキとコトネちゃんの関係を楽しみにしててね!」
○榊115さん 「ジバコイルゲスト出演しました!【>>263】 コメントありがとうございました!!」
○山内さん 「コメントありがとうございます!Aliceは無事です!!安心してください!!」
○まりさん 「コメントありがとうございます!!コトネちゃん可愛いよね!わかる!!」
○霧霊さん 「コメントありがとうございます!!ポケモンは馴染み深いので大好きです!」
○いつも見てくれる読者様方 「いつも見てくださって本当にありがとうございます!感謝してます!」
○ルイージさん 「コメントありがとうございます!!オリキャラ待ってます〜!ありがとうございます♪」


∬――Comments Reply――∬ 【>>351-363
○天乃ちゃん                       【>>351 >>352
○雪ちゃん                        【>>353
○シロマルさん                      【>>354
○そぴあさん                       【>>355
○ヒトミ                         【>>356
○冬夜くん                        【>>357
○クリーミィ                       【>>359
○コデマリさん、榊115さん、
              山内さん、まりさん、霧霊さん 【>>363
○ルイージさん                      【>>434


∬――Table of content――∬
普通の目次 【>>371
本編だけを一話ずつ見たい方用 【>>278-283


∬――URL――∬ *URLの部分に貼り付けてお使いください

*作者プロフィール
www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=10940
*雑談
www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?no=19937
*相談
www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=427
*イラスト
www.pixiv.net/member_illust.php?tag=HGSS
*カキコイラスト
www.kakiko.info/upload_bbs2/index.php?mode=article&id=131&page=1
*ブログ
arialice.hatenablog.com/
*青い鳥
@arialice2490

別ウィンドウで出したい方用 【>>0

↓以下、試した結果文字化けしなかった記号一覧
TUVWXYZ[\]
@ABCDEFGHIJKLMNOPQRS
~順合紫括ba`go


∬――Recommended novel――∬
★ポケットモンスターXY 〜灼熱の炎〜  作者、雪 さん
★マリオとマジカル*マスターズ    作者、シロマルJr.さん


Writing start date 2015/01/20
Writing end date

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78



Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.46 )
日時: 2016/02/07 10:51
名前: ゆーい
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=13997448

前回→>>43


28話:事実

食堂って意外に落ち着く場所なんじゃないかと前も思ってたけど、
今居て、改めてホッとする場所だと感じた。皆にも落ち着く場所ってあるよな。
俺にとっては食堂は落ち着く場所っていう存在なわけさ。
しかも、結構食堂ってもんはガヤガヤざわざわしてるから静かな場所で変なこと話すよりも、
ガヤガヤしてる場所で話した方がまわりのやつにも聞こえずらいと思うしとっておきの場所だ。

でもどういうわけかこの旅館はどこも静かで、ここの食堂と呼ばれる場所も静か。
なんとなく落ち着かない。話したいこともいっぱいあるんだけど、こんな空気じゃ話せそうにもない。
女将さんたちだって全くと言っていい程話さない。来た時からこの旅館は静かだったしな…

「あの、レッドさん。なんか物凄く静かじゃないですか…?」

もう空気に耐え切れず、俺は隣にいたレッドさんに話しかけた。
レッドさんはこちらをちらっと見るとボソッと小さな声で話した。

「…この空気だと喋りずらいしね。俺もあんまり慣れてない人の前で話すのは嫌なんだ」

「そうなんですか…なんかすみません」

「いいよ、謝んなくても。別に悪いことはしてないんだし」

レッドさんはそう言った後、くるっと元の向きに戻った。
喋るにもなにも、この空気じゃ話しずらいのも俺だってわからなくもない。
夕食を黙々と食べていたからあっという間に食べ終わってしまった。なんだか物足りない気もしたが、
だるくなってきたので片づけて部屋に戻ることにした。

「ご馳走様でした」

「あれ? ヒビキ…今日は食べんの早いなのな。いつもは遅いのに」

まだ食べ終わっていないシルバーが今になって話しかけてきた。
俺はそんなシルバーにムキになってこう言った。

「俺だって黙って食べりゃあ、早くもなるわ。お前も早く食べろよ」

「はっ、お前は早く部屋に戻れよクズ」

鼻で笑われてムカッとした。しかし、こんなところで言い争っても仕方ない。
シルバーを睨みつけた後、食堂から出た。
そういえばコトネは夕食を食べていない…部屋で寝ているはずだ。

…夕食を部屋まで持っていこうかな…

どうせ俺もコトネと一緒の部屋だし、持っていっても悪くないだろう。
あぁ、でも戻ったらシルバーになんか言われそうだ。しょうがない、取りに行くか。

「女将さん、コトネっていう子がまだ夕食、食べてないんです。なので、夕食貰えますか?」

近くにいた女将さんに言った。しかし、女将さんは何も言わない。無言のままパンだけくれた。
黒糖パンだろうか…?

「あの、これって黒糖パンですか?」

「……どうして、自分から夕食を食べに来ない子に豪華な食事をあげなきゃならないんですか?
 普通は食べに来るはずです。そのパンだけでありがたいと思ってください。言っておきますけど、
 ここは山の中なんですから食べ物は貴重なんです。無駄にはできないんですよ?」

「で、ですけど! ここは旅館ですよ? どうして…」

俺が言葉を続けようとしたら、女将さんは大きな声で叫ぶように言った。

「食べ物を貰う方が何言ってるんですか!? 文句言うなら食べなきゃ良いじゃないですか!
 私なんて昔食べさせてももらえませんでしたよ!! 奴隷のような存在として毎日毎日嫌なのに言えず、
 死ぬほど働かされて! 食べ物も…ろくに食べさせてもらえなくて…狂うような日々でしたよ!!」

俺は女将さんの発した言葉にぽかーんとしていた。
同じく、それを見ていたシルバーとレッドさんも唖然としていた。
すると、さっきまで静かに食事を作っていた女将さんがこちらへと来た。
背が高く、ガリガリの痩せ体型ではないが細い。顔立ちがイツキさんとキイさんに似ていた。
もしや、姉妹か?

「何をやっているのアオ。今の発言はお客様に失礼よ。これは姉の権利がある私だから、
 言えることだけれど。あなた、今日は自棄に機嫌がよろしくないのね。
 何か機嫌を損ねるようなことでもあったの?」

アオと呼ばれた女将さんは、こちらにやって来た女将さんを睨み付けた。

「うるさい、シオリ姉。何をしようと私の勝手でしょう?それにキイとイツキはどうしたのかしら?
 見ていてって言ったじゃない。私の我儘すら聞いてくれないの、シオリ姉。
 あぁ、そうよね! 私の気持ちがわからないから聞いてくれないのね!
 酷いわね、こんな簡単な我儘も聞いてくれないなんて。
 まぁあの子たちも私たちと同じ目に合うんだからいいかしら。ねぇ? シオリ姉」

シオリさんはアオさんの話を真面目な顔をしながら聞いていた。
やはり、この二人は姉妹のようだ。イツキさんとキイさんとも関係性があるみたいだ。
唯でさえ悪い空気がもっと悪くなっている。これはまずい。早くなんとかしなければならない。
俺はとりあえず止めることにした。

「やめましょうよ、言い争いは! 嫌な空気になっちゃいますよ!?」

「じゃあ…じゃああなたは私たちの思いがわかるの!? …わからないわよね」

さっきの睨み付ける表情から一変し、悲しそうな顔をした。

「…そんな顔されちゃあ内容がわからなくても思いはわかりますよ…」

「………!!」

アオさん、シオリさんは二人して驚いた顔をした。

「じゃあ、私たちの話、聞いてくれるわね…?」

「シオリ姉…!? まさか、あれを話す気なの…!?」

「話さなきゃわからないでしょ。いいじゃない、わかってくれるんだから」

シオリさんは目を閉じると、一回深呼吸をした。

「…私たちはね、無理矢理この旅館に連れてこられてた。二年前位かしらね…
 そのとき私は二十二歳、アオは二十歳、キイは十八歳、イツキは十六歳だったわ。
 働けって言われて朝から晩まで休む暇なく働かされた」

「そんな歳で、全員無理矢理働かされていたんですか…!?」

「働いていたのは私とアオだけだった。キイとイツキは働いていなくて部屋に閉じ籠ってた。
 色々あって辛かったわ。ここで働いているおばさんたちも私たちと同じようにここに来て、
 いいように使われたらしい。今ならわかるわ。おばさんたちがどんなに苦しい思いをしてきたか…ね」

「そうなんですか…それで今こんな状況におかれてるんですね…」

シオリさんは、ゆっくりと頷いた。そのすぐあとにアオさんが話し出した。

「主はテレビで出ているあなたを気に入っていたのよね…」

「俺…がですか?」

「ええ、そうよ。でもそれであなたたちが来るとは思ってはなかったわ。
 テレビで出てから一年半が経っていたのに…本当にあの人は気味が悪いわ。
 だから…だからここは危険。早く出て行った方がいいと思うわ…それに…」

そのとき、食堂のドアが開いた。そこにはおじさんが立っていた。

「…ヤマシロウさん…どうしてここに…」

おじさんはヤマシロウという名前だったらしい。
ヤマシロウさんはにっこりすると、その顔のままいやーなことを言った。

「あとで、話があるんだ。ヒビキくん、シルバーくん、レッドくん、君たちは自分の部屋へと戻りなさい。
 僕はこの子たちと話すことがあるからね。ねっ、シオリちゃん、アオちゃん?」

「はい……じゃあねヒビキくん。気をつけて戻ってね…」

シオリさんとアオさんはヤマシロウさんと共に奥へ行ってしまった。俺とシルバーとレッドさんは食堂を出た。
上へと行く階段を上る。隣を歩いていたシルバーが難しい顔をしながら喋る。

「辛いことあったんだな、女将さんたちって…衝撃的な事実を聞いた気がするぜ…
 俺たちにはどうにもできそうにないな…」

「……そうだ…な。俺たちも考える必要がありそうな感じがする」

「…ってもう部屋についた。」

レッドさんの言う通り、もう部屋がある階へと来ていた。

「二人とも、自分の部屋で疲れを癒しなよ。俺はじっくりこの旅館にいる間のことを考えてみる。
 それじゃあ、おやすみ」

「じゃ。ヒビキ、またコトネ泣かせんなよ〜」

「泣かせるか。じゃあな」

二人とも自分の部屋に入って行った。俺も自分の部屋へと戻る。
アオさんの言っていたことを思いだした。

俺はそっと、手に持っていたコトネへと渡す黒糖パンを見つめた。



続く


あとがき

衝撃的な事実だったりそうでなかったりした今回、どうだったでしょうか。
イツキさん、キイさん、アオさん、シオリさんは4姉妹です。今回初登場のアオさんと
シオリさんは22歳と24歳ですね。あれ、計算合ってるよね?うん。
アオさん、酷いこと言ったようで言ってないんです。ただ、食べ物は粗末にすんなって
ことを言いたかったんです。悪気はなかったんですよね、アオさんにも。
私的に4人ともお気に入りです。イメージ絵は知り合いに描いてもらいたいと思います。

次回は何を書こうかな〜…徐々にこれまでの話も修正していきたいんで、投稿はゆっくりに
なってしまいそうですね……でも出来るだけ頑張ります。

それでは、また次回!!


次回→>>47

Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.47 )
日時: 2016/05/05 11:19
名前: ゆーい
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=13997448

前回→>>46


29話:恐怖のSOS

「…んんっ…あー?」

無性にトイレに行きたくなり、ムクッと体を起こした。
時間を見ると、ちょうど夜中の一時だった。本当はこんな時間にトイレに行きたくはなかったが、
耐えきれないので迷わず直行した。しかし、鍵が開かなかった。

「えっ? まさかこのトイレ、開かずのトイレ?」

だが、それは無いようだった。

「ヒビキ…くん? トイレ入る?」

「う、うん。入る。」

「あー…ごめん。今お取り込み中なんだよねー…」

「えっ、マジで? え、他にどっかトイレある?」

トイレって自分の部屋にしか無いんじゃないか? え? 俺どうすりゃいいの?

「あのさコトネ…他にトイレってあったっけ?」

「一階の温泉…みたいなところに…あった気がする」

「おっけー、ありがとう」

コトネのどういたしましてを聞くと、懐中電灯を持って部屋を出た。
夜中ってこともあって、廊下はかなり不気味な雰囲気を出していた。
一人で行くのは少し勇気が要りそうだ。持っていた懐中電灯を点けて、階段を下りる。
寒くて体が震えた。山の中だから寒いのもあるのだろうか。
一階へと着くと、風呂場に行き、トイレを探した。確かにトイレはあった。が、物凄く怖い。
お化け屋敷が全然平気な俺でも怖い。コトネだったら倒れてるかもな。
コトネの事を考えたら気が楽になった。さっさとトイレに入って部屋に戻ろう。

「はぁスッキリしたぁ! っていうか寒いな…早く部屋に戻ろっと!」

手を洗い、階段へと行く廊下を通る。と、何処からか声が聞こえた気がした。
ボソッと聞こえただけだから、実のところ何を言っているのかはわからない。

……けて……

再び声がし、耳を澄ます。今度は結構ハッキリ聞こえた。背筋がゾッとし、その場で立ち止まる。
俺は、書庫の前にいる。

まさか…そんなことは無いはずだ…

だって、書庫は殆ど誰も使わないと聞いた…鍵だって女将さんが持っている。
入れるわけ無いのだ。でも、もしかしたら誰かいるのかもしれない。
そおっと、書庫の扉のドアノブに手をかける。勇気を振り絞り、開けた。

「…!? あああ…そんなことがあるわけ…」

ドアは開いた。
女将さんがいるのか…?
音を立てないように、書庫の中に入る。すると早速、先程の声が聞こえた。
やはり、この書庫の中から聞こえてきたようだ。

「……か……けて…」

まだよくわからないが、「けて」というのははっきり聞こえたからわかる。
答えてもらうことは出来ないのか…?

「誰かいるんですか? …返事してくれればいいんです、答えてください」

「だれか……たすけて……」

たすけて…? これは俺に言っていることなのか…?
それとも俺以外の奴に言っているのか?
どっちにしろ助けを呼んでいるのはわかった。もっと奥に行けと俺の中の好奇心が疼く。
俺は書庫の奥へと進んだ。しかし、進んでも進んでも本棚ばかりだ。
暗いのもあるから、今自分がどこら辺にいるのか分からない。

「……ア¨ア¨ア¨ア¨ア¨ア¨………」

その声が聞こえ、俺の足は進むのを止めた。今聞こえたのは所謂(いわゆる)奇声というものだろう。
突如、恐ろしいほどの吐き気が襲ってきた。気持ち悪さでその場に蹲り、必死に口を押さえた。
すると、目の前が眩むと同時に俺の向いている方向に誰かが立った。
此方を向いている。よく見てみると、腕が無く、血がポタポタと流れ落ちている。
そいつは、自分の体を見て悲鳴をあげた。

「コんナノ……ボクじゃなイ……コンナ体…ボクノジャナイ……!!」

カタコトで喋っている。こいつは何者なんだと自問する。
そいつはだらんとし、スタスタと此方へ向かってきた。
逃げようと、俺の体が動こうとするが気持ち悪さで立つことすら出来ない。
そんなことをしているうちに、そいつは俺の真ん前に立っていた。恐怖と吐き気で体が竦む。

「君ノ体…綺麗ダネ…羨マシイナ…ネェ、ソノ体、頂戴?」

「は…?」

「僕ノ体…モウボロボロ。使イ物ニナラナインダ……ネェ…イイヨネ? ドウセ君、ソノ体、
 要ラナイデショ?」

何言ってんだ、こいつ。頭おかしいのか? 要らないわけないだろ…
しかし、俺の口は言いたいことが言えなくなっていた。反論も出来ない。

「ソンナ状態ジャア、動ケナイモンネ。楽ニシテアゲルカラ、頂戴? オ願イダカラ…頂戴…?」

「…っ…や…やるわけないだろっ…!?
 誰がボロボロのお前なんかにあげなきゃなんないんだよ!! ふざけんな!」

やっと言葉が出た。吐き気もだんだん無くなってきて、体も動く。次何をされるかわからない。
ゆっくりと立ち上がり、じりじりと下がる。そいつは目を見開き、睨んできた。

「ドウシテソンナコト言ウノ…? ネェ頂戴? 頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴
 頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴…頂戴!! 助ケテ!! 僕の体ヲ!!」

ガアッと音を立て、此方に走ってきた。俺もドアを開け、走り出す。
だが後ろを確認するとそいつはいなくなっていた。360度見回しても何処にもいなかった。
タラッと汗が流れる。走って自分の部屋に戻った。
そういえばコトネは無事なのか…!?
焦ってあたふたする。

「ヒビキくん? どうしたの、そんなに焦って…」

トイレの方を見ると、コトネがタオルを持って立っていた。心配そうな顔で俺を見つめていた。
そして、驚いた顔をしながら俺の体も見つめた。

「物凄い汗かいてるよ…!? びっしょり…拭かなきゃ! 早くこっち来て!」

「え…? あ、本当だ」

確かにコトネの言った通り、服が汗でびっしょびっしょだった。恥ずかしくなる。
こんなに汗をかくほど怖がってたのか……
寝るとこに戻る。コトネが電気をつけた。さっきまで暗いとこにいたから眩しくて、目がチカチカする。
しかし、そんなことを考えていられなかった。

再び自分の体を見る。だが服を見た瞬間驚愕し、体が硬直する。
服がびっしょり濡れていた理由がわかった。服が濡れていたのは汗が原因では無く…

血だったのだ。

怪我をした形跡は何処にもない。それなのに、何で血が…
後ろからガタッと音がした。コトネが恐怖で怯えている。

「ヒ…イッ…! ヒビキくん…何で、血が…あ、あ…どこも怪我してないのに…何でそんなに血が…!
 急いでシャワー浴びなきゃ!!」

「うあ、あ…俺、何したんだ…?」

震えるコトネに風呂場に連れてかれながら考えた。
でも今の俺の頭の中はぐちゃぐちゃで、わけがわからなくなっていた。
一体何した…?
その間に俺は服を脱がされていた。

「ヒビキくん、しっかりして! 見ているこっちは困るんだから…体が洗わなきゃ。
 ほら、ヒビキくん! …もおー!!」

シャワーを浴びながら硬直し、自分についている血を見つめた。
コトネの声だけがその場に響いていた。



続く


あとがき

なんか書いている自分でも、ヒビキがどうして血だらけだったのかよくわかりませんでした。
嘘です、すみません、わかってます。今回の話はおかしな男の子が出てきました。
誰なんでしょうかねー、一体。
そろそろ真面目にホラー回に入っていきます。でもホラー回って言ってもグロかったりするかも…
まぁそこら辺は気にしないで見てくださいね。

次回についてはまだ未定です。今回の話は夢落ち…かもしれないですし、そうでないかもしれません。
そこは次回のお楽しみですね。

ではまた次回!さよなら!


次回→>>48

Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.48 )
日時: 2016/05/05 11:21
名前: ゆーい
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=13997448

前回→>>47


祝!700参照!ありがとうございます!

30話:暗い

気持ちよくない朝がきた。
できれば朝はきてほしかったが、俺がいつも感じる朝と今日の朝は何かが違っていた。
理由は朝日が気持ちよくないからだろう。というか、日が射し込んでいない。
森の中だから朝日射し込まないのも当たり前だろう。朝なのに明るくなかった。天気が曇りの時のようだ。

今日の夜中、俺の身体が血だらけで、大惨事だった。
呆然としている俺の体をコトネが洗ってくれた。文句は言われたが。
洗い終わった後、コトネがシルバーとレッドさんを呼び、話をした。事情は俺が説明した。
2人とも不思議そうな顔をして信じていないようだった。何とか信じてもらおうと説明したのに、呆れられた。
しかも、挙句におかしい奴と言われた。シルバーには

「は? マジでどうしたヒビキ。頭混乱してんじゃねーの?」

と言われ、レッドさんには

「ヒビキ…狂ったか?」

と言われた。混乱してねーし! 狂った覚えもねえ! と1人心の中でツッコんでいた。
コトネはうんうんと頷いて信じてくれたようだが、それが本当なのかどうかはわからない。
もうふらふらしていて、多分、そのまんま寝た。気付いた時にはもう朝だし、機嫌が悪い。
無性にイライラする。とりあえず、顔洗おう。

鏡を見ると、寝ぼけた自分の顔が映った。まだ顔に血の跡が残っている。
だが、体の方を見ると血の跡は残っていない。ちゃんと洗っておこう。

顔も洗い終わったので、食堂に行って朝食をとった。
トイレへ行こうと廊下を通る。すると、通りにある部屋から話し声が聞こえた。

「ねえ、アオ。もしかしたらなんだけど、封印がそろそろ解かれるかもしれないの」

封印…って何のことだ?

「な、なにそれ…だって、封印は一年半前にしたばかりじゃない」

「理由はまだわからないの。考えた分には考えたんだけどね」

「もしや、あいつの力が暴走してるってことだったりする?」

あいつって…昨日俺が会った奴のことなのかもしれない。

「あたり。力が暴走してれば封印も解けるわ。ね、ヒビキくん」

「へあ!?」

いきなり名前を呼ばれ、間抜けな声が出てしまった。
俺はもう手遅れだというのに、口を塞いでいた。仕方なく部屋の中を覗く。
その部屋にはシオリさんとアオさんの二人が椅子に座ってた。
アオさんは俺の方をじいっと見つめており、シオリさんは目を瞑り、ニコニコしていた。

「す、すみませんでしたあああ! 別に悪気があった訳じゃ無いんです! ただ、ここを通って、
 ちょうど話し声が聞こえたので聞いてしまっただけなんですよ!!」

「ええ、そんなことは分かっているわ」

意外な返事がきて、下げていた頭を上げる。

「夜中、大変だったでしょ? きっと血だらけだったはず」

「な、なんでそれを……」

「ち、ちょっとシオリ姉。それどういうことよ。アイツがいたってこと!?」

俺の考えは間違っていなかったようだ。アイツとはあの腕の無い少年のことだろう。
その姿を思い出してしまい、気分が悪くなる。

「気持ち悪いわよね……あなたたち、四人が来て興奮してるのかしら……」

「でも、そんなことは今まで無かったはずよ?」

「歴史書に載っていなかったかしら? その話」

あれ…? この話どこかで……もしや……

「あの、アイツって…ポケモントレーナーだったりします?」

俺がそう言うと、二人の表情が一変した。シオリさんは真剣な顔になり、アオさんは驚いた顔になった。
俺の言ったことはあたっていたみたいだ。

「聞いたことあるのね? アイツが…ポケモントレーナーだったってこと」

「ポケモントレーナー殺人事件って昔あったらしいんで…知ってます。確か……
 十五年くらい前の話でしたっけ…」

そう、十五年くらい前に殺人事件があったらしいのだ。
これは俺の母さんから聞いた話だから詳しいことはよくわからない。
ただ、知っていることは知ってる。内容は…こんな内容だった気がする……


十五年前、森にある旅館でポケモントレーナー殺人事件があった。それは酷い事件だったという。
その旅館に泊まっていた客の殆どがポケモントレーナーだ。犯人は未だに捕まっていないというが、
もしかしたら死んだポケモントレーナーの中に入り交じっているという説がある。
だが、そうだったらもう捕まえることが出来ない。
この事件で泊まっていた客の半分は殺され、亡くなっている。
それからその旅館へ行く森の行き来は禁じられているらしい。
しかし、その旅館は今もやっている…経営しているという。まだまだこの事件には謎が残っている……


母さんは悲しそうな顔をしてこの話を語っていた。
世の中にはこんなことも沢山あるから気をつけなさいとよく注意されたものだ。ポケモントレーナーの殺人…
相当な恨みがあるからこそ、こんなことができると思わないと恐ろしい。

「どうしたのヒビキくん…元気がないわよ? 嫌なことでも思い出した?」

考え事をしていた俺を、シオリさんが心配してきた。

「いえ…大丈夫です。もし新しい情報があるなら、また教えてください」

「わかったわ。じゃあヒビキくんも何かあったら知らせて。
 そろそろアイツにした封印が解けるかもしれないから。気をつけて部屋に帰ってね」

俺は部屋を出た。書庫に行きたいが、また腕の無い少年と会うのは嫌だ。
そういえば、今何時だ?携帯を見ると、何故かもう夜の十一時だった。

「ただいまー…コトネ、もう昼…」

「ヒビキくん……!」

部屋に入ると、コトネが飛び込んできた。
俺の頭がビックリマークとクエスチョンマークに覆われる。

「コ、コトネ!? どうした!?」

「おかしいの、この旅館に来てから! 携帯の時計が狂っちゃって…しかも外を見に行ったら暗いし…!
 さっきまで朝だったのに、もう夜の八時だよ!? 本当におかしいよ、此処……」

「八時…!? なんでだよ、今昼の十一時だぜ…!?」

「携帯の時間見てみてよ……絶対8時だから…」

時計を見てみても針は昼の十一時を指している。でも、外は夜のように暗い。
電気を点けないと暗くて見えない。

「え…何で? シルバーにも確認して来なきゃ! 行ってくるね!」

「…ちょ…お、おい! コトネ!」

声をかけた時にはもう靴を履いて行ってしまっていた。

「ったく……」

外を確認しようと窓の方を見た。青空ひとつ見えない、それどころか真っ暗だ。
真っ暗…? 空の青色が見えない…?

「………!!」

…ここはジョウト地方でもカントー地方でも何にでもない何処かだ。
わかることは、ここは森の中だとだけだ。あとは全くと言っていいほどわからない。
やっと気づいた。イツキさんたちが帰れないのはここが何処だかわからないからだろう。
…ということは、俺らも家へ帰れないということだ。

「嘘だろ……」

暗い部屋の中で1人、しゃがみこんだ。



続く


あとがき

今回の話の内容がよくわからない人もいらっしゃると思うので、簡潔に説明します。

外が暗いと思ったら森の中で日が射さない。しかも、ここは森ということ以外わからない。
ヒビキはわかった…帰り道がわからないということが。

みたいな感じです。なぜ最後しゃがみこんだか?それはいろんな考えを出して読みましょう。
次回は夜中から始まると思います。視点は…シルバーかコトネにしようかと考えています。
忙しい中ですが、出来るだけ早く投稿しますので、気長にお待ちください!
それではまた次回!さよなら!!


次回→>>49

Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.49 )
日時: 2016/05/05 11:26
名前: ゆーい
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=13997448

前回→>>48


31話:幻覚(シルバー視点) ※ちょっとホラー要素ありかも

携帯が壊れたかもしれないと気づいたのはコトネに言われてからのことだ。
携帯の時間を見てみてと言われ見たは良いものの、夕方の五時だった。
あれ? さっきまで朝だった筈だと思っていたが、コトネは夜の八時だと言う。
ヒビキは十一時だと言うし、誰の携帯が合っているのかわからないが、誰も合っていないだろう。
ごろごろと過ごしていればあっという間に夜だし…現在は夜中の二時。
なぜわかるかって?
目がぱっちり開いていて、寝れないからさ。

…昨日ヒビキからおかしな話を聞いた。それも寝れない原因の一つだ。トイレに行けない。
部屋にトイレはあるが、壊れている。苛ついて思いっきりトイレのドアを蹴ってやったら傷がついた。
意外に脆くて焦った。ま、今日はそのトイレと1度も目を合わせずに一日を過ごした。トイレなんか嫌いだ。
あー、トイレ行きてえ…ってか寝れねえ……!! しゃーない…一階のトイレに行くか…


─────・・・

「暗いな…灯りがなきゃ見えねえ…」

用を足して部屋に戻るための廊下を使った。書庫とか大切な部屋が並んでいる。
しかし!
この廊下。これが何とも言えないくらい暗い(駄洒落じゃねーよ?)
行くときはそんな暗く感じなかったが、戻り道は結構な暗さだ。

ガチャン!

「……!! な、なんだ!?」

多分今…トイレがある方向から音がした。う、丑三つ時って何時位だっけか…?
確か、今の時間帯だった気がする…なにかがこちらに向かって来るようだし、戦闘準備でもするか。

「その声…シルバー?」

暗闇の中から聞き覚えのある高めの声がした。目を凝らすと、いつもと違う感じの少女がいた。

コトネだ。毎日のようにツインテールをしているから髪を解いていると、変な感じがする。
別に似合っていないとかいうことを言いたいわけではない。
でも、自分の部屋にトイレがあるのに、何故一階のトイレに来たのだろうか。

「良かったああ…一人でここのトイレに来るの、すっごい勇気いるんだよねー…
 ここに来るまでに十分悩んだもん」

あははと笑った。怖がりな奴だったらトイレするの我慢するだろうな。

「でもお前何で自分の部屋にトイレあるのに、こっちのトイレ来たんだよ。
 因みに俺はトイレ壊れてたからここに来たんだけどな」

「あー…ヒビキくんがトイレ入っちゃっててね〜。お腹壊しちゃったんだって。
 全く、昔から無理するのは変わらないんだから」

暗闇の中だから、どんな表情をしているのかあんまり分からない。だが、困っているように見えた。
でもそれも気のせい。目を細めて優しく微笑んでいるのが見えた。可愛い。
でもコトネがこんな顔するのは、特別に思っている奴の話をしているときや、一緒にいるときだけだ。
凄く貴重な顔だから写真を撮って、残しておきたい。

「真っ暗だからよく見えないね。んでも暗闇に目が慣れてきたや。戻ろっか、部屋に」

「ああ、そうだな。」

やっぱり俺…この笑顔、大好きだ。守ってやりたくなる。

「……なあ、コトネ」

「ん?どうしたの、シルバー」

俺の前にいたコトネが振り返る。きょとんとした顔で俺を見つめた。今からでも言いたい。
守ってやりたいと。でも…俺にそんなことを言える勇気はない。

「いや、やっぱ何でもない」

俺はコトネから目を逸らした。言いたいことも言えない自分が情けなくて嫌いだ。

「ちょっとー、そう言われると凄く気になるんだけどー!!」

むすっとしている。言えないものはしょうがない。

「まあいいや! 言いたくなったら言いなよ、待ってるからさ。」

なんか泣きたくなってしまった。コトネの言ったことが嫌とか悪いとかそういうことじゃない。
今言った言葉が最期だったら怖いからだ。待ってるからって…その言葉が1番怖い。

「コト…ってうわあ!」

「な、なに!? くっ…立てない!」

いきなり地震のように揺れ、体制が崩れる。あまりの揺れで、立つことができない。
少し経つと揺れは治まった。

「だ、大丈夫かコトネ。立てるか?」

コトネに近寄った。寝そべっている。

「う、うん。大丈夫。シルバーは…うん、大丈夫そうだね」

俺のことを確認すると、ゆっくり立ち上がりあたりを見回した。何か気になることでもあるのかもしれない。
でも、そんなに気にすることあるか?

「シルバー…私ね、ヒビキくんが言ってたことって本当だと思うんだ。
 シルバーとレッドさんは信じてないかもだけど、私は本当だと信じてる」

「俺は、非現実的なことはあんま考えないから信じることはできない。
 だけど、もしかしたらそういうこともあるのかもなって感じてる。
 ヒビキは…俺とレッドさんが話を信じてないから拗ねてると思う。だから、なんか言っておいてくれ」

「わかった、言っておく。…って…シ、ルバー…あれ、何…?」

頷いたと思ったら俺の後ろの方を見て震えだした。何かと思って、俺も振り向く。
そこには、うじゃうじゃと動くものがたくさんいた。目を細め、よく見てみる。
正体は──……腕だ。

「う、腕だ。…しかも、腕しかない…胴体がない。」

恐怖で退く。コトネも俺が退くと共にしがみついてきた。
カタカタと震えており、歯が噛み合っていなかった。

「うっ、腕…? う…あ、ああ…」

様子を見ていると、1本の腕がこちらに気づいたようだった。猛スピードで向かってきた。
続いて他の腕も大量に向かってくる。逃げようと思っても、もう遅かった。気づいたころには、
口を塞がれていた。コトネも同様口を塞がれ、もがいていた。

「んぐう…! ぐうう!! ううう……! ……」

気絶したのか何なのかわからないが、コトネの体がだらんとした。

「ふふへ(コトネ)!!」

マズい…このままじゃ息ができなくて、窒息死だ…!! 何とかして抜けないと…
駄目だ…もがいてももがいても塞ぐ力が強くなっていくだけだ…!

「んぐ…ぐっ……」

苦しい、死ぬ…誰か助けてくれ…


────・・・

視界が明るくなり、目を覚ます。起きたらそこは、俺の部屋と少しつくりの違う部屋だった。
俺の隣にはコトネが寝ていた。ということは、ここはヒビキとコトネの部屋なのかもしれない。

「…起きたか!? シルバー!」

バタバタと歩く音…というか走る音がした。ヒビキが汗だくで俺の隣に座った。
はぁはぁと息が乱れている。そんなに走ったのか…?

「なあヒビキ。何があった…?」

「それはこっちのセリフだ!!」

怒鳴りつけられた。更に睨みつけられて、何も言えなくなる。

「シルバー! お前とコトネに一体何があったんだよ!!
 コトネがいつまで経っても帰って来ないと思ったらトイレの近くでお前と一緒に倒れてるし!
 こっちはすげー焦ったよ!!」

ボロッとヒビキの目から涙が溢れた。
それが俺には衝撃的だった。ヒビキが泣くとこなんて1回見たことあるかないかの具合だ。
こんなの見たらおろおろするしかない。

「ヒビキ…落ち着けって……」

「血はそこらへんにポタポタ落ちてるし…一瞬死んだのかと思っちゃったじゃねーか……くそう…
 コトネはまだ起きねえしよぉ……もうわけがわからねえよ……」

体育座りの態勢で、膝に顔を埋めた。俺は、そんなヒビキの様子を黙って見ることしかできなかった。
口を塞がれていた気持ち悪い感覚が、口に残っていた。あの腕は…幻覚では無いのだろう……



続く


あとがき

私自身、幻覚とか見たことはありません。ですが、見えるはずのないものが視えたら
怖い気がします。でも今回の話は、見たものが幻覚のようで幻覚では無い感じです。
もし貴方の目に大量の腕が映ったら…しかも胴体がない。怖いですよね…
私なんて考えただけで怖く感じますよ!

次回は新展開が起こると思っていてください。必ず新展開を起こさせてみせます。
…作者が何言ってんだか……

ではまた次回!さよなら!!


次回→>>51

Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.51 )
日時: 2016/05/05 11:28
名前: ゆーい
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=13997448

前回→>>49


ガチホラー編スタート!?

32話:少年

目が覚めると朝だった。そうだ、俺昨日泣いたんだった。
それで…確かそのまま眠くなって寝た気がする。コトネが俺の隣に寝ていた。

「コトネ…まだ起きないのか…」

今日の夜中頃、コトネとシルバーが1階のトイレ付近に倒れていた。
血も落ちてたから思わず声を上げてしまった。この部屋に二人を連れてくるのもひと苦労。
コトネを先に部屋に連れてきて、その次にシルバーを連れてきた。
この作業がめちゃくちゃ大変なわけだがな。

「あ、ヒビキ。起きたのか」

シルバーの声がした。俺は、今の体勢のままシルバーに返事をした。

「よう、シルバー。お前も起きたんだな」

「今さっきな。…ヒビキ、トイレ借りた、ありがとな」

「ん。シルバー、朝食…どうすんだ?」

一応変な空気にならないように話をしたが、俺の気分は最悪だ。
今の自然な空気でも全く気持ちが晴れない。
コトネは全然起きないし、時計は壊れてるし…今が何時なのかもわからない。
時間の感覚がおかしくなってきてる。体内時計なんて機能は、俺には備わってない。

「…コトネが起きたら食べる」

そう言うとシルバーは、俺の隣に腰を下ろした。そこから無言の空気が続く。
何かを話そうにも話題が見つからなかった。ふと、聞かなければいけないことを思い出した。
夜中の出来事だ。どうしてトイレの近くなんかに倒れていたのだろうか…

「シルバー、夜中あった出来事のついて教えて欲しい」

するとシルバーは、ギョッとした表情を見せた。やっぱり何かがあったと俺は見る。
シルバーはすぐさま首を横に振った。
話して欲しいから、マジマジとシルバーを見つめていると、話す気になったのか溜息を吐いた。

「そんなに話して欲しいなら話してやる。…丑三つ時くらいかな、俺がトイレに行ったのは。
 俺の部屋のトイレ、壊れちまってさ。だから仕方なく1階のトイレに行ったってわけだ」

シルバーは、起きた出来事を包み隠さず話してくれた。もう隠す必要も無いのだろう。
1階のトイレ付近でコトネに会ったこと、沢山の腕が襲ってきたこと…

「なぁシルバー」

「なんだよヒビキ」

言わないほうがいいのかもしれない。だけど、言うしかなかった。
俺自身、気になるってこともあるんだけど…
俺の体験した出来事と何か関係があるんじゃないかと思ったからだ。

「あそこ、トイレの近くにさ、書庫…あんじゃん」

「ある。それがどうしたってんだよ」

出来れば、目的がなければ聞きたくない。でも、目的があるからこそ聞かなきゃならない。
そういう時って誰だって経験したことあるよな…

「俺、話しただろ? 書庫で変な奴に会ったって」

「ああ、言ってたな、そんなこと」

「それで、もしかしたらなんだけどな…」

そこで俺の口が閉じた。
なんだよ、俺…話せないのか?
ダメだろ、弱気のなっちゃあ…話すと決めたら話すのが男だろ?
自分に言い聞かせるが、思うように言葉が出ない。途中で話、きりたくないのに…
なんで俺ってこんなに意気地が無いんだよ…

「ヒビキ? なんか話すことに問題でもあんのか? 言いたいことがあるならちゃんと言えよ」

「え、あ、ああ。……その、な…俺の会ったそいつと何か関係があるんじゃないかと思う」

「関係? んなもんないだろ…だって俺が実際そいつに会ってないんだし。そうだろ? ヒビキ」

やっぱりシルバーは信じない。でも信じてもらえないことなんてとっくにわかってることだ。
それでも俺は気になる、書庫には何か隠されていることがあるんじゃないかと…

「そう言うと思ったんだ。…だから、書庫に行こうぜ?
 今日までのおかしな出来事が本当にあったかどうかってことを。
 確かめる必要なんて幾らでもあるんだからさ」

シルバーは少しの間黙っていた。行くか行くまいか考えているかもしれない。
そして決断をしたのか、口を開いた。

「…俺も気になるから行く。それに時間も直しておいたし、いいだろう?」

「時間…?」

シルバーに尋ねると、何ぼけてんだとひと蹴りされた。

「携帯の時間のことだよ。忘れたのか? 時間がズレてること。
 それを直しておいたってことだ。お前まだ十四だろ、それぐらい考えろよ…」

「嘘嘘、知ってるって(何のことだかわからなかったけどな)。それじゃ、書庫に行くか」

立ち、背伸びをした。時間を確認すると、まだ4時だった。朝…に近い夜中みたいな感じだ。
シルバーも立ち上がり、置いてあった携帯をポケットの中に入れた。
俺たち二人はコトネを一人残し、部屋から出た。鍵をかけ、一階へと繋がる階段を下りる。
前もこんな風に二人で歩いてたな…昔の自分を思い出した。考えているうちに書庫へと着いた。

「ここだな。ヒビキ、準備はいいな?」

「ああ、いつでもOK」

シルバーは、俺の発したその言葉を聞くと、ゆっくりと書庫のドアを開けた。
中は思った通り。暗く、灯りが無いと見えない状態だ。持って来た懐中電灯で中を照らす。
誰もいないかもしれないという考えは見事に裏切られた。
書庫の中には……
俺が夜中に見た少年が、椅子に座っていた。こちらのことをニンマリと見つめていた。

「やあ、ヒビキ、シルバー」

「今日の夜中…あんなことをやったのは…お前なのか…!?」

目の前にいた少年に反発したのは、シルバーだ。怒りかなんかで震えている。

「君たちには気づいてもらいたくて色々やったんだけど、流石にやり過ぎちゃったかな?
 ごめんね。でも、悪気があったってわけじゃ無いんだよ?
 ただ単に、僕の存在に気づいて欲しかっただけさ。だからコトネには悪かったなと思ってる」

「だからって…! そんなの…!」

「シルバー、やめようぜ? 話したいことだってある」

俺の一言で、シルバーの気持ちを抑えることができたようだ。不穏な感じが辺りに広まった。



続く


あとがき

私の知り合いが書いてくれていたものです、ありがとう。
一回前編後編に分ける予定でしたが、やめました。修正いたしました。
あと、雑談掲示板開いてるんで遊びに来てくださいね!!

ではまた次回!さよなら!


次回→>>52

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