二次創作小説(紙ほか)

【おそ松さん】
日時: 2016/06/07 22:42
名前: ストロー

 腹が痛い。
周りの景色や人を見ていられないほどだ。
意識がシャットダウンしないのを願いながら、歩を進めることしか、僕にできることはない。
酷い音を立てた腹は、不調を必死に訴えている。
が、僕だって頑張っているのだ。
胃が締め付けられたような痛み。
絶対に、原因は『あれ』だ。

「チョロ松兄さん、今暇?」
鶏がそろそろ鳴き終って、昼になろうかなという時間。
完全なる作り笑いで、僕に近づいてきたのはトド松だ。
求人誌を読んでいた僕は、暇じゃないと言いたかった。
しかし、返答しようと口を開いた時には、トド松は台所に引っ込んでいた。
僕はため息をつく。
おそ松はパチンコ、カラ松はナンパ、一松は猫と戯れに行ったし、十四松は素振りに行った。
つまりは、誰でも良かったのだ。
ちょうどよく利用される、という訳だろう。
嘘みたいに澄み渡ったあの目が全てを物語っていた。
「じゃーん!」
お盆にのせて、何かをトド松が持ってくる。
お菓子なのは分かるが、具体的にはよくわからない。
「なに、これ」
「知らないの、兄さん。パンナコッタだよ」
さも当然のことのように言うが、聞いてもピンとこない名前だった。
別でイチゴジャムがついている。
白くてプルプルしていて、崩したら杏仁豆腐になりそうだ。
ミントまでついているという本気っぷり。
トド松は僕の目の前にパンナコッタを置くと、ジーンズのポケットからスマホを取り出して写真を撮り出した。
(やっぱり写真用なんだな)
少し納得した。
僕に食べさせるにしては、いささか見た目が綺麗すぎるなとは思っていたからだ。
「あれ、トド松の分は?」
不自然なくらいに肩を上げて、首を全力で横に振るトド松に、違和感を覚えた。
「僕は作るだけで満足したから」
僕は納得することにした。
納得してもいいと思えるくらい、パンナコッタは可愛くて美しかった。
早く食べたい、という気持ちが僕を扇動したのだ。
「いただきます」
スプーンを手に取る。
冷たい金属が指に触れて、変に緊張してしまう。
人に見られながら食べる機会があまりないからだろう。
スプーンをパンナコッタに差し込んで、一口分取った。

続きます

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