二次創作小説(紙ほか)

とある神鳴流剣士の転生譚
日時: 2018/01/05 01:28
名前: マメツキ


 どうもこんにちはこんばんはおはようございます。はじめまして、マメツキです。
 このお話はネギま!のオリジナル男主が色々と転生して行く微傍観系小説です。
 書く遅さにつき亀更新です。
 とりあえず、これは違うだろ、駄作かよとか思われましても生暖かい目で見守ってやってください。
 尚、マメツキの自己満足の為に書き走っていきますのでご容赦ください。
 マメツキは感想等には泣きついて狂喜乱舞します。
 捏造てんこ盛りです許せる方のみどうぞ初見さんいらっしゃいです。
 以上、わりとウェルカムなマメツキでした。

 設定。
 小原 錺(こはら かざり)
 麻帆良学園男子高等学校に所属する明日菜達の三つ上な高校三年生。神鳴流につき関西人。
 剣道部にして保健委員。
 特徴として赤目でつり気味の鋭い眼光と揺れる一本のアホ毛。右目下の小さな泣きボクロがチャームポイント。
 ネギま!の例に漏れず美形と言うかイケメン。
 クールで落ち着き払っているが、実は現代からの転生者なので精神年齢は既に三十路越え。今更女子中学生ごときにきゃあきゃあ言う(精神)年齢でもない。故に麻帆良の御意見番としても活躍。
故に『麻帆良の御意見番』と若干の男子高校生に与えられるべきではない二つ名が存在する。
 麻帆良の男子生徒でも人気の高いイケメンであり、フェロモンがすごいエロイケメン枠。ラッキースケベは発動する前に元を断つ紳士。捏造設定により男子高等部の制服は中等部の持ち上がり。
 野太刀『霧雨』を所持。竹刀袋に常備。タカミチの居合い拳の元となった元祖居合い抜きの名手。実力は青山鶴子と同程度。宗家青山家の分家の次期当主でもあるかなりハイスペックな元一般人。
 アルビレオとは何か通じ合うものがあるのか仲良くしている。なんか重力剣貰ったんやけどどないしよう。これ本来近衛刀太が持たなあかんやつちがうん、とか思ってたけど刀太くん主体の話はパラレルワールドの話やから大丈夫なんか良かった、とか言いながらちゃっかり重力剣(黒棒)をアルから贈呈された。基本的に黒棒は使わない所謂宝の持ち腐れ。
 赤っけのある黒髪に柘榴色の瞳。身長は185cm、体重は平均。
 なんやかんやで巻き込まれた原作完結後。


ではどうぞ!

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Re: とある神鳴流剣士の転生譚 ( No.18 )
日時: 2018/01/14 23:09
名前: マメツキ



カカシside

 錺が苦笑いでも張り付けた笑みでもない、最近見なくなった本来の笑顔を微かに浮かべたあの夜から、錺は前の、いつもの錺に戻っていた。
 それを察知したライドウやアスマ、ガイ等に早速絡まれていたが、相変わらずの錺のその対応に見ていてストンと何かが当てはまった気がする。

 ああ、いつもの錺だ。

 ほっとして膝から崩れたのは記憶に新しい。自分でも膝から崩れたことに理解が出来ず、側に居た紅やアンコに『立てない、助けて』と助けを求めるなんてことしたのは初めてじゃなかっただろうか。

 周りのみんなも錺がもとに戻った様子を見て心なしかほっとしていたし、わりと気にかけられていたのだなと安心した。

 対して俺は元に戻った錺から普段より幾分も優しい対応を受けてどぎまぎしまくっている。忍として情けないことに、寝不足のせいで階段から落ちそうになったときは支えてくれたし、書類とか手伝ってくれて四代目の手伝いをしているからかかなり済ませるのが早いし、夜が遅くなると自発的に今度は俺を引きずって家に帰り出すし。挙げ句合鍵を渡される始末。正直嬉しくて俺的に困っている。まぁ根詰めなくなったのは素直に喜ばしい。
 理由としては、以前より女の子として見られることが多くなったのもあるだろうか。

 元通りになった錺は色気と言うかフェロモンというかなんと言うかそんなものがかもし出されてて心臓に悪い。アイツよくよく考えると性質がわるすぎだ。
 目の隈も消えて見に見えて健康になってきた目の前の錺を見つめて、視線に気付いたコイツが『ん?』と箸を片手に見つめ返してくる。そういうのを見てやっぱり好きだなあとふいと錺から目を逸らしながら再確認した。



『カカシ』
「何?」
『好きや』
「……、ん!?」



**



 「…え…ぅ、……は?」と目の前で真っ赤になって口をぱくぱくしているカカシを見てちょっとしてやったりな気持ちがあるのだが、自分でもなんでこんな飯食ってるときにそんなこと言うとるんやと言う自覚はある。
 先程の、カカシが照れ臭そうに視線を逸らしたのを見て不意を突いて出た言葉だ。俺自身言おうとして言ったことじゃないが、結果オーライ。
 ネギの千雨への告白シーンを雪広に引っ張られて見たからか、俺も告白するならあれぐらいの覚悟がいるのかもしれないと思っていたが、案外ぽんと言えたもんだ。
 気にせずぱくぱくと料理を食べていると、「ちょ、ちょっと!」と机をダンと叩かれた。がしゃりと揺れる食器からとりあえず味噌汁とお茶の入ったコップを避難させる。なんちゅー危ないことするんやこの子は。



「ま、待って待ってどういうこと、もう一回言って、いや待って」
『……』
「なんか言ってよ!」
『待て言うたやんけ……どっちやねん』



 言葉の綾に決まってんでしょうが! と真っ赤になって憤慨するカカシが俺にはもう可愛く見えて仕方ない。
 何笑ってんの! と立ち上がって怒りを露にするカカシを見上げながらもう一度『好きや』と口を開いた。ちょっと羞恥で泣きそうなカカシは机を支えに大きく溜め息を吐きながらしゃがんでいく。おーい、大丈夫かカカシー。



「……ホントなんなの錺。俺のこと殺す気なの? なんなの?」
『……一応、俺に殺す気は全くないぞ。禁句持ち出すなや』



 とうとう訳のわからないことを口走り出したカカシに仕方なく席を立って、机のしたで膝を抱えながら小さく丸まって座っている彼女の側へとしゃがみこむ。ダンゴムシを想像した俺は別に悪くないはずだ。
 なんと言うか、これは嫌がられとるんか。どうなんやこれ。



『……カカシー?』



 ぽふぽふとさらさらしていて柔らかい髪を優しく叩くように撫でながら様子を伺うが、反応はない。耳が真っ赤やから一応照れてくれてはいるのか。
 ちょっと埒があかない、と立ち上がろうとすると、腰にガクンと衝撃が走り、尻餅をつくように座り込む。なんだなんだと見てみれば腹辺りにカカシが抱きついていた。何事や!?
 ぎゅううとむしろエビ反りを掛けにきているのか、腰がミシミシ言い出してヤバイ。暗部の腕力ヤバイ。
 流石に死ぬ、と彼女の肩に手を置いた。



『カカ、』
「……俺も、」



 「好きだよ、」と顔を俺の胸板に押し付けながら返ってきたカカシに思わず頬が緩んで、肩に置いていた手を背中に回す。存外ほっとした俺がいることに気付いて息を吐いた。



『……っ、はー。フラれたらどないしようか思ったわ』
「……フラないよ」



 錺なんだから、といつか聞いた台詞に、あぁ、カカシだなあと実感した。



Re: とある神鳴流剣士の転生譚 ( No.19 )
日時: 2018/01/17 00:14
名前: マメツキ


 つい先日、四代目火影の相談役というかなんというか、そんな立場に任命された。以前からほとんど似たようなことをしていたが、それはただのお手伝いだったので正式に、的な。
 ミナト先生はちょっと教え子で周り固めすぎじゃないかね。暗部のカカシも一部からあまりよく思われてはいないみたいだし、俺も30代40代くらいの上忍たちにキツく見られたりするときもある。
 それを先生に相談すると。



「錺の場合、精神年齢で言ったらその上忍たちより歳上なんだから大丈夫大丈夫。なんなら俺より歳は上だろ?」
『せやけど! ……いや先生それ俺の最高機密や!』



 へらっと笑いながら告げる先生に周囲の気配が無いことを確認して書類をべしー、と地面に叩き付ける。ああっ、書類が! とちょっと疲れた顔で叫ぶ先生は多分自業自得ってやつだ。ぁ、これ拾うのに労力かかる……。
 先生は書類を拾い終えた俺ににっこり微笑んだ。



「カカシは……何かあってもお前が意地でも守るでしょ?」
『……まぁ、そうですけど』
「なら良し」
『雑や』



 この人雑やぁ、と書類を小脇に頭を抱える。
 もちろんカカシは意地でも守るつもりだ。なんせ俺の人生初の恋人である。最愛である。守らない選択肢はない。あの日に付き合い始めた俺達は表面上変わりなく過ごしている。が。二人で居るときちょっと雰囲気が柔らかくなると紅に言われた。マジか。

 この件はこれ以上この人に言っても無駄だと悟り、『じゃあこれ追加っすわ。俺上がりなんで』と地面に置いていた認証待ちの書類をどすっと机に置く。机に乗って俺の肩ぐらいまで積み上げられたそれに先生は頬をぴくぴくとひきつらせ、「……これ全部?」と指差しながらすがるように俺を見た。
 うむ。



『あと追加で三十枚あるんやけど、先生』
「……錺手伝って!」
『お疲れ様でしたー』
「錺、錺ー!」



 翌日。結局引き留められて家に帰らず貫徹した俺は目の下に隈を作ったミナト先生に「待機室で休んでおいで……」と言われて朝、上忍待機室のソファに座って腕を組んで項垂れていた。なんかもう、眠い。すごく眠たい。昨日晩から何も食べておらず、腹が減っているのだが、なんせ今は食欲より睡眠欲が圧倒的強さで勝ってしまっている。
 どうしよう、眠い。途方もなく眠い。



「錺おは……え、なに。どしたの、隈出来てる」
『……眠い』
「……徹夜?」



 ふあ、とあくびをしながらやって来たカカシにこくりと頷いた次の瞬間には流れるようにうつ向いてぐうと寝息を漏らしていた。せっかく朝イチでカカシに会えたと言うに、残念だ。すご、く。



「……おやすみー、」



 そんなカカシの声が聞こえた気がする。


**

カカシside

 目の前で体を揺らしながらうつ向いている錺を見てあぁこれは完全に寝たなと揺れる体に吊られてゆっくりと左右に動くアホ毛を指で弾く。
 大方四代目に巻き込まれたとかそんなもんだろう。四代目も錺に関しては無茶苦茶だからなあ。
 相談役に任命されてからのコイツは落ち込んでいた時期より忙しそうに見える。なのに以前より疲れが溜まってないと見えるのはどういうことか。効率が良いのかな、この人頭いいし。
 隣に座って辺りを見ると、やはりまだ人が出てきていないのを実感する。シンとした上忍待機室はいつもわりと人がいるせいか狭く感じるけど、人がいないとこんなに広いのか。
 きょろ、と視線だけ周囲へ動かして、不安定な錺の体を自分の太ももに寝かせた。所謂膝枕である。跳ねた髪がリンと同じくらいの短さのズボンを履いているから素肌に当たってくすぐったいが、すやすや寝ている錺の寝顔が見れるから別にそう悪いものでもない。



『もうちょっとさ、休んでもいいともうんだよね、お前は。子供にしては働きすぎ』



 うん、絶対そう。と赤っぽい黒髪を指で鋤いた。



Re: とある神鳴流剣士の転生譚 ( No.20 )
日時: 2018/01/17 00:56
名前: マメツキ



 現在、俺たち若い忍たちは年上の上忍達の結界の中である。言わずもがな、九尾襲来だ。既に里の入り口は壊滅状態に陥っている。
 当初、ガイてカカシ含む三人で会話をしていたのだが、突如として空気が冷えたその後、ひとつ吠えただけで地面を抉った砲哮にあぁそう言えば今日は10月10日だったと唇を噛み締めた。
 この程度の結界なら霧雨で弐の太刀か黒棒の最重量投摘で敗れる。
 俺とてあまり原作崩壊になるようなことはしたくない。したくないのだが、俺にも情と言うものがあるのだ。俺だって人間、情ぐらい沸く。この10年間ずっと成長を見てきてくれた担当上忍であるミナト先生に、立ち直らせてくれたクシナさんに。俺は二人に返しきれないほどの恩と親しみがあるのだ。
 蜃気楼のように周囲を歪ませるほどの剣気をみなぎらせ、背中に吊ってある黒棒を鞘から引き抜こうと手をかけ今にも飛び出そうとしたとき。



「錺」



 ぽそりと。小さな呟きとともに袖を控えめに引っ張られた。ぱっと剣気を引っ込め振り返ると、カカシが俺の服の袖を小さくつまんでいたのだ。
 そのカカシの顔にはありありと「
何する気なの。ここにいて。俺を一人にしないで」と言わんばかりの表情が浮かべられていて。ぱっと周りを見れば「何する気だ」と心配そうに同期達が俺を見つめている。俺の行動が何やら不安になったらしい。
 存外同期に心配されていたんだと自己評価を改め直し、袖をつまむカカシの手をほどいてから優しく握り、周りに告げた。



『……心配すんなや。俺は大人しくここに居るから』



 言い付けは守るで。と弱々しく微笑んだ。
 馬鹿か俺は。先程紅が上忍に反論して「次世代を担う」云々を言われて渋々引いていたと言うのに。俺より精神年齢がしたの子が耐え忍んでいる。
 耐え忍ぶ者こそ忍者だ。俺がそんな行動を取ればその名が廃る。とは言え、不安で不安で仕方がないのはいつになっても変わらない。



『……ありがとう、カカシ』



 歯止めを掛けてくれた最愛に感謝の言葉を述べて彼女の肩に額を押し付けた。


**

 ミナト先生及び四代目火影波風ミナト、うずまきクシナが応戦の末戦死した。彼らのお陰で九尾は封印されて現在は里の復興へ力を入れている。

 あの戦火の中、ナルトが無事誕生日したらしい。無事らしいと言うのは確証を得ている訳ではなく。四代目が亡くなり、自動的に前任の三代目が火影の座につき、その三代目火影が最高機密として厳重に封印された部屋で保護しているからだ。姓も波風ではなくうずまきになるとのこと。
 一度でいいから恩師の一人息子をこの手で抱き上げてみたかったものだが、それも叶わないらしい。
 後に木の葉を襲った九尾を体に抱える忌み子として敬遠される罪無き存在だと知っていても、無力な俺にはどうすることもできない。ナルトが自分でなんとかするしかないのか。あぁ、もう。
 現在、俺は変わらず四代目の相談役に引き続き、三代目の補佐をさせてもらっている。カカシも同じく引き続き暗部所属だ。俺は一応三代目にのみカカシが暗部を止めたら補佐役を勝手ながら降りさせていただくと告げている。身勝手な申し出ながら三代目は笑顔で了承してくださった。うーん頭が上がらない。
 そして、カカシが大事な任務と俺以外では時間に余計にルーズになった。朝から墓参りに行っては姿を見せるのがいつも遅い。

 そんな日々ももう一年。俺は16になった。三代目の認証待ち書類を抱えてふとカカシは今日は任務が無かったよなと墓参りに行っている様子が目に浮かぶ。
 窓から外を見れば時刻は夕方だが、曇天が激しく地面へと雨粒を叩き付けていてまさか、と嫌な予感が胸を掠める。
 アイツ、こんな土砂降りでも墓前でつったっとるんやなかろうな。
 書類を一度地面に置き、三代目に『カカシの様子を見てきます。多分すぐ戻るんで』と告げて、了解が貰えたので傘を一本鷲掴み、瞬身で先生の墓前へ。一応オビトとリンのとこ見たけど居なかったから、きっと先生のところだ。
 まぁ、案の定と言うか。普通に居ますよね、そりゃ。
 雨に降られてずぶ濡れの濡れネズミになったカカシが。



『カカシ!』
「……あ、え、錺?」



 ばしゃばしゃと駆け寄ってカカシの頬に手をやるとうひゃあ冷たい。慌てて彼女を横抱きにして俺の自宅へと放り入れた。正直こんな扱いを恋人にしてしまって申し訳ないと思うが雨の中傘もささずにいたカカシも悪い。
 風呂を直ぐ様沸かしてから、箪笥からワイシャツとズボンを取り出してカカシに押し付ける。



『カカシ! とりあえずお前体冷えとるから風呂入れ! 上がったら部屋で好きに過ごしとってエエから! 戻ってくるまでちゃんとおりや!』



 服を受け取って唖然としているカカシに「え、どこいくの」と問われ『書類まだ残っとるねん、光速で終わらしてくるから』と最後に風呂入っとけよと念を押して家を出る。
 書類は残り二、三枚。三十分でできりゃあいいほう。直ぐに終わらせよう。火影室に駆け込んで周囲に若干引かれながらバリバリとペンを動かし書類を提出し上がらせてもらう。うーん30分ちょい。


 とりあえず家に帰らねば。

Re: とある神鳴流剣士の転生譚 ( No.21 )
日時: 2018/01/18 00:44
名前: マメツキ


 バタバタと慌ただしく帰宅し、玄関を開けると丁度風呂上がりらしいカカシが頭にタオルを乗っけて素顔を晒して廊下にいた。



「おかえり」
『…た、ただいま……ぁ!?』



 さしもの俺は辛うじて返事をしてからピシリと玄関を閉めた状態で硬直した。
 上がりたてほこほこかよ。上気して赤くなった頬とか湯上がりの潤んだ目とか、なんかもうエロ可愛い。ありがとうございます。
 問題にすべきはその服装だ。なぜワイシャツ一枚。確かにまあ俺が同期より身長が高いのはよく理解しているのでぶかぶかになるだろうとは思っていた。現に腕の裾は捲られている。ここまでは別に良い。しかしなぜズボンを履いていない。見えるからやめなさい。
 端的に言おう。カカシはここ二年で急激に成長した。確かに身長も数センチ伸びて150後半にはなっているだろうが、俺が言ってるのはたわわに育ったその胸のことだ。他人より大きく一般のサイズを大きく人並み外れたソレがシャツを押し上げて最早裾は彼女の足の付け根を辛うじて隠している程度になっている。胸と密着した服の部分から確認できる薄い肌色を見るに、上付けてねえコイツ。

 はっきり言おう。女性の裸体など前世で嫌と言うほど不本意ながら見慣れてしまっている。主にネギのせいだ。そんなのを見て興奮なんてするわけがないのだが。しかし。カカシは別である。なんせ恋人だ、ちょっと俺の鋼の理性がはち切れそうで怖いですカカシさん。
 パッと視線を逸らしてうつ向き、手のひらで両目の瞼を押さえる。直視は難しいぞコレ。



『……カカシさん、はよ下履いてくださいや』
「なんで敬語なのお前……。下着がびしょ濡れだったし、錺のサイズじゃ明らかにでかかったからやめた」
『要するにワイシャツ以外何も身に着けとらんのですね……』
「うん」



 うんじゃねーよ。即答やめろよ。うわちょっとこっち来んといてやめてうわあああああああ。
 ばふ、と仕事終わりの俺に抱きついてきたカカシに再び体が硬直する。俺基本的にベストの前全開にしてワイシャツ着とるから。ほぼ直やから。ダイレクトに柔らかいの伝わっとるから。うおおやめろカカシ。体は大事にしろ! やめろ、やめるんだっ!
 脳内でとんだ茶番を繰り広げ、しかし表面では相変わらず先程から凍った表情筋。



『……カカシ』
「なーに?」
『……わざとなんかお前』



 ぎりぎり動く首を動かし、カカシを見下ろす。対して抱きついたままのカカシは俺を見上げた。頭が無くなって現れたのが俺に押し付けられて形が柔らかく変形している胸である。咄嗟に視線を逸らした。うーん、多分カカシ以外にやられたら絶対零度の視線を容赦なくぶつけとるわ俺。
 俺のさっきの問いに答えるべく口を開けたカカシの口内から覗くしたが真っ赤で艶かしく思えてってああああああなんだどうした俺煩悩滅殺しろ頑張れ俺ファイトだ俺大丈夫か俺。



「ん、わざと」
『……お前、タチ悪過ぎやろ』



 観念するように溜め息を吐き、『わかったわかった』とまだ湿り気のある銀髪を撫でて、幸せを噛み締めるように微笑むカカシにキスをしてから抱え込むように抱き締める。
 お互い16になり、前々からそういう雰囲気は出てきていた。と言うか、カカシが望んでいたと言うかなんと言うかほにゃらら。俺はまだ流石に早いだろと罪悪感にまみれながらスルーさせていただいていたのだが、何せ今回は直接的すぎる。参った参った。俺の負けや。俺の今までの我慢はいったい。人はこれを無駄と言うのだ。悲しきかな。
 現在、俺の腕のなかに居るのは俺の唯一であり最愛である。



『……あー、辛い。辛いわー』
「俺の勝ち」
『俺の勝ち、やないわ。もー』



 再びもー、と溜め息を漏らす。その溜め息にすら期待の混じる眼差しと恍惚とした表情を浮かべて俺にすりよるカカシにここは流石にアカン、と彼女を横抱きに抱えあげ、軽々とした歩幅で寝室へ向かい、扉をパタンと閉めた。
 尚。上忍寮は忍の家と言うこともあり、その機密性とプライベートを守るため完全防音だ。





 翌朝、腰が痛いと嘆くカカシに自業自得やと微笑み、正式に合鍵を渡して服装を整える。18まで待つつもりやったんやけど、まぁ仕方ないか。これから遠慮せんでエエんやし、としれっとしながらカカシの今回の出来事に感謝した。

 火影室に向かいながら、確かに彼女は今日休みだったので、ならば愛しのカカシは未だにベッドの上で寝転んでいるかと苦笑を漏らした。正直に言おう、激しくやり過ぎた。しかしまあカカシも準備が良かったものだ、お兄さん安心やで。
 火影室に入室すると、入室早々に一週間ほどかかる護衛任務を言い渡されたのがこの俺だ。

 喜びが微妙に減った気がするんや……。一週間……。

Re: とある神鳴流剣士の転生譚 ( No.22 )
日時: 2018/01/20 00:37
名前: マメツキ


 三代目から言い渡された一週間程の護衛任務に里と、と言うかカカシと離れなければならない焦燥感にうちひしがれていた俺だが、流石にAランク任務なので真面目にやる。もちろんAランクに限らずSでもBでもCでも真面目にこなします。Dはもう多分やらん。
 俺より経歴の短い年上の男性上忍一人と、女性中忍が二人に隊長が俺なフォーマンセルで挑むこの任務。最初からめんどくさいことになりそうだ。



「錺! そっちだ!」
『……』



 護衛中に襲ってきた敵の忍は音速に近い速さで一太刀を食らわせ、綺麗な切断面を見せながらどしゃりと地面に沈んだ。なんとちゅう呆気ないもんか。最近敵が弱すぎてお話にならんのやけど。もうちょっと頑張って俺の経験値の礎になってくれや……来るべき時にこんなレベルやったら格好つかんし。特に第四次忍界大戦とか。あれはあかんやつや。
 現在女性二人には護衛対象に引っ付いていてもらい、俺達上忍が敵を叩きのめしている。後ろで形だけ苦無を構えて戦闘は俺に任せきりな彼はどうやら上忍になって初めてAランク任務を任せられた様子。本当になんでこんなのが上忍やってんだとため息を吐きたくなった。これならまだ後ろの女性二人の方が見込みあるぞ。まったく。
 そんなくだらないことを考えていたら敵一人が土遁の印を結ぶ動きをしたので、瞬動で上へ逃げるように回避すると、控えていた敵のもう一人がチャンスとばかりに俺を狙って火遁の印を結んでいく。最適解だな、俺じゃなければ。
 錺! と声を荒げる名ばかりの上忍にこれぐらいでどうしたと虚空を蹴って逆に敵へと突っ込んだ。



「宙を蹴って……!? まさか、コイツが剣聖か!」
「はぁ!?」



 おい待てなんだその剣聖ってのは。初耳だぞコルァ。退避だ! と引き返していくボロボロな敵忍者に逃がすかと唇をぺろりと舐めてから繰り出したのは居合い抜き無音拳ならぬ無音剣。最高時速は雷速180km/秒だ。剣速と威力だけならネギを遥か後方の彼方に置き去りにしてしまえる、世に言う不可避の剣閃とか言うやつである。なんて厨二臭いやつや。
 しかし便利なのもまた事実。前世に感卦法があっただろう、タカミチくんと神楽坂が主な使用例の高等技術。雑念を払って魔力と気を均等に練らねば成功しないあの。
 俺はチャクラを魔力に見立てて気と融合させてそれをやってみたのだが、意外にも成功してしまった。なんだそりゃ……。
 とまぁ、俺が術式兵装も使わずに180km/秒を出せるのはコレがタネだ。感卦法便利過ぎる。前世じゃ必要無さすぎて使ってなかったが、この世界で大いに役立ってくれる予感しかしない。多分この世じゃ俺しか出来ない神業芸当だ。真似することは最早不可能である。だって気なんて血継限界だし、もしうちの身内でも均等に練るなんてとんでもない才能持ってなきゃ出来ないし。そもそも口外するつもりなどないから当然だ。
 情けなく散っていく敵忍者を容赦なく切り捨ててから刀についた血糊をひゅんと振り払ってちん、と鞘に納める。赤い紐の先端に釣りつけられた鈴がちりんとひとつ鳴った。本当に、霧雨はいい刀だと思う。一生の相棒だぜ。これ言っててサムイわ。



『殲滅は終わった。周囲に敵の気配無し。一旦依頼主んとこ戻るで』
「……」



 俺が命令することにちょっと不満そうな上忍にコイツ馬鹿かと視線を投げ付けて瞬身でその場を去る、なんて大人げない真似はしない。流石にチームワーク大事だっつってんのに置いていく訳にも行かないのだ。めんどくせっ。
 木の上を軽やかに移動しながら後ろで「俺より年下の癖に」「なんでアイツが隊長」とかぶつぶつ聞こえる上忍のそれに内心『年関係無いやろ』『経歴がお前の三倍以上のベテランやからやぺーぺーが』など多少口汚くなりながらも無言で駆け抜ける。
 指定した場所に戻ると女性中忍二人がぴしっと背筋を正して「おかえりなさい」「お疲れ様です」と主に俺に声を掛けながら背後に元気そうな護衛対象を控えさせていた。
 俺にしか言われなかった労りの言葉に腹を立てたのか「なんでコイツばっかりんなこと言ってんだ」と上忍が拗ねた。



「あんたねー、錺くん見なさいよ! キレーなあんたと違ってちゃんと仕事して返り血浴びてんのよ!」
「あんたって昔っからそうよね。労られたいならちゃんと働きなさいよ」



 ごもっとも。たじろぐ上忍から少し離れた背後から彼女たちに見えるようにサムズアップするとにこりと笑みを返された。いい人だ。
 どうやらこの三人、同じ班で行動していた元メンバーらしい。なんと言う上忍の方のハーレム感だ。別に羨ましくはないが。前世でそのめんどくささを合間見てきた俺はカカシ一人で充分。最早ハーレムなど彼女に勝てやしないのだ。



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