二次創作小説(紙ほか)

ill at ease
日時: 2018/08/08 05:56
名前: まるき

白石蔵ノ介

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Re: ill at ease ( No.11 )
日時: 2018/08/14 08:42
名前: まるき

深夜、繁華街の細い路地に入ると危なそうな人がわらわらいる。細い路地をずっと辿っていくと港に出る。使われていない工場の倉庫がいくつかあり、そこはたち入れないようになっている。

「早く殺せよ」

50代くらいの髪の毛が薄くちょっとズボンの上に腹の肉が乗るような男性が、片方の目が潰れてもはや血が出ないくらい身体中あざだらけである。仕事帰りだろうか、スーツと無残に破けたカバンがあった。男は拳銃を握らされており、暗い中で誰かに向かって構えさせられている。それを囲むように、長身の男性たちが見ている。

「まだ殺さねーの?」
「わ、私の妻、なん、だ」

50代くらいの男性が横たわる女に銃を向けている。銃は小刻みに震える。

「ばーか、サラリーマン狩りの醍醐味なんだよ」

男たちは手を叩いて笑い始めた。気味が悪い。巷で有名になっている「サラリーマン狩り」、何故か身なりは普通の若い男たちが、深夜に仕事帰りサラリーマンを狙って暴行事件を起こしたり射殺したりするらしい。警察も行方を追っているが、張り込みには来ていないようだ。

「じゃあお前ら2人とも死ね!」

銃を握ったとき、上から誰かが銃を持った男に飛び乗ってきた。銃を男から取り上げると、他の男に飛び移る。銃を取られた男は飛び移る際に首を勢いよく蹴られ、その場にドサッと倒れ動くことはなかった。全身黒の誰かが素手で次々に男らが立ち上がれなくなっていく様を、サラリーマンの男性は見ていた。

「逃げて」

サラリーマンは慌てて頷き、目を覚まさない妻を抱えて倉庫を出た。5人いて残る相手は、2人である。2人はゆっくりと近づいてくる全身黒に、後ずさりしている。二人とも同じタイミングで腰を抜かしたので、全身黒は銃を構えた。2発の銃声と共に2人の男のこめかみには銃弾が埋め込まれ、5人は即死である。全身黒は拳銃を起き、素早く去った。しばらくして、警官とあざだらけの男が倉庫にやって来たが、残っているのは5人の死体だけであった。

Re: ill at ease ( No.12 )
日時: 2018/08/14 15:43
名前: まるき

「あの、娘にだけは話は聞かないでください。そっとしておいてあげてください…」

病室の前で、笹木と新道が梓の母親に足止めをされている。

「ですが危うく娘さんは…」
「娘を助けたのは、警察じゃないじゃないですか!」

今日は梓の友人の莉沙が訪ねてきた。家に電話がかかってきたとき、莉沙にはちょっと体調を崩したとだけ伝えておいた。

「新道さん、どうします」

若い警部補の笹木は無理やり立ち入ろうとする新道を少し遮るように割って入った。

「立花さんの知っている範囲でお話を伺いましたが、全く事件の手掛かりにはならんのですよ。犯人を一刻も早く捕まえるため…」
「梓を酷い目に合わせた奴らは殺されたんだから、それでいいでしょう?」
「…わかりました」

新道は無言で礼をして立ち去る。笹木も後ろについて梓の母親に礼をして歩いていった。

「母親の言うことにも一理ありそうですね」
「確かにな。だが、人が殺されている以上犯人は見つけないとな」
「はい」

2人は車に乗り込んだ。エンジンを掛けて、車を発進させしばらく走らせていると高校の前を通った。部活やら下校やらで同じ制服を身にまとった学生がわらわらといる。

Re: ill at ease ( No.13 )
日時: 2018/08/14 21:23
名前: まるき

診察室に入ると、梓は椅子に座った。

「薬の副作用なんだけど、貧血が起こりやすかったり、合わない場合は動悸が激しくなったりするの。大抵の人ならあんまり副作用は起きないんだけど、とりあえず試してみようか?」
「…はい」

精神科というものは、患者の話を聞く場でないことがわかった。どうやら私は不安障害と軽度のうつ病らしい。私にもよくわからないけど、あれから不眠やめまい、吐き気などに襲われている。自分、何かおかしいかな?わからない。

「カウンセリングのお時間はいかがなさる?」
「えっと…」
「あの先生、この子いつ治りますか?」
「精神病はそのラインが分かりにくい部分があります。でも、梓ちゃんが退院後すぐに学校に行けると言うならひとまずうつ病は良くなると思います。梓ちゃん」

先生は梓の手を取って顔を覗き込んだ。

「辛いことがあったら、体が辛くなったら、いつでもいらっしゃいね」
「ありがとうございます」

先生はカウンセリングというか、話も聞いてくれる。日常生活に戻る怖さがあるけど、前を向かなきゃいけない。母親と病室に戻った。

「お母さん、色々心配かけてごめんね」
「…梓は悪くないからね?」
「あのさ…私のこと助けてくれた人って犯罪者なの?」

母親は上手く答えられなくて俯いてしまった。梓の素朴な疑問が社会には全く持って通じないからだ。

「捕まっても、警察に行くことなんかないわよ」

そうだよね。会って一言でも礼を言いたい。

Re: ill at ease ( No.14 )
日時: 2018/08/17 22:00
名前: まるき

「おはー!!」

梓はいつものように女子グループの輪に突進した。

「梓!心配したんだよー!」
「おはよ!」
「ごめんね、風邪引いててさ」
「今日から部活来れる?」
「ばっちし行けます」
「んもー、梓いないとチームまとまらないんだからね」
「ごめんなさいってばー」

よかった、普通通り。梓は女子や男子に挨拶したり、適当に会話をしたりしている。丁度白石の席の近くで盛り上がっていると、本人が教室に入って来た。女子は一斉に目の色を変えた。

「あ、梓。白石くんだよ」

白石は一瞬梓の方を見たが、また目にも止めずに席に座る。うるさかったかな?なんか嫌われた気がする。

「おはよう」

とりあえず挨拶だけしたが完全に無視されてしまった。周りは白石の塩対応の加減が分かっているのでいつも通りだとなだめた。

Re: ill at ease ( No.15 )
日時: 2018/08/21 01:40
名前: まるき

久しぶりに体を動かした。1km走っただけなのに、すごく気持ち悪くて足がどうしても震えて前に進めない。目の前が揺れて、さっきまで暑さで胸元が苦しかったのに冷や汗が身体中から出始めている。

「梓やっぱ速いねー」
「そんなことないよ…」

走ってる時になんだかおかしいと思った。疲れているはずなのに足が言うことを聞かなくて、逆にこのまま走るのを止めたら崩れ落ちるんじゃないかって。ペースを下げるに下げれなくてこのままゴールしてしまった。梓は1人で水飲み場に足を運び、近くの木陰に倒れ込んだ。あ、水、飲んだ方がいいかな。そんな余裕もなしに身を起こして木に手を貸してもらいながら立ち上がった途端、梓はその場に倒れた。水を飲みに来たクラスメイトは、水道の近くから見える投げ出された足を見つけて、そっと近づいた。

「梓!?ねぇ、梓が!」
「大丈夫?先生呼ぼ」

莉沙たちが駆け寄り、梓の肩を揺するが目を開くことは無い。あとから水道の水を飲みに来た白石は女子数名がしゃがみこんでいるのを見つけた。白石は女子ややってきた野次馬に一言「邪魔や」と、梓を莉沙から離して背中を少しそって、自分の両手で梓の肩と肘を抱えた。

「お、お姫様抱っこ…!」

クラスメイトが騒ぐのが明らかに白石には届いている。しかし、そのまま白石は歩き始めた。

「白石イケメンかよ」
「いや、あいつはイケメンだろ」

男子は圧巻され、女子は黄色い声が響いている。

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