社会問題小説・評論板

あの子と私。
日時: 2017/09/09 12:29
名前: なまた

あの子と私は友達だった。

そう、友達、″だった″のだ。

「萌ーっ」
あぁ、みんなが呼んでる。

この世には天と地しかないのだ。
私は軽く振り返り、笑う。



「───ザマアミロ」

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Re: あの子と私。 ( No.4 )
日時: 2017/09/09 22:28
名前: なまた

「結局謝らなかったですね、モモ!!」
しんと静まり返った茜色の廊下に、麻那のキンキンと高い声が響く。
「あの駄犬、萌様に餌付けしていただいたのに、なんて恩知らずなんでしょう?!」
「きっと自分の立場が分かっていないのよ」
麻那の声を遮るように、静かでおっとりとした冷静な声で菜乃佳が話す。この2人はクラスの中でも私に付いてくる取り巻きだ。
「萌様はモモに、自分の立場を分からせてあげなければいけませんね」
フフ、と菜乃佳は怪しく笑い、その柔らかなショートヘアーを靡かせた。

いかにも派手好きで、私のおこぼれをもらうのが目的であろう田中麻那と、何を考えているのか分からない不思議な八木菜乃佳。私はこの2人を、そしてクラスを従えている。
「そうね」と頷き、私は自分の帰路へついた。

Re: あの子と私。 ( No.5 )
日時: 2017/09/10 00:02
名前: 広村伊智子

文章力があって面白いです!

ところで、ドッグフードは、
実はそこまで悪くない味らしいですw

Re: あの子と私。 ( No.6 )
日時: 2017/09/10 00:16
名前: なまた

ありがとうございますヽ(;▽;)ノ

そうなんですか!?笑
てっきり美味しくないのかと…!すごい意外です笑

Re: あの子と私。 ( No.7 )
日時: 2017/09/10 21:18
名前: なまた

学校からすぐそこの商店街の角を曲がり、木々の生い茂る自然豊かな公園を抜け坂道を登ると、大きな白い家が見えた。

「……ただいま」
広いロビーに入るが当然返事はない。
私の父は多数の大手企業の大株主だ。母は叔父の病院に女医として勤めているため、両親と家で顔を合わせることは滅多にない。
小さい頃から不自由などなかったんでしょう、と思うかもしれない。だけどそんなことはないのだ。


私は篠原亜代に、現在のモモにいじめられていたのだから。

Re: あの子と私。 ( No.8 )
日時: 2017/09/11 16:58
名前: なまた

華園女子学院初等部三年生の頃、私はモモに酷いいじめを受けていた。
当時の私は自分の家の事情を話してはいけないとしつけられており、金持ちが多い華園女子学院の中ではトップクラスで財力があったもののそれを隠して過ごしていた。
きっと私を天狗にしないためだったのだろう。正直この学園はほとんどが金の有無による格差社会だ。だからと言って威張ることなく、真っ直ぐな子供にしたかったのかもしれない。父も母も成金ではなく、自分の力で栄光を勝ち取ったのだ。

でもそれが裏目に出て、私はだんだんと見下されるようになってきた。
「ねぇー萌ちゃん、萌ちゃんのお父様は何をしてらっしゃるのぉ?」
ある日、クラスのリーダー格だったとある企業の社長令嬢である西城さんにそう聞かれたとき、私は酷く焦った。
「わたしのお父さんは、…」
「やっぱり言えないってことはぁ、萌ちゃんのおうちって大したことないんでしょう!そういうの、ビンボーニンっていうそうよぉ」
「ち、違うっ!!」
私は必死に抵抗した。私だけじゃなく、お父さんお母さんまでバカにされるのなんて許せなかった。
「わたしのお父さんは、わたしのお父さんは…」
言っていいのか分からなかった。
もし言ったら、お父さんに怒られるかもしれない。
どうしよう。どうしようどうしよう。

黙って俯く私に腹が立ったのか、
「誤魔化さないで!」と声を荒げた西城さんの手のひらが向けられた。
叩かれる!と目を瞑った瞬間、すぐ側で「やめなよ」と声がした。
「───はっ?」
西城さんの手を、モモが、篠原亜代が止めていた。
「何よあなた、私に逆らうのっ!?」
自分がクラスの頂点だと思っていた西城さんは、思いも寄らぬクーデターにヒステリックに叫ぶだけだった。
「うるさいなぁ」
モモは女の子らしからぬ様子で頭をボリボリと掻き、西城さんを突き飛ばした。
「きゃっ……!!!」
「花垣さんのおうちの事情、むりに知る必要ないじゃん。あんた、自分勝手すぎるよ!」
「あ、あ……なによあんた、なに……!?」
顔を真っ青にして目に涙を溜めながら倒れ込む西城さんを呆気にとられて傍観していた私の手が取られた。

「いこ、はながきさ……ううん、萌ちゃん!」

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