社会問題小説・評論板

NOと答える罪人達へ
日時: 2019/04/26 07:43
名前: 雪うさぎ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=11517

初めまして。人によっては、お久しぶりです。
普段は本館の方で、小説「君は隣人」を書かせていただいてます。
雪うさぎです。
相変わらずの不定期投稿になります。ご了承ください。
また、感想、アドバイス等、ぜひお願いしますm(_ _)m

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Re: NOと答える罪人達へ ( No.1 )
日時: 2019/04/26 16:33
名前: 雪うさぎ

FileNo.0

唐突ですが、みなさんは『いじめ』をしたことがありますか?
「NO。」
「したことない。」
ほとんどの方がそう答えるのでは無いでしょうか。例え、自分がいじめの加害者だったとしても。
では、NOと答えた方々に聞きましょう。あなた方は、ほんとに、いじめに加担してませんでしたか?
自身を持ってYESと言えますか……?

Re: NOと答える罪人達へ ( No.2 )
日時: 2019/04/28 15:42
名前: 雪うさぎ

FileNo.1

「よ、メガネ。」
メガネで何が悪い。
「瑞咲(みさき)とか普通の名前すぎ。笑うんだけど。」
普通の名前の何が悪い。
「無視すんじゃねーよ。」
無視してないよ。ただ呆れて声も出ないだけ。周りから感じる視線が、彼らのものなのか、それとも別の人から向けられてるものなのか知りたくもない。知る由もない。何を言われようと、何をされようと、反応もせず顔を下げて廊下を歩く。
「てかさ、可哀想じゃない?」
「前の学校でもイジメられてたらしいよ……。」
「分かってるのにイジメるとか、咲さん達ひどくない……?」
毎日毎日似たような言葉が私の耳に届く。俗に言う傍観者の彼らの声。その声は更に私をどん底へと突き落とす。助ける気もない。かと言って、どっちの味方にもつかない。ただその声がうざくて、私はイヤホンでその声をさえぎった。
「敵なくせに。」
ボソッとつぶやいた私の声は誰にも届きやしない。いや、届いていてもその反応を私が知るはずもないのだ。
「瑞咲。」
イヤホンが不意に誰かに外された。
「友梨(ゆり)……。」
私の親友。たった一人の、私の味方。
「ごめんね。さっきは何も聞こえないフリして。」
友梨は私にすまなそうに手を合わせた。どうやらさっきのを見ていたようだ。
「ううん。いいの。友梨がこうやって話しかけてくれるだけで嬉しいから。」
私は笑った。そう、友梨は味方。咲達から直接守ってくれた事はなくても、こうやって話しかけてくれるだけで、私の心の支えになっているのだ。例え直接は助けてくれなくても、友梨は味方……だよね?

Re: NOと答える罪人達へ ( No.3 )
日時: 2019/04/28 15:46
名前: 雪うさぎ

FileNo.2

「瑞咲って、帰りとか友梨とよくいるよね。」
咲達だ。移動教室をしていた私は、とっさに曲がり角で立ち止まった。幸いここは、向こうから死角になって見えないようだ。
「でも友梨が瑞咲のこと助けてるのみたことなーい。」
「分かる!!」
咲達の笑い声に、私は唇を噛む。友梨は何も悪いことをしていない。友梨は正しいことをしているはず。友梨は私の友達で、味方なんだから……。そう思った私は、咲の次の言葉で息を呑む。
「ね、次は友梨も対象にしない?」
今、なんて……?
「いいね。友梨って傍観者だもね。2人で共倒れしないかなー。」
その帰りからだった。嫌がらせがエスカレートしたのは……。
「あははっ。いいザマっ。」
咲が私を突き飛ばす。そして、オマケをつけたかのように、私を蹴り飛ばした。しばらくして気が済んだのか、咲達は周りを警戒するようにして、そそくさと帰って行った。
「瑞咲、大丈夫?」
友梨が手を差し伸べてくれる。いつもなら嬉しい友梨の気遣い。でも、今日は違った。咲達の話を聞いたから?
「瑞咲……?」
友梨の声ではっとした私は、出来るだけ急いでその手を取った。
「友梨ありがとう。」
私今笑えた?いつもみたいに笑えてた?
モヤモヤする心とは裏腹に、悲しそうな顔で手当をしてくれる友梨に
「大丈夫だから、心配しないで。」
などと微笑む。

Re: NOと答える罪人達へ ( No.4 )
日時: 2019/05/03 09:31
名前: 雪うさぎ

FileNo.3

「瑞咲一緒に帰ろう。」
友梨の顔が直視できなかった。
「……ごめん。今日も咲達に呼び出されてるから。先に帰ってて。」
なんであんなことを言ったんだろう。ほんとは咲達に呼び出されてなんかいなかった。今日は咲達は委員会があるから、珍しく何もされない日だった。なのに……。一人の帰り道。それはとても悲しくて、涙が流れるのをこらえるだけで精一杯だった。家に帰ると、真っ先に自分の部屋に飛び込んだ。
「なんで……。」
考えれば考えるほど、咲の言葉がよぎる。それと同時に、一緒に帰るのを断った時の友梨の悲しそうな、心配したような顔がよぎる。
「このままじゃ、友梨までっ。」
溢れてくる涙が抑えきれない。しばらく泣いたあと、私はある決意を胸にスマホを手にした。スマホの通知には友梨からの心配のメッセージが入っている。
「瑞咲、大丈夫だった?」
……そうだ。友梨は、私が今日も咲達に嫌がらせを受けたと思ってるんだ。
「うん。大丈夫。」
少し悩んだあと、私はいつもと同じ返事を返した。ただ、今日は少し違う文を一行足して。
「友梨さ、もう私に関わらないで。」
たくさん考えた。きっと、関わらないほうがいい。なんて気を使ったような言い方をしたら、友梨は優しいから、関わる。それじゃあ友梨を守ることはできない。だから、わざと拒絶したような文を送った。涙がまた溢れだす。
「え?なんで??」
「瑞咲??」
届いたメッセージを無視して、私は、友梨の連絡先を消した。スマホに友梨の電話番号が映し出される。出ることもせず、切ることもせず、私はただ泣くことしかできなかった。

Re: NOと答える罪人達へ ( No.5 )
日時: 2019/05/04 10:31
名前: 雪うさぎ

FileNo.4

移動教室。私はいつもよりも早く教室を出て、前、咲達の話を聞いてしまった曲がり角へと向かった。しばらくすると、狙い通り咲達の声と舌打ちが聞こえてきた。
「瑞咲のやつ、友梨のこと避けだしたね。」
「共倒れさせようと思ってたのに。友梨のこと対象にしても、もう意味ないから、瑞咲のこともっといたぶってやろー。」
「そうしよ。そっちのが楽しいだろうし!」
咲達の笑い声が遠のいていく。どうやら友梨が標的にされるのは避けれたようだ。でも、なぜだろう。モヤモヤする……。咲達の声が聞こえなくなったのを確認して、私も教室へと向かう。だが、モヤモヤはなかなか晴れなかった。
「友梨、一緒行こー!」
「あ……うん。」
友梨とクラスメイトの声が耳に届く。ズキっ。
「え……。」
心臓のあたりがズキズキする。モヤモヤして、真っ黒……。
もしかして嫉妬?
そう自問自答してみるが、まだスッキリしない。無意識に脳裏に浮かんだ言葉に、私は思わず、その言葉を追い払うように思い切り首を横に振った。
友梨が見てるばっかじゃなくて、助けてくれてたらこんな事になんなかったのに……。みんな見てるばっかり。
そんな言葉が渦巻く。
「大丈夫。私なら大丈夫。」
自分自身に暗示をかけるように小声でつぶやく。しばらくして、黒い渦のような思考は消えていった。ただ、どうやらそれですべて元通りというわけにはいかないようで……。放課後、咲達から嫌がらせをされても、私はもう何も感じなかった。

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