BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

【オリジナルGL】 ふたりでいること
日時: 2018/01/19 09:10
名前: はるたに

はじめまして、はるたにと言います!

今回は オリジナルGL に挑戦します!
GLを書くのは初めてなので、至らぬ点も数多くあるかとは思いますが、生温い目で見てあげてください。


【注意】

 *更新遅めの可能性有
 *パクり、荒らしはご遠慮ください
 *駄作お断りの方はブラウザバックをおすすめします
 *誤字、脱字多いです
 *完全オリジナルです
 *今後、R15くらいまではあるかも…?
 *コメントくださるとヘドバンしながら喜びます


【 おしらせ 】
>>19


【 Characters 】
 >>2


【 Episodes 】

 *Episode 0   >>1   *Episode 1   >>3
 *Episode 2   >>4   *Episode 3   >>5
 *Episode 4   >>6   *Episode 5   >>7
 *Episode 6   >>8   *Episode 7   >>9
 *Episode 8   >>10   *Episode 9   >>11
 *Episode 10  >>12   *Episode 11  >>13
 *Episode 12  >>14   *Episode 13  >>17
 *Episode 14  >>18   *Episode 15  >>20
 *Episode 16  >>21   *Episode 17  >>22
 *Episode 18  >>23   *Episode 19  >>24
 *Episode 20  >>26   *Episode 21  >>27【New!!】

Page:1 2 3 4 5 6



ふたりでいること 【Episode 19】 ( No.24 )
日時: 2017/09/03 14:01
名前: はるたに

     【Episode 19】





 案の定、霧ッ乃中合唱部訪問以来、唯とは会えていなかった。
 10月に入り、師走橋高校の文化祭が近づき始め、準備に追われている頃。

「違う! 違うんだってば!」

 顔をまっ赤にして、詩紗から慌てて携帯を奪い取る。屋上に響き渡った声に、恋那は耳をふさぎ、くちびるを尖らせる。

「うっさいなあ、なつき……」
「そんなに焦るってことは、やっぱりぃ……」
「ちーがーうー!!」

 どすどす地団駄を踏みながら、なつきは携帯を、スカートのポケットにねじ込む。
 にやにやしたままの詩紗を、なつきは目を吊り上げて睨んだ。

「あんたらね! プライバシーの侵害だよ!!」
「だって、すごーく仲良さそうだしぃ……」
「向井くん? だっけ? 毎日のように連絡とってんじゃん」
「それは……合唱仲間だし……」
「部活内での恋愛、素敵ジャーン」
「あのねえ……。確かに仲はいいけど、男女だからって、必ずしも恋人同士とは限らんでしょ!」
「一理あるかもぉ。……なつきちゃんのことだしぃ」
「待ってどういう意味!?」
「ちょっと三人とも?お喋りもいいけど、作業進めてね」

 歩み寄ってきたクラス委員長に厳しく言われ、三人は言葉を詰まらせると、

「「「はーい」」」

と声を揃えて、背景の色塗りに戻った。
 文化祭でなつきたちのクラスは、劇をすることになった。
 クラス委員長が各自の希望を聞きつつ、てきぱきと担当を振り分けてくれ、三人は大道具を担当することに。始めこそ、慣れなくて戸惑うこともあったが、数日もすればあるていどは分かるようになり、作業が楽しくなってきていた。もちろん、専門用語はなにひとつ分からないが。
 大道具の大まかな説明が書かれた紙を確認しつつ、慎重に色塗りを行う。色を塗ったり、切った紙を貼り付けたりする作業が多いが、集中することができてなかなか――。

「んで、向井くんって何者よ?」
「ぐッッ」

 不意打ちに、なつきは危うく塗る箇所をはみ出しかける。
 恋那は悪びれるようすもなく、けろっとした顔でなつきを見つめていた。
 さっき携帯を取り上げて揉めていたのは、隼とのやりとりを見られたためである。顔文字を文末に必ずつける隼の癖は、身近な人間なら誰でも知っていることだが、知らないひとからすれば……まあ、カレカノに見えなくもない、のか?

「まだ引きずんの、あんた……」
「気になる」

 好奇心できらきらした目を、こちらに向けてくる。しかし、その瞳からは、ありありと邪気を感じる。

「友だち。以上」
「あんな可愛い顔文字まみれなのに?」
「友だちだってば」
「ほんとかな〜?」
「ほんともほんと。そいつは誰彼構わず顔文字送りつけてくるんだよ」

 なつきと恋那が騒ぎ立てる横で、詩紗が黙々と作業を進める。

   〇

 下校時刻になり、駅で恋那と詩紗と別れたあと。なつきの足は、隼と待ち合わせた、パイゼリアだった。
 今日は授業後に、パイゼリアで夕飯を食べようという話になっていた。 近況報告会ではないが、なつきと隼は、定期的にパイゼリアで集まり、愚痴だったり、相談事だったり、くだらない雑談だったりをしている。そうして、高校のほうでは曝け出しづらい、素の自分を吐き出して、心のおもりを取り除くのだ。
 夏の暑さが遠のきつつある道を歩いていると、ポケットの携帯がちいさくバイブする。見てみると、隼からのLILEだった。

[悪い、やっぱ部活で遅れるm(。>__<。)m 先入っててくれ〜〜(T^T)]

 あー。確かに。漫画でこんなやりとり見たことあるわ。
 文化祭準備中の恋那のにやにやを思い出し、ついそう考えてしまう。だが、そのあとすぐに首を振った。
 こいつが彼氏はない。

[おっけ。先入ってるー]

 適当に返事を返し、店に入ると、もはや知り合いレベルの店員に、席に案内してもらう。
 席に通されると、なつきは背負っていたかばんを下ろし、向かいに隼が座るよう、荷物の隣に自身が座る。そして、ゲームを立ち上げ、イヤホンを装着する。

Re: 【オリジナルGL】 ふたりでいること ( No.25 )
日時: 2017/09/03 14:04
名前: はるたに

お久しぶりです!←

予想していたとおり、PCが動かなくなってしまったため、
更新速度はナメクジ未満になりそうです……。
意地でも完結はさせます……!!!!

なので、気長に更新を待って頂けると幸いです……。

ふたりでいること 【Episode 20】 ( No.26 )
日時: 2017/09/11 01:45
名前: はるたに

     【Episode 20】





 ポイントを使い切ったところで、タイミングよく隼が来たらしい。正面に座る布擦れの音が微かに聞こえ、なつきはイヤホンを耳から外した。
 目の前の隼は、呆れとも、哀れみとも取れるような、なんとも言いがたい表情で、こちらを見ている。

「相変わらず好きだな」
「新しく入れちゃったんだよね、ゲーム。めっちゃ面白いの」
「どれよ」
「このRPG。ストーリーがやばい。語彙力を失うくらいに」
「常にないだろ」

 鉄板な会話で話し始めたふたり。なつきメインで話が進み、いつの間にかなつきが、隼にそのゲームをプレゼンしていた。

「んでね、人類滅亡の危機に立ち向かうわけさね」
「よくある流れだけど、設定面白いな」
「オススメだよマジで」
「家帰ったら入れとくわ」
「フレコちょうだいね」

 そこでようやく、なつきのゲームへの勧誘は終わり、携帯をテーブルに置く。そして、メニューを開くことなく、ベルで店員を呼んで注文を告げると、ドリンクを取りに立ち上がる。いつもの流れなので、隼はなにも言わず、スマホを立ち上げ、そちらに視線を落とした。
 ドリンクを取ってもどって来ると、隼が携帯を覗きながら、すこし口角が上がっているのが見えた。なにか見てニヤついているらしい。よほどイイコトなのか、ドリンクを片手に戻ってきたなつきにまったく気づく気配がない。

(きっっっしょい)

 思わず眉間にしわを寄せ、漠然とそう思う。友だちなのに酷いとか言われそうだが、スマホを覗き込んでニヤつくひとって、客観的に見るとかなり気色悪いし、不気味。
 乱雑にテーブルにコップを置くと、隼が激しく肩を震わせ、こちらを仰ぎ見てきた。

「な、なっ、なっ……!?」
「なににやにやしてんの、気持ち悪い」
「べ、べつににやにやなんか……っていま気持ち悪いっつった!?」

「酷ぇ……」とぼやきながら、椅子に座るなつきに、じっとりした視線を向ける。一方のなつきは、隼なんていないみたいに、なに食わぬ顔でドリンクを口に含む。その反応は予想の範囲内だし。
 スマホをかばんに入れ、隼はため息をついて。

「愛想がねえ」
「あんたに振りまく分の愛想は、持ち合わせてない」
「そういうとこだけどなー……まあいいか」

 がしがし頭をかくと、仕切り直すように隼はテーブルに身を乗り出す。心なしか、目がキラキラと踊っているように見える。なにかろくでもないことを言い出しそうな顔だ。

「なあ聞いた? 来週の土曜、演奏会についての説明あるって」
「えっ、ほんと?」

 ドリンクをあわてて飲み込み、なつきは隼を振り返った。
 なつきの目に映ったのは、さっきとは違って、小刻みにからだを震わせて、笑いを堪える隼の姿。まるで、新しいおもちゃのイイ使い方を見つけた、意地の悪いおとなみたいだ。
 からかわれている感じがして、なつきはどもる。

「な、なによ」
「いや、分かりやすい奴だなーと思って」

 喉の奥でくつくつ笑う隼は、さっきまで気持ち悪いひと扱いされて文句を言っていた隼とは、全然違う。ただ、いまのこいつも、スマホ見てにやにやしてたときと同じくらい、気持ち悪い。
 ふいっと顔を背け、なつきはむずがゆい感覚を押さえ込みながら、ドリンクをぐいっと飲む。
 ぐびぐびドリンクを喉に流し込むなつきに、隼はまた声をかける。

「会えるもんなあ」
「…………なに、悪い?」
「べつにぃ? でも、『説明あるらしい』としか言ってないのに、すげえがっついたよな。ほんとだいすきだな、おまえってば」

 ぐうの音も出ない。

「会えてないんだもんな」

 すべてを見透かすような、ねっとりした言い方が隼らしくなく思えて、たまらなく居心地が悪くなる。
 胸のなかで渦巻く不快感を、誤魔化すために飲んでいたドリンクもなくなり、なつきは空になったコップをテーブルに置く。

「…………うん。先輩たちが引退して、バタバタしてるみたいだし」

 隼とは目を合わせず、コップの底に視線を落としながら、唯とのやりとりを思い出す。
 最高学年になった彼女は、部内で特別な役割を担ったわけではなかった。しかし、元から誰かに、なにかに尽くすことに努力を惜しまない彼女は、最高学年として、部長・副部長のサポートや、顧問との中継をすすんで行っているらしい。おまけに、今度の劇では主役を演じるのだとか。
 忙しなく毎日を過ごす唯に、かんたんに「会おう」なんて言うのは、迷惑だと思った。

「相手を思いやる気持ちは分かるけど、お前はもちっと素直になったほうがいいんじゃね」

 そうぼやくように残して、隼はドリンクを取りに立ち上がる。

「うるさいね」

 もうドリンクバーコーナーに行ってしまった隼の背に、悪態をつく。
 ――いや違う。迷惑になると思ったとかじゃない。


 ――あたしはただ、言えなかった。

ふたりでいること 【Episode 21】 ( No.27 )
日時: 2018/01/17 18:18
名前: はるたに

     【Episode 21】





 机を見つめるように、なつきはうつむいてドリンクをストローからすする。隼がもどってきて、音が立ちすぎないよう注意してコップを置き、なつきの向かいに座る。
 お互い、特になにもいうことなく、気まずさを誤魔化すように、ドリンクを飲み続けた。

「……からかって悪かったな」

 唐突に、隼の声で謝罪のことばが述べられた。
 思わず驚いて顔を上げると、隼はばつが悪そうに口元を歪めていた。

「なんだよ」
「いや……珍しく素直だなって」
「いつもは素直じゃないっていいたいのか?」

 あ、そういうことになるのか。

「……そういうわけじゃないって!」
「いまの一瞬の間はなんだ!?」

 机にすこし乗り上げて、隼は鋭く突っ込む。
 いや、正直すこし考えたよ。「普段こいつそんな素直じゃないよな」とか、「こんな素直で明日は氷つぶて降るかな」とか。
 隼はおおきく、呆れたみたいな表情でため息をつき、深くソファに腰かけ直した。あ、いつもの隼っぽい。

「ったく……俺をなんだと思ってんだ」
「男友だち兼よき相談相手」

 いつもより素早く切り返すと、これまた呆れたように、片頬だけでふっと笑われる。
 それとほぼ同じタイミングで、店員が料理を運んできた。

「あー、あほらし。熱いうちに食おうぜ」
「だねえ」

にっと口角を上げ、「飯だ飯だ」とフォークを手に取る隼を見て、なつきもスパゲティにフォークを突き立て、くるくる巻き取る。ぶわっとにんにくの効いた香ばしい香りと、すこし刺激のあるトウガラシが、鼻の奥のほうをくすぐった。
フォークにめいっぱい巻き取ると、おおきく口を開けて、パスタをねじ込む。

「でっけえ口」

 馬鹿にするみたいに、隼がいうのが聞こえた。
 うっさいね。
 そう返そうと、ばっと隼のほうを振り返ったとき。

(――へ?)

 あまりにも予想外で、大量のパスタが口内にあるのに、なつきはヒュッと息を呑んだ。
 案の定、気管にパスタが入りかけてむせ返り、隼が慌てたように声をかける。

「お、おい、だいじょうぶかよ?」
「う、うん……」

 答えながらも、トウガラシという刺激のおかげで、咳と喉の奥の痛みが治まらない。
 入り口で店員からの質問に答え、席に案内されるのが見える。

(なんで今日……?)

   〇
(先輩がいなくなった後の部活って、こんなに大変だったっけ……)

 休憩の時間になったとたん、唯は壁に背を預けてへたり込んだ。他の2年生部員にも、疲労の色が多かれ少なかれ見られた。

「唯、お疲れ!」

 明るく弾んだ声で話しかけてくれたのは、珠理だった。すっと隣に座り、優しく肩を擦り寄せてくれる。

「珠理……お疲れさま」
「やっぱり、主役だと大変?」

 プラチナブロンドの髪を揺らしながら、珠理は首を傾げる。うまくちからが入らない頬で、唯はできるだけ笑顔をつくってみせた。

「うーん……まあ、セリフ量的には……」
「唯に似て、おしゃべりな子だしね」

 悪戯っぽく笑う珠理に、唯は眉根にしわを寄せる。

「いやみ?」
「まさか。唯そっくりのにぎやかな子だねっていっただけ」

 それ褒めてるの?
 そう聞きたいところをぐっとこらえて、唯はひかえめな声で問う。

「それより……珠理のほうが大変じゃない? 副部長だし……」

 最後のほうは、消え入りそうなほどちいさい声になってしまった。
 が、珠理はすべて聞こえていたらしい。にっこり満面の笑みで、唯の問いかけに答えた。

「そこまででも。部長がしっかりしてるから、雑務しかまわってこないわ」
「雑務が大変なんじゃ……」
「べつに。大会エントリー用紙の再チェックが、一番重大な役割だった」

ほんとにそんな大したことない……。
これも言いかけて、ぐっと飲みこむ。いやいや、エントリー用紙チェックだって、とっても重要な仕事だ。ウン。

「大変そうに見えるなら、なにかおごってくれてもいいんだよ?」
「え゛」
「ほらほら〜、遠慮しないで!」

 とんっと肩をぶつけてくる珠理。
 いや、まあ、日ごろの務めを労いたい気持ちはやまやまだけど……。

(こういわれるとなんか……)
「……うん。まあいいよ」
「!? ほんと!? いったわね? じゃあおごってね? 今日ね?」

 今日って……急だな。

「べつに予定もないし、いいよ」

 さらっと答えると、珠理は心底嬉しかったのか、その場でぎゅんっと立ち上がり、ぴょんぴょん飛び跳ね始めた。

「やった! よっし、残りの部活も頑張るよー!!」

 照明卓のところまでダッシュで駆け抜ける珠理の背中を、なんだか懐かしい気持ちで、唯はながめていた。



☆    ☆    ☆    ☆    ☆    ☆



お久しぶりです。
そしてあけましておめでとうございます。とっくにあけてますね。
今年もマイペースに活動していこうと思うので、よろしくお願いいたします。

ふたりでいること 【Episode 22】 ( No.28 )
日時: 2018/01/19 10:12
名前: はるたに

     【Episode 22】





 壇上で、答辞のことばを述べる、同級生が見える。彼女の声が湿ってきたせいか、まわりの生徒の鼻をすする音がし始める。
 なつきも唯の隣で、目に涙を溜め、鼻をぐずぐずにさせていた。

(なっちゃんってば……)

 そっと背中に手をまわし、幼い子どもにやるように、ゆっくりさすった。いつもなら、こうしてもらう側なのに。なんだか新鮮だ。
 なつきはちらりと、こっちに視線を向けてくる。

「さみしくなっちゃうね」

 小声で話しかけると、なつきはぶわっと涙をあふれあせた。つーっと涙が頬に伝い、彼女の顔が歪む。
 答辞を終えた生徒が降壇すると、卒業式の終わりが告げられる。

「ほら、なっちゃん。歌わなきゃ」

 先生がマイクを通していうことばを聞き、唯が声をかける。なつきはぐずぐずの鼻をこすりながら、うなずいてまっすぐ、前を見つめた。
 指揮者が登壇すると、まわりがしんと静まり返る。

 ――最後の合唱だよ。

 そんなこと、とてもいえなかった。

 そんなこといったら、なっちゃんはほんとうに、涙が止まらなくなると思うから。

   〇

 部活が終わって、施錠も完璧に済ませた珠理は、いつにもましてるんるんだった。スキップで職員室へいき、鍵を返すと、珠理はきらきらした目でこっちを振り返る。

「ねえ、唯! どこでもいいの?」
「バイトをしてない私が、きちんとふたり分支払えるていどならどこでも」

 しっかり釘を刺すと、珠理ははっとしたように眉をひそめる。

「そっか、非バイト民だったわね……」
「非バイト民っていいかたよしてよ!」
「はいはい」

 相変わらずにやにやと悪戯っぽく笑ったまま、珠理は下駄箱までたったか駆けていく。ほんと、誰かさんにそっくり。

(珠理ってば……)
「そうだわ!」

 いきなり大声を出して立ち止まり、珠理は踊るようにこちらを振り返った。
 びっくり箱を目の前で開けられたひとみたく、唯はからだごと飛び跳ね、じりっと後ずさる。

「な、なに?」
「わたし、いきたいところがあったの!」

   〇

ドリンクを飲み、あるていど落ち着いてきたところで、隼が訊いてきた。

「どうかしたのかよ?」

 う゛っ……。

「いや……ドリンクバーのすぐそばの席……」
「ドリンクバーのそば?」

 おうむ返しすると、隼は肩越しに振り返り。
 すこししてから、ばっと勢いよく顔をこっちに戻した。

「吹屋! ……と、よく分からん美人!!」
「うっさいよ……」

 口元をぐいっとぬぐってから、なつきは窓のほうに視線を移す。
 唯が……唯が、よく知らない、同い年くらいの女の子と、ふたりでいる。
 それだけで、なんだか胸を掻きむしりたい気分になる。掻きむしっても掻きむしっても、きっと晴れないこのもやもや。

「あの子、もしかしてジュリちゃんか?」
「ジュリちゃん?」

 誰、それ?
 窓の外を見たまま、なつきは聞き返した。笑いながら道を歩く人々が、気のせいかまぶしく見える。

「前、LILEしたとき聞いた。部内で仲のいい、、ジュリちゃんって子がいるんだと」
「……似てるの?」

 正面に顔を戻すと、隼はさっきより早いペースで、ドリンクをストローですすっていた。

「金髪で美人って話と、制服からしてジュリちゃんかなーって」
「なにそれ……外国人?」
「ハーフらしいぞ」

 ずるい。
 なつきは思わず、机に突っ伏した。泣きたい気持ち半分、怒りたい気持ち半分で、ぐちゃぐちゃになりそう。
 ハーフだなんて……外見が綺麗ってだけで、たくさん愛してもらえるじゃん。
 しかもよりによって……なんで唯とふたりきりなの?
 なんでそんなに楽しそうなの?

(まさか唯……)

 ――さすがにない、よね。

「ふたりで出かけることは、そう多くないっていってたのにな……てか、お前知らなかったのか」
「う、うん……あんまお互い、友だちの話しないから」

 なにかいいたげに隼の口がすこし開いたが、すぐ彼はスタローをくわえた。

Page:1 2 3 4 5 6



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


E-Mail


URL


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大7000文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。