BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

こいのゆくえ【BL】
日時: 2018/11/30 02:04
名前: ポポ

王十森丘学園(おうともりおかがくえん)。
そこは、学園長直々に評価した生徒が集う学校。
主なクラス分けは三つ、社長の息子や御曹司といった財政に不自由のないゴールドコース、容姿の美を追求されたプラチナコース、体力作りからスポーツ面での新しい卵ブロンズコース。それぞれのコースの生徒は各色のリングを身に着ける事でこの学園に出入りできる。

ゴールドのリングを指に通した仙崎涼介(せんざきりょうすけ)は二年の春、教室に移動中ふと三階の廊下に窓から入った花びらを手に桜の花びらが舞う正門に目を向けた、ただ儚げに桜を見上げる一人の男子生徒、富士宮岳(ふじのみやがく)に恋をした。
ほんの一瞬のことだったが、それが彼と彼の人生を大きく狂わすことになるとは二人はまだ知る由もない。

オリジナルBL小説です。

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Re: こいのゆくえ ( No.1 )
日時: 2018/11/23 13:08
名前: ポポ


「涼介?」

声をかけられてハッとする。振り返るとゴールドリングをピアスにした友人、坂本が「なにボーッとしてるんだ?」と仙崎の見ていた正門へ視線を向ける。
「ああ」と丁度良いから坂本にもあの綺麗な子を見せようと仙崎も指を指しながら説明する。

「あの桜の木の下にーーーあ?」
「いねーな」

目を向けた桜の木の下には、仙崎の見た人は居なかった。だが桜を見ると思い出す、あの美しく儚げな表情。坂本はさほど気にせず教室へ移動しようぜ、と仙崎の背中を押す。

ーーーーーーー
午前の授業が終わり、長い昼休憩になると、軽い足取りで各教室やら中庭を見て探し始めた。目の裏にこびりついて離れないあの顔、少し話してみたいだけの好奇心に仙崎は動く。ズボンを履いていたから男子生徒であり、白い肌に白銀の髪、薄紫色の瞳は目立つ筈だがプラチナコースに来た途端に考えが甘かったと反省した。

美を追求されたコースの生徒はどんな髪型でも髪色でも美しければ規則などないのだったと。
同じ学年ならば昨年の時に見たはずであるし、今年入ってきた顔は確認済みである。だからこうして一つ下の学年の廊下を歩いて回っているのになかなか見つからないとは、思わずため息がこぼれた。

「何かお探し? 涼介」
「・・・恵里香」
「ふふ、涼介がこの学園に転入したって昨年聞いてたから私も来ちゃった」

頭を抱えていたところに声をかけてきたのは、幼少期から親同士が仲良く幼馴染みのような仲の花園恵里香(はなぞのえりか)だ。大手ブランド品会社の一人娘、一つ下で背も低くて可愛いから妹のように昔から世話してたがそれの甲斐あって、妹以上の関係にはなれない。

Re: こいのゆくえ ( No.2 )
日時: 2018/11/23 13:23
名前: ポポ


「なァんだよ、また俺についてきたのかよ」

花園恵里香は少なからず仙崎に好意がある。それを知ってるからこそ恋愛対象にされたくない仙崎は、ふざけて彼女をからかう。

「わ、悪い?私の知らないところで涼介取られたらたまらないんだもの」

彼女でもないのになー、とつい言いたくなる。嫉妬されて束縛される発言はよく向けられる。だから一人でいる。誰のものでもないと周囲に知らせるために。
腕を組んで膨れっ面してる目の前の花園の頬を軽くつまむ。

「じゃあそこのお嬢さん、一緒に探し物してくれる?」

見る見るうちに表情が明るくなる花園は、それを隠すように咳払いして「何をお探し?」と二度目の質問をしてくる。

「ねこ」
「猫?」
「そう猫、白くてうんと綺麗なやつな」
「わかったわ」

つい嘘をついた。何故だかは分からないが口をついて嘘が出た。花園は頷いて、背を向けてひとりでに去っていった。

Re: こいのゆくえ ( No.3 )
日時: 2018/11/29 22:05
名前: ポポ


右手首に付けた腕時計を見るとそろそろ昼休憩も終わる時間が近いことに、こんなに探しても見つからないものなのかと脱力する。次の授業は保健室でサボろうと保健室へ向かう。

保険医は歳の離れた仙崎の従兄弟がやっている。第一に俺は医者の息子だから、いや、ゴールドクラスだからサボっても文句は言われない。と自信満々で仙崎は保健室の扉をノックもせずに開けて入る。

「さめじ・・・おっと」
「うっ」

保健室へ入ろうと保険医の鮫島を呼びながら扉を開けると、保健室を出ようとしてた生徒とぶつかる。その生徒も下を向いていたようで仙崎の鎖骨あたりに顔がぶつかり、仙崎はその生徒の白い頭が顎にぶつかった。衝撃で仙崎が後ずさると、その生徒も軽く後ろへよろついては黒いサングラスをかける。

「あーごめんごめん、平気?」
「大丈夫です」

後ずさった生徒の方が衝撃が強かったのではないかと心配して軽く謝って様子を見ようと顔を覗き込む形で片手を差し伸べれば、キッパリと断りつつ、腕ごと押し返す形で仙崎を押し退け、仙崎と扉の空いた隙間から保健室を出て行った。

「・・・」

なんだあの子、人の顔も見ずに。そう思い少し不服気に保健室の扉を閉めると保険医である鮫島に振り返る。

Re: こいのゆくえ【BL】 ( No.4 )
日時: 2018/12/09 00:03
名前: ポポ


鮫島は口元に孤を描き薄く笑っていた。仙崎の見たことの無い表情だったが(そもそも見たいとも思っていなかったが)初めて見た時、引いた。扉の方を見ていて仙崎と目は合わなかったが、まるで愛おしいものを見るような緩んだ笑みは鮫島の性格を知っている仙崎にとって鳥肌が立つほど気持ち悪かった。

それも一瞬、鮫島は仙崎と目が合うと無表情に戻り、あたかも仙崎が保健室に来たことに今気づいたような口振りで問う。

「なんだ仙崎、来てたのか。何か用か?」
「いや、いやいや!何か用か?じゃないっしょ!」
「保健室で大声を出すな」
「ンだよ、さっきの気色悪い顔ォ」
「黙れ」
「ッタ」

問い詰めるように歩み寄り座ってる鮫島を挑発する為にニヤリと意地悪い顔で先程の鮫島の顔の事を嘲笑えば、机に置かれていたファイルの角で頭を叩かれた。
地味に痛い箇所を擦りながら反応しない鮫島に飽きて近くの空きベッドに倒れ込むように横になる。

「あァー痛くて死んじゃう」
「保健室はサボり場じゃないぞ」
「・・・頭痛が」
「知恵熱か?餓鬼」
「・・・。」

机に置かれた紙に何か書いて、パソコンを打ち始める鮫島は保険医の仕事をしているのであろうが仙崎にとってそんなことはどうでもいい。鮫島は挑発的口調だが、仙崎の頭は別のことを考えていた。

「鮫島ァ」
「仕事中だ、見てわからんのか」

名を呼ぶがパソコンから視線を外さない鮫島に仙崎は質問をした。

「さっきの・・・だれ」
「さっきの?ああ、一年生の子だな」
「あんなの居た?」
「なんだ、気になるのか?」

先程の生徒のことを聞けば鮫島は手を止めて仙崎の方へ体も顔も向ける。キラリと光る鮫島の眼鏡に、鮫島の反応に片眉を上げては疑惑めいた表情で鮫島の問いに間をとって答えた。

Re: こいのゆくえ【BL】 ( No.5 )
日時: 2019/09/08 15:20
名前: ポポ


「ちょっとな。なんかワケあり?」
「なぜそう思うんだ?」
「なに隠してんだよ」

鮫島の問に答えたにも関わらず、仙崎から質問すれば質問で返される。個人情報だから幾ら身内の仙崎にも言えないという事か、仙崎は眉を寄せて鮫島を睨む。
鮫島はパソコンに視線を戻したが、仙崎からの威圧的視線を感じたのかフッと鼻で嘲笑う。

「気になるなら、自分で探せ」
「・・・範囲が広いんだよ」
「一年だと教えてやっただろ。さっさと授業に戻れ、餓鬼は学習の時間だ」
「チッ、身内に優しくねえな」

鮫島の指示に文句を言いながらもベッドから体を起こす。後頭部を掻いて気だるげな足取りで保健室を出ようとしたところ、鮫島に呼び止められる。
返事をする代わりに振り返れば、鮫島はメガネをクイッと押し上げて真剣な目つきで言った。

「あの子に乱暴な事するようなら、お前の味方は出来ないからな」

いつになく真剣な目から一瞬殺気を感じたが気にしないふりをして仙崎は保健室の扉を後ろ手に閉めて出て行く。
何かと問題を起こしても保健医の鮫島と理事長と親父が揉み消してきたのだ。今回は、なんだかワケありなニオイがしているが、それ程重宝される生徒なんて余計気になる仙崎は自分の教室へ歩んだ。

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