BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

厄介な人
日時: 2019/09/10 13:15
名前: スペシャルピーチ

篠田悠(しのだゆう)高校一年生の夏休み、皆と遊びに行きたいけどその為のお金を貯めるために喫茶店でアルバイトを始めた。

その店で小遣い稼ぎになるかどうかなんて分からなかったけど、とりあえず親友の水成潤(みずなじゅん)と一緒ならと働き始めた。

初めての接客業で色々慣れなかったけど店長さんも他のメンバーも良い人ばかりだったから居心地は悪くなかった。

彼はそんな時に現れた。

Page:1



Re: 厄介な人 ( No.1 )
日時: 2019/09/10 13:17
名前: スペシャルピーチ

アルバイトを初めて一週間が経ったが、案外喫茶店というのは休む暇がない。うちの喫茶店は呼び出しベルが要らないタイプだから、常にどこから呼びかけられているかを見張ってないといけない。すぐに駆けつけて対応する。

小さいお店だから注文席はすぐに覚えられていいのに、接客というのは難しくて苦手だ。特に苦手だと思うのはクレーム対応。
だから、なるべく失敗はしないように心がけていた。

暑い中、冷たいものをゆっくりしたところで飲食してなおかつ涼しくて快適というのは喫茶店のいい所で、女性客が大半を占めている。

暑いから体調には気をつけて、なんて店長が優しく言ってくれるから笑顔でお礼を言って頭を下げれば「悠くんと潤くんが居る日は、居ない時と比べて売上が倍近く違うからねぇ、居ないと困るよ」なんて喝を入れられる。

不慣れな言葉遣いに落ち込んでいた時は、水成が「お前は笑ってれば失敗もなんとかもみ消せるんだから」と慰めてくれたりして、流石にクレーム対応の時は笑わなかったけど、人の目を見て話すようにアドバイスまで貰ってからは、なんだかお客様と少し楽に対応できるようになってきていた。

そんなある日、学生と思われる五人組が入店してきた。

Re: 厄介な人 ( No.2 )
日時: 2019/09/10 13:19
名前: スペシャルピーチ

いつも通り、働いていると男子三人女子二人の五人組での入店。端から二つ目の窓側テーブル席へ案内した。男女は向かい合うように座って楽しそうに笑い合って話をしている。
ああ、いいなあ、早く皆と遊びたいな。
なんて思っていると「すいませーん!」とそのグループから声をかけられた。

「はーい、少々お待ちくださーい」

と声をかけて、すぐに駆け寄ると真ん中に座った男子がメニュー表を見ながら指を指して注文を口にする。
メモを取っている最中に様子を見る。興奮気味にヒソヒソ話す女の子達に比べて、注文をする男の子は陽気だが奥に座る男の子は女の子たちを見て目を泳がせ挙動不審な様子、反対に通路側の男の子はつまらなそうに木製のテーブルを見つめていた。

あまりに対照的な様子だったが、注文を確認すれば「はーい!」「お願いしまーす!」と女の子たちが片手を上げて了承してくれたので「ありがとうございます」と笑って厨房へ向かう。キャーキャーと楽しそうな女の子たちに元気だなと思った。

Re: 厄介な人 ( No.3 )
日時: 2019/09/10 13:20
名前: スペシャルピーチ

暫くして飲み物や食べ物を運び終え、見通しのいいレジから呼び出し待ちをしていると水成が声をかけてきた。

「あの男の子さ、なんかあのグループに馴染んでなくない?」
「え?・・・そうかな?」
「いや、明らかにおかしいでしょ、ちょっと。」
「ん?」

水成の言う男の子は通路側に座っていた青年のことで、今もつまらなそうにテーブルの下にスマホを隠すようにして弄っている。
確かに、ほかの四人と比べると会話しているのは見受けられないが馴染んでないというのは分からなくて応えれば、水成は肩に腕を回してくる。こうする時は、周りに聞かれないような話をする時なので顔を寄せて耳を傾ける。

Re: 厄介な人 ( No.4 )
日時: 2019/09/15 21:10
名前: スペシャルピーチ

「ほら、他の子達と比べで顔もイケメンだしさ、女の子たちもあの子に声かけてばっかりだよ?」
「うーん、言われてみれば?」
「もぉう、鈍いなー」

水成に言われて、よくよく見てみれば女の子たちがその男の子に声をかけるが真ん中の男の子が全部返答して窓側の男の子に質問しているという会話を繰り広げていた。確かに水成の言うことが間違いだとは思わないけど、友達だから一緒にいるんじゃないの?と俺の頭では確信がつかない。渋るように言えば、持ち前の細くてタレ目がより細くなり呆れたように笑いながら言われ、腕が離れていく。
「鈍い」とはよく言われるからこそ気に食わなくてムッと頬を膨らませて言う。


「…だってイケメンとか言われてもあんまり分かんない」
「まあ、悠はああいうのとはちょっと違う部類のイケメンだからねー」
「ほらまたそうやって誤魔化す!」
「冗談じゃないよ?悠はアレとは違うイケメンなのー」
「もう!うるさい!さっさと仕事戻って!」
「もぉう、かわいいんだから」

水成の冗談に付き合いきれず、背中を押して業務に集中するよう言えば、丁度声がかかり水成はボソッと言って呼ばれた方へ向かった。最後のは無視した。

あのグループへ少し目を向けると女の子たちが大きな音を立てて席を経ち、不機嫌な様子で店の外へと出て行った。
どうしたんだろうかと視線を向けると真ん中の男の子は通路側の男の子にキツくあたっている。

会話の内容から察するに、街で軽いナンパで声をかけて合コン紛いな形で連絡交換しないか迫ったところ、女の子たちは通路側に座る男の子の事にしか興味がなくて連絡交換したかったのに「興味ない」の一点張りで台無しになったらしい。

若者ながらの話だと思うと誰しもある経験に心の中で苦笑してしまった。いや、俺もまだ若いけど。

Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


E-Mail


URL


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大7000文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。