BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

キミが好き
日時: 2019/09/12 18:23
名前: バグ

初めて見るタイプだった。

嘘のつけないような汚れを知らないような純真さで話しかけてきて、笑うと照れたように目尻と眉尻が下がる。

無表情は冷たく感じるほどの美貌で声が似つかわしくない低く掠れた声だった。

空気が読めなくて馬鹿みたいに自分より他人を優先する、そんな貴方に腹が立つんです。

ーーーー登場人物ーーーー
・宮城:高校1年、勉強もスポーツも平均以上できる。筋トレで鍛えている。真波が気に食わない。表情に出やすいが自覚はなくてクールに澄ましてる生意気ボーイ。
・真波:高校2年、勉強は主教科が苦手でスポーツは人並み。不器用な性格、体力がなくて寝ることが大好き。無表情が冷たく近寄り難いが仲良くなれば笑顔のことが多くて寂しがり屋なボーイ。
・倉間:高校2年、何でも器用にこなせる。真波の幼馴染み兼お世話役。世話好きで笑顔が天使の異名を持つ。可愛いものは好きだし周りから可愛いと言われるのも好きだが中身は男前な仲間想いのボーイ。
・浅井:高校3年、空気が読めなくてリズム感が無いのでダンスが嫌い。勉強は理数系が得意。引き笑いが特徴的でホラーが苦手。スタイルが良くて自称世界一イケメンな残念ボーイ。

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Re: キミが好き ( No.8 )
日時: 2019/09/15 17:59
名前: バグ


真波さんの目が少しだけ小さく丸くなったと思ったら、両肩を思いっきり押されて飛ばされ、今度は俺がベンチの肘置きに背中を打つ番だった。
俺を退かしてベンチから経った真波さんは振り返って俺を見下ろすといつも以上に低い声で言った。

「ありえないから」

それだけ言って駆け足で逃げるように真波さんはどこかへ行った。
最後に俺を見下し蔑んだ目で言った真波さんの顔が目に焼き付いたように消えない。ベンチに座り直して少し冷静に考える。
あんな表情をしてても美しいと思った、なんだか興奮した。

俺のこと軽蔑したかな?
あんなことしちゃって、こんなことになっちゃったけど、まだ俺といつも通り会話してくれるかな?
・・・俺のこと避けようとするかな?
まだ悪ふざけだとか思ってないよな?
・・・倉間さんの所に向かったのかな?

自分から仕掛けたくせに避けられると思うと少しショックを受けるが、駆け足で去っていった真波さんの向かう先が、あの親友で世話係の倉間さんの所だと思うと落ち込んでる暇はなかった。
真波さんは誰にも取られたくないのだ。

ベンチを経って真波さんの向かう先は図書室だろうと走った。

Re: キミが好き ( No.9 )
日時: 2019/10/05 00:48
名前: バグ

真波sideーーーーー

俺は走って教室に着いた。倉間に相談したくて図書室行こうかと思ったけど、さっきの女の子とまだ図書室に居るなら入れないと思ったから。

それにしても何で宮城は僕にキスを・・・!?どういうことなんだ、全くわからない!
つい有り得ないなんて言っちゃったけど、何が有り得ないなのか自分でもわかんない、どうしよう!宮城は何考えてんの?!

僕は頭を抱えて考えてみる。

最初「好き」って言われて、冗談かと思ったらキスされて「俺の気持ち、わかった?」って聞かれた・・・え、なに?どういうこと?全然わかんねえよぉ・・・

好きな女の子に告白する為に予行練習?そんな急に許可もなく始めるもの?

それに普通は友達にキスなんてしないよね?でも宮城凄い楽しそうにイタズラ仕掛けた時みたいな顔してたし・・・ハッ、もしかして・・・僕を試したのか・・・?

僕が告白もされたことなくて、どうせキスもしたことないだろって実践形式で試したってことか?・・・っなんだよ!くそ!そういう事だったのか!まんまと宮城の罠に嵌ったんだ、悔しい!あそこで僕からも、し返せば宮城のあっと驚く顔が見られたはずなのにっ!

ああー!しまった、逃げるように来ちゃったよ。男からキスされて思わず引いちゃったことに傷ついちゃったかもしれない。宮城は冗談のつもりなのに、僕が勝手に勘違いして・・・こんなちっちゃい遊びで僕が避けたらアイツ一人ぼっちで泣いちゃうよ、元気づけてあげなきゃ!僕はアイツの頼れる先輩なんだから!うん!

僕は鞄を持ち直して来た道を引き返した。

Re: キミが好き ( No.10 )
日時: 2019/11/15 21:54
名前: バグ

廊下を走っていると細身で長身の見つけやすいシルエットが目に入る。

「浅井さんだ!」

両手を振って浅井さんに駆け寄る。

「浅井さーん!」
「ん?おおー!真波!集まるのは図書室じゃなかったか?浅井さんを呼びに来てくれたのか?」

近くまで駆け寄って息を整えている間にも浅井さんの口は止まることなく、僕の頭をよしよしと撫でてくれる。
だが、今はそんな場合ではない!

一刻も早く宮城を慰めなきゃ!可愛い後輩を泣かせるわけにはいかない!

「宮城、みてないですか?」
「宮城?それなら、うしろに」

え・・・、うしろ・・・?

今、浅井さんの所に掛けてきて廊下には僕と浅井さんしかいなかった、はずだ。恐る恐る振り返ってみると不機嫌に寄せられた眉で僕を睨みつけて見下ろす宮城の姿が、思ったよりも近くにあって

「うわあああああああ!!!?」

思わず絶叫して浅井さん腕にしがみつく。
浅井さんは僕の大声に驚いて肩を上げる。

「…そんな人を幽霊みたいに扱わないでくださいよ」
「宮城が真波の背中めがけて走ってきた時の速さは幽霊みたいだったけどな、ハッハッ」

あれ・・・?

「真波さん、さっきはスイマセン、驚かせちゃって…」
「あれ?この話、浅井さん聞いちゃってもいい感じかな?」

あ、やっぱり冗談だったんだ・・・いや、うん、わかってたよ?わかってたけど・・・なんで不機嫌そうなの?なんか、怒ってる?

「宮城、怒ってる?」
「フフッ、なんで俺が怒るんですか?」
「あれ、浅井さんのことは無視なのかな?変に話が進むと浅井さんいたたまれないよ?」

口では笑うのに目が笑ってない・・・なんで怒ってるの?とりあえず謝ろう

「宮城、ごめん…宮城は冗談のつもりだったのに、ぼく、ひどいこと言って…」
「…は?」
「でも、宮城が怒ると思ってなくて……えっと、ごめん。またいつも通り話しかけてくれる?」
「……ええ。あたりまえ、ですけど」
「ほんと!?僕からは宮城を避けないし、宮城を今度は傷つけないようにちゃんと配慮するから!」
「は、はあ…?」

よかった!なんだ、すごい簡単に解決できた!
未だ首を傾げている宮城に僕も訳わかんないけど、深く考えないことにした!
ちょっと思ったのは、宮城は僕の発言に落ち込んでると思ってたけど何らかの理由で怒ってたみたいで、別にそこまで気にはしていなかったんだってこと!

はぁ良かった、なんだかホッとした。

浅井さんの腕から離れて胸をなでおろして深呼吸する。

「なんか噛み合ってないように見えたけど…まあ、いっか」

と言う浅井さんの言葉は右から左へ聞き流した。

Re: キミが好き ( No.11 )
日時: 2019/11/15 21:55
名前: バグ

「それじゃあ図書室、みんなで向かおっか!」
「あ!ちょっと待って浅井さん!図書室はダメ!」
「え?でも図書室が集合場所じゃなかった?」
「そう、なんです…けど」

さっき図書室で倉間が告白されてるの見たから、まだ話し合いとかしてたら入りずらいよ。

どうしよう、と迷って宮城の方を見たら「さすがにもう終わってるでしょ」って顔で返される。
いいのかな?でも、そっか、倉間もあの子と付き合うわけじゃないし、いいのか!いや、いいのかな?だって、気持ちのこもったものでしょ?告白って。大事じゃん、邪魔は良くないよね、うん。

「やっぱり今日はやめときま」
「さ!さっさと行かないと、倉間さんが寂しがりますよ!誰も来ないなんて、怪しむかも知れませんし」

そう言って、僕と浅井さんの腕を右手と左手で掴んだ宮城は僕の言葉を遮るように大きく言うと腕を引きながら図書室に向かう。

本当に向かって大丈夫なのか、まだ不安な僕を他所に浅井さんは「おう!そうだなァ!」と宮城のノリに合わせるように宮城が浅井さんの腕を離したタイミングで宮城の肩に腕を回していた。

僕の左手は離してくれなかったけど後ろから見た二人は、頼もしく強そうな男の人の背中をしていてカッコイイな、なんて思った。

Re: キミが好き ( No.12 )
日時: 2019/11/15 21:59
名前: バグ

「あぁー!!真波ぃー!…もう!遅かったじゃん!心配したよ?」
「えへへ、ごめん」

図書室に着くと僕達を見た倉間が抱きついてきた。
なんだかほんのちょっと離れてただけなのにいつもの倉間が見れたのと首に回る腕と密着した体の暖かさが服越しに伝わって安心する。
嬉しさと同時に照れ笑いをしながら謝罪を口にする。

「どこいってたの?遅いから約束忘れて帰っちゃったのか不安になったよ?」
「そんな、僕が倉間との約束忘れるわけないじゃん!」
「そうだよね、知ってる。じゃあ遅れたのはなんで?」
「それは……じ、実はここで倉間が」

女の子に告白されてたから、入るべきタイミングじゃないと思って、という言葉が出る前に肩が掴まれて後ろへ引かれる。
驚いて止まる言葉と、目の前には僕からベリッと効果音が鳴るように離された倉間、その間には宮城。
倉間の鎖骨辺りに宮城が手を当てていたから宮城によって引き剥がされたことがわかる。

けどなんで?まだ僕しゃべってたよね?結構大事な話だったのに・・・

疑問で頭いっぱいのまま宮城を見ると、僕を見たあとわざとらしく「はあ」とため息をついて言った。

「いつまでくっついてるんですか」

・・・はあ?え、なんでキレてんの?!
眉を寄せて見下ろしてくる宮城のあからさまに不機嫌な態度に、何に怒っているかもわからないし先輩に向けた態度でもないのに僕も苛立ってくる。

「むっか……」
「宮城はなんで怒ってんの?」
「……べつに、怒ってませんけど」

「まあまあ、倉間と真波が仲良いのはいつもの事だろ?喧嘩はダメだよ、浅井さんそういうの嫌いだからねっ!」

ムッとして宮城を睨む僕、純粋に首を傾げて疑問を投げかける倉間、その質問にそっぽを向いた宮城はボソッ呟く。
その態度を自分に向けるならまだしも倉間にまで向けることに余計腹が立って、声を上げようとすると間に浅井さんが入ってきた。

正直存在もう忘れかけててごめんなさい、って心で思いつつ喧嘩はダメと親のように忠告してきた浅井さんの言葉を素直に受け取る。確かに僕だって喧嘩はしたくない、ましてや相手は最近筋トレをしているムキムキマン宮城だ、暴力じゃ勝ち目がない。深呼吸して上昇してくる血液を落ち着かせる。

「それより早くババ抜きしましょうよ」
「なんでお前が仕切るんだよ、今日はウノって言ったじゃん!」
「え?今日は花札じゃないのー?」
「「誰が花札なんで言ったんだよ(ですか)ー!」」

カバンからトランプの入ったケースを出して図書室のテーブル席に向かう宮城。
そんな宮城の後を追って軽く脇に拳をぶつけてはウノのカードをポケットから僕が出す。
僕の隣に座った倉間が花札を机に置くから僕と宮城の声が重なった。

「こらー!浅井さんをぼっちにするなぁー!」

ボーッとしてた浅井さんが我に返って駆け寄ってきては宮城の隣に座った。「遅いからですよー!浅井さんの希望は最後ねっ!」って人差し指立ててウインクしながら言ったら、バンッと目の前に積まれたトランプを置かれた。

「はい、真波さんがシャッフルして配って」

なんだ、ただ構ってもらいたかっただけなのか。

宮城はクールに澄ましてるだけで大人っぽくなろうとしてるけど、まだまだ子供なのだ。先輩の僕に構って欲しかっただけなんだ、なんて可愛い後輩なんだろうか!
めいいっぱい可愛がってやろうじゃないか!

「……もう、仕方ないなー」

渋々みたいな感じを装ってトランプを取ると切るように混ぜつつ笑みを我慢するが、意味不明な宮城の言動が理解出来てしまうと可愛くて可愛くて思わず顔が綻ぶ。
「なんで笑ってんだよー!」なんて浅井さんにからかわれたけど気にせずにゲームを開始した。

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