複雑・ファジー小説

ハンターズバレット!
日時: 2016/03/27 17:56
名前: ぜすと

こんにちは、ぜすとと申します!閲覧どうもありがとうございます!
相当ゆっくりなペースでの更新となります、どうぞ長い目で見てやってください。
コメント等がございましたら、僕のTwitter(@ZEST19)までよろしくお願いいたします!日常垢でもあるので、荒らしたりもしますがそこまで害悪アカウントではないと自負していますので、是非フォローお願いします!一言下さればフォローします!
それでは、つたない文章ではありますが、「ハンターズバレット!!」を、どうぞお楽しみください!
(この作品は、「小説家になろう」様でも掲載させていただいております。そちらもどうぞよろしくお願いします!)

プロローグ>>1
第1話>>2
第2話>>4
第3話>>8
第4話>>9
第5話>>10
第6話>>11
第7話>>12
第8話>>13
第9話>>14
第10話>>15

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第6話「二種」 ( No.11 )
日時: 2016/03/17 22:00
名前: ぜすと

「----------あああああああああっ!!!」

突如、叫び声とともに、ごうっと音を立てて、何かが少女に激突した。
結衣だった。

「宗君に手出ししてんじゃねええええええっ!!!!」

そう叫んだと同時に地を蹴って、吹っ飛んだ黒脚の少女に突撃する。
両手には、いつの間にかハンドガン二丁が握られていた。
結衣は実弾銃・プルートを構え、少女に向けて二、三発発砲。だが黒脚も流石の身体能力で、吹っ飛んで尻餅をついたような体勢からバックステップで後方へ跳躍、結衣が放った弾丸全てをかわした。

「た、助かった…」

宗は緊張から解放されたような気がして、同時に腰が抜けてしまった。
そんな彼を他所に、結衣と黒脚は激闘を繰り広げていた。
遠巻きに見た感じ、結衣が少しずつ押しているように見える。
イビルジェムはというと、何故か防戦一方。

(なんだか、いつもと違う、違和感…)

結衣はそう思ったのだが、早く浄化することが先決として攻めに攻める。
彼女の攻撃は凄まじかった。
浄化銃ラグナロクは、発射までに少々タメが必要なので小攻撃には使わず、実弾銃プルートと、そのキレのある体術を交互に使い、ジワジワと黒脚を追い詰めていく。
と、遂に黒脚に隙が見えた。

(貰った-------!!!)

結衣はすかさずその空いた腹部へ強烈な蹴りを放ち、最初の強襲同様、黒脚を吹っ飛ばした。
そして黒脚の上へ跨り、ラグナロクを構える。

「さあ、ここで楽にしてあげる。」

黒脚は何も言わなかった。だが、

「………!?」

突如、黒脚がその顔を歪め、ニンマリと笑顔になったのだ。

「なんでお前が笑える…!?」

イビルジェムはその常人離れした体術と引き換えに感情を失う。ということはつまり、笑うことだってできないはずなのだ。
現に、昨夜宗を襲ったイビルジェムだって笑うことはおろか、なんの感情をも出さないまま、結衣に浄化されたのだ。

結衣が並々ならぬ違和感を感じたのと同時に、背後、宗がいる方から、ゾワッとした寒気を感じた。

「な…っ?!」

そこには、今にも宗に襲い掛かりそうな、黒い腕をした、赤目の少年。

(マズ、間に合わな---------------!!!!!!!!!)

結衣の焦りを完全に無視して、無慈悲にも少年はその黒腕を振り抜いた。
辺りに、鮮血が舞った。


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お久しぶりです、ぜすとです!
ようやく世間は夏休みですね、このクソ暑いのに子供達は元気に外で遊ぶんでしょうか!
はい、今回は第6話の掲載です。次回はいつになるかわかりませんが、楽しみにしていただけたら幸いです。
では、また次回!See you next time!

第7話「上位」 ( No.12 )
日時: 2016/03/17 16:11
名前: ぜすと

宗の前に立つ悪鬼が、その黒く染まった腕を振るうのが見えた時、結依は宗の首が飛ぶ光景を想像してしまい、絶望感を感じていた。
だが、現実に結依の瞳に映ったのは、想像とは異なる光景だった。
どこからともなく黒いコートに身を包んだ、眼鏡をかけた青年が宗と悪鬼の間に割り込み、左手に持つ得物で、悪鬼が振り抜こうとした右腕を斬り飛ばしたのだ。先刻舞った鮮血は、その悪鬼のものだった。
そして結依は、その青年の正体を知っていた。
彼は、

「…『第一位』…?」

基本的に狩人が「順位」の話をするのは、「組織内序列」の話題の時である。結依のこの発言も例外ではない。
とすれば、彼女が発したその一言が意味するところも、もはや明確であろう。
それは、この青年が、狩人で最強であるという事実。

「でも、なんでここに…?」

「偶然悪鬼の気配を感じて乱入したまでですよ。まあ貴女に用があってここまできていたのですが、ね。」

「?」

澄んだ声で青年は答えたが、結依からしてみれば「第一位」が、「第二十五位」の自分に用事など、まるで見当がつかず、困惑することしかできなかった。
そんな結依はお構いなしに、青年は更に言葉を紡ぐ。

「ところで…後ろ、そろそろ気をつけたほうがいいですよ。」

「は?」

そう言われて、結依はようやく気がついた。
自分はまだ、あの黒脚の少女の浄化をしていない。
ゾッとして、右手でプルートを手に取る。
が、少し遅かった。
悪鬼が結依目掛けて、とんでもないスピードで距離を詰めたからである。

「ッ!」

もうその距離わずかに5メートル。プルートを近接戦闘用に持ち替えねば対処は不可能だった。

(まずいッ!!)

残り3メートル。悪鬼は、結依へと渾身の一撃を叩き込むために、蹴りを繰り出す姿勢に入った。

だが次の瞬間、悪鬼は結依から離れるように飛んだ。いや、吹っ飛んだ。そしてそのまま、体育館の壁へと真っ直ぐに向かい、砂埃を巻き上げながら激突した。

「弱っちいなあ…」

結依の視界の端に、黒い棒が見えた。
そこに立っていたのは、またしても結依が知っている人物だった。

「『第二位』の…霧雨?!」

「お久しぶり、夜神サン♪」

現れたのは、結依と同じような体格の、小柄な少年。その手には、少年の2倍はあろうかという、大きな鎌が握られていた。

----------------

「 さて、霧雨も到着したことですし、こちらも終わらせましょうか。」

眼鏡の少年はそう言うと、いつの間にか距離を取っていた悪鬼の方へと向き直り、その左手の得物-日本刀であった-を軽く振った。
ただそれだけで、「第一位」は、50メートルはあった悪鬼との距離を一瞬でゼロにした。

「私は悪の一切を滅す。散りなさい、悪意の権化よ。」

そう言い放つと、ためらいもせずに悪鬼を斬り捨てた。
声にならない絶叫が周囲へと撒き散らされ、悪鬼は灰へと帰する。
青年はそれを一瞥すると、「第二位」のほうへと視線をやった。

----------------

霧雨と呼ばれた少年は、「第一位」の戦闘が終わったのを確認すると、肩に担いでいたその大鎌を持ち直し、

跳んだ。

悪鬼が激突した、砂埃舞う体育館目掛け跳躍した霧雨は、その大鎌を振りかぶる。
その顔には、人助けで悪鬼の浄化を行っているとは思えない、嗜虐的な笑みが張り付いていた。

「---あはははは!!!!!」

少年は笑いながら、未だ土煙の引かない体育館へ、情け容赦のない一撃を放つ。
校内に再度の轟音が響いた。
小柄な少年には似つかわしくない大きさを誇るその鎌は、薙いだ周囲一帯を瓦礫と化してしまう。
圧倒的破壊力。これこそ、霧雨が序列第二位たる所以である。
絶叫が響き、続いて訪れたのは静寂だった。

「あー、つまんない…」

土煙の中から、心から退屈そうな様子の霧雨少年が、大鎌を担いで姿を見せた。
校内戦は、上位ハンター2名の活躍によって、あっという間に幕を下ろした。

第8話「本部」 ( No.13 )
日時: 2016/03/17 18:59
名前: ぜすと

戦いを終えてこちらへと歩いてくる霧雨に、「第一位」が声をかける。

「霧雨、今回も破損した設備の修繕費は、耳を揃えてきちんと学校に支払うのですよ?」

「えッ!?いやでもあれは悪鬼討伐のためには仕方ないことじゃ−」

「 支払うのですよ?」

「…ハイ…」

語気を強めた青年の言葉に、先ほどまで元気一杯だった少年縮こまってしまった。
青年は改めて宗に向き直り、口を開く。

「申し遅れました。私は組織序列第一位のハンターとして活動しております、天堂沙月と申します。以後お見知りおきを。」

「ボクは第二位の霧雨だよ。よろしくね黄泉崎宗クン♪」

「え、ああ…よろしく」

宗にしてみれば、これ以上ハンター組織と関わるのは御免被りたいところだが、今はそんなことを言えるような状況でない事は、自分でもよく理解していた。
と、そこへ完全に蚊帳の外状態だった結依が割って入る。

「ねえ、『用事』って何のことなの?」

「ああ、『主(マスター)』の伝言を伝えに来たのですよ。」

「…え、それだけ?」

「はい、この文書を渡せと。」

(わざわざそれだけに『第一位』と『第二位』を使うなんて、流石の人遣いの荒さしてるなあ…)

呆れながらもその文書に目を通した結依は、少しだけ面食らう。

「本部出頭命令…しかも宗君同伴で?」

「え、僕も?」

次に驚いたのは宗だった。
自分がハンターの組織に呼び出される筋合いなど無いはずだが、と宗は思う。

「…『来ればわかる』としか書いてない。相変わらずアバウトな人だ…」

「それが『主』だしね、仕方ないよ」

(てか誰だよ『主』って…)

一人だけ状況を掴みあぐねていたが、下手に口を出すよりかは素直に連れて行かれる方が安全かつ楽だと判断し、口を噤む宗であった。

「じゃあ行こうか、本部へ。」

----------------

御桜町中心地にそびえるガラス張りの超高層ビル。ある種御桜町では浮いた存在感を放っているが、どうやらここがハンター組織の本部らしい。

「こんな目立つところにあるのか…」

ハンターという存在を、つい先日まで知らなかった宗は、その総本山がこんなに目立つところにあることに一人驚愕した。また、このビルは、確か町役場としての機能を一手に引き受けている施設だと認識していたので、本当にここが本部であっているのか、正直半信半疑な宗だった。

「それじゃ行こっか。」

結依に促され、宗はビルの中へと入る。
まず目に飛び込んできたのは、まるで一流ホテルのような綺麗なフロント。
本当に役場なのかここは、と疑念を抱かせるほどに豪華なものだった。

こっち、と呼ばれ、宗は結依のあとについていくと、そこにはエレベーターがあった。ボタンを見ると上向きのものしか無い。
どうやら本部はビルの上層階にあるらしい、と予測をつけた宗だったが、その予想は早速裏切られてしまう。
結依はそのボタンを押しつつ、それを半回転させて、下向きにしてしまったのだ。

「え!?」

「ほら、行くよ!」

驚きつつエレベーターへと乗り込む。いかにも普通のエレベーターだった。
すると、入り口向かって右側に設置されている液晶パネルを、結依ががこり、と外してしまった。
彼女はただ淡々と、液晶パネルの裏側にあった文字盤を操作する。
一際強く文字盤を叩くと、ピーッという電子音が響き、ドアは閉じて、エレベーターは下層階へと向かう。
いつの間にか元の位置に戻っていた液晶パネルは、目まぐるしい速度で、本来表示するはずのない階層を示し続ける。
B50Fという文字列がパネルに表れると、エレベーターはようやく停止した。(ようやく、と言ってもわずか20秒ほどの出来事である。)
エレベーターの扉が開き、外へと出る。
そこは薄暗く何もない、コンクリートで囲まれた部屋だった。
何もない、とは言っても、扉は存在している。
今降りてきたエレベーターの扉と、もう一つ、なにやら荘厳な雰囲気を醸し出している扉。その2つが、向かい合うように設置されている。

「なんだこの部屋…」

「組織の施設はこの建物の地下1階から地下50階まで。最下層のここ50階は『主』の部屋しかないからね。他の設備はこの真上にあるの。」

「へ、へえ、地下50階か…」

「さあ、『主』に会いに行こう」

そう言うと、結依は目の前の豪勢な作りの扉を押し開く。
その先には、沢山のモニタを出したり引っ込めたり、何かを打ち込んだりしている、一人の人間がいた。

「序列第二十五位、夜神結依。只今参りました。」

「ん?おお、いらっしゃい。まあそこに座っててよ。」

その挨拶でようやくこちらに気がついたのか、大量のモニタの端から顔を覗かせた「主」。女性だった。

(ん?この人って確か…)

宗はその女性に心当たりがあった。

「御桜町町長の…伊吹鈴(いぶきりん)?」

「おおっ、もしや僕って有名人?」

「有名もなにも、御桜の住人なら誰でも知ってるでしょうよ!」

人口およそ1万人と、「町」を名乗るにはいささか大規模な御桜町の町長選。昨年、最年少21歳にして当選を果たし、町中の噂になった人こそ、目の前の女性だった。

(ハンターの『主』が、まさか御桜町町長だったなんて…)

「 ふむ。で、君が黄泉崎宗君かな?」

御桜の最高権力者とは思わせないその女性は、小首を傾げてそう尋ねた。

第9話「依頼」 ( No.14 )
日時: 2016/03/27 14:16
名前: ぜすと

「ふむ、で、君が黄泉崎宗君、かな?」

小首を傾げ、あざとく尋ねてくる眼前の女性からは、どうしても年上とは思えない無邪気さを感じる。

「はい、そうですが…どうして僕の名前を知ってるんですか?」

「ん?そりゃ見てたからに決まってんでしょ」

そう言いながら、こちらへ来いという風に手招きをしてくるので、宗は恐る恐る、鈴へと近づく。
モニタを覗いて、あっけにとられた。
そこに映し出されていたのは、御桜町全域の風景だった。
一つのモニタにつき4ヶ所の映像が映されており、そのモニタが10個ほど、所狭しとぎっしり積み上げられている。

「このモニタで町内全域を監視して、悪鬼の出現にいち早く気づき対処してるって訳」

「こんな数の監視カメラ、一体どこに…少なくとも僕は町内でカメラなんて見たことないですよ?!」

「んー、そこは企業秘密ってことで♪でも一ヶ所教えるとすれば、宇宙だね。」

笑顔で人差し指を天に向ける鈴に対し、宗の方は開いた口が塞がらなかった。
御桜町は人口が1万を超えているとはいえ、「町」は「町」だ。県はおろか、市という単位ですらない。さらにこの町には、衛星を発射できるような設備はないはずなのである。

「どうやって監視衛星を打ち上げたのかわからない、って顔してるね?」

ギクリとした。顔に出てたか。
そんなことを思う宗にはお構いなく、自慢げに鈴は話を進める。

「答えは超簡単だよ。この町からは打ち上げてない。」

「?」

「もうすでに宇宙空間にある衛星を、特例をもらって使ってるからね。ちなみにこの特例は政府からもらったものだよ。」

そう言って鈴がぴら、と見せてきた書類には、確かに前内閣総理大臣の名前があった。
もはや町の権力じゃない、とさえ思う宗をちらと見て、鈴は視線を結依に向ける。

「さて、世間話が過ぎたね。今日君らを呼んだのは他でもない。」

「はい。」

「悪鬼を人為的に生み出している輩がこの町にいる。その討伐だ。」

「!?し、しかし、どうして25位の私なのですか?そういうことなら、第1位など上位のハンターに依頼すればいいのでは…」

ぎし、と音を立てて、鈴が椅子に座りなおし、顎を触りながら話を続ける。

「結依君、君は兄の居場所が知りたいかい?」

「え…はい、もちろんですが、それが何か…」

そう言った直後、結依がハッとした表情になった。

「ま、さか…」

「そう、実はこの件、行方不明だった第1位、君の兄である夜神奈雲が関わっているんだよ。」

驚愕の表情を浮かべる結依。鈴はそれを確認して、言葉を続ける。

「今回の事件の容疑者は二人。一人は元序列第1位、夜神奈雲。もう一人は元序列第4位の赤見明鏡だ。現序列第1位には、赤見明鏡の方の討伐を依頼してある。」

「ど、どうして私に兄を任せるのですか!?私と兄では実力差がありすぎます!」

顔から全く余裕が消えない鈴は、全く変わらない口調で結依に言葉を投げかけた。

自分で決着をつけた方が、心残りが無くていいだろう?と。

鈴は一言も、彼を連れ戻せとは言わなかった。いやむしろ、妹であるお前の手で始末しろというニュアンスさえ含んだ言い方だった。

「お前…そんな酷いことを結依にー」

「…わかりました」

「っ!?結依!?」

怒りに震える宗の声は、あくまで冷静な結依の声に遮られた。

「わかりました、私が必ず、兄を止めます。」

「…」

宗はもう、結依にかける言葉が見つからなかった。そんな宗を尻目に、結依は力強く、もう一度宣言した。

「私が必ず、止めます。」

宗は、結依の声が少し悲しそうだと感じた。

第10話「予兆」 ( No.15 )
日時: 2016/03/27 17:56
名前: ぜすと

帰り道、俯く結依の隣を歩きながら、宗は一人考え事をする。
結依の事だけではない。
伊吹が帰り際、宗へ向けた言葉も、彼は気掛かりに思っていた。

ー結依君の兄たちが狙っているのはおそらく君だよ、宗君ー

なぜ一介の高校生である自分が非日常的存在に狙われるのか、宗には皆目見当がつかなかった。
家族が悪鬼に襲われているから?
自分の体質が関連しているのか?
それともー

そこで宗は首を振る。
そんなことは絶対にないと、自分自身に言い聞かせるように。
宗が考えているのは、伊吹に耳打ちされた、とある話。
だがそれを熟考する間もなく、黄泉崎邸へと到着してしまった。
本部を出た時点で既に薄暗くなっていた周囲の景色は、もうすっかり夜の蝶を降ろしている。
そんな閑静な住宅街は、しかし家々の灯りと街灯が、宗と結依が歩く道を照らしていた。黄泉崎邸も例外でなく、家の中から灯りが漏れている。

(…ん?)

宗は違和感を覚えた。
どうして今この家の住人が玄関前にいるのに、家中の明かりがついているのか。
家を出るときに消し忘れたのかとも思ったが、家を出たのは登校時であり朝のことなので、家の中の電気はつけていないはずである。

(まさか空き巣ー)

さっと血の気の引いた宗とは対照的に、先ほどまで深刻な雰囲気を醸し出していた結依が、声色に明るさを取り戻して言う。

「あれ?第1位と霧雨がいる!」

「…どこに?」

「どこにって、あそこだよ。宗君の家のリビング。」

そう言って伸ばされた結依の指の示すところを見ると、明かりの中に二つの人影があった。
どうやらテレビを見ながら談笑しているようだ。
宗はそれを確認すると、玄関の扉をバン!と勢いよく開き、大股でリビングへ。
そこには、寝巻きに着替えた霧雨と、白いシャツにジーンズ姿の天堂沙月が、正座してご飯を食べていた。

「あ、おかえりなさい宗君」

「おかえりー♪」

まるでここにいるのが当然だと言わんばかりの口調で迎えの挨拶をしてくる上位ハンター二人。
その挨拶を沈黙で返し、キッチンへと向かう。
どういうわけだか、今朝と同じ場所にハリセンがあったのでそれを掴み、

「なにしてんだお前らはああああああああああ!!!!」

スパスパーン!と。
朝の結依に続く、二度目の説教タイムが始まった。
宗が同居人が増えることを知るのは、この直後のことであった。


✳︎


暗い、倉庫のような場所。
そこに、二人の青年がいた。

「ーで、お前は御桜高校で黄泉崎宗を攫おうとしたが失敗した、と。」

「…まさか、現第1位と第2位が出てくるとは思わなかったわけよ。」

「ふむ、だがあの二人のハンターの戦闘データが取れたのは好都合だったな。」

「ああ、その通りだな元第1位様。」

「…」

一瞬、二人の間に沈黙が降りたが、赤髪の青年ー赤見明鏡は、ニヤニヤしながらさらに言葉を紡ぐ。

「しっかし、今回はお前さんの妹も参戦するとあっちゃあ、多少はやりにくいとか思うわけ?」

ああ、と眼鏡の位置を中指で直しつつ、元序列第1位であり、結依の実兄である夜神奈雲は、しかし表情を変えずにこう言い放った。

「だが、平和ボケしたこの町に毒された愚妹には、今のオレは止められんさ」と。

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