複雑・ファジー小説

眠れない日々
日時: 2015/12/23 19:26
名前: 不死鳥 (ID: JD5DDSYn)
参照: SS集

眠れない日々が続く――――


    ◇


-目次-

1話【彼の所為よ-with-神崎翔太】
>>1

Page:1



Re: 眠れない日々 ( No.1 )
日時: 2015/12/23 19:58
名前: 不死鳥 (ID: JD5DDSYn)

 プルルル、プルルル――――

「わっ、ビックリした……」
 雪の降る冬。突然、机の上にあった私の携帯が震えた。
 この夜中に、一体誰だろう。
 そもそも相手は、今が何時か分かってるのか。ベッド横の時計は、しっかり午前2時を示している。
 こんな時間に電話なんて非常識だ。迷惑も良いところ。
「しょうがないわね」
 携帯を手に取る。ディスプレイに映し出された番号には見覚えがあった。
 この時点であまり出たくなかったけど、無視するのも酷いかと思って渋々コールボタンを押す。
「よう」
「よう、じゃないわよ。今何時だと思ってるの?」
「わりぃわりぃ、ちと話があってな」
 かけてきた相手は神崎翔太。ひとことで言うと変態。
 自分が惚れたと思い込んだが最後、常にその女を追い掛け回しては直球で告白するという、彼はとんでもない人だ。
 私も一時期すごい熱烈な告白をされたけど、初対面でいきなりなのもどうかと思って断って以来、今こうして電話してきたり会う度に笑顔を向けてきたりと、しつこく追い回されている。
「こんな時間に、よりにもよってアンタなんて……よっぽど重要な用事なんでしょうね?」
「当たり前さ、俺はいつだって真剣だからな!」
 深夜特有のハイテンションに至っているのか、やけに甲高い声が私の耳を劈く。思わず受話器を遠ざけた。
「どうだか。この前だって、大事な話があるとか言っておきながら何の前触れも無しに私の胸触ってきたじゃない」
「そりゃ好きだからさ! 好きな人のおっぱいを揉んで何が悪い!」
「悪いに決まってるわよ!」
 ――というよりも、まず声高に言えることじゃないだろう。
「はぁ……普通、まずは許可取るでしょ。無遠慮な男は童貞のまま死ぬわよ」
「大丈夫さ。童貞なら君で卒業する!」
「ふざけないで。っていうか、私以外にもやってないでしょうね?」
「お? 嫉妬か?」
「殺すわよ」
「おぉ、怖い怖い……」
 私だから許したけど、他の人だったら警察沙汰になりかねない。
「ま、やってないぜ」
「本当に?」
「ほんとだ! 今俺が好きなのは、君――杉浦暁美だからな」
「ふうん……」
 良くも悪くも神埼は一途だ。思い込んだら真っ直ぐなところも普段からだし、そこは評価できる。
 ただ、その真っ直ぐになる対象がコロコロ転がるのは評価できない。
 もし何も知らない純粋な子がターゲットにされたらと思うと、その子がすごく可哀想になる。
「――で、用事って何よ」
「今度デートに行こう」
 くだらなかった。
「切っていいかしら?」
「真面目に話してるのに……」
「アンタの言ってることなんて信用できないわ。これ以上起きてたら肌に悪いし、寝るわね」
「ちょっと――」
 神埼が何かを言う前に、私は通話終了のボタンを押す。
 そして立て続けに電話がかかってきても良いように、サイレンとマナーモードにしてから私は就寝についた。

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