複雑・ファジー小説

Android Anima
日時: 2015/05/31 12:33
名前: 凡 ◆IBmmrNHoC.

昨今の世界情勢は実に嘆かわしい。
完全なる人型アンドロイドが発明、普及されてからは、古き良きという言葉を完全に忘れ去ってしまった。
だが悲しいかな、嘗てのあるべき姿を取り戻そうと動く我らもまた、ロボットなどという醜い人形に頼っている。
それほどにまで、近代技術が世間に与えた影響力は大きい。ただでさえ異形の怪物"ダーカ"が世を蔓延っているというのに。
しかし我らの理想に、呉越同舟などという言葉は無い。理想の実現には、同志達の力だけが在るべきなのだ。

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Re: Android Anima ( No.1 )
日時: 2015/05/31 13:25
名前: 凡 ◆IBmmrNHoC.

「アセラス、状況は?」
「大凡2000体の小型ダーカが本部に接近中。現在の人員では、迎撃は不可能かと思われます」

 ダーカ討伐部隊本部"ラグナロク"は混乱していた。
 ある日突然地球上に発生した、敵性生命体"ダーカ"の群れに襲撃を受けているのだ。
 監視塔から見渡す限り、地表や空中を黒い魔物が蔓延っている。
 防衛部隊が現在防衛に当たっているが、発生するダーカにはまるで限が無く、落とされるのも時間の問題である。

「何か決め手は……」

 普段は冷静沈着な、全部隊統括総長の"エレナ・アルセイン"
 彼女でさえ焦燥の色が窺えており、状況の危機感を露に醸し出している。
 落ち着けと諭す部下達の言葉も届いていないのか、必死に頭を回転させていた。

「総長、弾幕が張れません! 全ての弾を切らせてしまいました!」
「――くそ、討伐部隊は?」
「エルガイア、レイヴンズ、スレイプニル、全て出動しています」
「わかった」

 エレナは通信機を引っ手繰り、緊急連絡用のボタンを押し、ダーカの討伐に出ている部隊に連絡を回した。

「エルガイア、レイヴンズ、スレイプニル。こちらラグナロク、応答せよ!」
『こちらエルガイア。どうした?』
『あいよ、レイヴンズだ……』
『スレイプニルでーす! どったんー?』

 壮年の男性の声、無気力な青年の声、元気のある少女の声と応答が続く。
 それぞれ各部隊の隊長を務める者達で、部隊員を含め精鋭といえるだけの戦闘力を有している。
 特に、隊長に抜粋された者達の実力は本物だ。

「本部が襲撃を受けている。直ちに本部に帰還し、防衛任務に当たれ」
『――ふぇ?』
『めんどくせぇ……っつーか、何で』
『やれやれ、老体に鞭打つねぇ君は……』
「緊急事態なんだ、いいからとにかく戻って来い!」
『っつってもエレナさん、今無理っぽいぜ』
「?」

 レイヴンズを率いる、無気力な青年"アルフォンス・マクラウド"が言う。

『討伐任務は終了した――だけどよ、どうやら状況がマズイみたいなんだ』
「マズイ? どういうことだ――」
『ダーカが大量発生して、俺たちの護送車が孤立した。これでは帰還が不可能だ』
『そーそー。なんかあたし達もさ、ちょっと苦しいんだよ』

 エルガイア率いる"クラウド・ソラス"
 スレイプニル率いる"ミナ"が、続いて答える。

『連絡取り合ってみりゃこのザマだ……悪いが、ある程度ダーカの数を減らさねぇと帰還できねぇ』
「――分かった」

 アルフォンスの声を最後に、連絡は途絶えた。
 通信機を机に叩きつけ、向ける矛先も無い怒りを押さえ込もうとするエレナ。
 ――すると。

「総長、あれを起動させますか?」

 参謀役の部下が、冷静に告げた。
 聞くなり、エレナの顔色が変わっていく。

「あれって――まさか」
「ここが落とされるよりはマシでしょう。プロトタイプのアンドロイドなら、まだ残っています」
「ちっ、止むを得んか――わかった、許可する。Type-ADEX=00を起動させろ」
「了解」

 Type-ADEX=00――対ダーカの為に開発された、人型戦闘特化アンドロイドのプロトタイプである。
 ロボットにして感情や性格をプログラムされ、最新の細胞学を駆使して出来た限りなく人に近い肉体。
 それらを併せ持つ機械が、Type-ADEX=00――通称"ルナ"だ。

「――ボクをお呼びかい?」

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