複雑・ファジー小説

陰陽学院〜外伝・京より永久に
日時: 2015/06/10 22:30
名前: 時藤  

鬱蒼と木々が生い茂り人も足を踏み入れる事もない場所で
白袴、白衣、浄衣(じょうえ)、烏帽子(えぼし)、浅沓を着装した若者により古めかしい何か謂われがあると思わしき祠の前にて粛々と何らかの祭儀が斎行されている。

諸の枉事(まがごと)罪穢(つみけがれ)を祓賜(はらひたま)へ清(きよ)め賜(はらひたま)へと申(まを)す事(こと)の由(よし)を
天津神(あまつかみ)国津神(くにつかみ)八百万の神等共に
天の斑駒(ふちこま)の耳振立て、聞食(きこしめ)せと。恐み恐み白す

流れるように紡がれる祓詞(はらいことば)を聞くモノはこの場には居ない
祓詞の奏上の後に若者は懐から五色の紙片を取り出し
左、右、左と祓いが行われる。

一連の所作を終えて辺りを見回すと
心なしか以前よりも辺りの氣が清いものへと変わっているようであった。









別の駄文が完成していないにもかかわらずに再び駄文を書かせていただきます
時藤という者です
ネタが陰陽モノばかりではありますが、宜しくお願いします。
※駄文につき閲覧注意。また、荒らし行為はお控え下さい。

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Re: 陰陽学院〜外伝・京より永久に ( No.18 )
日時: 2015/06/22 22:34
名前: 時藤  

若者の指示により伝送は立ち上がり
中年男と相対する

「オン・インドラヤ・ソワカ!」

中年男が真言を唱えると伝送に雷光が直撃するも
伝送は全くの無傷であり
歩みは遅いが一歩また一歩と中年男に迫る
後ずさりながらも中年男は短刀を構え矢継ぎ早に同じ真言を唱える
幾度かの雷光が伝送を襲ったが相変わらず傷一つ付けることは出来ていなかった。
遂には壁際まで追い込まれ中年男は冷や汗を垂らしながら
へたり込んでしまう。

「もう終わりですか?・・・それでは伝送縛りあげちゃって。」

指示を受け伝送は中年男の胸倉を片手で掴み、軽々と立たせ壁に押し付ける
すると壁からヒュルヒュルと荒縄がどこからともなく出現し中年男の両手両足を縛りあげ身動きのとれない状態にしてしまう。

Re: 陰陽学院〜外伝・京より永久に ( No.19 )
日時: 2015/06/23 07:32
名前: 時藤  

「殺すのか・・・・。」

中年男の顔には恐怖の色が浮かんでいた。

「殺しはしませんよ、私を呪詛しろと命じた人間を教えてほしいだけですから。しかし・・・・・アナタが口を割らないのであれば、少々、身体を痛めつける事にはなるでしょうね・・・・・その伝送が。」

伝送はいつの間にか手に斧を持ち
心なしかそのミイラのように乾燥している不気味な顔が微笑を湛えているようである。

「わかった!話すから助けてくれ!!頼む!」

中年男は観念したようで拘束されたままの状態でペラペラと詳細を語りだした
・・ちぇ・・・・・少し痛めつけようと思ったのに残念だ、等と考えながらも中年男の話に耳を傾ける。

事の始まりは三日間前、自称祈祷太夫のこの男、名前は山田太郎・・・・・ってこれ本名なの、地味な名前。
山田の元に白一色で統一された着流しに羽織り姿の品のよい若い男が訪ねて来たそうだ。
その男の依頼は私こと土御門在夏の呪殺であり、謝礼として依頼主が提示した金額が百萬だった為に山田は金に目がくらみ喜び勇んで引き受け、私に向かってガチムチで使えない式を打ち始末しようとしたのだという、全く舐められたものである。

Re: 陰陽学院〜外伝・京より永久に ( No.20 )
日時: 2015/06/24 23:12
名前: 時藤  

「それで、依頼主の名前は?」

「そっ・・・それがその男は名前を名乗らなかったので・・・。」

「名前すら名乗らない相手の依頼を受けたのですか?信じられない・・。」

「前金で五拾万貰ったんで、つい・・・あっ!そう言えば、アンタの羽織りに入ってるのと同じ揚羽蝶の家紋が羽織に入っていた。」

「私と同じ揚羽蝶の家紋?それはこの揚羽蝶と全く同じだったのですか?」

在夏は羽織を脱ぎ、拘束されている山田の目の前に羽織を持っていく。

「あっ・・いゃ、蝶の胴体の所だけが違うな、確か胴体には二本線が入っていた。」

「そうですか・・・・・胴体が違いましたか・・・・・。」
わかりましたご協力に感謝します。

「伝送!拘束を解きなさい。」

「ウッキー」

いつの間にか申の姿に戻ったのか伝送は一度サルの鳴き声をあげると荒縄の一部にその獣の手を触れる
すると荒縄はまるで最初から無かったかのように消え去り
山田は拘束を解かれ在夏に向かって土下座してひたすら謝罪を繰り返すのであった。

(さて、依頼主に見当もつきましたし、パンケーキでも食べに行きますか。)

そう思って山田のもとから去ろうとした時である
手元の携帯から着信音が鳴り響く
確認すると
「安倍在藤(あべ あきふじ)」
と表情されている。
(また、厄介事ですか・・・勘弁してほしいですね。)

Re: 陰陽学院〜外伝・京より永久に ( No.21 )
日時: 2015/08/12 00:45
名前: 時藤  

安倍在藤、現陰陽寮にて権天文博士の役職を有し
陰陽頭(おんみょうのかみ)である土御門家の分家に当たる安倍家の当主であるこの人物は土御門家では日陰者である
私に好意的に接してくれる
数少ない人物である。
但し、個人的に依頼された厄介事を押し付けてくる迷惑な人物でもあるのである。
「はい。在夏ですが、何か御用ですか?」

電話に出ると用件は案の定厄介事であった。
在藤によると三日程前から稲荷山の方に正体不明の何かが出没し、近隣住民に悪影響が出ているのだと言う。
内心では陰陽寮から暇な陰陽師でも派遣して対処すればすむ話しだとは思いながらもいつも通り上手く口車に乗せられてしまい
結果的に対応させられる事となってしまう。

「では近日中に対処させてもらいますよ。」

通話を終えると直ぐにとある人物にメールを送る

件名 仕事
:安倍の叔父さんから仕事の依頼を受けた、だが私は他の用事があるため、君に対処してもらいたい。勿論報酬はいつも通り口座に振り込んでおくから、頼んだよ。
追伸、簡単な除霊?らしい場所は京都、伏見。

白井左京(しらいさきょう)
もう六年は会っていない友人は最初は陰陽寮所属の優秀な陰陽師だったのだが、とある事情により職を辞し、個人で祓いを行う拝み屋のような事をしており
時折こうして面倒な案件を代わりに片付けて貰っている頼れる人物なのである。

Re: 陰陽学院〜外伝・京より永久に ( No.22 )
日時: 2015/08/12 01:20
名前: 時藤  

「♪♪♪」

数分後メールを知らせる着信音が鳴り響く

「了解」

内容はそれだけの単純明快なものであった。

その内容の簡素さに友人の顔を思い浮かべ、つい笑みがこぼれる。



翌日
京都府伏見区某所

―この辺りに来るのも久しぶりだな、前に訪れたのは学生の時の仮殿遷座祭の時だっただろうか
あの頃からするとこの辺りも少しは風景が変わったようだ
社を有する山の周りには少しばかりではあるが以前と比べて商店等が増えているようであった。

―この辺りに来るのも久しぶりだな、前に訪れたのは学生の時の仮殿遷座祭(かりでんせんざさい)の時だっただろうか
あの頃からするとこの辺りも少しは風景が変わったようだ
社を有する山の周りには少しばかりではあるが以前と比べて商店等が増えているようであった。
しかしまさか、ここで除霊なんてものをさせるとは夢にも思わなかったな

ふと、そんな事を考えながら白一色で統一された着流し姿に朱色の二つ柏の紋の入った同じく純白の羽織りを纏った
若者は社へと続く長い参道をゆっくりと登っていく。

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