複雑・ファジー小説

410
日時: 2015/08/04 23:58
名前: For Hundred

410




エラーコード410 Gone


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幽霊って怖いんです。

お化けって嫌いなんです。



某「輪」とか「You got a mail」とか、
本当に無理なんです。
寝れなくなるからCM流さないで。


だからこそ、
幽霊、倒せたらいいなって。

思って書きます。



でも、そんな今が怖かったり。

書きながらビビってたり。




頑張ります。
どうぞよろしくお願いします。


コメント、アドバイス、その他なんでも、
くださるととてもうれしいです。




For Hundred

Page:1 2



Re: 410 ( No.6 )
日時: 2015/08/04 07:21
名前: For Hundred  ◆a1QYnIahk.

004 来客



頭を使って生き延びるとは言って、
「奴」に対する情報があんまりにも少なすぎる。

とりあえず今分かっているのは…、


まず、「奴」は通説と違って明かりに弱いわけではないということ。

あの日「奴」の出てきた部屋が煌々としていたことからそれは明らか。

だから、「奴」を避けようとして、
電気を最大限につけようが意味がないということ。


さらに、「奴」は念力のようなものが使える。

その念力ではさみを動かして僕を殺そうとしてきた、
そう考えて何も間違いはなさそうだ。


しかし、そう考えると一つだけ疑問がある。

「奴」は、直接人間を殺すことはできないのだろうか。


はさみを飛ばしてきたんだ、「奴」は僕を殺そうとしていたのは確か。

だが、わざわざ幽霊ともある物がはさみを使って殺そうとするだろうか。

僕の幽霊のイメージ通りなら、
見つめるだけで首が回って取れたりしそうなものだが、

どうも、そうではないらしい。


恐らく「奴」は、
何か道具を使ってしか僕を殺せない。


ならば、家を…


「ちょっとーーーー。」


声。


どうも、来客がいたようだ。



「さすがに酷くない。そこまで考え事するかね。
  自殺しようとして失敗したから、どう言い訳しようかー、なんて、そんなとこ?」


にやっと笑って、不謹慎な事を言う。

もし状況が普通だったら、
殺人罪にでもなりかねない発言だ。


「お前さ、すごいこと言うよね。」


「お互い様だろ、お前さ、すごいことするよね。
  あ、すごい面白いことね。」


こいつは鈴木。

猫みたいな顔で、女子に大人気のくそ野郎。
小学校からの付き合いだ。

昔は親友だったが、いや、今はなんというか、
こいつとの関係は独特すぎていらいらする。

でも、俺の信頼している数少ない人間の一人だ。


「俺にだったら何言ってもいいと思ったら大間違いだぞ。」


「いやいやいや、窓に向かって横っ飛びした奴に言っちゃだめな事って何なわけ。
 お前の彼女が好きだ、とか。そのくらいだろ。」


「なめるなよ。」


「逃げたねー、たなかくーん」



今こいつにかかわってる時間はない。

いつまた「奴」が現れるとも知れないんだ。
その時までに対策を立てないと。


俺はもう二度とこいつと会うこともできなくなる。



いや、待てよ。



こいつと、一緒にいれば。



今この部屋にいるのは俺と鈴木、
それときょう退院するらしい隣のベッドの男性の3人。


このままでは
今夜はこの部屋にいるのは俺一人になってしまう。



しかし、もし、鈴木を引き留めることができたなら。


二人の時に「奴」は現れるだろうか。



こんなに前例のない話だ。

それはつまり、目撃者が極端に少ないということ。

それはそのまま、
「奴」は大勢の人に見られることを好まないということではないだろうか。


そもそも初めて見た僕をはさみで殺そうとするくらいだ。

そんな残虐な性質を持っているなら、
スクランブル交差点に車でも突っ込めばいい。

だが、そんな話は聞いたことがない。


ならばやはり、
「奴」は人に見られることを好まない。

情報を人間に知られることを恐れている。


そうなれば、
どちらかが逃げて情報を拡散するリスクがあるのに、
二人でいるところへのこのこ姿を現すはずはない。



…でもそうなれば。


「奴」は姿や殺害方法を知っている、かつ生きている人間は
真っ先に排除したいと思うに違いない。



僕は、やっぱりターゲットだ。




鈴木。

巻き込んで悪いけど。


力を貸してくれ。

Re: 410 ( No.7 )
日時: 2015/08/04 07:23
名前: For Hundred  ◆a1QYnIahk.

005 体裁




鈴木に力を貸してもらう以外、
今のところ「奴」を遠ざける手は思いつかない。


しかし、
正直に幽霊が怖いから傍にいてくれ、なんて言って、
こいつがここに留まるとも思えない。


と、すれば、何か策を練らないと。



「なあ鈴木。」


「はーい?」


「お前は、僕の友達だ。」


「一応俺たちの関係にそういう名前は付いてるのかな?」


「…、ならお前は友達である俺の面倒を見るのが筋。違うか?」


「違う。」


「なんでだよ。」


「友達だから、面倒を見る。じゃないからだよ。
  面倒を見たいと思うから友達なんだ。
   そして俺はそういう考えが出来ない奴を友達だと思わない、
    したがって俺はお前の面倒を見ない。」


「くそ野郎。」



一通りの会話が終わると、
鈴木はすっと椅子から立ち上がった。


「そろそろ帰るよ、面倒だから。」


「はいはい。治ったらお前の家の窓からお前を落とすからな。」


「ひぃーこわ。怨念を感じるわ。」


偶然なのか何なのか。こいつには時々本当にドキッとさせられる。



「じゃあね、おだいじにー。」


そういうと鈴木は引き戸から手を離した。

ドアが滑ってきて、鈴木の背中は壁の向こうに消えた。





いや、田中のやつ、意外と大けがしててびっくりした。

でもまあ、自分でやったことだし仕方ないか。

とは言って、いったい何で急に窓から飛んだりしたんだろうか。

しかもあの怪我の仕方を見ると、相当雑な飛び方だ、
いっそ自殺をしちゃえなんて思ったとは思えない。

なにか、なにかがあったのか。

なんて、面倒なやつの面倒は面倒だなあ。
おお我ながらうまい。


なんて、考えていると、ナース二人が横を走って行った。

俺が今来た方向に廊下をかけていく。


「田中…?」


さらに医師が走っていく。息をあげて。


急に不安になって、医師の後を追った、
いや、田中の病室へ戻った。




スライド式のドアを力いっぱい引く。

意外と重くて開きにくい。


開いた先には、さっきの医師とナースがいた。

…笑ってる?


「もうー。遠藤さーん。ちゃんとしてください。」

「すいません。寝てたら点滴の袋が落ちちゃってて…。」

「遠藤さんの寝相が悪いってことじゃないのー?」

団らん。なんだこれ。



その一つ奥のベッドで田中がにやにやと笑っている。

歩いていく途中でやつは話し出す。

「あっれー、鈴木くん。
  俺が心配になったわけ。友達の面倒を見ようと思ったわけ。
   仕方ない奴だなー。」


くそ。面倒なことになってきたー。


「いやー、ね、お医者さんが走ってくもんだから。
  また飛んだかなと思ってねー。」

「言うね。あ、すいません。
  こいつ、今日ここに泊まるそうです。」

田中が医師を呼んで言う。勝手に。

「あ、はい。ご自由にどうぞ。」

「ありがとうございます。」

勝手に俺の話が完結してしまった。


「ということで、よろしく。」

「だる。」


まあ、いいか。

田中の行動がいかれすぎてて気になるのも確かだし。

近くにいたら、何か面白いものが見れるかもしれない。

とりあえず今日は泊まるとするか。

こいつが寝てて俺が座ってるのは不愉快だけど。



Re: 410 ( No.8 )
日時: 2015/08/04 07:24
名前: For Hundred  ◆a1QYnIahk.

006 初日




まんまと鈴木がかかってくれて助かった。


鈴木は言葉にこそ棘があるが、
見舞いに来た時点で
俺のことを気にかけているに違いない。

それに、
俺の怪我の不自然さに、あいつが気づかないはずがない。
興味を持たないはずがない。

そこには確信があった。


だが、
それを直接言ってしまったんでは厚顔無恥。
一蹴されて終了だ。


だから、自分で気づかせる。

自分は田中の怪我が気になる。
あいつの傍にいるべきだと、あいつ自身に気付かせる。


一度提案を断らせておいて、
その後で今度は多少強引に押し切る。

これで落ちるはずだというのは分かっていた。


そのためには、
一度奴に部屋を出てもらう必要があった。

そして、
俺の怪我の不自然さに考えが回ったであろう頃合いを見計らって、
さらに一種不安ともいえるような関心を俺に向けさせる。


これには、
隣で点滴してる患者の点滴の袋を落として、
そのアラームをナースセンターに届けるだけで十分だ。

そうすれば、
自分が今歩いてきた方向に向かって、
異変に急ぐナースや医者が走っていくことになる。

これは、立派に不安を掻き立てる材料になるはずだ。



まあ、なにはともあれ成功だ。

今夜はゆっくり寝れる気がする。

鈴木が隣にいれば結構安心できる。






その日の夜は結局何も起こらなかった。

健闘したが、鈴木を二日連続で泊める事はできず、
奴は翌朝に早々に帰って行った。


Re: 410 ( No.9 )
日時: 2015/08/05 00:22
名前: For Hundred  ◆a1QYnIahk.

007 呪い



さて、今日こそは一人だ。

本格的に何か対策を考えないとまずい。



しかし、思うことが一つある。


「奴」は病院にも姿を見せるのだろうか。

人間に情報を知られることを恐れているだろう、
だから「奴」の攻撃から逃れて生きている俺を狙ってくるのは必須、
これは間違ってはいないだろう。


しかし「奴」はあの部屋以外に現れることができるのだろうか。


そもそも、それができるのならば、

二回から飛び降りたあと、
骨折して気を失っている俺のもとへ来て殺せばよかったはず。


だが俺は生きている。


「奴」はひょっとして、
俺の部屋、広く言えば俺の家にしか現れられない。

この可能性は極めて高い。


もしも今夜一人で寝ていても
「奴」が現れなかったら、
ほぼそうだと考えていいだろう。



でも。


来るかもしれないのに、
殺されるかもしれないのに、
ここにいることしかできないことが、

実験的な行動を取ることが最善策であることが、

どうにも不安でならなかった。







田中の家。

何年ぶりに来たんだろう。



道路に面した二階の部屋の窓が見事なまでに粉砕している。



やっぱり変だ。


もしも本当に田中が自殺しようとしたんだったら、
たぶん窓を突き破って死んだりはしないはずだもんなあ。

そんなアクティブな自殺ないよ。



となると、あいつは何かから逃げたのか。



田中が落ちた理由を語りたがらないのは、
自殺を隠したいからではなくて、
なにか他に隠さなければならない事があったからなのか。



んーー、のびーーーーー。



こうなったら!








誰かが、俺の部屋に単身突入してくれれば、
それで「奴」と相対してくれれば、
その上で生き延びてくれれば、
何か情報が得られるかもしれないけど、

まあそんなこと頼める相手はいるはずがない。


でも…


何かを取ってきてほしい、とでも言えば…。



なんて。

Re: 410 ( No.10 )
日時: 2015/08/12 06:19
名前: For Hundred  ◆a1QYnIahk.

010 鈴木





田中の家は二階建て。


あいつは一人でここに住んでる。


今は、一人で住んでる。



あいつは3年前に妻に捨てられた。


相当仲良かったように見えてたんだけどなあ。


突然別れたって言ってきた。


あいつの目はそれ以来一回も光ってない。





昔はもっといい奴だったんだけどなぁー。

ノリもよかったし、友達も多かった。



でも、彼女を愛してあいつは変わった。

昔の、本当の自分を全部殺してしまったみたいに。


誘っても誘っても乗っては来なかった。

仲良くしていた女友達は全員あいつと連絡がつかなくなった。

もともと頭もよかったから、
行く先々でいつも先回りされて、

あいつは一人になった。

いや、彼女と、二人になってた。



だからあいつが窓から落ちたと聞いたとき、
一番に自殺を疑った。






でも。





「あいつに何があったんだろう。」



田中の家のドアの前に立って一人、








不法侵入をするかしないかの境界で揺れた。





いやだってさ!

あいつ相当な大けがだし、絶対話す気ないし!




俺が支えなきゃ、あいつは一人だ。



孤独から救えるのは、もう、俺しかきっといない。






じゃあ、
一丁犯罪やりますか。








ガチャッ











ピッキングは得意だ。

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