複雑・ファジー小説

幕末池田屋事件
日時: 2016/08/15 22:10
名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)

はじめまして小鈴です。何もかもがはじめてです。

闇の中、一人の少女が灯りも持たず、走っている。ここは京の都の中。
少女の目指している場合は池田屋であった。懐に入っているのは兄からの「文」だった。息を切らしてただ、前のみをみて
「どうして」心の中でいだいた想いはただそれだけ。
ここはどこ?あたりを見回して乱れた息を整えて再び走りだす。その先に兄がいると信じて。


ここで終わりにします。
時代設定
幕末時代。主役。十六歳女の子
一応幕末志士。女の子の兄。
ストーリー
池田屋事件当日。

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Re: 幕末池田屋事件 ( No.18 )
日時: 2015/09/20 23:07
名前: 小鈴 (ID: jwGQAuxW)

佳梨は大切人を救うために今何が出来るか必死に考えながら走っている。それでも涙がこぼれていく。桂に腕をつかまれてひたすら前に向かい走っていた。
「あともう少しだ。頑張れ」
桂に励まされた。いつになく真剣な声に佳梨はこの男を見直した。息が乱れてくる。私がこのままいたら足手まといになる。
「桂様。先に行ってください。足を引っ張ってしまいます。ですから・・」
言葉をきりあらためて桂を見上げた。真っ直ぐに。
「ここに残ります。」
強く答える。明らかに戸惑いを感じた。きりと強い眼差しを向けられる。
「何を言っているんだ。」
「桂様。時間がないのです。皆を助けてください。」
と言いその場にしゃがみこむ。もう走れないと言った。桂は逡巡してから決意する。去っていった。後ろ姿を見送る。

Re: 幕末池田屋事件 ( No.19 )
日時: 2015/09/22 18:02
名前: 小鈴 (ID: jwGQAuxW)

その場にて佳梨はへたり込んでしばらくぼんやりしていた。頭を切り替えないといけない。このままここにいるわけにいかない。乱れた息を整えるとやるべきことは大切な人を助けたいということ。しばらくして立ち上がると決意を込めた目をしていた。『皆を助けたい』だから私は戻る。

再び走り出した。ようやく吉田稔麿と高崎一技と別れた場所に戻ってこられた。でも佳梨が目にしたのは
「い、いやああ」絶叫した。地面に血まみれで転がっていた吉田の姿だった。「どうして」小さく呟く。それでもそばに寄って
「稔麿様?ねぇおきて稔麿様」
うそだ。こんなの。稔麿様が死んだなんて。必死に体をゆする。ジワリと涙がにじんでくる。
「か、佳梨ちゃん」
小さいが声を聞いたばっと体をおこす。ぐちゃぐちゃの顔だった。
「生きていた」
「私はまだ死ねない。泣かないで・・・」
仰向けに転がったまま言葉をつむいでいく。佳梨はどうしたらいいのかわからず頭を持ち上げて自分の膝の上にのせた。手を動かして吉田は佳梨の涙をぬぐう。
「泣いたら・・前が見えなくな・・げほっ」
激しくせき込んで血を口から吐き出した。いけない。このままでは死んでしまう。ぼんやりしている場合ではない。泣いてなんていられない。
「か・佳梨ちゃん。げほ、げほ。佳梨ちゃん先生を・・」
「しゃべらないで。お願いだから」
「先生は・・・」
何かを伝えるようとしているとわかる。顔を口元に寄せた。向こうから
慌てて駆けつけて来る人たちを見た。長州藩邸の人たちだった。もう大丈夫だと判断した。そこに桂の姿を見つけた。
「兄様をさがします。」
ばっと立ち上がり走り出した。いつもの佳梨に戻った。桂の声を振り切って涙は手の甲でぬぐう。前を見た。強い眼差しだった。
桂は藩士を連れて佳梨の後を追いかけていく。
勝手なことばかりする娘だ。苛立ちが抑えきれない。次にあったら容赦しない。心の中で呟く。桂。
  
 びくっとした。『なに?』嫌な予感がする。おもわず後ろを見た。誰もいない。腕をさする。『?』前を見て走る。ひたすらに。

Re: 幕末池田屋事件 ( No.20 )
日時: 2015/09/23 18:54
名前: 小鈴 (ID: jwGQAuxW)

その頃。高崎一技は腹と左腕に刀で斬られ血を流しながら路地の影に息を殺していた。気をぬくと、崩れていきそうになる。
「まだだ。私はまだ死ねない。こんな所で・・・ごほっ。」
口からは血があふれる。それを地面に吐きだす。唇を手の甲でぬぐった。ぎりっと唇をかみしめて再び前方を睨む。
「まだ何も成しとげていない。」
想いとは別に息が乱れ体から力が抜けていく。意識が薄れてぼんやりしてきた。壁に片手をつき何とか立っていた。背中を預けてじわりっとにじむ血で手の平が汚れる。
「稔麿君。九一君。げんずいくん。しんさくくん・・」
はあ・・と息を吐きだす。
「ここで立ち止まれない・・とらじろう」
ずるりっと最後の力が抜けていく。その場に崩れて地面に座り込んでしまう。

向こうから走ってくる。あれはもう、力が入らない。
佳梨は兄を見つけて半乱狂になって側にやってきた。
「兄様。いやよ。死なないで、私を一人にしないで、置いていかないで」
泣きながら叫ぶ。その声に目を開けた。高崎は壁によりかかりながら体引き起こしてすがりついてくる妹の頭に手を伸ばしかけて着物で血をぬぐう。
動いた。たしかに。体をおこす。
「兄様?」
優しく頬をなでられた。さらりっと。

Re: 幕末池田屋事件 ( No.21 )
日時: 2015/09/24 20:44
名前: 小鈴 (ID: jwGQAuxW)

ここはとある場所。隠れ家だった。そこには大怪我で動くことが出来ない高崎一技が眠っていた。その横には丸くなった子猫のような娘がいた。こちらも眠っている。この二人を微笑ましそうにみている人たちがいた。久坂、入江、高杉、吉田だ。
「まさかあの大怪我で生きていようとは」
「稔麿。たいしたものだ」
「先生と佳梨も無事で良かった」
「佳梨ちゃん・・・よく寝てる」
皆が二人を見守っていた。
「先生たちよく寝ていますね。全然起きませんね」
「本当に君たちは無茶をする。」
穏やかな声をかけてくる桂はにこりと笑いかけてくる。
「うーん」と子猫のようにごろりと転がりまた兄の側に身をよせてすりすりしていた。
佳梨はゆっくりと目を開けていく。皆の無事な姿を確認すると泣きだしてしまう。
「無事?稔麿様も」
「はい。生きています。佳梨ちゃん。」
がばっと起き上がり飛びついていった。
腕と腹に怪我している稔麿は悲鳴をあげた。
それをみていた人たちは笑う。実に明るい声だった。


                        終わり。

Re: 幕末池田屋事件 ( No.22 )
日時: 2015/09/24 20:59
名前: 小鈴 (ID: jwGQAuxW)

この話はここまでで終わりです。読んでくださった皆様ありがとうございました。もしかしたら幕末時代の話をまた執筆するかもしれません。そのときはまたよろしくお願いします。
設定。
池田屋事件では吉田稔麿は死亡しています。話の中で生きていることにしました。新選組の話はあまりにも有名なので省きました。

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